ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

Restoration of TRIO TX-88A Multi-band Transmitter/トリオTX-88A送信機のレストレーション

(1998.4.1)+(1998.6.26)+, (2002.11.23)
HomePageHam/TX88A.html

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

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Contents/目次

Overview of TX-88A/TX88Aの概要

Get and State/入手と現状

Restoration Plan/修復の方針

Take Pictures/写真撮影

Reassemble and Clean-up -Remove CR Parts and Cables/CR類とケーブルの撤去と清掃

Restore Front Panel and Cabinet/パネルとキャビネットの修復

以下未完

Check Parts/部品チェック

Re-build/組立

Adjustment/調整

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Overview of TX-88A/TX88Aの概要

TX88Aは,1960年にトリオ(現ケンウッド)からキットで販売されたオールバンドの送信機です。時を同じくして受信機9R59も発売しています。TX88Aは1年前のTX88のマイナーチェンジ版というよりは,まったく新しく設計された別物でした。

中身は,高周波回路としては,水晶発振またはVFOを受けての第1周波数逓倍(マルチプライヤー)に6AQ5,第2逓倍または励振(ドライバー)アンプに同じく6AQ5,終段にUY-807という構成で,CW時には入力17.5W,出力10W,また変調器としてマイク・アンプとドライバーに12AX7,ドライバー・トランスを経て,プッシュプル出力に6BQ5x2という構成で,AM時には入力25W,出力10W,電源は整流管に5U4G,という仕様です。オール・バンドという用語は普通,3.5MHzから28MHzまでのHF帯を指していましたが,当時としては画期的なことに国内で人気の高いVHFの50MHzを含む6バンドでした。

電話級最大の10Wをフルに出せ,おまけに50MHzまで出れましたので,ペアの9R59(C)とともに一世を風靡し日本の標準機となりました。しかし,UY-807で50MHz専用なら大丈夫なのですが,オールバンドではロータリスイッチ周りの配線の引き回しが余分に必要なため,トラブル・メーカとなりました。

ちなみに春日無線(トリオ,現ケンウッド)は戦後の5球スーパ時代が到来した時にラジオ用IFTやコイルの販売から出発した戦後のメーカですが,1954年にハム用受信機キット9R42J(K)を発売,1955年には国内初の送信機キットTX-1(UY-807,10W,3.5/7MHz)を販売しています。1956年には9R42Jの5球スーパ版,6R-4も販売。1958年には9R42Jの完成機も発売,1959年にはTX-1よりも小型のTX88(3.5MHz/7MHzの2バンド,終段6AR5)も販売しました。

今日の視点で眺めてみると,C級アンプは能率の点では最も良いのですが,半面これを3段も重ねると高調波の漏洩は当たり前,しかもフィルタは終段のパイマッチ以外無く,周波数カウンタもスペクトル・アナライザも無い時代,初心者向けとしては最も難しい機械だったようです。

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Get and State/入手と現状

 1990年2月にCQ誌の交換欄を通じてTX88A/9R59の完動品を求め,奈良県大和郡山市のM氏からJR-60と供に入手。始めからオーバーホール,今で言うレストアをするつもりで求めましたが,完動品と指定したのは,トランスの断線や主要部品の故障を避けたかったからです。一応,21MHzでCW15Wという実績があるという話だけは聞けました。キット組立マニュアルは無理でしたが,完成品の取り扱い説明書はハム・ショップを通じて@1.5kで入手できました。伝統なのでしょうか,トリオ(現ケンウッド)は過去の製品の情報提供をしない八重洲に比べて親切です。

 


Restoration Plan/修復の方針

原型への復帰,これが大前提。

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Take Pictures/写真撮影

組立マニュアルが入手できないこともあり,配線を記録する意味で写真撮影を行いました。

Front View of TX-88A, before restration/解体前の正面パネル。

錆が出ている。メータ下のスライド・スイッチは改造されパネルに穴が空いている。シーメンス・キーは交換されている。

Back View of TX-88A, before restration/解体前の背面。

電話(A3)と電信(A1)は裏ののキャノン?・プラグで切り替える構造。もはや入手不可能。昔大量に捨てた記憶がある。磨いて使うしかない。受信機の送受信制御(STAND-BY)はアンテナ信号の切断とコンバータ部の+B電源の切断で行う。これをTX88Aの内部のリレーで制御する。VFOと受信機のリモート信号はAC100V用の2Pソケットを利用している。アンテナの受信機への接続は陸軍端子が使われており,シールドという概念がない。

Back View of TX-88A chassis, before restration/解体前のシャーシ裏。

内部も錆が出ている。バリコンは緑錆が少し出ている。パネルを飾るメータはネジが2本欠けている。メータも実は錆で断線していた。

Top View of TX-88A chassis, before restration/シャーシの上面

SSB時代と比べればおおらかであるが,結構余裕の無い配置になっている。清掃のためには分解した方が良い。

Bottom of the cabinet, before restration/キャビネット底面。

Inside view of the chassis, before restration/解体前のシャーシ内部

配線は当時としては標準だろうが,綺麗に直したいという衝動にかられる。ロータリースイッチ廻りの配線はどうしても長くなってしまう。

Oscilation Part -6AQ5 (right) and Drive stage -6AQ5 (left), before restration/発振段とドライブ段。

メータにシールド・ケースを被せる改造記事を目にしたことがあるが,やはりなー。発振管が近接している。ドライブ段も丸裸。

Final stage -UY-807, before restration/終段のUY-807

UY-807は袴をはかせるのが当時の常識。プレート・キャップのパラ止めは遠いところにある。

Close-up of Final Stage, before restration/終段のクローズ・アップ。

20W出る割にタンクコイルは小さい。UY-807のシールドで渦損失があるのでは?


Reassemble and Clean-up -Remove CR-Parts and Cables/解体と清掃

Original Chassis/オリジナルシャーシ。

完全に分解し,シャーシは丸裸。風呂場で丸洗いし,乾燥。スライド・スイッチ(新品)だけを取り付けたところ。

Removed All Parts/取り外した部品の全て。

Removed Parts -Variable Capacitor, Coil, Rotary Switchs, and Relay/取り外したバリコン,コイル,ロータリ・スイッチとリレー。

バリコンの錆は少しは削りました。接点復活材も使いました。

Removed Transfommers- Drive and Output Power Transformer of Moduration Amplifier, choke and Power Transformer/取り外したトランス。変調用ドライブ,変調出力,電源チョーク,電源トランス。

Screws, Lags, Switchs, Sockets, Nobs and Chaft, and so on/ネジ類とラグ,スイッチ,ソケット,ツマミ,シャフトなど。

特にネジ類は台紙にテープで張り付け,取り付け場所をメモ。

CR Parts/CRパーツ。

オイルコンデンサ,ケミコンは無条件で交換。VRも交換。セラミック・コンデンサ,L型抵抗は信頼性が高いのですが,一応交換することにしました。マイカ・コンデンサだけは代替品がありません。

New CR Parts for Replacement/新しい交換用のCRパーツ。

オイル・コンデンサは別の容量チェック済みのものを使ったのですが,後から漏洩電流の点で不合格だったことが判明しました。フィルム・コンデンサにすべきでしょう。


Restore Front Panel and Cabinet/パネルとキャビネットの修復

Restored Panel/補修後のパネル。

メータの切り替えスイッチ用に丸穴が開けられていました。オリジナルのスライド・スイッチに戻すべく,パテで縁を補修し,後でペイントしました。

Repaintting of the Cabinet/塗装中のキャビネット

キャビネットは洗浄後,スプレーしました。色は同じ灰色系ですがオリジナルと異なり,やや明るいようです。スプレー缶では自分で調整できないのが欠点。

To be Continued/つづく

以下,未完である。

Check Parts/部品チェック

Re-build/組立

Adjustment/調整

TX-88Aの修復は,一部の調整を残したまま完了していますが,つづきはなかなか書けません。全波受信機JR-60と比較すると,このTX-88Aの記事は全く不評のようで,読者からの反響が全くありません。今の時代,実用性に乏しいからでしょうか。いっそうのこと,Hi-Fiアンプかラジオに改造すると読者からは喜ばれるかもしれません。しかし,当初の目的は完全なレストレーションであり,改造は以ての外です。実は,手元にはTX-88Aの抜け殻,高周波部品を無くしたジャンクがもう一台あります。これだったら,Hi-Fiアンプかラジオに改造しても罰が当たらないと思い,密かに構想を練っています。おっと,うっかりしゃべってしまった。

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