[日本標準名称制度以前の球]
[JIS名でない球]
[JIS/CESの球]
6Z-E1,6Z-E3, 6M-E2,6M-E4, 6M-E5
12Z-E6, 6G-E7 (6DL7), 12Z-E8, 12Z-E9
双同調指示管EE
検波付き同調指示管DE
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同調指示管いわゆるマジックアイは,JIS/CES登録の受信管で最も新しい分類の1つで,Eシリーズが14品種,EEシリーズが1品種,そしてDEが2品種ある。Eシリーズに登録が確認されている通番はE1からE14までの14品種で,E11は欠番となっている。外形の内訳はT型ガラス管を用いたST管が5品種,GTが3品種,7ピンMTが4品種,9ピンMTが1品種,サブMTが1品種である。この他,EEには9ピンMTが1品種,DEにはGTと9ピンMTがそれぞれ1品種ある。
戦前には米国名の球6G5/6U5が1品種国産化され製造されたが我が国ではスーパー受信機は希であったので普及しなかった。戦後の1948年以降にスーパー時代が到来し,古いタイプの6G5系の復活,続いて1950年代に入ると米国型1品種6E5が国産化され,日本独自のMT版6E5Mが製造されるようになった。その後6E5が主流となり圧倒的なシェアを持つようになった。その後,マジックアイ開発競争が起こり,6E5をベースに独自の名称を持つマイナーチェンジ版や特異なMT管6E5P等が開発されるに至り,JIS/CES名による規格統一が試みられ,いくつかはJIS/CESに再登録された。またJIS/CES名確立後は,米国名の新しい球や欧州の球でEIAに登録された球も製造された。
東京電気マツダが1938年頃に国産化。戦後,HW真空管が1948年頃国産化。詳細は略
東芝マツダが1951年に国産化。詳細は略
MT型同調指示管。岡谷1951年。松下1954年以前。
(原型・構造・特性)
(松下)6.3V,0.15A,MT18-(62〜70mm),ベース(20-21mm)(G,P,H,H,TA,NC,K)
180V,Rp1M,Eg0V,Ita2.5mA,Ib0.145mA,(陰影角90度);Eg-7V,(0度);0V
/Eb180V,Eta180V,Ehk90V
MT用バルブ(T18)の排気チップを下に設けて,頭に蛍光指示部を持ってきたもの。このためMT管にもかかわらずベースが必要になった。
松下の記述。MT用バルブ(T18)にベースをつけた同調指示管で,6E5と同様にラジオ受信機,測定機などの制御電圧の変化を蛍光ターゲットで可視的に指示できる。ただし6E5より最大定格が低いので注意を要する。
(その後)松下はVICTORのブランドでも供給した。
堀川真空管(ホリゾン)。1954年頃。従来のEZ6E5のガラス管の長さを縮め省スペースとしたもの。ラジオキャビネット内のマウントスペースを確保。
東洋無線。1955年頃。Dはダイヤモンド。原型の6E5は頭部の円形表示窓の中心には金属でできた遮断光板があるが,これを赤色のカットガラスに置き換え,ヒータの点灯で赤く光らせたもの。人気があった。
NEC。1955年頃。詳細は6Z-E1参照。
東洋無線。松下。1956年頃。マジックフィンガー。詳細は6M-E4参照。
松下1955年頃。DM71/1N3をMT化したもの。欧州Philipsで開発されたと思われ,米国EIA名を持つが,米国では生産されなかったかもしれない。Philips系の松下がEIA名で製造した。
1.4Vac or dc, 0.025A,
DM71/1N3 Pin=(G,IC,NC,F,F,NC,NC,P) acの場合pin5を検波側にアース
EM90/1H3 Pin=(G,NC,F,F,NC,P,IC)
Ebbmax300V, Ebmax45-150V at Eg0V,Ikmax0.6mA, Pb75mW, Rg10M
(1)DC Ebb67.5V, Eb60V, Ib0.105mA, Eg0V(L=10mm),-7V(L=0mm)
(2)DC Ebb90V, Eb85V, Ib0.17mA, Eg0V(L=11mm),-10V(L=0mm)
(3)AC Ebb110V, Rp470k, Ib0.105mA, Eg0V(L=10mm),-15V(L=0mm)
(4)AC Ebb170V, Rp1M, Ib0.11mA, Eg0V(L=10mm),-23V(L=0mm)
(5)AC Ebb250V, Rp1.8M, Ib0.105mA, Eg0V(L=10mm),-34V(L=0mm)
(S)T型管。3極管付き双指示型同調指示管。東芝マツダ。1955年。
(原型・構造・特性)
6.3V,0.3A,T29-(86+/-5mm/105mm),6R(H,P,G,TA,K,H)
(CES松60)250V,Rp1M,Eg-6V,Eta250V,(陰影角90度);Eg-10.5V,(0度)
(松下の記述)6E5と同じ外形寸法と電気的特性を有する同調指示管であるが,6E5と違って制御電極が2個あって互いに180度の方向に2つの陰影が生じ,かつ常に働くので,6Z-E1を使用したセットは,その位置の高低にかかわらず,同調指示の非常に見やすいことが大きな特徴。
(その後)東芝マツダの他,松下,NECなど各社で生産。
MT型同調指示管。岡谷RODIN。1955〜1958年。
(原型・構造・特性)
MT用バルブ(T18)の排気チップを横に設けて,頭に蛍光指示部を持ってきたもの。蛍光指示部は中心部が片側に寄った楕円で,蛍光面が大きく展開されている。
(その後)
(S)T型管。3極管付き同調指示管。不明。東芝以外195?年。6E5の改良版。
(原型・構造・特性)
6.3V,0.3A,T29-(86+/-5mm/105mm),6R(H,P,G,TA,K,H)
(CES松60)250V,Rp1M,Eg-3V,Eta250V,(陰影角90度);Eg-7V,(0度)
米国6E5の感度を約2倍に改善し,陰影角0〜90度をドライブする制御電圧の範囲0〜-7Vを-3V〜-7Vに狭めたもの。
(6E5/CES松60)250V,Rp1M,Eg-0V,(陰影角90度);Eg-7V,(0度)
円錐型MT管。マジック・フィンガー型同調指示管。東洋通信,松下。1956〜1958年。
6.3V,0.2A, Ebmax300V,Etamax300V,Ehk100V
(G,P,H,H,Ta,NC,K)
250V, 1.0M, Ita2.0mA, Eg0V(open)/-3V(close)
MT型同調指示管。松下。1956〜1958年。
(原型・構造・特性)
6.3V,0.15A,MT18-(60〜70mm),(G,P,H,H,TA,NC,K)
180V,Rp1M,Eg0V,Ita2.5mA,Ib0.17mA,(陰影角90度);Eg-6V,(0度)
/Eb180V,Eta180Vmax〜140Vmin,Ehk90V
6M-E5は先に岡谷が開発し有名になった6E5-Mの登録名と思われる。
松下の記述。MT用バルブ(T18)にベースをつけた同調指示管で,6E5と同様にラジオ受信機,測定機などの制御電圧の変化を蛍光ターゲットで可視的に指示できる。ただし6E5より最大定格が低いので注意を要する。
(その後)松下はVICTORのブランドでも供給した。
ST形同調指示管。東芝以外。1956〜1958年。250V仕様で6E5の12.6V版。
双3極管付きGT型同調指示管。TEN,松下,東洋。1956〜1958年。
(原型・構造・特性)
(トーヨー6G-E7)
6.3V,0.3A,GT-(74.5/83.0〜92mm),(NC,H,2P-C, G,TA,1P-C, H, K)
Ebmax250V,Etamax250V,Ehk100Vpeak
250V,Eta250V,Eg0V,Ip3mA,Rp1M,
(1)Eg-5.5V,(Pc1閉又)
(2)Eg-22V,(Pc2閉又)
(一木)
6.3V,0.3A,GT-(76/86〜90mm),1-12(NC,H,1P,G,TA,2P,H,K)
100V,R11M,Eta100V,
(1)Eg-1.0V(陰影角90度);Eg-3V,(0度)
(2)Eg-2.5V(陰影角90度);Eg-8V,(0度)
TENは6G-E7/6DL7と表示。松下は6DL7。6DL7はEIA名か?PIN配置ではプレートのユニット番号が異なる。
(参考6DL7松下60)
6.3V,0.3A,GT-(76/86〜90mm),(NC,H,2P,G,TA,1P,H,K)
250V,Eta250V,Eg0V,Ip3mA,Rp1M,
(1)Eg0V(α1陰影角90度);Eg-5.5V,(α1最小)
(2)Eg0V(α2陰影角90度);Eg-22V,(α2最小)
1個の管球内に6E5に近似したシャープカットオフ特性と6U5に近似したリモートカットオフ特性を有する2個の3極管を封入し,それにより制御される蛍光ターゲットを備えた同調指示管。
トランスレス・ラジオ用3極管付きT型同調指示管。6E5の低電圧版。
東洋無線(トーヨー)1958。松下,NEC1956〜1958年。
(原型・構造・特性)
12.6V,0.15A,T29-(86+/-5〜105mm),(H,P,G,TA,K,H)
110V,1M,Eg0V,2mA,Ita1.1mA,(陰影角90度);Eg-4.5V,(0度),Ebmax120V,Etamax120V,Ehk90V
(松下)ヒータ電流150mAのトランスレス・ラジオ用に特に設計されたマジック・アイ。ターゲット電圧が特に低電圧で動作するので,完全な同調指示管付きトランスレス・ラジオ受信機の製作が可能。
MATSUSHITA 1959.1,MODEL AM-335(\10,500);12BE6,12BA6,12AV6,30A5,19A3+12Z-E8, MODEL AM-505(2speaker)(\13,500);SAME LINE.
東洋無線(トーヨー)1958。NEC 59
三極管付き双同調指示管。6Z-E1のトランスレス版で低電圧形12Z-E8の両開き版。
東芝56,東洋無線(トーヨー)1958。
双同調指示管。東洋無線(トーヨー)1960年。
6.3V,0.3A,T32-84,pin=2G,1P,K,2G,2P,TA,H,H
Ebt250Vdc,Ibt4.5mA,Eg=-4.5V(close),Rp=1M
FMステレオ放送用。縦型長方形の窓が横に2つ並んだもの。2つの3極ユニットを持つが,蛍光面はエスカッションで2分されている。
表示窓の形はである。OPEN時は影が三角形に開くが,通常の6E5などと逆向き,2ユニットを合せた形は菱形になる。両ユニットCLOSEの時には三角形の高さが低くなり,潰れた菱形となる。
双同調指示管。東洋無線(トーヨー)1961-1962年頃
6.3V,0.3A,T32-84,pin=(2G,2P,K,1G,1P,TA,H,H)
Ebt250Vdc,Ibt4.5mA,Eg=-4.5V(close),Rp=1M
FMステレオ放送用。横長長方形の窓に正方形の遮蔽板が中央にある。2つの3極ユニットを持ち,蛍光面にエスカッションは無いが左右独立に表示される。
表示窓の形は長方形である。OPEN時は影が三角形に開き,通常の6E5などと同じ向き,2ユニットを合せた形は6E5の両開きの6Z-E1と同じ形。一木氏の全日本真空管マニュアルのピン配置は間違っているので注意。
東洋無線,松下
NHK技術研究所の内田秀男(故人,奥方は現在の秋葉原の内田ラジオ・ショールーム)により研究され,東洋無線,松下電子産業が商品化した。ガラス管側面に蛍光体を塗布し,内面には透明導電膜(SnO2,ネサ膜)が形成され,後の蛍光表示管の先駆けとなったという。
6.3V, 0.2A, pin=(G,K,Ta,H,H,IC,P,Ta,Ta)
Ebb300V, Eta200-300V, ehk=160V
Eb250V, Eta250V, Rp2M, 1mA, Ita1.5mA, Eg-2V, Eg0V(L=22mm),
Eg-3V(close), Eg-10V(open)
東洋無線,1956年。TV同調指示用。550円。
東洋無線,1956年。TV同調指示用。未定。