改訂に際して:今回はラジオと真空管の文献を改訂しました。真空管アンプは毎月のように記事が掲載されていますが,整理できておらず未完です。
RR: Recent Reviews of Radios/近年のレヴィユー [Updated 2000.4.1]
RS: Modern Series of Radios/近年の連載 [Updated 2000.4.1]
RA: Single Articles of Radios/単発記事 [Updated 2000.4.1]
RH: Modern Homemade Radios/近年の自作記事 [Updated 2000.4.1]
RB: Old Books of Radios/昔の本 [Updated 2000.4.1]
RN: New Books of Radios/新しい本 [Updated 2000.4.2]
VD: Domestic Manual of Vacuum Tubes/国内真空管マニュアル
VF: Foreign Manual of Vacuum Tubes/外国の真空管マニュアル [Updated 2000.4.1]
VN: NEW BOOKS on Vacuum Tubes/真空管の最近の本 [Updated 2000.4.1]
VA: Single Articles of Vacuum Tubes/真空管の単発記事 [Updated 2000.4.2]
VS: MODERN SERIES on Vacuum Tubes/真空管の近年の連載 [Updated 2000.4.1]
VO: OLD BOOKS/昔の本,
VP: PAST SERIES on Vacuum Tubes/真空管の昔の連載 [Updated 2000.4.1]
AM: MODERN BOOKS of Tube Amp/真空管アンプの近年の本,
AS: MODERN SERIES of Tube Amp/真空管アンプの近年の連載
AO: OLD BOOKS of Tube Amp/真空管アンプの昔の本
ここでは,一般情報(ラジオ・真空管・真空管アンプにうまく分類できない)について紹介します。
+[G1a] 大塚久&MJ編集部: アメリカ最新真空管事情-ヴィンテージ・ラジオの世界, p.16-21, MJ, 1996.12
+[G1b] 大塚久&MJ編集部: アメリカ最新真空管事情-ヴィンテージ・オーデイオの世界, p.26-31, MJ, 1997.1
+[G2]ジャン平賀,丹治静(訳): ヨーロッパのヴィンテージ・オーデイオ-フランス発 ラジオと蓄音機の博物館, p.16-17(カラーページ), MJ, 1997.2
+[G3] 半澤公一: MJツアー,パーツショップと蚤の市めぐり, p.10-14, MJ, 1997.9
これ,オーデイオ関係のツアーだったが,要は米国のジャンク屋巡りの話なのでここに紹介する。
+[G4] マイク・サトウ: ヨーロッパ・オーデイオ事情見て歩き, MJ誌, 全20回,1996.12-2000.2
[1]ベルギー/ブリュッセル, p.52, 1996.12, [2]ベルギー/ブリュッセルその2, p.28-29, 1997.2, [3]ドイツ1:アマチュア無線ノミの市(真空管が出てくる), 1997.5, [4]ドイツ2:ヴィンテージ・プロ機コレクター, 1997.6, [5]イギリス1:ヴィンテージ機器専門店(ラジオの写真が出てくる), 1997.8, [6]イギリス2:ヴィンテージ機器ノミの市, 1997.10,[7] クラングフィルム製スピーカユニット(クラングフィルムの真空管と他社の互換表), p.68-691997.12, [8]ドイツのプロ機収集家,1998.2, [9]ベルギーのクラフト派によるオーデイオ,p.68-69, 1998.4, [10]ドイツの音楽愛好家, p.70-71, 1998.6, [11]イギリスのプロ用スピーカ研究家, p.14-15(カラー),1998.8, [12]イギリスの映画館の閉鎖と機材, p.62-63, 1998.10, [13] ベルギーの真空管商社を訪問, p.80-81, 1998.12, [14]イギリスの放送機器整備サービス会社, p.76-77, 1999.2, [15] オランダのアマチュア無線ノミの市, p66-67, 1999.4, [16]オランダの4チャンネルステレオ・マニア, p.74-75, 1999.6, [17]ドイツ製真空管試験器, p48-49, 1999.8, [18] ベルリンの放送博物館, p80-81, 1999.12, [19]はどこにいった?, [20] ベルギーフラマン古典ラジオ愛好者協会, p.74, 2000.2
著者はメーリング・リストでもお馴染みの方。このまま埋もれてしまっては惜しい記事なので,ここに取り上げます。私はオランダに短期間住んでいた経験があるのでベルギーには親しみを感じて記事を楽しみに見ていました。しかし,昔はラジオ関係のノミの市など知りませんでした。今となっては,社用の旅行者にはのみの市などは無理です。数週間前にオランダに行きましたが,ようやっと探したお店で真空管を購入しました。もちろん,オーデイオ用古典管ではありません。
+[G5] 金容哲: 韓国のオーデイオ産業発展史, p.164-165, MJ, 1999.1
短い記述の中に1959年に韓国製真空管ラジオが作られたとある。
+[G6] 小林悟: デイトン・ハムベンション-世界最大のアマチュア無線ふぇすていばる5月14-16日米国オハイオ州デイトン市, p.50-51, MJ1999.8
毎年のように開かれているが,ラジオ,真空管など
+[G7] 上田順作: アンテイーク・ラジオクラブ主催第18回ラジオフェスト, ARCIミーテイング見聞記, 8月4-7日アメリカ・イリノイ州エルジン, p.84-87, MJ1999.11
[RR1] 長真弓: レトロラジオあれこれ-国産ラジオと真空管の発達を振り返る,p.94-100, MJ,1988.10
[RR2] 詠み人知らず: -若きマニアに知って貰いたい!!-誌上博覧会 我が国のラジオ発達史, p.180-182, 発表誌不明,1960年代末から1970年代初頭,発行所不明
[RR3] 佐藤昌司: -古き良き時代のテトロード・ペントード・ラジオ,p.178-179, 発表誌不明,1960年代末から1970年代初頭,発行所不明 (Hermesの高1ペントード)
[RR4] =[VN6] 岡本次男,木賀忠雄: 日本アマチュア無線外史-先駆者の足跡をたどり今日の隆盛を学ぶ-電波実験社, 1991, ISBN4-924518-31-X
第1章長波から短波へ,第2章ラヂオ放送開始の前後,第3章ラジオ受信機の発達と, 42ページにわたり初期のラジオがまとめられている。また,早川金属工業研究所Sharp Dyne受信機(1930.10),七欧無線電気商会Flower VOX-18(), 松下電器製作所ナショナル受信機(1937.3)の雑誌広告, 三田無線5球スーパーが登場。
[RR5] 高田継男: 真空管ラジオ回路変遷史-鉱石ラジオからスーパーまで, p.132-143, MJ, 2000.1
MJ誌ラジオ特集第1弾。高田氏の解説はたちまち評判を呼んだ。ぜひ一読を。
[RR6] 西村基彦: 懐かしの5球スーパーラジオ-真空管ラジオ黄金時代, p.33-45, MJ, 2000.2
MJ誌ラジオ特集第2弾。米国1台,国産5台の計6台の5球スーパーが各2ページを使って写真,回路図とともに解説されている。良く整備されており綺麗である。
[RR7] Philip Collins; RADIOS The Golden Age, Black Dog & Leventhal Publishers, New York, 1989. ISBN 1-884822-66-5
内容は米国のラジオおたくが集めたとても美しい外観のラジオの写真集。出版は少し古いが1999年に米国で普通の本屋(科学教材屋?)で購入した本。日本で言えばミゼット型なのだが,茶色,白,クリーム,オレンジ,などのプラステイック製(日本ではベークライト製,フェノール樹脂,ユリア樹脂,色々),鏡製ラジオで,日本には無かっただけに珍しく美しい。当時は安物だったのだが,今日では米国では非常に高価に取引されている。
[RS1] 田口達也: ヴィンテージ・ラジオ物語,誠文堂新光社,1993,ISBN4-416-19310-6 C2055 P3900E
MJ無線と実験に1989.9から1992.8まで連載したもの,全36回の連載だったが初めの半分はモノクロのページだったが,後に人気を博してカラーページになったらしい。私は連載当時はMJ誌購読をやめていて,後から単行本を入手した。今日では日本唯一の古典ラジオの単行本。いま,バックナンバーを入手してみると単行本化に際して一部カラー化したページもあるようだ。
内容は題名通りヴィンテージ・ラジオを扱っているので,ほとんどは見たこともない古い物(見る物新しいものばかり)。なんとなくすーと読めてしまい,後に残らない。つまり,読み物として完成されているが,技術資料としては,もう少し掘り下げたものが必要だったかも。私個人の趣味で言えば,もっと後年の泥臭い並4高1の世界が一番見たいものなので,ちょっと違うかなという本。
でも皆さん,カラーが綺麗ですから,大いに買って楽しみましょう!何せ,この本は古典ラジオ唯一の本なのです。売れ行きが良くないとラジオ関係の本が次に出版できなくなってしまうそうです!
私が参考にしているのは付録の東京電気マツダの昭和12年3月の真空管カタログ。ラジオ関連の球が抜粋され,規格と特性曲線が出ており,大いに参考になる。掲載品種は,UX-12A,KX-12B,UY-24B,UX-26B,UY-27A,UY-47B,UZ-77,UZ-78,UX-120,UX-171A, UV/UX-199, UX-201A, UY-227B,UY-235。おまけに,UZ-79の図が1枚紛れ込んでいる。
[RS2] 大蔵恭仁夫: 古典ラジオ同好会No.1-No.103,モービルハム1991.8-2000.2,電波実験社 ((主に国産ラジオ関連を下記にひろいあげたが自作もある))
モービルハム誌は2000.3で突然廃刊になり(休刊と言っている),連載が終了しました。
2a] 古典ラジオ同好会No.6, 青木守市: 古典級の並四球ラジオを復元して,テレビアン国策T型, モービルハム1992.1.
2b] 古典ラジオ同好会No.10, 松井利夫: 大正末期から昭和中期のラジオ80点を展示する-群馬県桐生市明治館ヴィンテージラジオ展,モービルハム1992.5.
2c] 古典ラジオ同好会No.12, 大蔵恭仁夫: 国産真空管事始め 株式会社安中電機製作所のDetectron(1910s)と沖電気株式会社の無線電信検波電球, モービルハム1992.7.
2d] 古典ラジオ同好会No.14, 河田研一: オリジンラジオ,こすげ電気製作所,金属キャビネット入り並4, モービルハム1992.7.
2e] 古典ラジオ同好会No.18, 大蔵恭仁夫: オリオン5球スーパ 1953, モービルハム1993.1.
2f] 古典ラジオ同好会No.20, 久保田祐弘: 山中電機製ダイヤモンド・スピーカ(ホーン型), モービルハム1993.3.
2g] 古典ラジオ同好会No.21, 久保田祐弘: ヘルメス四球高1ラジオ, モービルハム1993.4.
2h] 古典ラジオ同好会No.33, 大蔵恭仁夫: 並4球型単球受信機の製作,モービルハム1994.4.
2i] 古典ラジオ同好会No.37, 大蔵恭仁夫: アンテイーク風オリジナル・ラジオの製作,モービルハム1994.8.
2j]古典ラジオ同好会No.39, 松井利夫: 3球式(201Aレフ)エリミネータ受信機の復元,モービルハム1994.10.
2k] 古典ラジオ同好会No.42, 吉沢 x: 東京通信工業H-1型テープレコーダ,モービルハム1995.1.
2l]古典ラジオ同好会No.43, 大蔵恭仁夫: 放送局型123号受信機の製作,モービルハム1995.2.
2m] 古典ラジオ同好会No.44, 松井利夫: ラジオの修復とツマミの復元,モービルハム1995.3.
2n] 古典ラジオ同好会No.46, 吉沢 x: 昭和初期性並四球受信機TERIYA修復記,モービルハム1995.5.
2o] 古典ラジオ同好会No.52, 大蔵恭仁夫: 旧帝国陸軍92式電話機,モービルハム1995.11.
2p] 古典ラジオ同好会No.63, 久保田祐弘: MT管による並三ラジオの製作, モービルハム1996.10-11.
2q] 古典ラジオ同好会No.68, 久保田祐弘: ループアンテナを使った小型高一ラジオの製作, モービルハム1997.3.
2r] 古典ラジオ同好会No.74, 久保田祐弘: 鉱石ラジオの製作, モービルハム1997.9.
2s] 古典ラジオ同好会No.75, 久保田祐弘: 円筒コイル式の鉱石ラジオの製作, モービルハム1997.10.
2t] 古典ラジオ同好会No.77, 青木守市: AtwaterKentタイプLホーンスピーカの復元, モービルハム1997.12.
2u] 古典ラジオ同好会No.81, 青木守市: AtwaterKent AT20C用FET真空管の製作, モービルハム1998.4.
2v] 古典ラジオ同好会No.90, 大蔵恭仁夫: 世界最初のTYK式無線電話機, モービルハム1999.1.
2W] 古典ラジオ同好会No.93, 松井利夫: ナナオラ100型受信機,モービルハム1999.4.
2x] 古典ラジオ同好会No.96, 大蔵恭仁夫: おもしろラヂオの製作(1), モービルハム1999.7.
2y] 古典ラジオ同好会No.98, 上原一雄: 山中電機(株)製の並4ラヂオ-テレビアン(九電型), モービルハム1999.9.
2z] 古典ラジオ同好会No.96, 大蔵恭仁夫: おもしろラヂオの製作(3), モービルハム2000.2. ((中身は[2x]に掲載のものとほとんど同じ,何故でしょう?))
こうして連載は終了しました。
[RS3] The Old Timer's Bulletin, Official Journal, Antique Wireless Association, Inc.
米国の古典ラジオ同好会みないな集まりの機関誌。会員には年4回配布される。忘れた頃に雑誌が送られてくる。日本からは年15ドルだったはず。私は以前にまとめて2年分送った。雑誌は始めのうちは面白かった。
しかし,インターネットが使用できるようになった現在,日本では余り会員になるメリットはない?入会したからには会合に出席しないと。もちろん,バックナンバーを取り寄せることはできるのだが,国産ラジオの情報はないし,米国の情勢を掴むにはインターネットで事足りる。
[RS4] 佐伯多門: スピーカ技術の100年-20世紀のトランスデューサー技術変遷史-,
(この記事はすばらしい)
4a] No.1 マグネティック・スピーカ編, p.62-67, MJ, 2000.1...(1924,5年のラジオ登場)
4b] No.2 マグネティック・スピーカ編(2), p.25-32, MJ, 2000.1...(放送局型123号も登場)
4c] No.3 ムービングコイル型スピーカーの誕生, p.21-26, MJ, 2000.3.(このへん電蓄)
4d] No.4 RCAライス・ケロッグ型スピーカー編, p.25-31, MJ, 2000.3.(このへん電蓄)
[RS5] 山川正光: 無線通信技術発達史- 20世紀の革命的通信・放送技術,
(この文献は考証がやや甘いのですが,例によって珍しい写真が楽しめます。長真弓さんの警告の記事も合わせて読む必要があります。毎度ご苦労様です。)
5x) 長真弓: 「壷」の破片で「皿」を作った話,サイドワインダー/読者のページ, p.217-218, MJ, 2000.6.
5a] No.1 電気・磁気の発見, p122-127, MJ, 1999.10...(電信機など)
5b] No.2 火花通信の成功, p103-131, MJ, 1999.11...(コヒラ検波器など)
5c] No.3 世界最初のラジオ放送局, p109-131, MJ, 1999.12...(鉱石ラジオなど)
5d] No.4 タイタニック号のSOS, p125-131, MJ, 2000.1...(TYK式無線電話機など)
5e] No.5 鉱石から真空管式ラジオへ, p101-107, MJ, 2000.2...(ラジオラ24まで)
5f] No.6 真空管の発明とラジオ放送, p98-108, MJ, 2000.3...(認定ラヂオ機器目録など)
5g] No.7 放送黎明期のラジオ, p102-108, MJ, 2000.4...(鉱石から放送局型123号まで)
5h] No.8 ラジオ付き電気蓄音機の台頭, p.112-118, MJ, 2000.5...(蓄音機からデリカCS-7まで)
5i] No.9 放送機器の開発, p.107-113, MJ, 2000.6...(戦後の電波解禁と戦前のマイク)
5j] No.10 ステレオ放送の開始, p.99-105, MJ, 2000.7...(AMチューナからトランジスタラジオまで)
[RA1] 佐々木敏夫: 高一ラジオの出力球をFETに変える, p.170-172, ラジオ技術誌,1997.4. (コンサートRD-4 昭和10年頃のラジオ)
[RA2] MJ誌編集後記,p.262, MJ, 1997.3.(ナナオラ6S-23AM,1954.12製)
[RA3] 松岡洋三: 電蓄再生記 Tamuradio/radio phonograph, p.137-140, MJ, 1982.5.
[RA4] 小笠原富雄: Sparton 931型ラジオの修復, p.228-229, MJ 1998.4
[RA5] 藤本伸一: MJキットガイド- ミズホ通信 並4ラジオ用パーツ, p.68-69, MJ 1998.5
[RA6] 池内憲二: 蘇った50年前のミニアチュア管ポータブル・ラジオ-RCA 8BX5を修理する, ラジオ技術, 1999.3
(真空管ラジオ)
[RH1] 宍戸公一:ラジオ放送開始60周年を記念して作ったUX-201A 3球再生式レフレックスラヂオ,p.128-133,MJ,1987.4.
[RH2] 衣笠達彦: 管球式AM受信機製作記, サイドワインダー/読者のページ, p.101,MJ,1988.1.
[RH2b] 衣笠達彦: 電池管ポータブルラジオの製作, サイドワインダー/読者のページ, p.110-111,MJ,1988.11.
[RH2c] 衣笠達彦: 三球再生式ラヂオの製作, サイドワインダー/読者のページ, p.215,MJ,1991.6.
[RH3] 飯田雅三: 電池管を使用した0V1ラジオの製作記, サイドワインダー/読者のページ,p.92-83, MJ, 1990.3
[RH4] 西村基彦: テレビ球を利用したSRPP出力段付きスーパーラジオの製作, p.118-123, p.66, MJ, 1990.3.
[RH4b] 西村基彦: ジャンクラジオのレストア記, オール12A8(周波数変換管)による再生検波方式ラジオ, p.138-143, MJ, 1991.6.
[RH5] 三好基博: レイナルツ3球式装置製作記, サイドワインダー/読者のページ, p.234-235, MJ, 1990.12.
[RH6] 日馬明雄: 深夜放送用ラジオセット,サイドワインダー/読者のページ, p.146-148,MJ, 1992.8.
[RH7] 鈴木清: 電池管によるスーパーラジオの製作, p.222-223, MJ, 1992.10.
[RH8] 大蔵恭仁夫: 12.6ボルトのB電圧で動作するスーパラジオの製作, p.52-54, MH, 1993.5.
[RH9] 岡田圀昭: DC12V単一電源使用4球スーパ受信機, p.67-71, MH 1994.3.
[RH10] 佐藤裕也,真空管式ラジオ製作入門シリーズ,ラジオの製作,1997年6月-1998.4 ((書店で目に付いた限り入手した雑誌,その後,いくつか出て連載は終わったようだ,ラジオの製作も月刊が取りやめになり,季刊になったが編集方針も変わったらしい))
1a] その10 大型ループアンテナ,味のある音を出す76単球再生ラジオ,1997.6
1b] その13 変わり種3極管2C22を使った2球再生ラジオ,1997.8
1c] その14 増幅度の加減で再生量を調節する双3極管6J6単球ラジオの製作,1997.8
1d] その15 1本の真空管で作る12AT7単球スピーカ式ラジオ,1997.9
1e] その16 変わった再生回路を使った2球6SN7並4ラジオの製作,1997.10
1f] その17 双3極管12AQ8を2本使った並4ラジオの製作,1997.11
1g] その18 3A5単球AC-DC2ウエイラジオで真空管回路の働きを研究する,1997.11
1h] その19 居間や客間のインテリアにもなるST管を使った3球並4ラジオ,1997.12
1i] その22 ポータブルでも使える電池管式4球1V2ラジオの製作,1998.3
1j] その23 気になる電池代がタダに!真空管式ポータブルラジオ用外部電源の製作,1998.3
1k] その24 高感度4球ポータブル スーパラジオの製作,1998.4
[RH10b] 佐藤裕也; 真空管の灯を楽しもう-57-56-56-84で作る並四ラジオ, p.41-111, モービルハム, 1999.1
[RH11] 藤本伸一: なつかしの音風情- 並三,五球スーパーラジオ-ラジオが最大の娯楽だった時代, p.12-13, p.97-150, MJ, 1998.2
[RH11b] 藤本伸一: MT管式並三ラジオの製作, p.141-150, MJ, 2000.2
[RH12] 乱狂太郎: 管球式2バンドラジオ-究極バージョン-より実用的高音質を目指して, p.136-137, p83-91,アクション・バンド, 1999.3 (内容はともかく,編集がどぎつい表現なのにはまいる)
[RH13] 岡本薫: 懐かしの真空管ラジオの製作....ただいま連載中。
(紙面の構成はちょっと欲張り過ぎの感じがする)
(1)単球ラジオ,2球ラジオ,3球ラジオ, p.66-72, ラジオ技術, 2000.4
(2)4球並四ラジオ, p.61-68, ラジオ技術, 2000.5.
(3)4球高一ラジオ, p.66-72, ラジオ技術, 2000.6.
(4)3球並三,5球並五ラジオ,混信対策,並四コイル, p.64-72, ラジオ技術, 2000.7.
(鉱石ラジオ・ループアンテナなど)NEW
[RHB1] CQハムラジオ編集部: 中波ウルトラ・ループ ミズホ通信UZ-8DX, p147-148, CQ ham radio, 1997.3
[RHB2] 小林健二: 鉱石ラジオを楽しむ-記憶の彼方にある音を聴くこころみ-なつかしの音風景, p.92-96, p.10-11(カラーページ)MJ, 1998.2
[RHB3] 田中新二: 3連バリコンを使ってゲルマ・ラジオを作る-AM放送も捨てがたいもの, p.58-59, ラジオ技術, 1998.11
[RHB4] 棚瀬繁雄: ダイナミック型イヤホンを鳴らせるゲルマ・ラジオ, p.60-61, ラジオ技術, 1998.11
[RHB4b] 棚瀬繁雄: ゲルマラジオの高性能化-同調コイルを変えてみた, p.45-47, ラジオ技術, 2000.2
[RHB5] 丹野哲男: 鉱石ラジオのはなしと1000円キットの製作, p.109-113, ラジオ技術, 1999.4
[RB1] 柴田 生(編):特集-実体配線図付き受信機回路50集,ラジオ科学,1935年3月号
(ばざーらでコピーを入手)
昭和10年当時のありったけのラジオ回路図が出ているといった感じ。しかし,半分以上は米国の出版物のコピーである。例えば,ST管43,25Z5を用いたトランスレス・ラジオが出ているが,ヒータ電圧が余った分を消費する直列抵抗の値が,117V仕様そのままである。だから,掲載されているモダンな受信機の全てが当時日本で作られたと思いこんではならない。
[RB2] 古河逸策(編):誰にも出来るラジオの故障修理,コロナ社,1947年6月
面白い。後世にはテスタ1丁でできるテレビとか何とかの本は良く出た。この本は終戦後の物資の無い時代にラジオの修理を本の裏に付録に付けたリード線1本でやろうという本である。出てくる話はトランス付き並4のみ。
[RB3]大井脩三:初歩のラジオ配線図の解説(付録 代表的受信機配線図集),水谷書店,1950年9月
(ばざーらでコピーを入手)
終戦後のラジオの回路を集めた本。国民ラジオ2,4号の作り方が中心だが,回路図集には当時の品川電気のMT管B-02Aなども出ている。
[RB4]編集者不明:無線と実験401回路図集(通巻400号記念臨時増刊),誠文堂新光社,1958年5月,
ラジオに関する部分は次の通り。p.182-p.216(No.318:放送初期の鉱石受信機からNo.387:中間周波2段,3段可変帯域スーパまで)。この部分は日本のラジオ専門家の集大成といった内容で,後にも先にもこれが日本随一の解説書。ただし,回路図しかないから,面白味は半減。
p.82-97(No.162:ビクターFM-AMラジオFA3100からNo.193:帝国電波のオートラジオまで)。この部分は1957年当時の各社のラジオの回路図集。
いずれも(ばざーらでコピーを入手)
[RB5] 塚原勇:トランスレス受信機,ラジオ科学全書,日本放送協会,1943年6月
放送局型受信機123号関連。貴重な本。東京電気のレス管の規格表と特性図も付録にある。12Y-V1,12Y-R1,12Z-p1,12X-K1,24Z-K2,12W-C1,12Z-DH1,12Y-L1。
高1ラジオ以外に並3の122号が知られているが,その他に,半波整流の並3,高2,レススーパが出ている。また,安定抵抗管にB49,B37の代用に電球が使えるという話もかかれている。
[RB6] テレビアン 製品型録 (受信機,電気蓄音機,強力放声装置,配線図付き),山中電気株式会社,1934年10月10日
ラジオのモデルはミゼット(カセドラル)と縦型が入り交じった時代で,球はナス管とST管が混在しています。詳しくは内容をご覧下さい。貴重な資料です。
(桜屋映音商会で1998年3月にコピーを入手,1500円でした)
[RB7] THS radio/T.H.S. PRODUCTS型録(コンドル受信機など),田邊商店, 1931-1932年頃
東京中央放送局懸賞1等当選-コンドル受信機とパーツ,回路図,など。
(桜屋映音商会で1998年3月にコピーを入手)
[RB8a] 伊藤卸商報, 第115号, 伊藤ラヂオ商会,1935年7月
ゴンドラ受信機,ナショナル,ナナオラ,真空管,パーツなど
(桜屋映音商会でコピーを入手)
[RB9] 水野卸商報, 水野武商店,1937年9月号
オックスフォード,メロディ,エルマン,ウェーブ,ナナオラ,アリア,シーク,真空管,パーツなど
(桜屋映音商会で1999年10月?にコピーを入手, 2000円)
[RB8b] 伊藤卸商報, 第157号, 伊藤ラヂオ商会,1939年1月
ゴンドラ受信機,ナショナル,ナナオラ,デリカ,エルマン,ウェーブ,メロディ,アリア,シーク,クロバー,オーダ,真空管,パーツなど
(桜屋映音商会でコピーを入手)
[RB10] 通俗ラヂオ講義録-大阪無線電信電話学校長内田作蔵氏講述,第1巻から第6巻まで,ラヂオ研究会発行,初版1928年,(改訂第10版)1937年...復刻本
内容は当時の(ヴィンテージ)ラジオ受信機,回路,真空管,部品,受信法などに関するもの。
寄贈本-神戸市の山 中 弘 光さんより1999.9月に5セット御寄贈いただきました。4セットはラジオ・メーリングリストのメンバーに回覧した後,配布いたしました。感謝いたします。
[RB11] 週間朝日編纂,通俗ラヂオ問答,東京朝日新聞社・大阪朝日新聞社刊, 1925年
内容は当時の(ヴィンテージ)ラジオ受信機,回路,真空管,部品,受信法などに関するもの。
寄贈本-この本も神戸市の山 中 弘 光さんより1999.9月に2冊御寄贈いただきました。1冊をセラジオ・メーリングリストのメンバーに回覧した後,配布いたしました。感謝いたします。
[RB12] マツダ新報,マツダ通信のラジオ関連の文献
横浜市岡田章さん(がーさん)より御寄贈いただきました。感謝いたします。
12a] 今井孝: 東京電気株式会社発売ラヂオ受信機の解剖, p.54-61, マツダ新報?,1932
オリオン300号,オリオン1号,ツバメ1号,オリオン2号,オリオン3号,ツバメ2号,ウサギ1号,回路図,写真
12b] 年末年始の売出しには定評のある受信機を選びましょう, p.4-9, マツダ通信?, 1936
ウェーブ,原口ラヂオ,クローバー,エルマン,ナナオラ,テレビアン,アリア,シャープ,シーク,フタバ,ヘルメス,ナショナル,コンサートン
12c] 非常時用受信機について,p4-9, マツダ通信?, 1937
双葉商会 新国防受信機F550号,交直両用受信機F400型
12d] マツダ真空管付優良セットの御紹介, p.9, マツダ通信?, 1937
沖野無線製作所スピード
12e] 非常時用受信機,p18, マツダ通信?, 1937
原口無線会社 国防受信機M-46号, M-57,58号
12f] 停電の時にも聴ける交直両用受信機,p8.9, マツダ通信?, 1938
日本精器株式会社 クラウン護国型N-3号受信機
12g] 編集部: テレビアン国策型受信機について, p.2.4-2.5, マツダ通信?, 1938
山中電機 テレビアンT-100
12h] 編集部: ウェーブ交直用 興亜1号スーパー受信機, p5.5, マツダ通信?, 1938
12i] 編集部: エルマン躍進号受信機, p3.6-3.7, マツダ通信?, 1938
12j] 橘弘作: 東芝受信機発売に際して, 4.3-5.3, マツダ通信?, 1938
12k] 広告: トランスレス東芝受信機, 2.?-.13, マツダ通信?, 1939?
12L] 編集部: ナナオラ国策2号受信機, p4.9, マツダ通信?, 1938
12m] 田尾司六: 東芝受信機の取り扱い方その他,p4.5.4-4.5.9, マツダ通信1939
東芝受信機41型
12n] 田尾司六: 東芝受信機51型の取り扱いについて,p9.2-9.7, マツダ通信1939
[RB14] 1924年から1940年までの無線と実験のバックナンバー
(主としてスーパーへテロダイン関係の記事)
東京都の高間欣也さんより御寄贈いただきました。感謝いたします。
記事目録は別途掲載する予定。
[RB15] 1946年から1952年頃までの無線と実験その他のバックナンバー
(主として真空管ラジオ終戦後の動向からスーパーが主流になるまで)
Web上の湯本コーポレーションで行っている文献のコピーサービスを利用して,掲載されている各資料の目次から関連資料のコピーを拾い上げ,入手しました。
記事目録は別途掲載する予定。
+[RB16] 無線と実験臨時増刊 これからのラジオ, 誠文堂新光社, 1950.
戦後の5球スーパ時代の技術解説中心。(内尾さんのご尽力により入手しました)
[RN1]=[旧RB16] 小林健二: ぼくらの鉱石ラジオ, 筑摩書房, 1997, ISBN4-480-86045-2
鉱石ラジオの自作のための総合的な科学工作書。近年にない(本当は昔にも日本ではなかった)とても良い本でたちまち評判を呼んだ。その影響はWeb上でも見ることができる。現代の昔ラジオ少年と呼ばれた世代はたちまち鉱石の虜になった。コイルは自作してもバリコンまで自作する人はいままで現れなかったのである。鉱石など1つ作ったら終わりのはずなのに,回路にもとてもバラエテイがありびっくり。書き方は一般人に分かるように絵と写真が豊富でやさしいのだが,コイルの巻き方も文献整理して無い物を創造したり,いやはや,ここまでくれば立派な学術書。本Web-pageでは参考書として掲載していなかったが,私はもちろん出版した後すぐに買い込んだのである。鉱石の代わりに1本でも真空管があったなら私の趣味に合致するところだった,と言い訳をしていたものだが,ここに改めて参考書として掲載しましょう。
[RN2]=[旧RB17]鈴木憲次: ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作, CQ出版社, 1999. ISBN4-7898-3279-1
超ゲルマ, 再生, 超再生ラジオがでている。もちろん半導体。これは昔の本ではない。
[VD1a] 東京電気:マツダ真空管,1937.3 (昭和12年3月の真空管カタログ)。ラジオの参考文献-[RS1] 田口達也: ヴィンテージ・ラジオ物語を参照
[VD1b] 東京電気のレス管(1939)の規格表と特性図は,ラジオの参考文献-[RB5] 塚原勇:トランスレス受信機を参照。
[VD1c]東芝:マツダ受信用真空管ハンドブック1951年版,1951.8.誠文堂新光社
[VD1d]東芝:マツダ真空管ハンドブック1955年版Vol.1,不明,誠文堂新光社
[VD1e]東芝:マツダ真空管ハンドブック1958年版Vol.1,1957.10.誠文堂新光社
[VD1f]東芝:東芝真空管ハンドブック1960年版Vol.1,1960.5.誠文堂新光社
[VD1g]東芝:東芝真空管ハンドブック1960年版Vol.2(特殊用途管編),1961.1.誠文堂新光社
[VD1h]東芝編:東芝受信管・TV用ブラウン管(販売店配布用小雑誌?),1964年頃。(北海道の寺西新一氏の好意により入手)[add in 1998.9.13]
[VD1h]東芝:東芝真空管ハンドブック1962年版Vol.1,1962.12.誠文堂新光社
[VD2a]松下:ナショナル真空管ハンドブック1955年版,1954?,松下電器産業
[VD2b]松下:ナショナル真空管ハンドブック1958年版,1958.1,誠文堂新光社
[VD2c]松下:ナショナル真空管ハンドブック1960年版,1959.12,誠文堂新光社
[VD2d]松下:ナショナル真空管ポケットブック1962年版,1962.?,松下電器産業
[VD2e]松下:ナショナル真空管ハンドブック1966年版,1966.1,誠文堂新光社
[VD3]日立:日立電子管ハンドブック1962年版,1962.3,誠文堂新光社
[VD4a] 日本電気NEC:エレクトロニクス・データ・ブック1961年版,NEC
[VD4b]日本電気NEC:エレクトロニクス・データ・ブック1962年版,誠文堂新光社
[VD4c]日本電気NEC:エレクトロニクス・データ・ブック1963年版,誠文堂新光社
[VD4d]日本電気NEC:エレクトロニクス・データ・ブック1964,65年版,1964.9.誠文堂新光社
[VD5] 新日本電気NEC:NECニュース掲載の真空管マニュアル(1956-1968年ころまで)
[VD6] 受信・送信用真空管ポケットブック,ニューラジオ編集部,大盛社,1952.8
[VD7a] 難波田了(編):アマチュア局用送信用真空管規格表,CQ ham radio 68.1付録
[VD7b] 難波田了(編):最新真空管規格表'71,CQ出版社,1968.8-1971.4
[VF1a] RCA Receiving Tube Manual - Technical Series RC-17, 1954?
(実は日本語版が日本放送出版協会から出ている,1955.11)
[VF1b] RCA Receiving Tube Manual - Technical Series RC-19, 1957?
米国AESのリプリントが入手できる。
[VF1bb] RCA Transmitting Tubes (to 4kW Plate Input) -Technical Manual TT-5, 1960?
米国AESのリプリントが入手できる。
[VF1c] RCA Receiving Tube Manual - Technical Series RC-30, 1975
RCA最後のマニュアル。
[VF1d] RCA Tube Handbook HB-3, 1958 (CD-ROM版), Radio Era Archives -Dalles, Texas USA, 1998.
この資料は志田文夫さんに借用して閲覧できた。感謝します。
[VF2a] General Electric : Essential Characteristics, ETR?-15F, 1955?
[VF2b] General Electric : Essential Characteristics, ETRM-15P,1973?
GE最後の簡易マニュアル。
[VF3] Electronic Universal Vade-Mecum, Pergamon Press/Wydawictwa Naukowo-Techniczne, 1964. Vol1 and Vol2.
ポーランドで編集,印刷された本,イギリスの出版社が各国に販売し,大きな図書館にある。内容は特性図がふんだんに出ている。世界で最も役に立つ貴重な本。ただし,私が調べた部分で,2つの異なるEL36が出ており矛盾している。困ったものだ。国産球は出ていない。秋葉原で分厚いコピーを売っているが高価。
[VF4] Bernard B. Babani, International Radio Tube Encyclopaedia, Bernards Publisheres Ltd, London, (3rd ed.) 1958.
この本はパラメータのみで特性図はない。しかし,戦後1954年頃までのマツダなどの国産球が掲載されている。6Z-P1や8M-P12が出ている。((秋葉原でコピーをばら売りしている))
[VF5] AEG-Telefunken Taschenbuch, Telefunken Rohren-taschenbuch,1977
[VF6] Electronic Tube Handbook, Publishers de Muiderkring B.V. Bussum Netherlands, (19th ed.) 1981.10
内容は簡易真空管マニュアル。オランダで買った本だが,最近はこれすらコピーが出回っており入手可能。
[VF7a] Deketh J., Fundamentals of Radio-Valve Technique, Philips' Technical Library : Electronic Valves Book-I, N.V.Philips' Gloeilampenfabrieken Eindhoven (Netherlands)1949. [add in 1998.9.13]
本書ならび以下の5冊の本は,オランダ・フィリップスの本。
Book-Iは真空管の教科書みたいなもので,一木氏の本よりも詳細で学術的かつ具体的。挿し絵や写真もぎょっとする。AD1も登場する。内容はリムロック管で終わっている。お勧めの本。
なお,Book-IIは1933-1939年の球に関するものだが,入手できなかった。
[VF7b] Otte J., Data and Circuits of Receiver and Amplifier Valves (1st Suppliment- Valves developed during the period 1940/41), Philips' Technical Library : Electronic Valves Book-III, N.V.Philips' Gloeilampenfabrieken Eindhoven (Netherlands)1949.[add in 1998.9.13]
Book-IIIは1940年から1941年に開発された球の本。ECH21(大塚久氏の本では1946年発表とあるが)を始めとするEシリーズ,その100mA版のUシリーズ,電池管のDシリーズ,それに従来のフィリップス型(P型)のST管ECH4とEL50がが紹介されている。時代の趨勢,フィリップスはボタン・ステムにシングル・エンド型のKey-valve(米国ロクタル管互換)の道を歩んだ。Dシリーズは乾電池の1.4Vオクタル・ベースのST管(G管)だが,恐ろしいことに既に50mAと25mAの省電力だった。
[VF7c] Markus N.S. and Otte J., Data and Circuits of Receiver and Amplifier Valves (2nd Suppliment - Valves developed during the period 1945/50), Philips' Technical Library : Electronic Valves Book-IIIA, N.V.Philips' Gloeilampenfabrieken Eindhoven (Netherlands)1952.[add in 1998.9.13]
新型管のオンパレード。リムロック管,Eシリーズ,Uシリーズ。米国7ピンMT管の初期の4本の電池管(米国互換),それに米国9ピンMT管のEシリーズEBF80/UBF80とEQ80が紹介されている。
[VF7d] Markus N.S. en Vink J., Gegevens en Schakelingen van Moderne Ontvang en Versterkbuizen (uitgebracht in de jaren 1951/54), Philips' Technische Bibliotheek : Electronenbuizen-IIIB, N.V.Philips' Gloeilampenfabrieken Eindhoven (Netherlands)1955.[add in 1998.9.13]
ラジオ用7ピンMT電池管のDシリーズ,DK92,DL94,マジック・アイのサブミニ管DM70,71。FM/AM受信用の米国7ピンと9ピン規格のMT管。その中にはECH81(6AJ8)やEZ80(6V4)も含まれている。その他,UHF管がある。本書の範囲は1951年から1954年に開発された球なのだが,UHF管の中のEC80/EC81は1949年9月の論文に既に現れているから,本書は実際の開発年代ではなく売り出した年代なのかもしれない。本書は英語版が入手できずオランダ語版。
[VF7e] Jager J., Data and Circuits of Television Receiving Valves (- Valves developed during the period 1951/52??), Philips' Technical Library : Electronic Valves Book-IIIC, N.V.Philips' Gloeilampenfabrieken Eindhoven (Netherlands)1953.[add in 1998.9.13]
テレビ用の米国7ピン,9ピン規格のMT管。有名なPシリーズ(300mA系)が登場する。水平偏向管PL81(21A6)やECL80(6AB8)もある。
[VF8] Marconi, Marconi Valves for All Sets, The Marconiphone Company Limited, Pub. No. 1589/938. (1930年代末頃) [add in 1998.9.13]
[VN1a] 大塚久:クラシック・ヴァルブ-幻の真空管800種の軌跡,誠文堂新光社,1994.6.,ISBN4-416-19403-X C2055, P3900E
コレクションが多岐にわたって膨大。海外の本と比べても内容が厚く写真も豊富。写りも良い。解説も丁寧。現時点では最高峰の著書と言える。私は座右の書としています。連載中はカラーでしたが,ほとんど白黒写真なのが残念。(私は連載中のMJ誌をほとんどもっていませんでしたが,愛知県の小畑さん,茨城県の宮下さんのご尽力で,全部のカラー版のコピーを作りました(図書館)。自分で製本した本はかくべつ!)。
ただし,読者は内容を過信してはならない。種々の歴史書がそうであるように,真空管の歴史も全て分かっている訳ではないから,時には誤りもある。訂正しながら版を重ねてより良くすることに意義がある。気が付いたことはお便りしましょう。
[VN1b] 大塚久:オーデイオ用真空管,誠文堂新光社,1996.,,ISBN4-416-19610-5 C2055, P3600E
今度はカラー写真が主体で,説明は少ない。現役の球を中心に撮っているが,古典管も出ている。眺めるには最高の本。写真の常として別の角度から覗きたい,手にとってみたいという願望はかなえられない。
[VN2] Stokes, John W.: 70 Years of Radio Tubes and Valves, The Vestal Press, Ltd., 1982/1986/1992, ISBN 0-911572-60-0 (pbk.)
内容は表題と違い,ほとんどが昔のヴィンテージ物からST管初期まで。写真もやや不鮮明。面白い点では,日本管としてAnnakaのAAB-5,QX,CORONA UX-12(A?),K.O.Tron UY-56,メーカ不明のUX 227,TOYOの6M-E10が登場する。
不満としては,近代の歴史,特に18章のMiniaturisationは調査が甘い。MT管は主にRCAやGEのマニュアルだけに頼っている。12AU7と12AX7はRCAのマニュアル,RC-15(1948年)にリストされたとあるだけで,開発年は不明。これだけで,日本ではRCAが1948年に開発と読んでしまう。私が調べた限りでは開発者はRCAらしいが,12AU7は1947年にRCAの広告に登場しており,12AX7は1948年に登場する。12K5はRCAのRC-18(1956年)にリストされた,とあるが,事実は12K5を開発したのはTUNG-SOLである。当時Tung-Solは大々的に広告を出している。Rimlock管はWireless World誌の1947年の文献からMazdaとMullardから1947年に発表していることを挙げているが,開発者はオランダPhilipsであり,しかも前年の1946年である。当時の開発記録はPhilipsからレポートが発行されている。
こんなことは細かいことかも知れないが,歴史を調べるとはそういうことだろう。ご用心。
[VN3] Gerald F.J.Tyne: Saga of the Vacuum Tube, Prompt, 1977/1994.(First ed. 3rd printing,1994), ,ISBN0-672-21470-9 (Soft cover)
1930年頃までの話を扱っている。日本の球は22章のThe early Days of Broadcasting, 1920-1930: Norway, Sweden, Austria, Hungary, Australia, Japanに十羽ひとからげで僅かに登場する。ここではTEC(東京電気/マツダ)のTWWとEVERの201A相当の球。13章にもAnnakaのAAB-5が登場する。
真空管大国日本,米国真空管産業を1960年代に斜陽に追いやった張本人なのに,こんなものだ。やはり,自国の球の歴史は自国でまとめねばならない。
[VN4] 山川正光編: 世界の真空管カタログ,真空管データ7200種,誠文堂新光社,1995., ISBN4-416-19500-1 C2055 P7800E
内容の出典は,日本では東芝69,日立62,NEC(日電)64,
米国ではRCA受信管編(1956年頃,RC-18相当),RCA送信管編も1956年頃,TT-5?),
GEのEssential Characteristics(ETRM-15P,1972年頃)(これがベース),
Western Electric(4つの出典)のコピーが出ている。他社は寄せ集め。欧州管は
AEG Telefunken, Telefunken Rohren-Taschenbuch(1977),
この他,昔MJ誌が作ったと思われる2つのデータ・ブックを載せている。
半分以上は手元にあったので,損した気分。それなのに購入したのは,始めの数ページのため。それも後で長真弓氏の記事そのものと判明した。まとまってはいるので,活用次第では得になる本だが注意して利用すること。
日本のメーカの紹介は少し間違っている。NECは日電と新日電の話は出てこないし,データも日電しか出てこないのに,紹介の本文は「終戦後民生用真空管の分野にも参入して,東芝と市場競争が苛烈になりました。」とある。川西機械製作所(終戦後エレバム)とあるが,別々の会社。川西は神戸工業を経て富士通,富士通テンになった。エレバムはそのままある。松下電器産業は1952年に製造開始とあるが,戦時中少し製造し,戦後も比較的早く製造している。日立製作所は「本格的に製造開始するのは1960年から」とあるが,これは三菱電機の話で,日立は戦後すぐに再開。
MJ誌で他の本に掲載されたものをコピーしたものもあるが,浅野勇氏の魅惑の真空管アンプから取った「1931年の英国市場パワー管」(左ページ)と「ヨーロッパ規格表」(右ページ)は元本において既に表のタイトルが間違って入れ替わっているが,これをそのままコピーしている。EL34やKT77,KT88が1931年に現れる訳がないではないか!ご用心。
[VN5] 日本電子機械工業会電子管史研究会編,電子管の歴史-エレクトロニクスの生い立ち-,オーム社,1987.,
日本唯一の製造者側が作った正統な歴史書。私は座右の書の1つ。惜しいことには,我々が興味を注ぐべき受信管や送信管はイントロも含めて150ページ程しかないこと。歴史の調査は昔のカタログを見たり,近代では学術誌のバックナンバーと各社の社報が元になっているので,特に学術的に意義の無い民生用球は記録がほとんど残っていない。昔のST管は満足な資料がないから断片的であり,TV時代の球は記録すらしなかったことが災いして時に間違っていたり,誤植があるので注意。それでも大変参考になりました。
[VN5b] 日本電子機械工業会電子管史研究会編,電子管の歴史-エレクトロニクスの生い立ち-, 資料編:
5b1] 1.1資料・文献, [1]5極管発明までの主要特許明細書, p.1-15, (1)エジソンの電球, (2)フレミングの2極管, (3)ドフォレストの格子入り3極管, (4)ラングミュアの2分の3乗の3極管, (5)ショットキーの4極管, (6)安藤のSG管, (7)ハルのSG管, (8)テレヘンの5極管
5b2] 2.5 [4]受信管製造の記録- 梅田徳太郎氏自筆: 真空管製造開始当時から終戦直後までの概観に就いて, p.68-90
5b3] 2.5 [5]受信管の移り変わり, p.91-93
5b4] 3.1 資料・文献, [5] 東京芝浦電気株式会社電子工業研究所技術本部: ソラ使用説明書, 1945?, p.117-118
上の資料のうち,特に 梅田徳太郎氏のメモは圧巻で戦前のラジオ管の製造の歴史が手に取るように分かる1級資料である。
以上は,樋口大鳳氏のご尽力により入手できました。感謝いたします。
[VN6] 岡本次男,木賀忠雄: 日本アマチュア無線外史-先駆者の足跡をたどり今日の隆盛を学ぶ-電波実験社, 1991, ISBN4-924518-31-X
アマチュア無線の本だからとあなどってはいけない。この本,送信管はもちろん,昔のラジオに関連してラジオ用真空管も良く登場し,RCAやマツダの雑誌広告や文献の写真が掲載されている。お陰でWE-307Aが1936年に, 807が1937年に登場したことが分かった。買って良かった。
日本真空管製作所NVV-201A/NVVUX216A, 東京電気サイモトロン199/../206(1925.1), サイモトロン UX226(1928.12), サイモトロン UX226/UY227(1929.10), サイモトロン UY-247/UY-224/UY-235(1932.2), マツダ真空管 UZ-43/KZ-25Z5他(1934.7), マツダ真空管1938.10, エレバム UZ-2A5/UT 59,
RCA-800, RCA-955, RCA metal, RCA-807, RCA-6L6, GE 2C40, WE-304A, WE-305B, WE-304B, WE-307A, Heintz-Kaufman 54
[VN7] 東芝電子管技術部: 真空管活用自由自在 (復刻版), 誠文堂新光社, 1999.4 (オリジナルは1966に電子展望別冊として出版されたもの), ISBN4-416-19904-X
この本は1960年代後半に日本を代表する管球メーカ東芝が編纂したアマチュア向け(管球ユーザー向け)の技術解説書である。ページの半分はオーデイオ向けの記事といって過言ではない。水平偏向出力管の音声出力管への応用という章があり,当時の最新鋭の水平偏向出力管6JS6Aと6GY5のAB1pp, 日本球の6B-B14, 6G-B7のAB1pp等が語られているのは注目。また,TV球の歴史を調べる絶好の良書であると言える。皆さんも是非買って読みましょう。 出版年代から分かるように,その後真空管TV時代が終焉する1974年頃までをカバーできてないのが唯一残念なところ。
[VN8]著者不明: 日本海軍エレクトロニクス開発秘話, 出版社,出版年代不明
第9章 真空管の誕生, p.108-113, p.146-147, 第13章 送受信機の性能改善 p.174-188, 第14章第2次世界大戦へ, p.189-202, 第15章レーダー開発競争の顛末, p.203-230, 追記(その1), p.231-233, 追記(その2), p233-239.
以上は,樋口大鳳氏のご尽力により入手できました。感謝いたします。
[VN9] 平本厚: 日本のテレビ産業-競争優位の構造-,ミネルヴァ書房, 1994 ISBN4-623-02453-9
本書は,テレビ放送やテレビ・セット・メーカーの開発の歴史が電気技術ではなく経済学の観点から語られているが,我がWebページのラジオ用ならびにTV用真空管開発の歴史を執筆する上で大いに参考になった。(この本は近所の古本屋で見つけたもの)
[VN10] ステレオサウンド管球王国編: 保存版歴代名出力管-真空管大研究, 別冊ステレオサウンド, ISBN4-88073-046-7 C9473, 2000.3
本書は,岡田章氏の歴代名出力管列伝,p.77-p.122, 新忠篤, 岡田章, 篠田寛一各氏の世界の名3極管58種の聴き比べ, p11-75, などが掲載されている。Web上でたちまち評判になった。特に岡田氏のコレクションはWeb上でも定評があるが,モノクロ写真とはいえグラビアになった写真と歴史的な解説は優れている。オーデイオマニアはご一読を。
+[VN11] MJ無線と実験編集部編: 音質アップグレード, 誠文堂新光社, 1996.12 ISBN4-416-19617-2
刀根精: 出力管ソケットアダプターの製作, p.62-
大塚久: 真空管の寿命とその判定法, p.64
徳久誠一: キサゲ刷毛で真空管のピン磨き, p65
宍戸公一: 弱った真空管の復活法, p.66
大塚久: 目視による真空管の選び方, p67
本書は真空管アンプのメンテナンスの記事として書かれた断片的な記事をまとめられたものだが,真空管自身のメンテナンスの参考になろう。
+[VN12] 岸本秀雄: 真空管収納の達人, p.19, ラピタ, 2000.4, 小学館
木製のドーナツをST管の足にはかせて転倒を防止,飾れるようにしたものを紹介している。岸本秀雄氏のオリジナルという訳ではないが,ショーケースの美しさは氏独特のもの。私の真空管の収納法はひどい(無味乾燥)ものだけに,この号は宝物収納術という特集だから他の記事も参考になる。
+[VA1] 秋山和道: オーデイオ・マニアすい涎のチューブ, ウエスタンエレクトリック製「300B」の製造現場を見る, p.100-102, (カラーページ)p143-145, ラジオ技術誌,1984.5
1984年,アンプ・メーカのラックスがWEと契約し,特別生産したWE-300Bを用いてアンプMB-300を作った。この時の写真にエージング・データを記載したカードが出ている。WEカメラマンが撮影し,検閲を経てLuxCorporation側に引き渡されたものである。
[VS2] 山本一彦: 簡易チューブチェッカーの製作, p.150-154, MJ, 1991.6.
[VS2b] 山本一彦: 新品真空管のエージング法, p.146-147, MJ, 1991.10.
[VS3] 山口歩: NL-50の特性を検討-RCA-50/WE-300Bと比較, p.160-164, MJ, 1991.12.
[VS4] 城井府吉: アメリカ最新真空管事情-ゴールドエアロ社, p.102-104, MJ, 1992.9
[VA5] 長真弓: 日本の真空管 Hシリーズ, Nシリーズの話, p,150-152, MJ, 1993.4.
+[VA6] MJ編集部: MJ Review NEW VALVES
1a] 復活!直熱3極出力管の名品WE-300B (カラーページ), p.16, MJ, 1997.5 ...文献[VA7a]
1b] ハイパワー新型ビーム管テスラヴァックKT88S (カラーページ), p.17, MJ, 1997.5
1c] チェコ製新型直熱3極管AV300B SL(カラーページ), p.20, MJ, 1997.7 ...文献[VA7b]
1d] 新星!オーデイオ用直熱3極管SV572シリーズ(カラーページ), p.24, MJ, 1997.9 ...文献[VA7c]
1e] 新型プレート採用 直熱3極出力管CR300C(カラーページ), p.17, MJ, 1997.10 ...文献[VA7d]
1f] レトロ型で復刻 ビーム出力管KT66-R (カラーページ), p.19, MJ, 1998.3 ...文献[VA7g]
+[VA7] 大塚久: 徹底検証, 新旧WE300Bを比較, WE300B実測テストレポート, p.121-125, MJ, 1997.5
+[VA7b] 大塚久: チェコ製オーデイオ用直熱3極出力管AV300B SL実測テストレポート, p.104-107, MJ, 1997.7
+[VA7c] 大塚久: 211の現代版 オーデイオ用直熱3極出力管SV572実測テストレポート, p.108-111, MJ, 1997.9
+[VA7d] 新型プレート採用 直熱3極出力管CR300C実測テストレポート, p.105-107, MJ, 1997.10
+[VA5e] 大塚久: MJ独占取材! WE300Bの製造ライン-WE/AT&Tカンザスシティ・ワークスを訪問, p.19-21, p.159, MJ, 1998.1
+[VA5f] 大塚久: MJ独占取材! WE300Bの製造ライン-WE/AT&Tカンザスシティ・ワークス詳報, p.144-153, p.159, MJ, 1998.2
この記事に解説されているWE300Bの製造工程は興味深いものがある。なお,工程j.エージングの項のデータとしてメイジャー氏の文献(B.Magers,"75 Years of Western Electric Tube Manufacturing", AES, 1992)の値が記されているが,文献[VA1] にはより詳細なデータがある。私の(真空管チェッカーTV7/U", PART 3 付録:真空管の再生)を参照。
+[VA7g] レトロ型で復刻 ビーム出力管ゴールデンドラゴンKT66-R実測テストレポート, p.211-213, MJ, 1998.3
+[VA8] 宍戸公一: VV30Bその後, サイドワインダー, p.223-225, MJ,1997.11
+[VA9] MJ編集部: 名ブランド真空管の復活-アンペレックスBugle Boyシリーズ, p.69, MJ, 1998.7
+[VA9b] MJ編集部: 新型直熱3極管デヴュー KRエンタープライズKR 2A3 & KR PX25, p.64, MJ, 1998.11
+[VA10] 藤村謙祐: 6080, 6AS7G対応OTL用出力管チェッカーの試作, p.145-149, MJ, 1998.10
真空管チェッカーは単なる電源に過ぎないのだが,測定経験を積んでいるのだから実に面白い。例示されている6080のプレート電流の立ち上がり状況という図では通電後Ibが飽和するまでの特性を測った図である。図から6080は時定数(約60%)が42秒, ほぼ飽和(99%以上)するのに4分かかるのが分かる。
+[VA11] 小林悟: Tube CAD 試用レポート-3極管電圧増幅回路シミュレーションソフト, p.143-148, MJ, 1999.2
+[VA11b] 小林悟: SE Amp CAD 試用レポート-3極管シングルアンプ静特性シミュレーションソフト, p.150-156, MJ, 1999.3
[VA12] 小林健二: オリジナル直熱3極管-原初の真空管を作る-, p.9(カラーページ), MJ, 1999.5
[VA12b] オリジナル直熱3極管-原初の真空管を作る-小林健二: 怪物のような真空管, 大塚久: オリジナル真空管の能力, p.247-249, MJ, 1999.5
[VA13] 中澤弘光: WEの丸型古典管が台湾で復刻-全眞音響電子-101D, 205D, 300B, p.250-253, p.10-11,(カラーページ) MJ, 1999.5
[VS1] 大塚久:クラシック・ヴァルブ・コレクション,MJ誌1989.11-1994.1?
単行本[VN1a]にまとまっているが,カラー写真はこちら(バックナンバー)でみるしかない。ようやく,全部のカラー版のコピーを作りました(図書館)。入手に多大なる尽力をいただいた愛知県の小畑さん,茨城県の宮下さんに感謝します。自分で得製本すれば,これは良い!
[VS2] 大塚久:オーデイオ用真空管の系譜, MJ誌,1994.5-1998.3
単行本[VN1b]が出ているが,その後の掲載分もあるし,やはりカラー写真はこちら(バックナンバー)でみるしかない。
[VS3] 大塚久:The Vacuum Tube Mesium/真空管博物館, MJ誌1998.4-現在
新しく始まった連載。
1)日本の戦時型真空管, 2)フランスTM型,イギリスR型3極管, 3)イギリスR型管の進化, 4)米国の珍しい送信管(1), 5) 海外の珍しい送信管(2), 6) 英国マルコニーの最初期型3極管, 7) 最初期の英国製受信用真空管, 8)検波用疑似3極管, 9)スウェーデンの真空管, 10)米国型金属管の珍種, 11)ユニークな構造の初期欧州管, 12)フィラメントに工夫をこらした欧州管, 13)欧州の3極出力管, 14)初期の欧州の3極出力管, 15)最初期の米国送信管, 16)米国型3極出力管の変遷, 17) WEの特殊真空管, 18)初期の米国製3極管の希少種, 19)イタリアの真空管(1), 20)同(2), +21)同(3), 22)同(4), 23)最初期の傍熱型真空管, 24)同(2),
つづく
[VS4] 森川忠勇: 管球アンプ基礎知識 (内容は正調である)
(3) 真空管命名法について[日本編], p.148-151, MJ, 1991.10.
(4) 真空管の寿命について, p.224-226, MJ, 1991.12
(6) 真空管の寿命について(その3), p.212-214, MJ, 1992.2
(9) 受信用真空管の文字記号, p.160-162, MJ, 1992.7
[VS5] 小口貴仁: ロダン真空管興亡史-
5a] 真空管全盛時代の岡谷無線, p.101-117, MJ, 1999.10
5b] 小口貴仁: HF-300B製造工程 (カラーページ), p.5-7, MJ, 1999.10
5c] 小口貴仁: 日本製300Bの開発 (カラーページ), p.8-9, MJ, 1999.10
(何故かMJが突如特集を組んだもので,近年希にみる一級資料!)
特に5a]ではUN954に始まり,2A3のCES規格表,6D6/6C6の組立分解見本,6V6GTの組立指示図,mT電池管(SF),当時の電池管ラジオ,回路図(何故か松下のDシリーズの図もある),ロダン真空管規格表,ロダン製の初期のmT管5球スーパーラジオ(木製漆塗りキャビネット),STAR-7型TVとロダン・ブラウン管(180QB4),デカトロンとニキシー管,幻の300Bペア管HF-300BW(JIS名5C-A2),岡谷のコンデンサーと参考になる内容であった。戦後混乱期の球の再生製造工程は圧巻である。戦前のマツダ製などのラジオ球UX-12A, UX-26B, UY-47B, UX-12Fがどのように再生されたかが分かる。ステムと電極はオリジナルを保ち,フィラメントとゲッタ,ガラス管が交換されたらしい。トロリー排気装置,排気に使用した自作ヒックマンポンプなどが登場する。ご一読ください。
[VS5b] 小口貴仁: 真空管製造学入門, (1)真空管はどのように作られているか, p.106-111, MJ, 2000.5.
[VS5c] 小口貴仁: 真空管製造学入門, (2)真空管の電極処理, p.101-106, MJ, 2000.6
[VS5d] 小口貴仁: 真空管製造学入門, (3)ガラスバルブの試験とチェック, p.93-98, MJ, 2000.7
+[VS6] 藤室衛: 二次電子管の話 -エレクトロニクス技術史に残るちょっと風変わりなデバイス, p.62-63, CQ ham radio, 2000.3
RCA-1630/VT-128, VT128/A-5588A, Mullard EE50, EFP60, CBS-Hytron 7548が登場する。
[VO1] 一木吉典:最新版 全日本真空管マニュアル-増補・欧米主要オーデイオ出力管特性表, ラジオ技術社,1981年.6.20(20版)。
TV,ラジオ球のデータの宝庫。特に日本の近代球についてまとまっているのはこの本だけ。球の解説は360ページに及び大変参考になる。これも座右の書の1つ。NECニュース(新日電)に掲載した内容をラジオ技術に連載したのが元になっている。内容は1950年代後半のものが大半で,1967年の増補が最後。本文中で「最近」という言葉を使っている部分は1950年代であることを忘れてはならない。また,データ部分は誤植も多い。本文中のパラメータだけでなく,ピン接続の図も注意。重要な部分は直接メーカ発表のデータに当たる必要もある。
[VO2] LLoyd G. Mumford, et al: chapter 9 Electron Tubes, R.F.Shea (ed.) Amplifier Handbook, McGRAW Hill Book Co., 1966.
これは,増幅器ハンドブックの第9章に真空管がある。著者はGEの人間。内容は1960年代後半頃までのアンプ用真空管の話。アンプはオーデイオだけではない。注目すべきは7581Appと7189Appを比較し,後者は最大出力より前にプレート損失が最大を迎えるという図が出ている点。この図は日立1962年にも出ているが,オリジナルはどうもGEのデータらしい。その他,受信管では,チューナ管6HA5のビーム構造とか,シャドウ・グリッド管,シーテッド・ビーム管など一木氏の本にない1960年代の新しい球の話が結構出ており,球ファンにとっては大いに参考になる。
[VP1] JARL 誌上博物館,真空管シリーズ(1)-(5),展示室案内, JARL NEWS, 1988.11-
[VP2] JARL The JARL MUSEUM,展示室案内(38)-, JARL NEWS, 1992-1995
日本一を誇ると思われる日本の真空管コレクションの案内。ときどき1ページの案内が出た。貴重な資料。JARL会員だったときに見ただけなので,その後どの程度まとまっているかは不明。
[VP3] 山川正光:知られざる真空管発達史(全13回),MJ誌,1992.5-1993.5。(私が持っているのはNo.2, 3, 5, 6, 7, 8, 9, 11, 12, 13.)
本文の説明は良いとは思われないが,球の写真は昔のマツダのカタログから取ったものと思われ,私にとっては貴重な資料となった。山川氏の埋もれた文献を発掘する情報収集能力はそれなりに価値があるが,記事は注意深く読む必要がある。No.13で連載を終えるときに,「誤った情報を掲載して読者の皆さんからおしかりを受けたり,編集部のスタッフの方々にご迷惑をおかけした」とある。でも,誤りの指摘を受けなかった誤った部分はその後の山川氏の出版した本や最近の新しい連載にも現れているので,ご注意。写真説明も間違っていることがあるが,写真だけはそれなりに見える。
[VP4] 1946年から1952年頃までの無線と実験その他のバックナンバー
(主として終戦後,日本独特の球から米国型スーパー用球が主流になるまでの真空管記事)
Web上の湯本コーポレーションで行っている文献のコピーサービスを利用して,掲載されている各資料の目次から関連資料のコピーを拾い上げ,入手しました。
記事目録は別途掲載する予定。
[VP5] 池谷理: 受信管物語(1)-(33), 電子, 1975.11-1979.7, 日本電子工業界
内容は後に(1987年)オーム社から出版された「電子管の歴史-エレクトロニクスの生い立ち」の第3章の受信管に相当するオリジナル原稿。
岡田章さんのご尽力で入手できました。感謝します。
[TC1] 小林保正: スピーカドライブのあり方を考える(1)-スピーカを自由に鳴らそう-, p.149-154, ラジオ技術, 1987.2.
[TC1b] 小林保正: スピーカドライブを再考する(2)DFに周波数依存性を持たせたドライブ法-, p.84-89, ラジオ技術, 1987.4.
[TC1c] 小林保正: スピーカドライブを再考する(3)DFに周波数依存性を持たせたドライブ法-予備実験編, p.53-57, ラジオ技術, 1987.7.
[TC1d] 小林保正: スピーカドライブを再考する(4)DFに周波数依存性を持たせたドライブ法-製作編, p.90-96, ラジオ技術, 1987.8.
[TC1e] 石井義治: 周波数依存性のあるDFコントロール回路を組み込んだKT88シングルアンプを試聴する, p.58-59, ラジオ技術, 1987.7.
[TC2] 楠本恒隆: オーデイオシステムチューンアップ法-No.3「逆起電力の影響とその対策」スピーカ編, p.153-157, MJ, 1990.12.
[TC2b] 楠本恒隆: オーデイオシステムチューンアップ法-No.6 スピーカの逆起電力-12月号の補足編, p.220-223, MJ, 1991.3.
[TC3] 別府俊幸: 単発サイン波によるスピーカの応答測定, p.216-219, MJ, 19991.3.
[TC4] 新井悠一: CD再生による音楽波形の測定とFFT解析, p.37-43, MJ, 1991.10.
[TC4b] 新井悠一: インパルス波形,音楽波形,FFT解析の比較からトランジスタアンプと真空管アンプの物理特性を考える, p.38-44, MJ, 1992.10.
[TC5] 小倉幸一: 真空管アンプの出力インピーダンスと楽音への応答, p.153-158, ラジオ技術, 2000.6.
[TC5b] 小倉幸一: 出力インピーダンスの変化と波形のちがい, p.154-160, ラジオ技術, 2000.7.
[AD1] 相川英男: プッシュプルパワーアンプのロードラインについて, p.203-205, MJ, 1988.7
[AD1b] 相川英男: 判ったようで判らないカソードフォロアーの動作を考える, p.126-129, MJ, 1989.1.
[AD1c] 相川英男: SRPPは本当にプッシュプル動作しているか, p.193-195, MJ, 1989.3
[AD2] 鈴木秀二: 追伸カソードフォロア, p.229, MJ, 1991.2.
[AD3] 寺田繁: PK分割位相反転回路について, p.100, サイドワインダー/読者のページ, MJ, 1989.11
[AD4] 山本一彦: プッシュプル出力回路のロードラインについて, -, サイドワインダー/読者のページ, MJ, 1991.4.
[AD4b] 山本一彦: プッシュプル出力回路のロードラインについて, (1991.4の投稿記事に対する補足説明), p.137-142, サイドワインダー/読者のページ, MJ, 1991.10
[AD5] 島田公明: (1991.4の投稿記事に対する説明), MJ, 1991.5.
[AD6] 武末数馬: プッシュプル出力段のロードラインのロードラインの求め方, (1991.4の投稿記事に対する説明), p.114-118, サイドワインダー/読者のページ, MJ, 1991.6.
[AD7] 山口美紀: 定電流(差動)プッシュプル動作パワーアンプの試作, p.132-137, MJ, 1991.6.
[AD7b] 山口美紀: PP用OPTの1次インピーダンスと出力管の動作について, (1991.4の投稿記事に対する説明), p.227-231, MJ, 1991.12.
[AD8] 藤井秀夫: AB級ppは歪みを増強する回路?(1991.12の投稿記事から派生した別の議論), p.204-206, MJ, 1992.9.
[AD9] いはらひろし: プッシュプル動作のロードライン(MJ1991.5-1991.12の投稿記事に対する数式的説明), p.206-207, MJ, 1992.9.
[AD10] 森川忠勇: カソードNF回路の書き方について(1992.10の投稿記事に対する補足説明), p.147-152, MJ, 1992.11.
[AD11] 木下順二: プッシュプルは本当に低歪みか, p.222-223, MJ, 1994.6.
[AD12] 藤井秀夫: A級ppにおける3次歪みの増加を検証する, p142-145, MJ, 1994.9
[AD13] 木村哲: 真空管電圧増幅回路のバイアスと初速度電流, p.149-151, MJ, 1995.5
[AD13b] 木村哲: カソード帰還によるシングルアンプの2次歪みの打ち消し, p.160-165, MJ, 1995.12
[AD14] 平野成明: プッシュプル用OPTをシングルで使う, p.215, MJ, 1994.9.
[AM1a] 黒川達夫:ディジタル時代の真空管アンプ 完全製作12例,誠文堂新光社,1989年1月,ISBN4-416-18911-7
[AM1b] 黒川達夫:現代真空管アンプ25選 現代管を使いこなすための設計手法と25の製作例,誠文堂新光社,1998年3月,ISBN4-416-19800-0
黒川氏は,初期の頃,MT管やTVの水平偏向出力管を取り上げてくれたので大変面白く読みました。水平偏向管は低い電圧のスクリーン・グリッドを別巻き線のUL接続で使用する方法を推奨しています。これには,次のものがありました。
(1)6DQ5pp.....MJ,1985,12 [SG 別巻き線型UL]
(2)6146Bpp,(3)6BQ6GTBpp,(4)6CB5App....MJ,1986.1 [SG別巻き線型UL]
(5)26HU5pp....1986.5 [SG 別巻き線型UL]
(6)6LF6pp.....1986.9 [SG 別巻き線型UL]
(7)26HU5pp...1989.4,5 [KNF巻き線をSG 別巻き線型ULに利用]
単行本[AM1a]では自信作の(6)だけが収録され,単行本[AM1b]では,(7)の他に(2),(3),(4)が収録され,1998年の視点の解説が加わりました。
さて,水平偏向管は安価ですが,(1)から(6)までは特注の出力トランスなので特徴が相殺されてしまいます。さらに(6)の6LF6は最後期の大型管で,米国ではCB(市民無線)などで大出力のRFアンプに使われたと見え,今となっては水平偏向管のくせに目玉が飛び出る程高価で品薄です。
その中で,(3)の6BQ6GTBは最も親しみやすい球で,またオーデイオにも実績のある良い球です。黒川氏は本文中で述べている通りPbmaxを若干超過した使い方をしていますが,アンプはなかなかのできのようで,トランスも(7)で一般のKNF巻き線をSG用に代用できることを実証してますので,一度カタログ製品を用いて試してみたいアンプです。そのときには,私は6BQ6GTBの代わりに6G-B6を使ってみたいと思っています。
[AM2] 宍戸公一:送信管によるシングルアンプ製作集,誠文堂新光社,1992年7月,ISBN4-416-19209-6
私はアンプづくりをしていないので,興味はどうしても球に向いてしまいます。イントロダクション(第1章)p.23に1-4 送信管の取り扱いについての項があり,1-5には直熱管のエミ減回復法が載っているのが興味を引きます。ローソクの火が紹介され,今はガスライターが便利と言われていますが,ローソクは煤だらけ,ガスライターはプラステイックのようなものが析出し(多分液化ガスの成分による),なかなかうまく加熱できません。(腕次第かも)。トリタンの場合定格電圧で10分というのは,なるほどという点もあります。
((*この記事に関連して,MJ1996.2の「ロフチン・ホワイト・アンプ研究」の中で宍戸氏は真空管再生法について言及されているのを発見しました。私のTV7/Uの中の関連ページと合わせてご覧いただけると幸いです。1998,5.7))
また宍戸氏の本には3回分しか載ってませんが,12回にわたって連載されたSPレコード再生法の記事は面白いものがありました。(昔の連載の項参照)
[AM3] 長真弓:決定版 真空管アンプ設計自由自在,誠文堂新光社,1990年9月,ISBN4-416-19025-5
本文は,1963年に日本放送出版協会から出版した「ステレオアンプの設計製作」を編集加筆したものだそうです。その意味で,1960年代の常識的な設計法が手際よくまとめられています。パワーアンプばかりでなくプリアンプやその他もあります。読み物としては退屈するかもしれませんが,アンプを作るには参考になるかも知れません。
近年,長氏がMJ誌に発表した幾つかのアンプは,1960年代の美学を実践した作品で,私は簡潔にキリリとまとめられており大変優れていると感じますが,これは私だけのことでしょうか。ただし,現時点では,昔ながらの測定だけでは良い結果は得られないという見地から,NFBの再考と古典管への回帰が主流ですので,現代人はこの本を学んだ後,自分で一工夫するのが良いのではないかと思います。
付録には,管球メーカーのマニュアルから抜粋した規格表が出ています。1960年代に日本で生産したオーデイオ球や外国の球がだいたい網羅されています。
東芝'62:2A3
東芝'69:5AR4,5R-K16,5U4GB,5Y3GT,6AR5HiFi用,6AS7G
6BM8,8B8,11BM8,16A8,32A8,50BM8,6BQ5HiFi用,8BQ5,10BQ5,
6BX7GT,6CA4,6F6GT,6G-B8HiFi用,6GW8HiFi用,6L6GCHiFi用,
6V6GT,6V6GTHiFi用,7189AHiFi用,7591
東芝'62(特殊管編):UV-845
日立'62:6AQ5,5AQ5,6AQ5A,12AQ5
松下:6CA7
WE(魅惑の真空管アンプの再掲):300B
英国G.E.C.issue4(Oct 1964):KT88
米国GE,Tung-Sol?(翻訳):6550A
[AM4a] 渡辺直樹:米国系真空管アンプのすべて,誠文堂新光社,1990年9月,ISBN4-416-18921-4 C2055
[AM4b] 渡辺直樹:欧州系真空管アンプのすべて,誠文堂新光社,1989年12月,ISBN4-416-18828-5 C2055
珍しい球の形を眺め,こんなアンプもあるのかーと思いを巡らすための本。参考になる付録のデータが豊富だが,写真や図,本文の校正がいまいちなので,初心者は要注意。
[AM5] MJ無線と実験編集部編:300Bパワーアンプ傑作集,MJ無線と実験900号記念別冊,誠文堂新光社,1998.1 雑誌11906-01
内容はこれまでMJ誌に掲載された300B関連の製作記事の総集編。購入してはみたものの,目新しい記事はあまりなく(当然ですね),何せアンプ作りもしていないし,私は300Bを持っている訳でもないので,楽しめませんでした。
唯一,長年スペクトル解析にたずさわってきた専門的な立場(私の本職)から興味がわいたものに,現行5種の300Bの実測レポート,黒川氏の高調波FFT分析がありました。従来のアンプの測定といえば,ある一定出力レベルでの歪率を周波数毎に測っていましたが,歪率には雑音の効果も含まれてしまいます。ところがスペクトル解析を使うと,信号成分(線スペクトル)と不規則な雑音成分を明確に分離できるので,うれしくなります。だからといって,それ以外にスペクトル解析の結果を役立てようとすると極端に難しくなります。得られた高調波スペクトルのピークの高さだけを比較するなら,従来の歪み計でもできることです。FFTを用いて特に新しい情報が得られる訳ではなく,ものが少し見やすくなった程度に過ぎません。
出力管の実力をスペクトル解析だけで評価するのは土台無理なことです。この測定法は連続信号入力時の単なる周波数分析ですから,出力時のエミッション低下と回復といった過渡特性は評価できません。またパルス的な雑音発生はスペクトル解析では時間平均により見にくくなってしまいます。その意味で,測定結果の評価は非常に難しい,どの球が良いかあまり良く分からない,となります。
もう1つ,管壁への衝撃によるノイズ発生の観測という項目があります。衝撃音をスペクトル解析したとありますが,このような非定常信号は時間平均を仮定したスペクトル解析では無理,何を測っているか分からなくなる,という欠点があります。多分,測定結果から有意なことは何も言えないでしょう。(現に本文では写真を掲載しているが何も言っていない)。むしろ,耳で聞いた感想が表にまとめられていますが,こちらの方が直感的に分かりやすいし,物理的な意味付けも可能ではないかと思われます。
[AM6] 真空管アンプ製作ガイド,MJ無線と実験別冊,誠文堂新光社,1995.8
内容はタイトル通りで初心者向きの内容。ついつい購入してしまった。
[AM7] 山川正光:内外真空管アンプ回路集,誠文堂新光社,1993.12,ISBN4-416-19317-3 C2055 P3400E.
購入してみたが,取り上げている回路が時代の代表という訳でもなく,解説もほとんどなく,あまり参考にならなかった。
[AS1] 奥村康一:ラジオ技術誌,1986年10月-1988年11月。合計23回
第1回(1986年10月)では71Aシングルの巻きでしたが,自ら
- 2極管接続時のエミッションの測定(Eb=30VにおけるEf-Ibの図),
- 2極管接続時のエミッションの測定(Ef=4.5Vac or 5.0VacにおけるEb-Ibの図),
- プレート特性図(各グリッド電圧に対するEb-Ib図)
を測っておられ,こんな芸当ができるのかーと感心しました。もう1つは第3回から始まった奥村氏の球のイラスト。写真より電極構造が良く分かる。また,国産球やMT管を取り上げてくれたので,大変愉快でした。国産球によるアンプは次の通り。
(6) 6R-A3 AB1プッシュプル・パワー・アンプの製作,1987.6.,pp.58-63.
(7) 6R-A3 シングル・パワー・アンプの試作,1987.7.,pp.90-96.
(12) 6G-B8 3結シングル・パワー・アンプの製作,1987.12.,pp.53-60.
(13) 6G-A4 AB1プッシュプル・パワー・アンプの試作,1988.1.,pp.68-75.
(14) 6R-A6 プッシュプル・パワー・アンプの試作,1988.2.,pp.54-61.
(15) 50C-A10 プッシュプル・パワー・アンプの試作,1988.3.,pp.46-53.
特に,6R-A3の時には,まだEb-Ib特性図が入手できておらず,実測しておられました。結果は実に良く合っているようです。当時,何故NECの球のデータが入手できないのか不思議でしたが,後に同じNECブランドでも,NEC(日電)とNEC(新日電)が別々のマニュアルを出していることを知り氷解しました。
私は奥村氏の連載記事を通じて,球アンプの設計の勉強をしました。回路は平凡でMJの黒川氏のように凝ってないのですが,球の持ち味をうまく掴んだ設計をされるのには非常に感心しました。
[AS2] 宍戸公一:SPレコードの電気的Hi-Fi再生法研究,MJ誌1988.3-89.2,誠文堂新光社
全12回。実はアンプの記事では無く,SPレコード再生に関する全体についての連載記事なのですが,ここに紹介しておきます。第1回から第3回までは単行本に収録されていますが,残りの部分は未収録のままです。特に,第9回が良い。
引用「私は調査中,現状をこのまま放置しておくと,日本のレコード録音史は昭和初期から戦後数年までの間は,永久に空白状態のままになってしまうのではないかという危機感にさえ襲われたのである」中略,「従って私はここでは今得られている情報の中で,この目的に関係あると思われる情報をバラバラのままでもなるべく多く公開してさらに多くの方のご協力を得て,出来れば私よりもっと適任の方がこの仕事に興味をもって下さって,あとを引き受けて目的を達して下さることを願って,まとまらないまま発表しようと考えたわけである」。
真空管の開発史も似たようなことが言えます。民生用管はちゃんとした歴史が書かれていないのですから。またレコードの年代推定に物品税のマークを利用し,第6回に戦前の,第12回に戦後のそれを紹介しています。私は最近,それが真空管にも当てはまることに気づきました。
*1998年3月のとある日にTube-MLで非公式の情報が流れたので,よもやと思っていましたが,MJ誌1998.5で宍戸氏の訃報を確認しました。残念です。
[AS3] 大型TV球水平偏向管シリーズ
3a) 藤井秀夫: OTL(3) 40KG6A 2パラOTL, (スーパー5結, 高効率3極), ラジオ技術, p.54-64, 1995.2
3b) 藤井秀夫: OTL(5) 26LW6 2パラOTL, ラジオ技術, p.48-58, 1995.7
3a) 黒川達夫; 6LX6 ULプッシュプル60Wステレオアンプ, p.34-47, MJ, 1999.7.
[AS4] TV球垂直偏向用3極出力管シリーズ
4a) 黒川達夫; 6CK4プッシュプルパワーアンプ-高域特性を重視, TV用垂直偏向出力管を活用, p.68-78, MJ, 1999.1.
4b) 那須; 6EM7プッシュプルアンプの製作, p.25, ラジオ技術,1999.7
4c) 那須; 6CK4プッシュプルアンプの製作, p.34, ラジオ技術,1999.8
4d) 征矢進; 全段直結A2級動作 9R-A6パラレルシングルパワーアンプ, p115-124, MJ 1999.9
4e) 新; 12B4A 5パラ OTLパワーアンプの製作, p16-, ラジオ技術,1999.10
[AS5] TV球垂直偏向用ビーム出力管シリーズ
5a)
[AS6] 日本のTV球シリーズ
6b) 竹森; 50C-A10シングル・パワーアンプの製作, p17-, ラジオ技術,1999.11
[AO1] ラジオ技術(86年)4月号別冊:やさしいアンプ24種の製作集,ラジオ技術社,1986.3
過去の掲載記事のオムニバス。半分は半導体アンプ。興味ある人だけが役立つ。
[AO2] ラジオ技術(85年)4月号別冊:最新真空管パワー・アンプ製作集,ラジオ技術社,1985.3
過去の掲載記事のオムニバス。興味ある人だけが役立つ。
[AO3] ラジオ技術(85年)10月号別冊:集大成プリアンプ,ラジオ技術社,1985.10
プリアンプは興味ないのだが購入してしまった。私にはやはり余り役にたたなかった。猫に小判。
[AO4] ラジオ技術(82年)6月号別冊:集大成真空管パワー・アンプ,ラジオ技術社,1982.6
1950年代から1970年代までを集大成したもの。この本は,いつ見ても面白い。記事,内容,資料,大いに参考になる。
[AO5] 上杉佳郎:管球式ステレオアンプ製作80選(下巻),誠文堂新光社,1973.12
1960年代後半から1970年代にかけての記事をまとめたもの。上杉氏設計のエロイカ・シリーズが本書後半に掲載されているが,これは1960年代のオーソドックスな大出力アンプ。一方,本書の前半にはNFB懐疑論となり,3極管シングルとNFBなしのアンプを紹介している。今日の流行の口火を付けた先駆者の1人でもある。当時は面白く読めたが,今日の視点から見ると,議論は概念的であり,結局,問題解決は我々の世代に委ねられているのだなー,ということを感じる。(私は傍観者です)
[AO6a] ラジオ技術(83年)11月号別冊:精選 武末真空管アンプ,ラジオ技術社,1983.11
内容は推して知るべし。真空管の興味から眺めると,50C-A10を分解して中身を見る図が出ている。また8045Gの造りに関するLuxmanの記事がある。
[AO6b] 武末数馬:パワー・アンプの設計と製作 最新増補版(上),ラジオ技術社,ラジオ技術全書011A,1967/1974/1981.5(第8版)。
[AO6c] 武末数馬:パワー・アンプの設計と製作 最新増補版(下),ラジオ技術社,ラジオ技術全書012A,1967/1974/1978.11(第7版)。
[AO6d] 武末数馬:OTLアンプの設計と製作 増補改訂,ラジオ技術社,ラジオ技術全書005A,1956/1972.11(増補1版)。
上の3冊は1950年代から1960年代初頭にかけてラジオ技術誌に連載した内容をまとめた本。その時代のオーソドックスな設計法と資料が詳しくまとめられている。アンプの教科書としてある意味では間違ったことは書いてない。(だから,私は参考書としています)。にもかかわらず,今日の古典回帰の流行と真っ向から対立する内容なのだ。NFBと測定結果第1主義が時流の時代の本だけに,この本を現代に適用しようとすると,読者は何が問題だったのかを自ら探さねばならない。議論が精密になればなる程,本筋を見失いかねない。私には非常に難しい本。深入りせずに論旨だけを追わないと,現代のアンプを説明できなくなる。
これに関連して,近年ラジオ技術誌に連載される藤井氏の記事は大変面白いが,読者はなかなか納得しないと見え,最近のInternetの議論でもAB級ppの動作は作図すれば分かるなどという意見が出るくらいだ。本書には,この作図法が大いに取り上げられている。しかし,この方法はもとの深遠な理論の結果を誰にでも分かるように具体化した方法に過ぎないということを忘れてはならない。前提が崩れれば無効になる。そもそも非線形系の話を簡単な代数で解こうというのがおかしい,沢山の前提条件が隠れているのである。これが式を複雑化し,見通しを悪くしている原因なのだ。藤井氏のように直感を働かせるのも大いに結構のように思います。(傍観者としての意見でした)
さて,本書には武末氏の作品も多く登場するが,使用している真空管は,1950年代後半から1960年代にかけて生産されたHi-Fi用球ならびにテレビ球の応用が多い。特に,日本球の使用例は本書が随一であろう。6G-A4,6R-A8の他,50H-B26,50R-P25,6G-B3Aなど多数見られる。その点で,私はこの本をときどき参考にする。ただ,惜しむらくは,当時の常識で作ったアンプは,性能第1,機能優先という時代の価値観から生まれたものだから,アルミ弁当箱シャーシ上に無骨な部品とともに並んだ日本管は,なんとも貧相に見える。今日のきらびやかな外国の球に比べて,何といもくさいことよ。馬子にも衣装。今日,作るときには日本球にももう少し着飾ってあげましょう。