Full Wave Rectifier/両波整流管
KK: 全波整流管[JIS/CES以前および非JIS名]
KX-80, KX-80C, KX-80K, KY-84, KY-84A, KZ-25Z5, KH-2
KK: 全波整流管[JIS/CES]
24Z-K2, (旧)5X-K4(=KX-80), (新)12G-K4 (=KX-80K/5CG4?), (新)5G-K4 (=KX-80K/5CG4), 5X-K6(=KX-5Z3), 6Y-K8(=KY-84), 12G-K10(N-021), 36Z-K12 (KhKh), 6G-K14, 5R-K16 (=6CA4), 5G-K18 (Kf)(=5U4-GB), 5G-K20 (<5AR4), 5G-K22 (=6G-K17x2), 5G-K24 (<5AR4)
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JIS/CES名の登録は,商工省が制定した臨時日本標準規格第53号により社団法人電気通信協会が小型真空管の型名付与規格第7条による機関の指定を受けて,1942年に初の型名付与を行ったことに始る。JIS/CES登録の整流管は奇数が半波整流,偶数が両波整流管である。
両波にはB電源用が含まれる。通番で2から24まで(12種分)が確認されているが,新旧重複があり,全部で14種である。外形はST5種,GT8種,MT9pinが1種である。うち,直熱管3種,傍熱管11種である。半波整流管と違って,1950年代末にはシリコンダイオードの普及により開発は終了してしまった。
CES登録名でない戦後の整流管で有名なものもある(80Kなど)。そこで,本章にはこれらも解説した。
ラジオ用直熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
5.0V,2.0A,4C,400V/125mA,-1400V,375mA
ラジオ用傍熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。
(原型・構造・特性)
5.0V,1.0A,80C,400V,100mA
ラジオ用傍熱型全波整流管。松下?。1948年?
(原型・構造・特性)
5.0V,2.0A,80K,400V/110mA
(松下54)5.0V,1.75A,ST45-,(H,2P,1P,H-K),
1400V/330mA,400V(C)/140mA
ラジオ用傍熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
6.3V,0.5A,5D,450V/60mA,-125V,180mA,
ラジオ用傍熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
12.0V,0.25A?,5D,450V/60mA,-125V,180mA,
トランスレス・ラジオ用傍熱型倍電圧整流管。東京芝浦電気マツダ支社19?。
(原型・構造・特性)
25.0V,0.3A,6E,125V,100mAx2,-/500mA
トランスレス・ラジオ用傍熱型倍電圧整流管。東京芝浦電気マツダ支社1942年?。
(原型・構造・特性)
24V/0.25A,12V/0.5A,H2,300V/100mA
トランスレス・ラジオ用傍熱型倍電圧整流管。東京芝浦電気マツダ支社1939年。1942年登録。
(原型・構造・特性)
24V,0.15A,ST38-105mm,6B(大盛6E),(各ユニット毎)125Vrms/30mA,Ehk300V,30s
ユニットは同時開発のトランスレス用倍電圧整流管12X-K1に同じ。名称は1942年に再登録。12Z-P1,12Z-DH1,12W-C1,12Y-V1,12Y-R1,12Y-L1などと同時発表。倍電圧整流用であるが,ヒータ・カソード間の絶縁耐圧がいまいちでショート事故が多かったものと思われる。所有している唯1つのサンプルは加熱時に片ユニットが絶縁不良になる。
(その後)戦前は放送局型122号,123号(1939年〜)の整流管として用いられた。1943年には一時製造が中止されたが,戦後1945年〜1946年には戦前のセットの保守用として製造が再開され,さらに放送局型123号の名称を単に変えただけの国民型受信機1号ならびにダイナミック・スピーカに変えた国民型受信機3号がNHKにより制定されたこともあり,1950年代末まで製造された。東芝60保守品種。松下(1954以前)
ラジオ用直熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
5.0V,2.0A,4C,400V/125mA,-1400V,375mA
ラジオ用傍熱型全波整流管。日本無線(JRC)。〜1955年。
(原型・構造・特性)
12.6V,0.8A?
ラジオ用傍熱型全波整流管。松下。〜1955年。
(原型・構造・特性)
5.0V,2.0A,GT29-,(NC,H,-,2P,-,1P,-,H-K),400V/110mA
(松下54)5.0V,1.75A,GT29-,(NC,H,-,2P,-,1P,-,H-K),
1400V/330mA,400V(C)/140mA
原型はKX-80Kで,ST管をGT管に変更したもの。KX-80KはKX-80/5Y3-GTの傍熱型で特性は同じ。ヒータ電力に違いが見られる。後に米国EIA名5CG4に統一され,消滅した。
(参考5CG4)
(松下60)5.0V,2.0A,GT29-(90/76mm),(NC,H,-,2P,-,1P,-,H-K),
500V,140Ω,10μF,42mA/610V,84mA/560V,Δ50V
350V, 50Ω,10μF,62.5mA/390V,125mA/350V,Δ40V
1400V/400mA,500V(C)/150mA,
ラジオ用直熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
5.0V,3.0A,4C,500V/250mA,-1400V,(750mA)
ラジオ用傍熱型全波整流管。東京電気(東芝マツダ)。?
(原型・構造・特性)
6.3V,0.5A,5D,450V/60mA,-125V,180mA,
ラジオ用傍熱型両波整流管。JRC(日本無線)1947年。
(原型・構造・特性)
12.6V,0.36A,-,350V/70mA(400V/90mA)
ヒータ電圧が12.6Vであるがトランスレス用ではない。ヒータ電力は4.536W(5.0V換算,0.9A)ボタン・ステムを用いたGT管。米国6X5-GT(6.3V,0.6A,325V,70mA)を12.6Vに直したような特性を持つ。同時発表に12G-C4(N-361),12G-R4(N-051),12G-V3(N-053),12G-DH4(N-231),12G-P7(N-052)があった。ヒータ電流は0.36A,0.22A,0.22A,0.22A,0.36A。
トランスレス・ラジオ用傍熱型双2極倍電圧整流管。東芝マツダ1948年
(原型・構造・特性)
36V,0.175A,6E,125V/45mAx2
24Z-K2(24V,150mA)の改良版に相当するが,仕様は大きく異なり原型は不明。新175mAヒータ。トランスレス・ラジオ「ホーム・スーパ・シリーズ」12W-C5,12Y-V1A,12Z-DH3A,12Z-P1Aと同時に開発。24Z-K2の30mAから45mAと50%UPした。24Z-K2と並んで1956年頃までカタログにあった。松下1954以前。
傍熱型全波整流管。東芝マツダ1957年。
(原型・構造・特性)
5.0V,1.2A,350V/150mA,240Ω,50μF
原型は欧州Mullard社のEZ81/6CA4で,ヒータ電圧を5.0Vに変え,ヒータの片側をカソードに結んだもの。6R-P15とともに開発された。
NEC,TENも作った。
直熱型全波整流管。東芝マツダ1957年。
(原型・構造・特性)
5.0V,3.0A,450V,275mA,67Ω,40μF
原型は米国5U4GBで,単に外形が異なる。米国の水平偏向出力管6DQ5Aに対する東芝の6G-B9と同様に,製造上のコスト削減の目的で開発。T38バルブをベース部で絞る手間を省き,T38バルブがストレートに入る大型シェルをはめこんだもの。当時は量産向きであったが,後にガラス絞り込みが普及するとともにコスト高になり廃止された。したがって,5U4-GBの方が一般的に普及している。
傍熱型全波整流管。NEC(新日電)1957年。
(原型・構造・特性)
5.0V,1.9A,250mA
原型は欧州GZ34/5AR4。小型電源用に開発。
傍熱型全波整流管。東芝マツダ1958年。
(原型・構造・特性)
5.0V,3.0A,550V,162mA/300mA,97Ω,40μF
原型は東芝がTV用に開発したダンパ管6G-K17で,これを2本封入したもの。出力管6G-B8とともに開発。最大定格は5U4-GB同等であるが,傍熱型になっており,またパービアンスは4倍高い。また外形は6G-B8と同じで,T35バルブを使用し下部を絞り込まないストレート管に大型シェルをはめた形(当時の量産型)である。後にT35は廃止された。
傍熱型全波整流管。東芝マツダ1959年。
(原型・構造・特性)
5.0V,1.9A,450V,250mA,125Ω,10μF
原型は欧州GZ34/5AR4。小型電源用に開発。6G-A4とともに開発された。