私のマック/My Macintosh

PM-4400/200

マックは死なない!

 

1.脳の仕組みとハードディスクの記憶

人間の脳みそ程,不思議なものはないが,人間,考える機械を作って早50年。いまや家庭の台所の壷にある糠味噌や冷蔵庫のカニ味噌だけでなく,家庭のパソコンにも大いなる脳みそが入っている。演算機能はCPUにあることは誰でも知っているが,これを脳みそ然とさせるものは,コンピュータの世界ではソフトウェアということになっている。ソフトと機械を繋ぐものは,半ソフトであり,生まれながらにして備えているものが,BIOSであり,またその家系がだいだい受け継ぐ氏素性がOS,そして学校にいって習い覚えるものが,アプリケーションソフト。ハードウェアはうまれてから手足や目や耳を増やしたり,継ぎ足したりできるのは,機械人間だからなのだが,ここにも接続時の制限がある。血管が細いと碌な者が繋がらないのはもちろんだが,神経もつなげてやらねば動かない。

さて,ハードディスクの話に入るが,これは,OSの話である。うまく設計されたOSの下ではコンピュータは意気がいい。10代の若者は元気に動く。しかし,老化がはじまり,やがて脳みそ,中でも記憶がごちゃごちゃになると覚えていないだけでなく,身体の動作がおかしくなる。神経回路網は壊れていない。なのに何故うまく動かない?コンピュータの老化とは何か?記憶を書き直し,継ぎ足していくと,そのうち,記憶が繋がらなくなる,という現象が起きる。1つは記憶を呼び出す時間がかかり過ぎて,他の動作と同期が取れなくなり,不完全な記憶を頼りに組み合わさった命令は,自分の記憶を壊していくのである。これは,若いうちは起きにくいが,腐敗物が脳のあちこちに貯まってくると起きる。これを救う方法の1つは,ときどき掃除をしてやることだ。人間なら,仕事を終えてリクレーションやラジオ体操などで気分転換,温泉にはいったりマッサージしたり。コンピュータは電源停止時に個々のテンポラリーファイルを消去したりするのは知られているが,ファイルを格納する場所の情報を記した住民台帳やら過去帳がしまいに混雑してくると破局に至る。これを掃除できるのは,デスクトップの作り直し,などの若返り策がある。また壊れた台帳を修復できれば,なお良い。

こわれにくい台帳とはOSの設計にかかわっている。その意味で,マックは大変優れている。もう10数年使用している漢字Talk君はいまだ実用になっているし,ハードディスクの空き容量が100MBのうちの20MBしかなくともずっと動いてきた。マックはいつも爆弾を出して人間が世話をしなければ生きていけないひ弱なペットなのだが,しかし,それ以上破局的に壊れることはないので,一度死んでまだスタートさせるゲームのような簡単なルールのもとでは,案外長生きできる。それが,永年使えると信頼感をかちえた理由であり,いままで使ってきた訳である。

2. 改造のきっかけ

老化を意識したのは,MacOS 7.6.1/Hdd容量2GBでの運営がまさに破綻に瀕していた時でした。Hdd容量の食いつぶしは良くあることですが,OSがまともに動く残り容量という概念も良く知られていることです。漢字Talk7.0のQuadra700では,Hdd100MBに対して約20MBの残量でもう5年も動かしていますが,Netscape3.01jaを動かしてメールを受信しては何とか凌ぐことができます。残りが15MB位になるとき時々無駄なメールを削除してスペースを作ってやって,復活させます。同じようにPM4400/200では200MB位の空きを確保していました。写真を撮っては取り込み,編集し,オリジナルは他のHddに退避させ,そしてメインの写真ファイルは消去するという繰り返しで数年を過ごしてきました。

漢字Talk7時代の旧いNorton UtilityでHddの状態を見ますと断片化が酷いと言われ,凄く心配でしたが,かといって同じサイズ以上のHddが無いとバックアップも取れず,またシステム無しではSpeedDiskも動かせません。デスクトップの再構築は何度かやりましたが,問題は解決せず。

結局,外付けHddを入手し,バックアップを取り,他のドライブから起動してみたのが2001年2月頃。SpeedDiskを試みたところ,実行できず。Versionが旧く対応できません。新しいNorton Utility 3.5はMacOS8.0対応のようで,2003年の6月にようやく中古を入手して動かしました。すっきり掃除をしたのは,良かったけれども,不正なFinder設定,Directory Record -Catalog B-treeのエラーを検出,これを解決するには他のドライブでシステムを立ち上げて直す必要がありました。

こうしてみると,OSは設計された通りに動き,Hddを管理するのですが,書き込みと読み込みで誤りを起こします。ドライブのスピード,DMA等の転送スピード,それに管理テーブルであるDirectoryの大きさ(深さ)が大いに問題になるようです。Hddには2万個のファイルが存在し,毎回,空き領域を書いては消している状態では,ソフト的なエラーが起きやすくなり,それによって誤った情報が書き込まれるとつじつまが合わなくなり,その部分に触れた作業を行うと,破局に至ります。その度に再起動をかけて乗り切ってきました。

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