ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Radio Tubes After WWII/戦後のラジオ球

 Military, Comunications and Industrial Tubes/軍用・通信・産業用真空管


Page-Gas. Gas Filled Tubes -Discharge Tube/ガス入管-放電管

2nd Edition (2006.11.18)-(2011.9.23)

HomePageVT/Radio_Tube_Gas.html


1.Glow Discharge Lamp and Diode Voltage Regulator/グロー放電ランプと定電圧放電管

1.1 Princeple/原理

1.2 History of Amerian Glow Discharge Tubes/米国のグロー放電管の歴史

Table 1 List of American Gas Glow Discharge Tubes

Table 2 American Voltage Regulator Tubes registrated in VT number tube before and during WWII

1.3 History of European Discharge Tubes/欧州のグロー放電管の歴史

Table 3 List of European Gas Glow Discharge Tubes

1.4 History of Japanese Glow Discharge Tubes/日本のグロー放電管の歴史

Table 4 Japanese Voltage Refulator Tubes

Gas Glow Discharge Diode Voltage Regulator/定電圧放電管 -Japanese Type

LS-2B (JRC,NEC)

LS-11A (NEC)

Not yet photo

VRA130/50 (Matsuda)

VRA135T (Matsuda)

Not yet photo

VRA65/80 (Matsuda)

Not yet photo

VRD90-50 (Matsuda)

American Type
European Type
Neon Lamp

(0A3) VR75ST, VR75GT

(0B3) VR90ST, VR90GT

(0C3) VR105ST, VR105GT

(0D3) VR150ST, VR150GT

5651

85A2 /0G3

NE-68

(0C2) VR75MT

Not yet photo

(-) VR90MT

Not yet photo

(0B2) VR105MT /0B2

(0A2) VR150MT

2. Thyratron
3. Glow Discharge Tubes with Radioactive Isotope/放射性同位元素の入った放電管

T66G-GT

Not yet photo

2D21

Not yet photo

6D4 (Syl)

Not yet photo

5696

0A2WA

ガス入り管を特集しました。


1. Glow Discharge Lamp and Diode Voltage Regulator/グロー放電ランプと定電圧放電管

1.1 Princeple/原理

定電圧放電管はガス入り2極管。真空中に数10mmHg(数kPa)の不活性ガス(ネオン,アルゴンなど)を封入し,電極間に電流を流すとグロー放電を起こし,ある電流の範囲内で電極間電圧は一定に保たれる。戦後のものは,陰極はニッケル,鉄,モリブデン等が使用され,この表面にバリウム,セリウム等を被覆してあるものがある。筒内面から出た電子が電離したガス分子を介して中心の金属棒に吸い込まれる。電流は金属棒から電離ガスを介して陰極内面に流れる。

構造は,戦後1950年代から国内で使用されたものは米国型定電圧管で,筒状の陰極とその中心に棒状の陽極が配置される。放電を容易にするため陰極筒の内面から陽極の棒に向かって金属リボン(スターター)を溶接してある。(東芝真空管ハンドブック1960年Vol2,p225)。スターターと陽極棒とのギャップは数mm以下である。実物では陰極電位のスターター棒の先端と近接する陽極棒上に金属片が取り付けられていた。

(グロー放電)

ヒーターを持たないガス入り2極管は陰極と陽極間に電圧をかけると,その電圧を上昇させると非持続放電,タウンゼント放電を経て,グロー放電を起こすようになる。グロー放電は,流れる電流が小さい時には,陰極電流密度ならびに陰極の電圧降下が電流に無関係に一定に保たれ,この放電領域を正規グロー放電と呼ぶ。さらに電流が大きくなり,電流密度,陰極降下が増大傾向を示す放電領域を異常グロー放電と呼ぶ。グロー放電は,陰極を出た電子がガス分子と衝突しガス分子をイオン化しながら陽極に進むので,イオンがある程度蓄積されると持続的に電流が流れるようになる。ガスのイオン化には電圧x電流のエネルギーが消費され,持続放電が起きている状態では,大部分は熱になりガスの運動エネルギーや電極の温度上昇をもたらす,また一部は発光や電磁波として消費される。イオンはエネルギーを失うと電子を捕獲して通常の単原子分子のガスに戻る。東芝電子管ハンドブックによるとイオン化時間は放電開始電圧付近では250〜300μs(ネオン)であるがそれより60〜70V過電圧の状態では25μsまで早くなる。消イオン時間は平均50msと遅い。封入ガス自信はイオン化,消イオン化により疲労を起こさず,また消耗しない。

放電管の電極間電圧はガスと陰極の2次電子放出係数γで定まるので,一般にガスはアルゴン,ネオン,ヘリウム,陰極はバリウム,モリブデン,ニッケルなどの組み合わせで60Vから150Vの定電圧放電管が開発された(電子管の歴史)

(放電による光)

グロー放電が起きると,陰極陽極間の電圧はそのほとんどが陰極面近傍(数分の1mm)で降下し,また残りの僅かが陽極近傍で降下する。グロー放電の光は陰極近傍に見られ,電流の増大とともに発光面積は増大する。また陽極にも僅かな電圧降下があるのでやや弱い光(膜状あるいは小粒状)が見られることがある。さらに電流が増大するとグロー光は陰極全体を覆いつくし,やがて異常グロー放電に移行する。異常グロー放電ではグロー光がさらに強くなる。

(電極表面処理とエージング)

陰極表面には放電を容易にするためバリウム,セリウム等を被覆してあるものがある。また陰極表面には微少な不純物の汚染があると正規グロー放電の特性に悪影響をおよぼすので,製作工程において陰極面のクリーニングが行われる。(放電管の電子放出の安定化は1950年代初頭に我が国で問題になり,1950年代中頃にクリーニングと米国から技術導入した陰極面被覆方法で解決したとある)。逆に使用中の特性の悪化の原因の1つは陰極表面の汚染があげられる。放電が起きると熱を発生し,管温度が上昇すると陰極物質の蒸発や電極物質,ガラス,マイカからのガス放出を生じる。ネオン管ではガラス温度が150度をこえるとガス放出が大きくなるという。したがって,ガス入り管といえども使用とともに劣化を生じる。真空管ではガス放出に対してゲッター膜による吸着を行うが,定電圧放電管も同じゲッターを持っている。このゲッターは酸素や水素などを吸着するが,不活性ガスは吸着しない。1945年以降のゲッターは常時活性であり使用中はゲッター吸着してくれるが,吸着とともに劣化していくので,ゲッターの消失が寿命の1つとなる。

(寿命)

定電圧放電管の寿命は,正規グロー放電域からはずれた時,と定義される。使用上の注意では,外部抵抗が無いか適切でない,また過電圧の場合,異常グロー領域ないしアーク放電域に入り,電極を破壊する。しかし,正規に使用していた場合では,不純ガスの増加による電流の減少,正規グロー特性の劣化(電流の減少と放電電圧の上昇,電圧変動幅の増大)が起きる。VR-150MTの場合,放電電圧は製品により140〜168Vの範囲にあれば良く,変動範囲は最大6V,

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1.2 History of Amerian Glow Discharge Tubes/米国のグロー放電管の歴史

まず,日本のグロー放電管の歴史を語るには外国,とりわけ欧州と米国の事情を書かねばならない。

戦前の米国には数える程しか無かった。International Radio Encyclopedia (B.B.Babani)を開くと次の定電圧放電管が見つかった。874(90V, 10-50mA), 991(87V, 2mA)が古い名前と思われ,その他,ガラスオクタルのVRシリーズのVR75, VR90, VR105, VR150が見つかる。

874が全ての原形であろう。これは後のVR90である。1925年にRCAが開発したとある。(Tube CAD Journal Vol.2, No.4 (June 2000),John Atwood)。また,991 は後のNE-16相当のネオン管であるが,電圧標準管程度の小電流管であって,レギュレーションは悪い。

VR管についてであるが,米国ではSylvaniaの1943年のマニュアルにVR150-30VR90-30の2本が登場する。また軍用のVT管にはVRシリーズの球が登録順にVT139(VR150-30), VT184(VR90-30), VT200(VR105-30), VT260(VR75-30)と登場する。同じ球はRMAの受信管名称制度に従って別名0D3, 0B3, 0C3, 0A3と与えられた。RCAのマニュアルにはRMAの新名称の球しか出てこないが,Sylvaniaのマニュアルには1948年になるとVR名は廃止球リストに分類されていた。戦後市場にはRMA名とVR名の両者が混在したため,製造会社によっては0D3/VR150-30と2重名を記して出荷している。NEC1960年の資料によれば,GE,Raytheonは並記し,RCA, SylvaniaはRMA名を使った。これらの開発年代は,有坂氏によると,0D3, 0B3が1942年,0C3, 0A3が1944年である。米国のこのシリーズの定電圧放電管は開発が意外と遅いことになる。RMA名は原則,登録順なので開発年代を反映していなければならないが,既に開発して存在しているものを電圧順に並べて同時登録するとこのようになる。すると,VR管はもっと早く世に出たことになる。しかし,Sylvaniaの1943年のマニュアルには先の1942年開発の2本しか掲載されていないのだから,結局VR管が誕生して,戦後RMA名を得たというのが矛盾の無い説明である。結局,米国のこのシリーズの定電圧放電管は開発が意外と遅かったと結論される。にもかかわらず,第2次大戦後,無線機の小容量の定電圧放電管は世界的に米国型で統一されてしまった感がある。

最後に,戦時中には,送信管の名称の球1B47(82V, 1-2mA, 225Vsup)が誕生している。

戦後になって先の4種のガラス管のうちの3種を原形にミニアチュア管の0A2 - 150V, 0B2 - 150V, 0C2 - 75Vが誕生した。150V管0A2をまずRCAが1945年に作った。105V管の0B2は同じ年に作られたらしいがRCAは掲載していない。75Vガラス管の0A3は余り使われなかったらしく,そのミニアチュア管0C2はやや遅れてRaytheon?が作った。90Vガラス管の0B3は需要が余りなくレアー品に数えられる位で,そのミニアチュア管は米国では作られなかった(日本ではVR-75-MTとして作られた)。その中では0B2が最もレギュレーションが良いという。その後1950年代初頭に,軍用に6073/0A2WA, 6074/0B2WAが作られた。これらは堅牢だけでなく,特に0B2WAは暗黒時の起動特性を改善している。また,ガラス管版の0C3は軍用に0C3Wが作られている。サブミニアチュアの放電管5787WA(100V, 5-25mA)も作られた。

5651はRCAが標準電圧管(87V)として1948年に作った。その後マイナーチェンジした5651A(85.5V)も登場。そのサブミニアチュアの放電管5787WA(85V, 1.5-3.5mA)も作られた。

Table 1 List of American Gas Glow Discharge Tubes

Name

pin

Base Out-line

Ess

Ebs

Eb

dV max

Ib

Maker

874 (1925)

1k3a

USM4 (UX4)

115

90

7

10-50

RCA

991

87

48-67

8

2

1265

Oct

130

90

5-30

1B47

B7G

225

225

82

1-2

5651 (1949)

b7g

87

1.5-3.5

Table 2 American Voltage Regulator Tubes registrated in VT number tube before and during WWII

VT name

Name

RMA Name

Develop Year by Arisaka

VT-139

VR150-30

=0D3

1942

VT-184

VR90-30

=0B3

1942

VT-200

VR105-30

=0C3

1944

VT-260

VR75-30

=0A3

1944

[4eI][4eI]

Sylvania 0B3/VR90/VT-184, Hytron JAN^CHY-0C3/VR105/VT-200

 

1.3 History of European Discharge Tubes/欧州のグロー放電管の歴史

欧州には定電圧放電管は星の数程あったのだが,日本で有名なのはドイツのスタビロボ社製の多極型放電管STV280/40であろう。名前から定電圧放電管というと「スタビロ」と呼んだのはこの球に由来している。電極はロシアの人形マトリョーシカに似て多殻構造である。資料は残念なことに何も無い。

イギリスの放電管はB.B.BabaniのデータブックInternational Radio Encyclopedia に詳しい。拾い上げると表の通りである。沢山あるように見えるが,英国の軍用(BS),空軍(RAF),海軍(BN)が主で,供給会社名は分からない。Philips (オランダ)とMullardを除けば,わずかにMO(Marconi-Osram),Cossor,Neotronが登場するだけである。

オランダPhilipsの放電管は下記の通りである。欧州4ピンB4が最初で,特殊な2ピンの後,P型(1936年以降)が作られたと考えるべき。すると4ピンは1930年代初頭と見られる。欧州球はWelcome to Ake's Tubedataに沢山のサンプルがあり,Philipsのものもいくつかのサンプルがある。はじめ,4317というB4(欧州4ピン)ベースの107V管を作り,これをS8ベース(P型)に変えたものを作った。これは20mAだった。後の米国の0B3相当というところか。次に4357という90V管を作った。これもP型に変えた。この容量は10-45mAで後の米国標準0C3とほぼ同じ定格である。これらは1935年から1941年頃と考えて良い。

http://w1.871.telia.com/~u87127077/gastubes/index.htm

100E1: A giant European 100 volt regulator with a European 4-pin "A" base. Current: 50 to 200 ma (!).

150C1, 150C1K: European versions of the 0D3. The 150C1 has the side contact "P" base and the 150C1K has an octal base.

85A1: A European 85 volt loctal reference. Current: 1 to 8 mA.

0G3 per 85A2: A European version of the 5651 with tighter specs. Current: 1 to 10 mA. Voltage: 85 V.

83A1: A late (1960) Philips miniature reference with very tight specs. Current: 3.5 to 6.0 mA (4.5 mA preferred). Voltage: 83 V

90C1: European 90 volt miniature regulator. Current: 1 to 40 mA.  

Table 3 List of European Gas Glow Discharge Tubes

Name

pin

Base Out-line

Ess

Ebs

Eb

dV max

Ib

Maker

4317

=CV1201

4377

4496

1a,2k

sa

sa

2k,7a

B4 European 4pin

B4

G2

S8 P-type

140

100-115

20

Phil+Mul

BS

Philips

Philips

4357

4687

1a,2k

2k,7a

B4 European 4pin

S8 P-type

115

80-100

10-45

10-40

Philips

Mullard -49

4376

1a,2k

B2

125

85-100

20

Philips

4687A

=4687

(B4)

Mullard -49

7475

=CV1070

=VS70

1a,2k

B4

140

90-110

3

1-8

M+P -49

BS

RAF

7678

1a,2k

B2

150

125-140

10

P

13201

1a,2k

B4

140

90-105

10

50-200

P

13201A

90-110

15-200

M -49

13202X

75

50-65

50

P

13204

150

120-140

5

P

1265

2k,5a

USo

130

90

5-30

M 49-51

1266

2k,5a

USo

70

5-40

M 49-51

85A1

4k,6a,8k

B8G (Loctal)

125

83-87

2

1-8

Philips -49

85A2 0G3

1a,2k,4k,5a,7k

B7G (mt7)

125

85

1-10

M 49-51

105A1

2k,7a

S8 P-type

205

155-175

1-8

Philips

150A1

2k,7a

S8 P-type

205

150-170

4

1-8

Philips

150C1

2k,7a

S8 P-type

205

146-166

2.5

5-40

Philips

100B1

1a,2k

B4 European 4pin

140

97.5

5

30-180

Mullard

100E1

1a,2k

B4 European 4pin

140

90-105

2

50-200

Mullard

CV71

ak

G2

230

160

2-4

BS

CV104

ak

B2

170

155

0.25-1

BS

E1436

CV188

ak

B4

140

100

5

1-10

MO

BS

REG110

2k,5a

O

125

110

10-30

NEOTRON

S130

CV45

CV1110

VS110

1a,2k

B4

180

115-120

10-75

COSSOR 49-51

BS

BS

RAF

S130P

1a,2k,4starter

B4

135

120

10-75

COSSOR 49-51

STV70/20

CV284

123k, 567a

B7G

110

70

6

2-20

MO

BS

STV150/200

150

200

MO

CV1199

NS2

ak

B4

140

97.5

5

30-180

BS

BN

CV1582

ak

B4

180

115

6

8-30

BS

CV1731

ak

B4

180

119

10

10-75

BS

ST11

ak

B4

140

100

1-8

GEC 49-51

KD60

85

61

0.1-2.5

Ferranti 49-51

1.4 History of Japanese Glow Discharge Tubes/日本のグロー放電管の歴史

「電子管の歴史」によると,我が国では定電圧放電管は1935年に開発され,独自の規格の球を発表したとされる。品種名は定かで無いが,筒型陽極であったという。戦前に確認できている品種は他の資料から総合すると,東京電気(マツダ,現東芝)の60V, 90V, 135V, 145Vの4品種があり,Table 4に示す通り,これの電流容量の変種も加えてバラエティがあった。その名称を与えるに当たり,古い米国名に習って前置詞VRの次に改良型を示すアルファベットA, B..を付加し,さらに電圧+電流を付け加えた。VRA135/50等の品種がそれである。電子管の歴史には1940年には多電極の放電管が市販されたとある。この多電極とはドイツのスタビロの類似管だったと思わ,日本無線あたりが出したかもしれない。戦前の日本ではガスの入手はネオン,アルゴンだけであった。

戦後は,戦前の品種を再開する一方で,ガスの輸入事情が好転した。

LS-5Bは陰極円筒の内部に円筒陽極がある。

VRD90/50はオランダPhilipsが1946年に開発したモリブデン面をスパッタリングにより清浄な面を作る技術を利用して1950年に東芝が開発した。LS-2B, LS-5BはNECが製造したらしい。1952-1956あたり。

VR-75, VR-90, VR-105, VR-150は米国のセリウムを用いた被覆陰極の製造技術を利用して1953年までに順次国産化した。その後,外形がGT, ST, MTと変わった。国内標準。

Table 4 Japanese Voltage Refulator Tubes

Name

Japanese Product

Base & Out

Ess

(Black out)

Ebs

Eb

dV-max

Ib

Maker

American Type

VR75(0A3)

VR75-GT (Japan)

VR75-ST (0A3)

(US1944/1956-)

-1953-

1955-

Octal ST

Octal T

Octal ST

-

105>

sa

 

100

 

75

4

-

5-40

-

U.S.A.

Toshiba-Matsuda

sa

0C2

VR75-MT (0C2)

(US)

1958-

7pin mT

115>

100

75

3

5-30

U.S.A.

Toshiba-Matsuda

VR90 VR90/30

(0B3)

VR90-GT (Japan)

VR90-ST (0B3)

(US)

(US 1942-)

-1953-

1955-

ST12 4AJ

Octal ST

Octal T

Octal ST

-

-

130>

sa

125

sa

115

sa

90

6

sa

4

sa

10-30

sa

5-30

sa

US Sylvania

U.S.A.

Toshiba-Matsuda

sa

VR90-MT (Japan)

1958-

7pin mT

130>

115

90

4

5-30

Toshiba-Matsuda

VR105 VR105/30

(0C3)

VR105-GT (Japan)

VR105-ST (0C3)

0C3W

(US)

(US1944/1956-)

-1953-

1955-

1960-

ST12 4AJ

Octal ST

Octal T

Octal ST

sa

-

-

133>

sa

(210)-127>

sb

137 127

120

sa

120

sb

105

105

sa

105-112

sb

4

3

sa

4max

sb

5-30 5-40

5-40

sa

-

US Sylvania

U.S.A.

Toshiba-Matsuda

sa

sa

0B2

VR105-MT (0B2)

6074

6626/0B2WA

0B2WA

(US1945/1955-)

1955-

(US) -1955-

(US) -1956-

(1954-)1960-

7-pin mt

sa

sa

sa

sa

-

133>

133>

-

(210)-133>

-

115

115

-

130

-

108

108

-

105-111

-

3

2

-

+/-4

5-30

(US)

Toshiba-Matsuda

(US RCA)

(US Chatham)

(US CBS) &Toshiba

VR150 VR150/30

(0D3)

VR150-GT (Japan)

VR150-ST (0D3)

(US)

(US1942/1956-)

-1953-

1955-

ST12 4AJ

Octal ST

Octal T

Octal ST

-

-

185>

sa

SB

180

165

sa

150

sb

5.5

4

sa

sb

5-30 5-40

5-40

-

US Sylvania

U.S.A.

Toshiba-Matsuda

sa

0A2

VR150-MT (0A2)

6073

6627/0A2WA

0A2WA

(US1945/1947-)

1955-

(US) -1955-

(US) -1956-

(1955-)1960-

7-pin mt

sa

sa

sa

sa

-

180>

185>

-

(165)-165>

-

160

156

-

165

-

150

151

-

144-153

-

4

2

-

+/-5

5-30

(US)

Toshiba-Matsuda

(US RCA)

(US Chatham)

(US CBS) &Toshiba

991

1960-

spec

95

77

59

3

0.4-2.0

Toshiba-Matsuda

5651

5651WA

(-1950-)1955-

(-1954-)

7-pin mT

115

105

87

2

1.5-3.5

Toshiba-Matsuda

Raytheon

CK5783

(-1950-)

submini

85

1.5-3.5

Raytheon

CK5787

(-1950-)

submini

100

5-25

Raytheon

European Type

85A2(0G3)

1957-

7-pin mT

125

105

85

3

1-10

Toshiba-Matsuda

Japanese Type

(SVA60/40)

LS-2B

-1953-

T 4pin

95

60

5-40

(Seno)

NEC, JRC

LS-5B

-1953-

T 4pin

150

135

10-60

NEC

LS-11A

T 4pin

60

-60

NEC

VRA65/80

VRB65/100

-1942-1960*

-1942-

spec T 4pin

-

65

4-8

4

15-80(20-80)

15-100

Toshiba-Matsuda

sa

VRD90/50

-1942-1960*

spec T 4pin

90

4-9

10-50(15-50)

Toshiba-Matsuda

VRA135/50

VRB135/60

VRA135-T

-1942-1955-

-1942-

1955-1960*

spec T 4pin

-

T 4pin

<180

-

150

135

4-

-

4-7

10-50

10-60

5-50

Toshiba-Matsuda

sa

sa

VRA145/50

VRA145-T

-1942-1955-

1955-1960*

specT

T 4pin

-

-

<180

<180

145

4-

4-8

10-50

5-50

Toshiba-Matsuda

sa

VRB150/60

-1942-

spec T 4pin

150

10-60

Toshiba-Matsuda

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1.Neon Lamp/ネオン管


Neon Lamp NE-68

我が国ではネオン管は東京電気(現,東芝)が1927年に発売した。回路素子としての低電圧用のネオン管(ネオンランプ)は,従来,金属基体の上に窒化バリウムを被覆し熱分解によりバリウム被覆した陰極が用いられたが,1955年頃に,炭酸バリウムを分解して酸化バリウム被覆とする方法が採用された,2本の棒状電極を平行に配置した豆電球型の米国NE-51が東芝により国産化された。電源表示,通信信号標示用として長寿命とある。この製法により特性と製造が安定した。ついで東芝は1958年に同じ外形でリード線型のNE-2, NE-68, NL-18などを同時に発表した。これらにより,需要が拡大し大量生産されるようになった。NE-2は家庭表示用(パイロットランプ),NL-18は電圧標準用だそうである。NE-68は回路用として電圧安定,弛張振動,電圧表示等の用途を持っている。定格電圧100V,定格電流0.3mA,放電開始電圧90Vdcmax,放電維持電圧52-65Vである。

[3eN]

Neon Lamp Toshiba NE-68.

[3eN]

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2. Gas Glow Discharge Diode Voltage Regulator Tube/ガスグロー放電2極定電圧管


Japanese Type


LS-2B(JRC)(NEC)

我が国独特の2重筒式放電管。この球は東芝マツダのシリーズが65V/80mAで電極が大きいのに比べて仕様を65V/50mAと小型化し使いやすくしたものと考えられる。クラスを受け持つ放電管として使われたらしい。

封入ガスは前2者がアルゴン,後2者がネオンだった。

NEC 1952-12,筒,下部マイカ,1皿ゲッタ,アルゴン,中古,S40=7

NEC 1953-3 (28B 61S),筒,下部マイカ,1皿ゲッタ,アルゴン,中古,S40=0

NEC 1956-7,筒,下部マイカ,1角ゲッタ,ネオン,中古,S40=15

JRC 6098 30.1,2へそ筒,天井マイカ,1角ゲッタ,ネオン,中古,S40=11

[4eN]

NEC LS-2B 1952-12,アルゴン,中古。ガラス上部が黒化している。

[4eN]

NEC LS-2B 1953-3 (28B 61S),中古なのだが新品同様。

[4eN]

NEC LS-2B 1956-7,中古なのだが新品同様。ガスはネオンに変わった。

[4eN]

JRC LS-2B 6098 30.1,2へそ筒,天井マイカ,中古。ガラス上部内面は銀化している。マイカ上部にゲッタがあるかのか,蒸発金属の蒸着なのか不明。

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LS-11A (NEC)

我が国独特の2重筒式放電管。この球は東芝マツダのシリーズよりも容量が小さいが外形も小さい。LS-2Bよりも容量を取れるようにしたもので,60V/60mAである。

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VRA135/50(Matsuda)

我が国独特の2重筒式放電管。封入ガスはネオンだった。

030405[4eN]

Toshiba-Matsuda 27-8 712 ステム(7 5),検,リブなし筒,上部十字マイカ,下部マイカなし,ゲッタなし,ネオン中古,S40=46

3435[4k7]

Toshiba-Matsuda

ベースの形状がちょっと異なる。

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VRA135T(Matsuda)

我が国独特の2重筒式放電管。封入ガスはネオンだった。

Toshiba-Matsuda 27-8 712 ステム(7 5),検,リブなし筒,上部十字マイカ,下部マイカなし,ゲッタなし,ネオン中古,S40=46

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VRA65/80(Matsuda)

我が国独特の2重筒式放電管。封入ガスはネオンだった。

Toshiba-Matsuda 27-8 712 ステム(7 5),検,リブなし筒,上部十字マイカ,下部マイカなし,ゲッタなし,ネオン中古,S40=46

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VRD90/50(Matsuda)

我が国独特の2重筒式放電管。封入ガスはネオンだった。この球は2重筒式の中で新型に属する。

3032

3133

Matsuda VRD-90/50 in 1943, Argon [4k7]

 0809[4eN]

Matsuda VRD-90/50 in 1954, Neon

Toshiba-Matsuda 29-4 373 NHK29 ステム(7 20),検,リブなし筒,1皿ゲッタ,ネオン,中古,S40=21

Toshiba-Matsuda 29-3 357 NTT29 ステム(20),検,リブなし筒,1皿ゲッタ,ネオン,中古,S40=32

0810[4eN]

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American Type


VR-75ST (0A3)


VR-75GT (0A3)

国内では米国0A3を国産化するに当たり,ガラス・オクタル管(いわゆるG管)を作る代わりに,まず小型のGT管を1953年までに作りました。それが,VR-75GTでした。この外形は米国には無いようです。外形の互換性が無いので,0A3と名乗れなかったようです。ST管(G管)は1955年までに国産化されました。電気的性能を守りながら内容を引き継いだのがVR-75MTです。

NEC 1957-10 マイカ上青字(J108 a),  4リブ筒,マイカ穴なし,2皿ゲッタ,ネオン,中古,S60=28<

NEC 1957-10 マイカ上青字(J137a) , 4リブ筒,マイカ穴なし,2皿ゲッタ,ネオン,中古,S60=28<

NEC 1959-1 マイカ上青字(14A482) 4リブ筒,マイカ穴なし,2皿ゲッタ,ネオン,S60=44,ガイドピン折れ

Toshiba マイカ上青字(シ d 2) 2リブ筒,2皿ペレットゲッタ,マイカ2本スリット,新型,ネオン,中古,S60=73>

TEN マイカ上青字(A 607 21) 1956-6,4リブ筒,2皿ゲッタ,ネオン,中古,S60=120>>

[3d8][3d8]

Toshiba-Matsuda VR-75-GT

Toshiba-Matsuda VR-75-GT (Toshiba シ d 2), 2皿ペレットゲッタ,新型,ネオン

余りにも輝度が高くピンぼけになった。

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VR-90GT (0B3)

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ヌ28d 2L) (373) 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=56-50

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(へ30u 69) (368) 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=42-

箱 [マツダ 東芝 LAS 1110]

[4eN]

Toshiba-Matsuda VR-90-GT

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0C3

RCA 0C3 (6813) 赤プリント, 2リブ筒,マイカ2スリット,2充填棒1角ゲッタ, 新型,アルゴン,新品,S60=-56

[4eN]

RCA 0C3 (6813)

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VR-105GT (0C3)

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ら26 M 3) 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,中古,S60=-28

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(12 18 T) 4リブ筒,2皿ゲッタ,旧型,ネオン,中古,S60=-40

Toshiba マイカ上青字(て10 14) 2リブ筒,2角ゲッタ,マイカ2本スリット,ガイドピン折れ,新型,アルゴン,中古,S60=52

NEC 白N4 マイカ上青字(170162c), 4リブ筒,2角ゲッタ,アルゴン,中古,S60=78

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ス 7S) (368) 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=28-

箱 [マツダ 東芝 LAS 1000 11ホ]

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(セ 17F)その1 () 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=62..-

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(セ 17F)その2 () 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=40.-

箱 [マツダ 東芝 LAS 1000 11Y]

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ス 8S) () 4リブ筒,2皿ゲッタ, 旧型,ネオン,新品,S60=8-

箱 [マツダ 東芝 LAS 1000 11Y]

[3d8][3d8]

Toshiba-Matsuda VR-105-GT(ら26 M 3),旧型,ネオン

東芝マツダ製は1950年代にネオンを用いオレンジ色に発光したが,サンプルは東芝マツダ。

[4eN]

Toshiba VR-105-GT(て10 14),新型,アルゴン

1960年代になるとアルゴンに変えたらしく紫色の発光となった。NECの1960年代もアルゴンである。NEC 白N4 (170162c)。

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VR-150ST (0D3)


VR-150GT (0D3)

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(メ 0 17) 4リブ筒,2皿ゲッタ,旧型,アルゴン,S60=82

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ユ 0 19) 4リブ筒,2皿ゲッタ,旧型,アルゴン,S60=80

Toshiba-Matsuda マイカ上青字(ヲ 6 G) 4リブ筒,2角ゲッタ,旧型,アルゴン,S60=67

[3d8]

Toshiba-Matsuda VR-150-GT (ヲ 6 G),旧型,アルゴン

紫色はアルゴンといわれる。

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VR-75-MT(0D2)

米国のRaytheon?のミニアチュア管0D2の日本版で名称はVR-75-MTという。我が国では東芝が1957年に製造。0D2は0A3/VR75を原形にミニアチュア化したもので,米国開発者は不明。

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VR-90-MT()

米国ではミニアチュアのVR-90は作られなかった。我が国では東芝が1958年に製造。VR-90-MTは0B3/VR90あるいは国産VR-90-GTを原形にミニアチュア化したもの。

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VR-105-MT(0B2)

米国のミニアチュア管0B2(1945年)の日本版で名称はVR-105-MTという。我が国では東芝が1955年に製造。0B2は0C3/VR105を原形にミニアチュア化したもので,米国RCAは1955年の広告に掲載。

米国では1935年位から定電圧安定管ができた。

[4e6]

American Unknown Makers 0B2s/米国の0B2

[4e6]

Discharged Light -American Unknown Makers 0B2s/僅かに紫色に光る

[4e7]

From left, Matsuda VR-105-MT 1956, 1957, 1958, Toshiba VR-105-MT 1959, 1960s, 1963, 1964

東芝(マツダ)製は1954年に米国0B2をVR-105-MTとして国産化した。サンプルは左3つはマツダの1956年から1958年である。ゲッターは角型。1959年にプリントがToshibaに変わった。1960年にはプリントの位置が少し上に移動。1962年頃にはゲッターはドーナツに。1964年には8角枠を止めてToshibaロゴと上に管名に変わる。性能的にはゲッターが変わる当たりで違いが見られる。

[4e7]

Boxs of Toshiba from 1963 to 1964/1963,4年の箱。

[4eN][4eN]

Discharged Light of Toshiba VR-105-MT in 1959/紫の光

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VR-150-MT(0A2)

米国RCAのミニアチュア管0A2(1945年)の日本版で,名称はVR-150-MTという。我が国では東芝が1955年に製造。0A2は0D3/VR150を原形にミニアチュア化したもので,米国RCAが1947年2月の広告に掲載。

[4e6][4e7]

American 0A2s, RCA, Raytheon x2 and Heawlet-Packard/CBS-Hytron(210)

[4e6]

Discharged Light of 0A2s -RCA and Raytheon

[4e7]

Toshiba-Matsuda VR-150-MT, 1958, 1960, 1964 and 1969.

東芝(マツダ)製は1954年に米国0A2をVR-150-MTとして国産化した。サンプルは左はマツダの1958年製,ゲッターは角型。プリントがToshibaに変わった1960年製。ゲッターはドーナツ型の1964年製,そして外から見える陰極の筒に3本のリブが付いた1969年製。

[4e7]

Nippon Electric Co(NEC) VR-150-MTs, 1950s and 1960.

日本電気のVR-150-MT

040203[4e7]

Discharged Light, Matsuda VR-150-MTs, 1956, 1957 and 1958

左より,1956年製は間欠的に光がまばたきする,TV7/UのTEST条件では64>40であったが電流が流れにくくなっている。

1957年製は上部で恒常的に強い光があり,TV7/UのTEST条件では66>40であった

そして1958年製は通常の姿。TV7/UのTEST条件では120>40であった。

 

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5651

5651は1940年代(1948年RCA)に米国で誕生した標準電圧管。その構造は,中央に陽極棒があり,天井部でマイカ板にはと目止め。陰極は下部にドーナツ状のものがあって,陽極が貫通している。スターターは無い。天井マイカにはゲッターリングがある。

RCA (59-04), Raytheon and NEC

[4e6][4e6]

5651s, from left, RCA (59-04), Raytheon and NEC

RCA 5651

565758[4e6]

Discharged Light, RAC 5651 (59-04), 1959

TV7/Uの点灯。shunt=-->50で 96>40であった。下部に円盤(陰極),中央に棒(陽極)。棒の上部でオレンジ色に発光した。ベースステム部にはジュメット線があるが,ここでも発光。

[4e6]

Discharged Light, Raytheon 5651, and NEC 5651 (L673)-

TV7/Uの点灯。メーターは始め過電流で振り切れるのでメーター分流器を規定値より高めにセットし,電流が流れるとともに徐々に小さくし最後に正規とする。shunt=70-->50。

Raytheon は電流76>40であった。下部に円盤(陰極),中央に棒(陽極)。棒の上部でオレンジ色に発光した。ベースステム部にはジュメット線があるが,ここでも発光。

NECは外観が至る所で銀色。発光は上部のゲッター膜と下部のスパッター膜の隙間に見られる。電流は始めメーターが逆振れし盛大に電流が流れ,次いで符号が逆転し40前後となり,その後徐々に上昇し80>40となった。逆振れの理由は定かで無いが,交流点火のせい?

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85A2(0G3)

85A2は欧州Philipsの開発。標準電圧管。1957年に国産される。電極は5651に似ているが電流容量は5651の下部ドーナツを長く延ばした筒状にして10mAまでに増強。

[4e6]

Toshiba 85A2. 上部は真っ黒であり,下部から小さな円筒形の陰極が見える。

[4e6]

Discharged Light, Toshiba 85A2 (0G3), 1965

TV7/UのData bookにTEST条件が無いので,米国5651の条件を借用して点灯。shunt=70で88>40であった。円筒形の下部がオレンジ色に発光した。ベースステム部には板材によるT型結線がありこの部位で光る。

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2. Thyratron/サイラトロン


T66G-GT

国内では1938年に2.5VのTY-15G, TY-16G, 6.3VのTY-65G, TY-66Gが東芝(東京電気)によって国産化された。アルゴンガス封入とある。

2.5V ST

5VST

6.3V ST

6.3V GT

TX-911

TX-915

TX-920

TY-15G

TY-65G

TY-16G

TY-66G

T-66-GT

5696

2050

2D21

5727/2D21W

AX5727

4G93 (393A)

4G93A (5563A)

29H4 Ediswan

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2D21(RCA)

RCAは1946年9月に掲載。2050のミニアチュア管。


6D4(Syl) 

T-66G-GTのmT管。東芝も1957年に国産化したとあるが,サンプルは原形の米国シルバニアである。

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5696

[4e6]

RCA 5696s (61-39)

fb[4e6]

RCA 5696s (61-39), 電極は筒状プレートの3極管(左)に,ガス放電したときに導通するガス穴とその対面の短冊型2極プレート(縦板)

[4e6][4e6]

Discharged Light, RCA 5696 , (61-39) 1961

放電を開始すると窓から紫色の発光が見られる。

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3. Glow Discharge Tubes with Radioactive Isotope/放射性同位元素の入った放電管

グロー放電管は,完全な暗黒条件下で起動しようとするとマニュアル記載の通常の起動電圧(放電開始電圧)よりも高い電圧(場合によっては100Vほど)を必要とします。これは陰極表面の光電効果が無くなるためと説明されています。すなわち,セット内にパイロットランプや他の真空管のヒーターの光が少しでもあると金属表面から電子が出るので,所定電圧をかけるだけで放電を開始してくれるのですが,暗黒中では全く無くなるのだそうです。この起動特性を改善する目的でラジオアイソトープを封入することがあります。自由電子を供給するにはβ線を放出する稀ガス,クリプトン85を封入するのが簡単。これにより起動時の特性を改善できるそうです。はじめは特殊な放電管に用いられましたが,米国では定電圧放電管にも使われたようです。我が国ではその事情は不明です。

kt[4e6]kt[4e6]

0A2WA Sylvania, 6926 (1969, 26week), This tube contains less than 0.03 Microcuries of Krypton 85. Photo was presented by T. Kato (JA9TTT/1)

インターネット掲示板で「0A2WA, 0B2WAにはラジオアイソトープが入っている」との噂を聞きましたが,その真相は?上のサンプルは加藤高弘さん提供の写真です。シルバニア製の0A2WAで,管壁に0.03マイクロキュリー以下のクリプトン85を含有とあります。製造コード6929から1969年製(29週)と分かります。

 Box, Photo was presented by T. Kato (JA9TTT/1)

箱にはしっかりとラジオアイソトープマークが入っているではありませんか。しかし,定電圧放電管の中でも高信頼管0A2WA, 0B2WAの規格に起動特性の規格が入っているかどうかは疑問で,私はこれはシルバニア特有なのか,米国メーカー特有の仕様なのか,なのではないかと考えています。国内では東芝が1960年代はじめにWAを国産化していますが,クリプトン85を封入したとはとても思えません。

それを裏付けるような情報が次のものです。梅田さんから軍用機R-390のメンテナンスに関するサイトの情報を紹介いただきました。The R-390A Frequently Asked Questions Page(http://www.r-390a.net/faq-tubes.htm)の真空管の項に,WARNING: The OA2 family of tubes has a small amount of radioactive isotope inserted into them during manufacture to enable them to 'fire' consistently at whatever voltage they are designed to regulate. Handle broken tubes with care! 「注意:0A2の同族管は安定化するよう設計された電圧では一貫して起動できるよう製造時に微量の放射性同位元素を持っている。」

先のシルバニアのサンプルは1969年製でしたが,ちょうどその頃,民生用TVの高圧整流管もX線対策が厳しくなり,フィラメントを囲って全く見えなくなる構造に変更された時期だったと思います。恐らく0A2WAも例外ではなく表示が義務付けられたと見るべきでしょう。そうすると,表示の無い球にも封入されているということが考えられます。

もろいしさんから「サブミニアチュア管の定電圧安定管Raytheon 5787WAの箱にはっきりKr85と表示されています。その他ジャンク箱の中にはTR管1B24Aが3本あります」という情報もいただきました。4−65Aの管壁にはTh232と表示が付いているものがあります。大橋さんから「熱伝導で冷却する送信管では、セラミックにベリリウムを含有しているものがあり、人体に対して毒です。Eimacの8874がその種の球だったように思います。」

クリプトン85はβ崩壊する核種で,半減期は約11年。自然界には存在せず,原子炉の燃料などの核分裂により生成される人工的な核種です。半減期は比較的長いので20年たっても1/4,案外減らない。クリプトン85はβ崩壊ですので,加速した電子線を出し,これはガラスでとまります。ですから問題ない。β崩壊の一部がガンマー線を伴い,これはガラスを透過します。昔のTVには高圧整流管が使用されX線が出ましたので特にカラーTVの時代1960-70年代にはその人体への影響が問題視され,鉄の箱におさめたり,整流管自身もフィラメント周りに遮蔽用の構造を追加して被爆を低減していました。クリプトン85のガンマー線は,X線より数10倍以上エネルギーが高く透過性も強いが,TVの方は電流が大きく線量率は大きかったのに対して,こちらは封入量(放射能)が少ないので問題にならないほど線量率は低いと考えられます。ですから,普通に使用する限り,定電圧放電管の使用上の注意に「シールドしなさい」などと書かれていない訳です。安心して使用できます。

問題は,ガラスが破れた場合でしょう。もしガラスが破れた場合には,クリプトンは稀ガスですから,部品としてその場に残るものではなく,空気中に拡散し消え失せます(本当は限り無く薄くなるだけ)。誤ってそのガスを全て吸い込んだとしても稀ガスですからその多くは人体から排出されるでしょう。この間に体内で直接β線を浴びたり,ガンマー線を浴びるのは,まさに放射線被爆の話になります。しかし,注意書きに「大量に廃棄する場合」とあるのであれば,大量にガラス管を破って稀ガスを空気中に出した場合のことを想定しているのでしょう。量的な問題であって,我々が保管するのはせいぜい数10本ですから,全く問題はないと考えられます。精神衛生上は,もしガラスが破れた場合には,(1)深呼吸などしないうちに,部屋を解放し,風通しをよくする,が唯一の対策でしょう。

最後に保管の方法ですが,通常はどこに置いても問題ないはず。気持ちが悪い方は,(1)距離をとる。物置きにでもしまっておく。缶に納めるより効果的です。この減衰率は電波の減衰と同じです。夜光塗料の腕時計と枕元の目覚まし時計の話しと同じです。(2)遮蔽する。鉛,重コンクリート,無ければ石などで囲む。普通はできない相談でしょう?

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