ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Foreigin Radios/外国のラジオ

9A: Battery Tube Portable Radio
7A: American Table-top Radios
10A: American Autoradio
7: European Type Tube Radios

Rimlock

Page 9A. Portable Battery Tube Radio-American/ポータブル電池管ラジオ-米国製

1st (2002.10.25)-(2006.7.1)-(2010.5.3)

HomePageRadio/Radio_P9A.html


P(170) US Zenith 4L41 in 1954?/米国ジーナス L403/4L41 ('02.8.25), ['02.10.25], Radio_P9A str=ND


MT Portable Radio/MT管ポータブル・ラジオ


米国では戦前の1940年1月にRCAが新型の電池管(Miniature Tube/MT管, フィラメント50mA管)を開発,GE, RCA Victor, Zenith, Admiral, Philco, Garod, Crosleyなど約10社のラジオ・メーカが1940年から41年にかけてさっそく製品化しました。真空管のラインナップは,周波数変換が1R5, 高周波増幅が1T4, 検波増幅が1S5, 電力増幅が1S4(100m管)でした。1940年1月に発表後,翌年までにはAC電源でも使える3way Portable用にフィラメントが1.5V/100mA-3V/50mA両用とした3S4も出ました。

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P(170) US Zenith 4L41 in 1954?/米国ジーナス 4L41 ('02.8.25)

米国ジーナスの電池とACの両用ミニアチュア電池管式ポータブル・ラジオ。(綴りのローマ字読みはゼニスなのだがジーナスが近いらしい)。地元の骨董市で発見し入手。私は滅多に外国製ラジオ,とりわけ米国製ラジオは買わないようにしているのだが,このラジオには妙に惹かれるところがあってつい買ってしまった。始めテーブル・トップのACラジオかと思っていたら,何とポータブルじゃあないか。それにしてはあまりにもふとっちょだ。「米国製かー」と唸っていたら「鳴りますよ」といわれて2度びっくり。古い電池管式ラジオをいきなり試したなんて何と危ない!と思いながらも,鳴ってしまったからにはきっと状態が良かったのだろうな,そういえば,私はほとんど鳴るラジオは持っていない!1台くらい鳴るものがあっても良いなと思い直した。完璧な品なら日本では相当高価になるはずなのだが,実は両側面にネジ込み部が露出していて何か足りない。色々考えると取っ手が無いのに気づいた。無いと分かるとたちまち不完全なジャンクラジオと成り下がる。私が一番お世話になっている骨董屋なので少しだけ値切って購入した。このような不完全品を買うのは私のような中途半端なコレクターに限られる。読者諸氏はマネをしてはいけません。

持って帰って鳴らしてみると本当に鳴る。驚くべき感度と音量なので3度ビックリした。テーブル・トップラジオと遜色無く鳴るし,ループアンテナも実に良くできている。さすが米国製と感心した。だから,私は米国製を集めないようにしているのである。

さて,モデル4L41であるが,実はシャーシに付けられたモデル番号である。私は米国製ラジオの資料をほとんど持っていないので製造年は不明であるが,内蔵する真空管の製造年を調べる限り1954年製のようだ。内容はミニアチュア管ポータブル・ラジオとしては後期の(戦後米国での主流の)構成で,コンバータが1R5, IF増幅が1U4, 検波増幅が1U5, 電力増幅が3V4である。3V4は我が国ではNEC(新日本電気)が国産化しているが,国内販売したかどうかは定かでない。我が国の出力管はもっぱら3S43S4-SF,後に3Y4が用いられている。

[06.5.29] Nostalgia Airによれば本機はモデルL403F, G, R, Y, Chというのが本当の名前らしい。色はグレー。1955年とある。

Front View of Zenith 4L41

Inside Paper/紙切れに米粒よりも小さな字で印字された特許番号の羅列とシャーシ配置図。

Back View of 4L41, Lost Handle/取っ手が無い。

Side View/側面。取っ手の穴が残る。

Inside view of 4L41, opend door/ 蓋を開くと内部はご覧の通り。重い電池を置くスペースは下部に設けられており,シャーシが逆さに取り付けられているのは昔ながらのスタイル。電池はZ-67とZ-5とある。米国製のポータブル・ラジオははじめて見たが,シャーシがこれほどまでに分厚い鉄板で頑強に作られしかもでかいのには驚いた。蓋側には10cm x20cm程の金属板が貼り付けられているが,その裏にはループ・アンテナがあるようだ。電波を遮蔽する金属板は何の目的で貼り付けられているのかは想像できない。

Side view of the chassis/手前のL型シャーシはAC電源ユニットのようで,向こう側のシャーシが4球スーパーユニットのようである。シャーシは鉄板でがっちりとできており,マウント方法も8角ボルトを用いた堅牢なもの。この手のボルトは先に紹介した1950年代のPhilcoのカーラジオや後に紹介するGEの5球スーパにも見られ,米国のラジオ産業では標準的に用いられていたのだろう。

Four Tube Super Unit Chassis; Tubes are, from left, 3V4, 1U5(back), 1U4 and 1R5/ 球は左が3V4, その奥に1U5, 中央1U4, 右1R5。うち,コンバータ1R5を除く球はZenithのマークが入っている。IFTも比較的大型で,その裏に黒い筒型の大きなケミコンがある。右にバリコンが見える。全ての部品が通常の5球スーパーの部品のようにでかい。

1R5; Sylvania? (B1E)

1U4; Zenith/RCA (4-13/273) ...1954

1U5; Zenith (426) ....1954

3V4; Zenith/GE ...

 Loop Antena Feeder with Red Color/裏蓋のループアンテナとの繋ぎは赤いプラスティック製のフィーダー。

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