ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Radio Tubes After WWII/戦後のラジオ球

TV Tubes/テレビ球

Tuner/チューナー

(1)Pentode Amp/5極管チューナ

(2)Cascode Amp/カスコード管

(3)Nutrode Amp/ニュートロード管

(4)GG Amp & UHF/GGアンプとUHF管

(5)VHF Converter/VHFコンバータ管


Page-TVtuCnv. TV Tuner Tubes -Part 5 VHF Converter Tube/ TVチューナー管 -VHFコンバータ管

2nd Edition (2006.12.4)-(2010.12.5)

HomePageVT/TV_TunerCnv.html


I. Converter Tubes for TV/TV用周波数変換管

1. Early time/初期

2. Twin Triode/双3極管

3. Triode-Pentode/3極5極管

6J6

RCA, Toshiba, Hitachi, NEC, TEN

12AT7/ECC81

TEXT ONLY

ECC85/9AQ8

Matsushita

ECF80/6BL8

TEXT ONLY

6U8

TEXT ONLY

6CG8, 6CG8A

Not Yet

Hitachi, Futaba

3. Triode-Pentode/3極5極管

5CL8A

Not Yet

Mitsubishi/NEC

4GS7/5GS7/ 6GS7/7GS7

Not Yet

Toshiba, Matsushita, Hitachi

4GX7

Not Yet

Hitachi

7HG8

Not Yet

Matsushita

II. Japanese Twin Triode Converter/日本の双3極コンバータ

6M-HH3

Not Yet Photo

6D-HH10, 6D-HH12

Toshiba


I. Converter Tubes for TV/TV用周波数変換管

TVチューナー管といえば,RF増幅管以外に周波数変換管もしくはミキサー管と発振管が必要である。我が国で戦前開発されたTV受信機には,高周波増幅無しの,ミキサーUZ-6303,発振UY-76が用いられたことは先に述べた。米国では戦時中は6J6がバランスト・ミキサーとして使われた。この6J6は戦後から1950年代にかけて活躍した。欧州ではECC91として知られている。6J6はその後,国内では6M-HH3に改良され多用された。

また,米国では戦後1947年に,新たにTV用の双3極管シリーズが開発され,チューナー用として12AT7が登場した。12AT7は後年,万能管として有名になった。12AT7は戦後の欧州にも渡り大活躍し,ECC81として知られている。Philipsは初期の頃,この球を好んでチューナーの周波数変換管として用いた。その後,TVでの利用は減退したが,FM受信機に生き残り,後継の12DT8に受け継がれた。

Pentode-Triode VHF Mixer and Oscilator Tubes in Early Time

Name

Base

Out- line

gm mA/V

mu

6.3V (A)

600mA (V)

450mA (V)

300mA

150mA

6-Series

6J6

ECC91

7BF

5-2

5.3

38

0.45

5J6 4.7V

6J6A 6.3V

19J6 18.9V

7-Series

12AT7

ECC81

9A

6-2

5.5

60

0.3

6AT7/ XCC81 6.3V

12AT7/ ECC81

12AT7/ ECC81

8-Series

6AQ8/ ECC85

9AJ

6-2

5.9

57

0.435

12AQ8 12.6V/ 0.218A

9AQ8/ PCC85

9AJ

6-2

5.8

48

-

9AQ8/ PCC85 9V

17EW8/ HCC85 17.5V

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1. Early time twin triode Converter/初期の双3極周波数変換管

6J6/5J6-6101-5964

6J6は第2次大戦中の1942-1944年頃にRCAにより開発されたカソードが共通の600MHzまで使用できる双3極管。もともとは,C級の電信用高周波増幅ならびに発振用でしたが,VHF帯全体に渡り使用でき,混合管としての適性も持っていたので,TV放送が始まると,片ユニットで発振させ,片ユニットで混合するTV用のコンバータとして利用されました。国内では6J6は東芝が1951年頃国産化し,各社も作った。1950年代中頃に米国でトランスレス600mA用の5J6, 次いで450mA用の6J6A等が作られました。5J6は1955年頃に東芝,1956年に日立,NECなど各社が国産化し,TVセット各社が使用しました。

また6J6を軍事や産業用にした球として,6101は1953年にRCAにより開発された高信頼管で,国内では1950年代始めは復興期にあたり高信頼管などを製造する余裕もなかったのですが,1950年代末にはようやく技術的な問題もクリアーし,また国内需要も生まれたので,通信御三家や東芝が製造しました。6101の開発は主として振動対策に注がれ,その影響は国内民生用6J6の改善にも及んだものと思われます。手元には東芝製や日立製が残っています。また5964は産業用版で,主に計算機での寿命対策でありカットオフ特性の改善にあったものと思われます。国内では東芝(1960年代に製造開始)や通信御三家(NEC, 日立, TEN)が製造。手元には東芝やNEC製が残っています。

RCA 6J6 in 1950s, Side, another side and Front [0b6]

RCA 6J6(側面,斜め上からの側面,正面), 1950年代。(側面写真)を見ると中央に白い部分がカソード皮膜,左右に銅色のグリッド支柱,その外側に着炭黒化プレート,プレートはコの字型フィン。(正面写真)プレートはカソード皮膜面に対して幅が狭く縦に細長い。プレートにはみ出した形でグリッド支柱が見える。

From Left, Unknown 6J6(USA, U-getter), Toshiba-Matsuda 6J6(1958, Square-Getter), Hitachi 6J6(83, 1958, Square-Getter, Double-mica), NEC 5964(1960 for Communications, Square-Getter, Double-mica), Kobe-Kogyo TEN 5J6(2T1, 1960s, Dorghnut getter, Double-mica) [0b6]

不明 6J6(米国製, 馬蹄形ゲッタ), マツダ 6J6(1956年頃, 角ゲッタ), 日立 6J6(83, 1958年, 角ゲッタ, 2重マイカ), NEC 5964(1960年通信用, 角ゲッタ, 2重マイカ), テン5J6(2T1, 1960年代, ドーナツゲッタ, 2重マイカ)。gm=(43,46), (46,51),(16,20エミ減), その他未計測。

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2. Twin-triode Converter developped for TV/TV専用の双3極周波数変換管

12AT7/ECC81

12AT7は1947年頃GE/Ken-Radによって開発された高周波増幅ならびに周波数変換用双3極管。欧州ではPhilipsにより1950-51年頃ECC81として製造された。Philipsでは当時,RFampとしてpush-pullとCascodeを紹介すると同時に周波数変換も紹介している。国内では,12AT712AU7は東芝やNECにより1952-3年頃国産化されたものと見える。今日では汎用管であるが,当時の国内資料には「9本足のテレビジョンm管」と紹介されている。松下は1955年頃ECC81/12AT7を生産しはじめた。

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9AQ8/17EW8

PCC85/9AQ8の開発は1957年頃と思われる。PhilipsのECC85/6AQ8はFMチューナで有名だが,それをVHF TVチューナーのコンバータ管に適するよう改良したものが,300mA系の9AQ8/PCC85であって,若干のパラメータ変更があり,カスコード・アンプ7DJ8と組み合わせて使用した。FMチューナー用に150mA系のHCC85/17EW8もある。国内では松下が9AQ8を1958年に国産化,東芝は1958年に17EW8をFM管として製造している。

Matsushita-National 9AQ8, Circle Hole Type, Front(00/MF 1959) and Side(3C 1963), Suqre Hole Type of Front(-) and Side(7E 1967) [0bC]

/丸穴モデルの正面(00/MF 1959年), 側面(3C 1963年), 角穴モデルの正面(-), 側面(7E 1967年)。[0bC]

1959年版だけが馬蹄形ゲッタ(充填棒の下に遮蔽用の細長い板付き)で,他はドーナツ・ゲッタ。1964年頃からプレート側面の穴が丸から角型にかわる。

Matsushita 9AQ8 , Photo from Top [0bC]

/斜め上から見たマイカ板上の様子。電極間シールドは「く」の字型でプレートに平行ではなく斜めになっている。

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3. Triode-Pentode Converter developped for TV/

TV専用の3極5極周波数変換管

9ピンミニアチュア版の3極5極複合管が現れるのは比較的新しいTV時代で,1951年頃のことである。欧州ではPhilipsによりECF80が開発され,米国ではTung-Solにより6U8が,またほぼ同時にRCAにより6X8が開発された。ECF80はその後,1952,53年頃に米国で登録されRETMA名6BL8を得た。この新しい複合管は,その後,万能管として米国と欧州で発展し多用された。これらはもともと5極部で混合・3極部で発振させるコンバータ用の球として開発され,1955年頃Philipsではカスコード・アンプPCC84-PCF80という組み合わせで用いられた。

その後,6X8, 6CG8など5極管コンバータは米国で主流であり続けたが,日本では中間周波数が低かったため,旧態然とした3極管6J6コンバータが主流となり,その改良版6M-HH3を開発するに及んで,全く顧みられなくなった。ところが1950年代末にフレームグリッド時代が訪れ,欧州と米国でニュートロード・チューナー時代を迎える時期には,輸出を基本とする日本ではIFを高くする方針転換を余儀なくされ,結局5極管による高ゲイン・コンバータへ回帰し,以後米国型の球を用いた。

国内では初期の頃6U8系などを確かにコンバータに用いたが,TVが普及し始める1950年代中頃には6J6/5J6が主流であり,その後1960年頃には,6M-HH3/5M-HH3へと移行し,爆発的に普及した。その後継として,東芝は6D-HH12/3D-HH12を作ったが,やはり安価なmT管に置き換わることはなかった。TEN/ゼネラルは6D-HH12を使った。松下は1960年頃にはPCC85/9AQ8で対抗した。1962年頃には,輸出を重視するメーカ,RCAにライセンス料を支払わねばならない日立は,RCA系のコンバータ5CG8を使った。三菱は何故か5CL8Aを用いた。NECも同じ。しかし,1964年の米国オールチャンネル法対応のUHFコンバータを付ける段になると,輸出用セットのVHFコンバータはUHFコンバータ出力を受けて第1中間周波増幅の役目を担うために,Cgpの小さい6U8, 6EA8系が復活したそうである。

一方,1950年代末に現れたフレームグリッドの民生管への応用はコンバータ管にも及び,1961年頃,Philips系の英国Mullardが1961年4FS7,1962年頃ECF86/6HG8を,1962年Amperexが6GJ7/ECF801を開発し,欧州標準となるとともに,欧州と提携を強くした米国Sylvaniaが開発,後年主流となるニュートロード・チューナのハイゲイン・コンバータが完成した。これ以後,一斉に切り替えられ,日本各社はECF86/6HG8のピン配置を改良した6GS7系を用いた。日立はRCA系の4GX7で対抗した。NECはRCAが1963年に開発した6KE8族の4LJ8を用いた。このようなハイゲイン・コンバータの開発は1963年頃に終了し,その後新型管は登場することなく,真空管TVが消滅するまで(日本では1971年頃まで)使い続けられた。

以下の表は,米国を中心としたコンバータ管の開発に関するもので,一部はコンバータ管でないもの含まれている。赤印は手元にサンプルのある日本で作られた球であり,それ以外は日本では製造されなかったか,あるいは製造しても国内セットには利用せずに輸出に廻された品種と見ることができる。

Pentode-Triode VHF Mixer and Oscilator Tubes (8-Series)

Name

Base

Out- line

gm mA/V

mu

6.3V (A)

600mA (V)

450mA (V)

300mA (V)

150mA (V)

8-Series

ECF80 /6BL8 1951

9AE/ 9DC

6-2

(p)6.2

(t)5.0

gc=2.2

(p)-

(t)20

0.43

XCF80 /4BL8 4.5V

LCF80 /6LN8 6.0V

PCF80 /9A8 8.4V

8A8 9.0V

HCF80/ 17A8 16.8V

6U8/ ECF82 1952

9AE

6-2

(p)5.0

(t)7.5

(p)-

(t)40

0.45

5U8 4.7V

6U8A 6.3V

9U8/ PCF82

9U8A

9.45V

6X8 1951

9AK

6-2

(p)5.5

(t)6.5

(p)-

(t)40

0.45

5X8 4.7V

6X8A 6.3V

9X8 9.5V

19X8 18.9V

6AT8 1954

9DW

6-2

(p)5.5

(t)6.5

(p)-

(t)40

0.45

5AT8 4.7V

6AT8A 6.3V

6X8pの改良

6AX8

9AE

6-2

(p)4.8

(t)8.5

(p)-

(t)40

6BE8

9EG

6-2

(p)5.2

(t)8.5

(p)-

(t)40

0.45

5BE8 4.7V

6BE8A 6.3V

6BR8 1955

9FA

6-2

(p)5.0

(t)7.5

(p)-

(t)40

0.45

5BR8 4.7V

5BR8/ 5FV8

6BR8A 6.3V

6BR8A/ 6FV8A

6U8pの改良

6CG8 1956RC

9GF

6-2

(p)5.5

(t)6.5

(p)-

(t)40

0.45

5CG8 4.7V

6CG8A 6.3V

9CG8A 9.5V

6AT8の改良

6CL8

(4極- 3極管)

9FX

6-2

(4)6.0/ 5.8

(t)8.0

(4)-

(t)40

0.45

5CL8 4.7V

6CL8 6.3V

9CL8A 9.5V

(4極管)

6CL8A

(4極- 3極管)

9FX

6-2

(4)6.5/ 6.4

(t)8.0

(4)-

(t)40

0.45

5CL8A 4.7V

6CL8A 6.3V

-

6U8族

(4極管)

6CQ8

(4極- 3極管)

9GE

6-2

(4)5.8

(t)8.0

(4)-

(t)40

0.45

5CQ8 4.7V

6CQ8 6.3V

-

(4極管)

6EA8

9AE

6-2

(p)6.4

(t)8.5

(p)-

(t)40

0.45

5EA8 4.7V

6EA8 6.3V

9EA8 9.5V

6U8族

6FV8

9FA

6-2

(p)6.4

(t)8.0

(p)-

(t)40

0.45

5FV8 4.7V

6FV8 6.3V

-

6CL8同等

6FV8A

9FA

6-2

(p)6.4

(t)8.0

(p)-

(t)45

0.45

-

6FV8A 6.3V

-

6CL8A同等

6GH8*

9AE

6-2

(p)7.5

(t)8.5

(p)-

(t)46

0.45

5GH8 4.7V

6GH8A 6.3V

9GH8A 9.45V

万能管

ECF86/ 6HG8 (FG) 1962Mu

9MP

6-2

(p)12.0

(t)5.7/ 5.5

(p)70

(t)17

0.365/ 0.34

4HG8 4.5V

5HG8 5.3V

PCF86/ 7HG8 7.2V

6GS7同等

6JW8*

9DC/ 9AE

6-2

(p)5.5

(t)3.5

(p)-

(t)70

0.43

4JW8 4.3V

5JW8 4.7V

LCF802/ 6LX8 6.0V

PCF802/ 9JW8 9.0V

水平発振,リアクタンス管

6KD8

9AE

6-2

(p)5.0

(t)7.5

(p)-

(t)40

0.4

-

5KD8 5.6V

-

6BR8同等

6U8A/ 6KD9

6KE8 (FG) 1963RC

9DC/ 9AE

6-2

(p)12.0

(t)8.0

(p)-

(t)40

0.4

4KE8 4.5V

5KE8 5.6V

-

if=40-50MHz

6KZ8

9FZ

6-2

(p)7.5

(t)8.5

(p)-

(t)46

0.45

5KZ8* 4.7V

6KZ8 6.3V

9KZ8 9.45V

6GH8Aの改良

6LJ8 (FG)

9GF

6-2

(p)13.0

(t)8.0

(p)-

(t)40

0.4

4LJ8 4.3V

5LJ8 5.6V

6LM8

9AE

6-2

(p)6.0

(t)8.5

(p)-

(t)46

0.45

-

-

6LM8A

9AE

6-2

(p)6.0

(t)8.5

(p)-

(t)46

0.45

-

6LM8A 6.3V

最大定格改良

LCF80/ 6LN8

See 6BL8

LCF802/ 6LX8*

See 6JW8

6MB8 (FG)

9FA

6-2

(p)12.0

(t)8.0

(p)-

(t)40

0.4

-

5MB8 5.6V

-

6KE8同等

6MQ8*

9AE

6-2

(p)10.0

(t)5.0

(p)-

(t)40

0.535

5MQ8 5.6V

6MU8*

9AE

6-3

(p)9.0

(t)6.0

(p)-

(t)35

0.6

6MU8 6.3V

Pentode-Triode VHF Mixer and Oscilator Tubes (7-series)

Name

Base

Out- line

gm mA/V

mu

6.3V (A)

600mA (V)

450mA (V)

300mA (V)

150mA (V)

6FG7 1959GE

9GF

6-2

(p)6.0

(t)7.5

(p)-

(t)43

0.45

5FG7 4.7V

6FG7 6.3V

4FS7 (FG)

1961Mu

9MP

6-2

(p)12.0

(t) 5.5

p)70

(t)17

-

4FS7 4.6V

-

-

6HG8同等,sg定格低い

6GD7* (FG)

9GF

6-2

(p)12.0

(t)10.0

p)-

(t)47

0.38

ECF801/ 6GJ7 (FG)

1962Am

9QA

6-2

(p)11.0

(t)9.0

(p)-

(t)20

0.41

XCF801/ 4GJ7 4.1V

LCF801/ 5GJ7 5.6V

PCF801/ 8GJ7 8.0V

6GS7 (FG)

9GF

6-2

(p)12.0

(t)5.5

(p)70

(t)17

0.365

4GS7 4.0V

5GS7 5.4V

7GS7 7.6V

6HG8同等

6GV7 (FG)

9KN

TX/ 6-

(p)11.0

(t)5.5

(p)50

(t)17

0.35

-

-

7GV7 7.4V

6GX7 (FG)

9QA

6-2

(p)11.0

(t)8.5

(p)-

(t)40

0.4

4GX7 4.2V

5GX7 5.6V

8GX7 7.7V

6HB7

9QA

6-2

(p)6.4

(t)8.5

(p)-

(t)40

0.45

6EA8同等

6HD7

9QA

6-2

(p)7.0

(t)8.2

(p)-

(t)40

0.45

6HD7 6.3V

6HJ7 (FG)

9QA

6-2

(p)12.3

(t)8.2

(p)-

(t)40

0.45

6HJ7 6.3V

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ECF80/6BL8

オランダPhilipsが1951年頃に開発した万能5極3極管で,VHFチューナーのコンバータにも使えます。Philips系メーカーは真空管時代が終わるまで色々な部分にこの球を使い続けました。米国名登録が少し遅かったので,やや後の名前6BL8となりました。松下はECF80/6BL8として1955年頃には国産化しています。大きく遅れて東芝は1962年に製造を開始しました。1964年にはNECが6BL8/8A8を製造しはじめています。

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6U8

米国Tung-Solが1951年頃に開発した万能5極3極管で,初期の頃にはVHFチューナーのコンバータにも使われました。この球も真空管時代が終わるまで色々な部分に使い続けました。6U8ECF80/6BL8は特性が類似しており,差し替えが可能です。東芝は1955年に6U8を国産化,1956年にはNEC,日立が5U8を製造し始めました。


Others/その他

[工事中,この項,まだ整理するのに時間を要す]

米国RCAはコンバータ管として6X8を1951年に発表しましたが,Tung-Solの6U8に負けてしまいました。6X8はその後5極部を改良した6AT8系に引き継がれ,そして消えました。一方の6U8系は6BR8に引き継がれ,その後,6CG8が生まれたようです。

6CG8 東芝1957,

6CG8A 日立1960

4FS7英国Mullard1961年

4GX7RCA系日立

ECF86/6HG81962年頃6GH8 NEC1962

6HG8/4/7 東芝1962

6GJ7/ECF801Amperex1962年

6GS7ピン配置を改良した 東芝1964

6KE8族の4LJ8RCA1963年,NEC

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II. Japanese Twin Converter Tube/日本の双3極周波数変換管

VHF Triode Oscillator and Mixer

Name

Base

Outline

gm

mA/V

mu

Heater

6.3V(A)

450mA

(V)

600mA

(V)

300mA

(V)

100mA

(V)

6J6/ECC91

7BF

5.3

38

0.45

6J6A

5J6 4.7

19J6

6M-HH3

7BF

7.5

38

0.45

5M-HH3 4.7V

9M-HH3 6.3V

19M-HH3

6D-HH10*

8LM

sub-mini

9.5

36

0.3

-

3D-HH10* 3.15V

-

6D-HH12/ 6FW7

8LM

sub-mini

9.5

36

0.3

-

3D-HH12 3.15V

-


6M-HH3/5M-HH3

東芝は1958年,6J6のgmを改善した廉価な球6M-HH3を開発。この廉価路線は6R-HH2とともに多くのセットメーカの支持を取り付けて爆発的に普及しました。

[工事中,撮影に時間を要す]

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6D-HH12/3D-HH12/3FW7

東芝は1960年,カスコード増幅管6D-HH11(ガラス管のみ)を開発した時,同時にピン配置だけを変えて混合・発振用とした6D-HH10(ガラス管のみ)を作りました。そして翌年1961年にシールドケースを付けたのが,この6D-HH12です。600mAの3D-HH12も同時に作られました。3/6FW7という米国EIA名を取得しています。TENやフタバも製造しました。1967年の資料では3/6D-HH13が\1300だったのに3/6D-HH12は値段は\880とあります。これは,発売から時間がたち東芝は値下げしたかったのに対して,他社が製造していたカスコード球だけは独断では値下げできなかったか,あるいは売れないミキサー管だけを値下げしたのか,今となっては想像する以外に手はありません。

Toshiba 6D-HH12(1962), 3D-HH12(1963-) and Box。[0bH]

ここに示すサンプルは保守用の球。TVセットに使われたことは希であって,中古球を見たことは一度もない。セットの球なら年代を示す記号が入っているのだが,保守用は印刷されていない。外見も中身も6D-HH13と同じだから,そちらを参照すること。

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