ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

4. Post War-Time Radios/終戦時のラジオ

Post War-Time Radios - Public type /終戦時のラジオ -国民型

Short Wave Super/短波付スーパー

33: Public type Namiyon
33B: Public type Koichi
33C: Public type Transformer-less
4SW: All wave ST Five Super

Post War-Time Radios -Super/終戦時のラジオ-スーパー

Short Wave/短波付

4: ST Five Supe
44ST: ST Five Super(0) Transformer-less
44GT-1: Japanese GT Five Super
44GT-2: All wave Japanese GT Five Super

Page 44_ST. ST Transformer-less Five Tube Super Radios (1947-1953) /ST管トランスレス5球スーパラジオ

1st ed. (2000.6.3)+(2000.7.17)+(2000.7.19), 2nd ed. (2001.1.4)+(2001.5.6)+(2001.5.17)+(2001.5.23)+(2001.6.3)+(2001.6.14)+(2001.7.28)+(2002.3.2)+(2004.4.13), 3rd ed. (2006.7.13)-(2010.5.3)

HomePageRadio/Radio_P44_ST.html

Part 1 ST Transformer-less Radio/STトランスレスラジオ

Part 2 ST Transformer-less Tube Radio/STトランスレス管ラジオ

J(159) Toshiba Home-Super Z1056 in 1948/東芝ホームスーパーZ1056, ('02.3.2)

DE(176) Sharp 5R-50 in 1949?/早川電機工業シャープ 5R-50, ('02.10.20), ['0312.13]

J(104) Toshiba Home-Super Z1056B in 1948/東芝ホームスーパーZ1056B, ('99.10.31)

Not Yet

DE(192=176) Sharp 5R-50 in 1949?(Part2)/早川電機工業シャープ 5R-50(その2), ('04.4.13), [ '04.47.25]

J(145=104) Toshiba Home-Super Z1056B in 1949 Part 2/東芝ホームスーパーZ1056B 2台目, ('01.5.2)


Part 1 ST Transformer-less Radio/ST管トランスレス


J(159) Toshiba Home-Super Z1056 in 1948/東芝ホームスーパーZ1056
('02.3.2)

Toshiba Home-Super Z1056 in 1949. Japan original ST transformerless tubes (175 mA series), 12W-C5, 36Z-K12, 12Y-V1A, 12Z-DH3A and 12Z-P1A were used.

東芝ホームスーパZ1056。ついに発見,元祖トランスレス5球スーパ。1948年製。

残念なことに球が抜かれていたが,それでも歴史の生き証人として貴重なラジオ。作りは木製にして実にコンパクト。米国風にバックパネルを利用したループアンテナを装備。斬新なデザイン。どうして,改良型が平凡なデザインに変わってしまったのかと不思議に思うが,しかし,よっぽど,馴染みのない構造だったのだろう。解説にはネジ2本で真空管が取り替えられると書いて有るが,常識的にはツマミを取り去り箱の底ネジ3本を外してシャーシを引き出さないと,球が抜けない構造のように思えてしまう。構造も複雑だがら,次世代には平凡なものにしたのだろう。箱が小さく,スピーカも小さかったので,当時の人間には音もきっと馴染みが無く良くなかったに違いない。

ツマミ2個は紛失している。真空管を抜く際にツマミ,シャーシネジを取り去り,そのまま放置されたものだろう。

Back Panel/裏板。裏板は右端が折れて無くなっている。裏板はループアンテナの基板を兼ねている。下部のネジ2個でL型金具を通じてシャーシに繋がっている。周囲に隙間があるのは放熱。 鳩目が8箇所。下面,アンテナ端子は3P,A1,A2,E。絆創膏を被っているがヒューズ端子が2個ある。右はACコードの穴。シャーシ取り付けネジ4本は全て紛失し,がたがたである。

裏板のループアンテナ。側面から見た図。ベルトで4隅から吊り下げられている。

Dial/マツダ・ラジオ。周波数は550-1500 kc, ダイヤル面の上にStandard Broadcastという文字(写真の範囲外), 下に書いてある文字はMATSUADA RADIO, Tokyo Shibaura Electric Co., Ltd.

キャビネット内部右側面に貼り紙。真空管配置図。12W-C5, 36Z-K12, 12Y-V1A, 12Z-DH3A, 12Z-P1A

5球中波受信機,型番号ZS-1056, 周波数550-1500kC, 感度階級 微電界級,定格出力 300mW, 電源電圧 80-100V, 50-60C/S, 消費電力 30VA, 製造年月日, xxxx, 東京芝浦電気株式会社

Inside view/内部の様子。Tube Sockets for Japan original ST transformerless tubes (175 mA series), from left, 12W-C5, 36Z-K12, 12Y-V1A, 12Z-DH3A and 12Z-P1A. スピーカは小さい。大きな出力トランスが上に乗っている。

IFTは丸形が1個見えるが,その左にシャーシ上に茶色の丸が見えるのが2段目のIFT。裏板にはループアンテナが見える。ループ・アンテナが同調回路(アンテナコイル兼同調コイル)を形成している。

正面から見る。スピーカのバッフル板の木工は凝っている。音声Volumeの穴や取り付け穴が加工されている。

シャーシ裏。IFT2段目が見える。下側には調整ネジは無く単同調式である。スピーカ・バッフル板は浮かせて取り付けられる。右上,発振コイルはコア入りである。

ELNAのケミコン, 6415というのが容量であり,型番である。Volumeはスイッチ付き。

バリコンの下にアンテナ回路用トリマ・コンデンサ。また,発振コイルのコア用ネジが見える。バリコンのシャフトは小型のプーリーにつながり,糸がかけられている。下にドライブ・シャフト。

キャビネット内面。補強材はしばらく後継機種に受け継がれた。


J(104) Toshiba Home-Super Z1056B/東芝ホームスーパーZ1056B in 1949?, ('99.10.31)

東芝の戦後のST管トランスレス5球スーパ。東芝は「ホームスーパー」と銘々して販売していたラジオです。STレス5球スーパは当時の雑誌や後世の資料に良く紹介された非常に有名なラジオですが,実際に物を見た人はほとんどいません。稀代希なる希少品ですが,偶然にもインターネット上で奈良のコレクターが売りに出していたもの発見し即入手したものです。Yahooオークションが始まる前でしたので競争相手は現れませんでしたが,少々高価でした。99.10.31。このZS-1056Bというモデルは実は有名なレスSTスーパーZS-1056の後継機で兄貴分とともに比較的短時間のうちに製造は打ち切られました。ST版の他に短波付きのオールウエーブ高級型のGT版(ZS-1007)も販売されましたが,こちらの方はまだお目にかかれません。

正面。左のツマミはオリジナルでない。ニス塗りしてあるようだ。このラジオは小型ですが,みかけよりも重くまるでトランス付きのようです。スピーカが重いのです。そのために古くキャビネットの糊が剥がれやすくなっていたのですが,輸送中の振動で重いスピーカをマウントしていた正面パネルが脱落してしまいました。

裏面。ケミコンは後から付け足したような配置。サブシャーシに乗っている。シャーシ上に穴が2つあるがスピーカと干渉する。真空管は左よりFUTABA 12W-C5, ナルタンK2, マツダ12Y-V1A, マツダ12Z-DH3A, FUTABA 12Z-P1。すなわち,175mA系の整流管36Z-K12,出力管12Z-P1Aは失われ,代替に150mA系の24Z-K212Z-P1が使われている。回路図はキャビネット内に貼ってあったが,うまく剥がしてスキャナーに取り込んだ。

裏板。貼り紙に型番ZS-1056B。Ser.CD-172404に読める。青のペン書き。

シャーシ表

シャーシ裏

シャーシの上

シャーシの下

スピーカ

ケミコン

Cir1。側板内側の貼り紙。

Cir2。貼り紙を剥がし回路図をスキャナーで取り込んだ。

Loc1。貼り紙にあった配置図。

キャビネットが分解してしまったので,修復した。

F1。キャビネットの天板,側板,底板の枠。所々三角サンが取れている。

F2。底板と側板の組合わせ。F3。天板と側板の組。

L1。底板の足がずれている。側板はずれている。

L2。正規の位置に直す。側板のずれは直らない。

P1。正面パネル裏。

P2。正面パネルは細板の組み合わせでできている。縦板と横板の組に注目。

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J(145) Toshiba Home-Super Z1056B Part2/東芝ホームスーパーZ1056B 2台目
, ('01.5.2)

Toshiba Home-Super Z1056B in 1949, 2nd collection. Japan original ST transformerless tubes (175 mA series), 12W-C5, 36Z-K12, 12Y-V1A, 12Z-DH3A and 12Z-P1A were used.

東芝ホームスーパZ1056Bの2台目のコレクション。2001年4月にyahooオークションで発見し入手しました。1台目に比べてキャビネットの糊は剥がれてなく,内部の部品も良く保存されています。こちらの方が製造年代はやや古いようです。1949年製と思える。

Fig.145(a) Front view/正面。キャビネットは保存されており,ツマミも2個ともオリジナル。

Fig.145(b) Back panel/裏板。

Fig.145(c) Inside view/内部の様子。Tubes are Japan original ST transformerless tubes (175 mA series), from left, 12W-C5, 36Z-K12, 12Y-V1A, 12Z-DH3A and 12Z-P1A. 1台目に比べてヒューズ端子が2個ある。

Fig.145(d) Specifications and Parts location/貼り紙も1台目に比べて印刷の配置が違います。

 Fig.145(e) Circuit diagram/回路図は同じようです。

Fig.145(e) 逓信省型式試験合格番号第82号の証書とシリアル番号。型名はZS-1034Aが筆書きでZS-1056Bに訂正してあり,シリアル番号はCD-1694243. やや若い番号です。

Fig.145(f) 電力会社の調査証。中部配電(中部電力),30VA, 昭和25年2月8日か?同電力会社はこの時期,一斉に調査を行ったようで,他の戦前のラジオにも同様の調査票が貼って有った。したがって,製造年代とは無関係と考えられる。やはり製造は前年の1949年製に思える。

Fig.145(f) chassis/シャーシ

Fig.145(g) bottom view of chassis/アルミ缶はIFTの2段目(検波)です。シャーシ裏に取り付けられています(1台目も同じ)。

Fig.145(h) and Fig.145(i) labels of chemical condenser./ケミコンのラベルも印刷形式がやや異なります。

Fig.145(j) Label of speaker New Vitavox/スピーカのラベルです。東芝は戦前,スピーカにはヴァイタ・ヴォックスという商品名を使っていました。戦後になってニューが付きました。

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Part 2 Special Radios Using Transformer-less ST Tubes/トランスレスST管を用いた特殊ラジオ

東芝のトランスレスST管は実はトランス付きラジオにも利用されました。Yahooオークションをワッチしていましたら,次々と出てきました。

松下ナショナル(1943年製)4D122

これはダイナミック・スピーカ搭載の唯のトランス付き高1ラジオですが,小型コンパクト・ラジオです。ループ・アンテナまであります。真空管は整流管に12Fを使用していますが,他の球は12V球です。戦後直ぐには国民型受信機に同じく12V巻き線を持つトランスを使って,12Y-V1, 12Y-R1, 12Z-P1, KX-12Fという構成のラジオがありました。こんなものを作ったのは,真空管不足の時代と思っていたのですが,実はトランスレスST管が出来た時代,1948年以降にもあったのです。

シャープTelerodyne

これは5球スーパですが,整流管にKX-12F,そして他は新型12V管でした。12W-C5, 12Y-V1A, 12Z-DH3A, 12Z-P1A, KX-12Fというものでした。キャビネットはダイキャスト製です。

シャープ5R50

これは5球スーパですが,使用真空管は12W-C5、12Y-V1A、12Z-DH3A、12Z-P1A、KX-12Fです。木製キャビネットでした。

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DE(176) Sharp 5R-50 in 1949?/早川電機工業シャープ 5R-50, ('02.10.20)

オーソドックスなST管式の木製箱5球スーパーラジオ。しかし,真空管は東芝のトランスレス・ホームスーパー用の175mAシリーズトランスレスST管のうち,12V管だけを用いて整流管だけKX-12Fを用いた変則スーパーという珍しいラジオ。トランス式なのだ。何故,トランスレス管を使ったのか?真空管不足の時代のものなのだろう。6.3V管が品薄になった時期があったと聞いている。以前紹介したシャープの5A-30Sも不思議な構成だった。

Yahooオークションで高価で入手。鳴るという話しだったが,袋打ちACコードはゴムが硬化し,布をむくと粉々になる極めて危険な状態なので諦めた。

Sharp 5R-50, シンプルなデザイン。屋根が傾斜しているのが少し変わっている。バリコンは直接接続のダイヤル。糸かけがないので減速せずやや使いにくいかもしれない。

キャビネットは裏に金具を用いた1953年頃までのスタイル。上部に通風用スリットがある。

Back view/From left, 12W-C5, 12Y-V1A, 12Z-DH3A, 12Z-P1A and KX-12F。

球に1級マークがあり,1940年代末なのだろう。ケミコンはマツダ・マークがある。アンテナ端子がなくコードが直接出ている点,プレーヤ用のPU端子が無い点も,当時のST管ラジオの中ではちょっと変わっている。

Circuit Diagram/本当に普通の構成

製造年月と製造番号は消えてしまった。1950年頃にも紙貼りだった。

当時,マツダ真空管マークは性能保証のシンボルのようなものだった。

(updated '0312.13)

Parts Location on the Chassis, without Vacuum Tubes/ 真空管を抜いた時のシャーシ上の部品配置。

VCはデザインの関係で宙に浮いている。IFTもこの頃は検波側が非同調なので短い。スピーカーが意外と小さいのもまだ16cmスピーカーが高価だった頃。

Tubes, from left, 12W-C5, 12Y-V1A, 12Z-DH3A, 12Z-P1A and KX-12F, all Toshiba-Matsuda.

最後に175mA系のトランスレス管をお見せしましょう。整流管だけはトランス付き用のものです。

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DE(192=176) Sharp 5R-50 in 1949?(Part2)/早川電機工業シャープ 5R-50(その2),
('04.4.13), ['04.7.25]

DE176でも紹介しましたシャープの12VST管を使った5球スーパー5R-50です。12W-C5, 12Y-V1A, 12Z-DH3A, 12Z-P1AとKX-12Fの構成ですから,真空管は珍しいものです。どうしても出物があるとついつい買ってしまいます。Yahooオークションで見つけて,キャビネット内部写真無いまま,柳の木の下に2尾のどじょうがいると思って,2台目として購入。送られてきたものはキャビネットの傷みが大きく,裏板をはずして見えたものは12Vミニアチュア管で,期待したST175mA管は見当たらず,とほほんがっかりして,梱包をもとにしてしまい込んでしまった。ほとぼり覚めて,取り出して調べた結果は,以下の通り。

12BE6 NEC 03 B00,

12BA6 T (茶)

12AV6 T(1星)

12Z-P1 or 12Z-P1A SUN C/E ステム12

KX-12F SUN C/K

考えてみれば,キャビネットの傷みは歴戦の勇士の証拠。代替真空管に困り,ソケットをミニチュアにして12V管に交換,整流管は入手が容易な12Fが幸いしたが,トランス巻き線容量から出力管だけはミニアチュア管の代わりが見つからず,12Z-P1の新品に代えただろう。1960年代前半は12Z-P1が入手できる最後の頃だったろう。本機は1950年頃から1960年代後半まで現役だったことになる。この改造はやむを得まい。

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