ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

Square of Homemade Tube Radios/自作管球ラジオの広場

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-プラグイン・コイルを使わない-

Two bands 1V2 Straight Receiver/

2バンド高1ストレート受信機

Takao TSUDA, Mie Japan/三重県 津田孝夫

(2000.1.7), (2006.7.18)
(Takao TSUDA/津田孝夫) c/o Radiomann
 

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いままで私がみた雑誌では,短波のストレート受信機はプラグイン・コイル式のものが大部分で,市販のラジオでも見たことがありません。そこでスイッチ切り替えの2バンド高1ストレートラジオを作りました。

ツマミは左から電源スイッチ,再生,感度,バンドスイッチ(SW-BC),ダイヤルは減速機構付きの自作で左隅にパイロットランプ付き。スピーカグリルは布貼り。パネルはベニア板に木目調ビニールを張りました。

回路

回路はリモートカットオフ5極管12K7GTによる高周波1段,シャープカットオフ5極管12SJ7による再生式グリッド検波,3極管12J5による低周波増幅,ビーム出力管12A6による電力増幅,双2極管50Y6による整流という高周波1段,低周波2段のトランスレス1V2受信機です。

検波の感度をあげるためと,再生の掛かり方が良くなるとのことで,検波管のプレートにチョーク・コイルを使いました。

また,チョーク・コイルへの電源変圧器からの誘導をさけるため,トランスレス式にしました。全波倍電圧整流では,球ヒーターに約100Vの直流電圧がかかるので,半波倍電圧整流にしました。半波倍電圧整流ですと電源の片側がシャーシに繋がりますから,調整時プラグの差し込み方に気を付ければ,シャーシを触っても感電することはありません。この回路でB電圧は50Y6のカソードに216V出ました。

主な部品

コイル:

直径20mmのボビンに巻き,中波の検波コイルのプレートコイルには,4mHのハニカムコイルをボビンの中に入れました。周波数範囲はBCが510-1600kHz,SWが3.3-11.5MHzになりました。BC帯が510kHzと低くなったのは,中波のコイルを単独でデイップメータで調べて巻き,実際に使用するときには短波のコイルが直列に入ったためと思います。中波のコイルを少し減らせばいいのですが,面倒なのでそのままにしてあります。

プレートチョークコイル:

低周波トランスの鉄芯に0.1mmのエナメル線を巻き付けるだけ巻きました。インダクタンスは電流を流さない状態で160Hでした。

ダイアル:

1:6の微動装置をバリコンに付けました。ストレート受信機なので短波でも楽に同調できます。

バンド切り替えスイッチ:

2-5接点のものが必要ですが,スーパーと違い2接点と3接点をシールドする必要があり,3段のスイッチの真ん中のウエハーをはずしシールド板を入れました。

箱の工作とネジとツマミ

感電が恐いので箱を作って入れました。木工は苦手なので大変でした。材料はベニア板で,木目の印刷してあるビニールを貼りました。シャーシを止めるネジはプラスチックを使い,ツマミを止めるネジはツマミに入っていなければなりません。

調整

12SJ7のカソードをアースしてスクリーン・グリッドのVRを回し,感度が最大の電圧を求め,この点で再生がかかるよう再生コイルの巻き数を加減します。再生コイルは配線図では同調コイルからタップを出してありますが,実際には同調コイルのアース側に0.1mmのエナメル線を多い目に巻き,少しづつ減らします。

使用結果

スーパーと比較すると分離の悪いのに驚きます。特に高周波増幅の感度が最大にしてあると分離が悪いので,高周波増幅の感度を下げて再生を効かせると分離が良くなります。高周波増幅の感度調整と再生の2つのツマミを使い分ける必要があるので,スーパーに比べると使いにくいラジオになりました。

 

左より12K7, 12SJ7, 12J5, 12A6, 50Y6。シャーシ背面の陸軍端子はアンテナとアース。スピーカは箱に取り付けてあり,シャーシ右から直接配線。

シャーシ裏。真空管ソケットは右から12K7, 12SJ7, 12J5, 12A6, 50Y6。バンドスイッチ周辺にシールド板。

 

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