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History of Auto Radio/自動車ラジオの歴史 |
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Vibrators/バイブレータ |
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K(194) American DELCO Auto radio -model unknown, in 1950s?/米国DELCO自動車ラジオ型番不明 ('04.5.12), ['04.7.25] |
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K(123) American Philco Auto Radio P-5106E in 1952/米国Philco自動車ラジオP5106E, ('00.7.7), |
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K(124). American Unknown Auto Radio (Great Junk) in 1950s/米国メーカー型番不明自動車ラジオ, ('00.4.28) |
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自動車ラジオ(古くはAutoradio/オートラジオ,後に日本ではカーラジオ)は,自動車に積んだ自動車専用のラジオのことで,米国や欧州で自動車が一般に普及し自動車社会が形成された頃から発達しました。自動車のラジオ受信機が一般家庭用と違っている点は,
また,トランジスタ時代になっても(1)振動対策とともに(2)温度上昇による安定化,(3)省電力の3つが目玉になっていました。
1. Tube Auto-radio in 1927-1930s
自動車ラジオ(Autoradio)は1927年に米国ではPhiladelphiaで初めて販売されたそうです。Philadelphiaといえば,Philcoが有名ですが,同社が初めてラジオを製造したのは1928年とのことですから,一体どこの会社あるいはどこの誰が製造したかは謎です。でも,自動車ラジオの老舗には違いありません。1930年代は,米国で電極の支持にマイカ板を用いて防振対策を施したST管が登場しました。ヒータ電圧が6.3Vの新しい真空管は,実は当時の蓄電池の平均電圧に合わせた規格といわれ,自動車に搭載する目的で開発されたものだったのです。恐ろしいことに米国では1935年には自動車ラジオが350万台あったそうです。
日本ではその頃,自動車といえばほとんどがトラックかバス,自家用乗用車などほとんどありませんでしたから自動車ラジオがあろうはずもない。当時の放送も各地方ともNHKの1波か2波だけでしたし,24時間の放送もなかったでしょうから,運転しながら交通情報を聞いたり,一家でピクニック時にラジオを楽しむなぞという風景はほとんど無かったことと思います。でも,自動車ラジオの回路図だけは日本にも紹介され,例えば1935年3月のラヂオ科学の回路図特集には2つの自動車ラヂオが掲載されています。
1) 6D6(RF)-6F7(Mix-Osc)-6D6(IF252.5kc)-75(Det-AF)-42(Po)-6Z4/84(Rec)+Vib
2) 6E7(RF)-6A7S(Conv)-6E7(IF)-6C7(Det-AF)-42(Po)-6Y5(Rec)+(Sync Vib)
その1のラヂオはヒータ電圧5.6V, +Bは180V程度のようです。蓄電池は6.3Vで,+B電圧発生には非同期型の機械式バイブレータが使われ,DC6.3Vをスイッチングして鉄心入りトランスの1次側の2つの巻き線に+6.3Vを交互に流すことでAC12.6Vを印可し,昇圧し両波整流するという方式が使われました。
戦前の日本でも誰か作った人がいたかもしれません。しかし,日本では自家用自動車が発達しなかったこともあり,今日にいたっては日本で実物を見ることはまずできないでしょう。しかし,本家米国では今日でも多くのラジオが残っており,その姿はインターネット・オークションEbeyでときどき見ることができます。
2. Tube Auto-radio in 1940s
移動用無線機やラジオ受信機には小型真空管がつきもの。米国では,ST管に次いで1934年に金属管/メタル管が作られ,数年後にはそれをガラスに置き換えた小型GT管が登場,1940年頃にはGT管全盛でした。欧州では米国のGT管と同じくらいの寸法の小型ST管が作られました。
2. Tube Auto-radio After 1945
米国では戦後の1945年に,自動車用専用に6.3Vの新しいミニアチュア管が発表されました。6BE6, 6BA6, 6AT6, 6AQ5, 6X4など。さっそくこれを使った自動車ラジオが作られました。欧州ではそれに対抗して1946年頃にはリムロック管が作られ,普及をみせましたが,やがて米国型のミニアチュア管に合流してしまいました。
オートラジオでは,米国ではまずプッシュボタン式の一発選局できるラジオが出現,さらに1950年に自動同調自動ロック(オートチューン)方式のラジオが出現した。
真空管式のオートラジオはしばらくミニアチュア管一辺倒で爆発的に普及しましたが,1955年にトランジスタ・ラジオが出現すると転機を迎え,1956年には米国TungSolが12K4を初めとする省電力型の12V+B電源管を発表しました。たったの12Vで動作しますから,従来の真空管と比べて面倒なDC-DCコンバータが不要です。この真空管は初めからトランジスタとの混成使用を前提としたハイブリッド型のラジオを指向し,トランジスタ化が遅れていた高周波関係を真空管で済まし,低周波電力増幅だけをトランジスタ化しようとするものでした。だから中継ぎ的な要素が強く,国内では1958年頃に国産化し数年製造した段階で完全にトランジスタ化されて使命を終えてしまいました。
昔の自動車ラジオは真空管式でしたが,これに欠かせない部品として,低圧の蓄電池から高圧電源を得るDC-DCコンバータがありました。今日では半導体式が一般的ですが,その昔は機械式の振動子,いわゆるバイブレータがありました。電磁石と機械式のバネの入ったスイッチで,亜鉛メッキの鉄製筒に納められていました。戦前から戦後にかけて自動車の蓄電池には6Vが使われたので,米国では真空管のヒータ電圧が6.3Vに規格統一されたのは有名な話です。1950年代に自動車用蓄電池は12Vになりました。
バイブレータに直流を通電すると電磁石に磁力が発生し電極が引っ張られるが,ある程度ひっぱられると機械式バネにより戻される。それが規則正しく繰り返されるので振動を始めます。そこにスイッチを置けば,スイッチは規則正しく断続します。スイッチに直流電源を接続しておけば,その出力は0Vと入力電圧を交互に行き来する方形波状の交流になります。スイッチは2接点のもの(非同期式)と4接点のもの(同期式)がある。2接点ではトランスの1次側の2つの巻き線に交互にDCを供給することで2次側にはステップアップされたAC電圧を生じる。そこで整流管を用いて+B電源を得る訳である。4接点のものは2次側も同期して切り替えることにより,整流管なしで+Bが得られる。1950年代後半の頃は日本では2接点と4接点の両方が使われた。
ここでバイブレータの実物をお目にかけよう。米国のジャンクです。東京都の志田文夫さん御寄贈のもの。いずれも製造番号から1950年代と思われる。サイズは大きいものと中位のものがある。型式は良く判らないが,サイズが大きいものは6V用,中位のものは6V用と12V用が混在している。12V用は比較的時代が新しいはずでサイズは小型になる。3pinまたは4pinは2接点(非同期)のもので,鉄製ケースはアースに接続されている。5pinのものは同期式であろう。
寿命は機械式バネの強さと電極でのスパークの具合で決まるらしく,案外,寿命は短かったようである。スパークにより電極が固着してしまう不具合を生じると,2次側には出力が得られなくなり,気が付かないでいるとバッテリーが上がってしまうなどの重大な事故に繋がったらしい。だから,早めに新品に交換するとか,面倒くさい代物だったに違いない。また,+B側の負荷たる真空管も,4接点の直接+Bを得るタイプでは脈流になるため最大定格を抑えて使用する指示が為されている。例えば,有名な6BQ5/EL84などにはそのような規格が明示されている。
1. Large Size Vibrator with 5pins (Special Base)
MALLORY VIBRATOR TYPE 716 for use on 6 VOLTS BATTERY, INDIAAPOLIS, IND. /235433 DELCO (D) 7238525 (D) 255923 DELCO, (D) 7238525 (D) 235843 DELCO, (D) 7238525 (D) 235934 RADIART CORP (R) VIBRATOR 5426 INPUT 6 VOLTS BASE DIAG. P-1 (X-3) |
2. MIdle Size Vibrator with 4pins for 6 Volts and 12 Volts
Vibrators with UX Type Base Pins/足はUXタイプのバイブレータ。
From Front-left, INDIANAPOLIS IND, MALLORY 4-4, PHILCO, RADIART CORP S-1, Back-left, SUPEREME VIB. C-1, BENDIX RADIO C-1, MOTOROLA(12V), MOTOROLA 33(Base pin), MOTOROLA 33(Base pin)
(INDIANAPOLIS IND.)1218006 15-63974-1 MFG. UNDER ONE OR MORE PATENTS .../ 2352 1 9 MALLORY VIBRATOR TYPE 4-4 FOR USE ON 6 VOLT BATTERY PHILCO T.M. REG. 83-0035-2 made in U.S.A. (Base 249415-3) THE RADIART CORP ... SUPERIOR S-1 VIBRATOR INPUTS 6 VOLTS BASE DIAG A SUPEREME VIBRATOR TYPE C-1 6 VOLTS BENDIX RADIO C22281C-1 MOTOROLA 618 488522000 (刻印12VOLTS) MOTOLORA PART 33 (BLK) MOTOLORA PART 33 (RED) 12 (1) 46 / 235662 |
3. MIdle Size Vibrator with 3 pins and 4/6pins for 6 Volts and 12 Volts
From Left, (3pins) Automatic Radio, DELCO RADIO, DELCO RADIO, Unkown(168-546), DELCO RADIO 4pins, DELCO RADIO 4pins
3pins (Special)
4pins in UZ Base (6pin type)
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米国Delco Radio社製と思われる真空管式自動車ラジオ。モデル番号,年代不明。戦後1940年代後半から-1950年代初頭と思われる。回路構成12V用で,高周波1段,中間周波1段の6球スーパー,12BA6-12BE6-12BD6-12AV6-6V6-GT, 6X4GT+Vib。同調機構は回転式糸かけダイヤルで,RF, Mix, Osc用の3本のシリンダーを持つミュー同調。Yahooオークションで入手。「テンラジオ?」と紹介されていたので国産かもしれないと念のため購入してみたが,米国製であった。米国製は造りが頑強である。
Tubes are, from right hand side, 12BA6(RF), lower 12BE6, upper 12BA6(IF), 12AV6, 6V6-GT and 6X5-GT.
RFシールドボックス内に高周波部が収納されている。 ANT 入力は右上に今日と同じ形式のソケットがある。3連結ミュー同調機構が右側に見える。その下にRF Amp12BA6,左にConv 12BE6, 上にIF Amp 12BA6, 左に12AV6である。アルミ筒のChemiコンが見えるがDELCO RADIO Delta 72 2805 20 400DC x2である。RFシールドケースの左のトランスは出力トランスで,一番左は+B用の昇圧トランスである。その脇に雑音防止用の空芯コイルとオイル紙コンデンサが横たわっている。,一番左の筒が12V用バイブレータ。
本機の特徴は部品番号がシャーシ上に全く無いこと。しかし,米国製と思われるのは,シャーシが頑強な鉄成形品であること,使用ネジ類が米国製であること,使用電気部品が米国製であること,などによる。
ネジ類は先に紹介したPhilico P-5106E( K(123), 1952製)と同じで6角頭である。
真空管は全て国産に交換されている。交換時期は1956年頃,ならびに1963-4年の2回と思われる。
12BA6(Toshiba 1960s), 12BE6(1960s), 12BA6(TEN,FI5,1956), 12AV6(Matsuda, 1957), 6V6-GT(Toshiba-Matsuda, 1950s), 6X5-GT(Toshiba,1960s)である。
バイブレータは3-pin型の非同期式で,下部がこじ開けられボール紙で塞いであるので,部品交換せずに直接修理を試みた痕跡と思われる。
DELCO 235519, delta 7265828A 12 Volts
バイブレータの製造年は1955年と推定されるが,このラジオはもっと古く,製造後1956年頃に国内で真空管ともどもこのバイブレータも交換され,1960年代にもう一度真空管を交換した時にバイブレータが解放修理されたのではないかと考えられる。
シャーシ裏面はまだ覗いていない。
This is a tube Auto Radio, manifactured by an American Company, not a Japanese product, model unknown, obtained recent days through the Yahoo Internet Auction in Japan.
真空管式の自動車ラジオを一度見てみたいとは思っていたが,今の時代,そんな物など身に周りから出てくるはずはなし,また,ここ数年あちこちで骨董ラジオを物色した限りでは一度も目にしたことは無かった。ところが,昨年末にYahooオークションが始まり,ついに真空管式の自動車ラジオがこれまでに3度出現した。過去2件は欧州のフォルクスワーゲン用と米国の完璧なコレクションで,前者は少し高価で見送ったが,後者に至っては目の飛び出る程高価で話にならなかった。しかし,日本では3度目の正直という言葉がある通り,3度目には国籍年代ともに不明のカーラジオの大ジャンクが出現,ついに2000年4月29日に入手できました。価格は\2600であるから送料\610や送金手数料\420を入れても\3630。安い買い物と思う。見る人が見ればゴミには違いないが。
調べてみると,メーカーを特定するヒントは無かったけれど,残された球から米国製であることが判明。年代は1950年代前半のようです。売出し中の説明では4球スーパー相当でしたが,そんな事はあり得ず,案の定,高1付きスーパーのチューナー部でした。この他に6AQ5等のパワーアンプとバイブレータ式の交流電源,セレン整流器などからなる電源部があるはずです。一見,大ジャンクですが,チューナー・ユニットは鉄ケースを取り除くとこんなものであり,フロント・パネルや一部のツマミが無いだけで,オリジナルは意外と保存されているような印象を受けました。
調査した結果をお知らせしましょう。今後,どう修復するか楽しみです。
[Front/正面]:正面パネル紛失。中央に横行ダイヤル,その下に選局用プッシュ・ボタン・スイッチと2つの皿状回転ツマミ,さらに左にはツマミは無いがボリュームが見える。プッシュ・ボタン・スイッチは(12345 OFF)とあり,左5個が同調兼電源ON用,右1個が電源OFFである。プッシュ・ボタンは左から2番目だけが角型のメタル・カバーを紛失している。左側のボリュームは実は軸が2重になっており,周りが音量調節,真ん中がプッシュ・ボタン同調を使わない場合の連続的な同調用のツマミで,この軸は後で説明するが,3つのシリンダーのコアに連動した駆動軸になっている。皿状回転ツマミの1つは巻き線抵抗器の摺動子につながりランプの減光調整つまみ?になっている。もう1つは用途不明。
Upper/上面:下からプッシュ・ボタン,横行ダイヤルと糸かけダイヤル指示機構,その上に鉄板を折り曲げた堅牢なシャーシがあり,左からマニュアル同調用のコイルと2個のタイト製トリマ・コンデンサ,高周波増幅用真空管6BA6,角型アルミ・ケース入り高周波段のコイル,周波数変換6BE6,IFT,中間周波増幅6BA6,その奥に検波段のIFTが見える。シャーシ上に見えるベークライト板の格子はプッシュ・ボタン・スイッチの基板である。
Back/後面。上から真空管3本を載せたシャーシ,熱遮蔽板,下にブッシュ・ボタン・スイッチ用のベーク基板,その左横に検波段のIFTがあり,その下に検波増幅用真空管6AT6が見える。一番下の長方円のアルミ・カバーはブッシュ同調コイル群のカバーである。右下はアンテナ入力部で,2つの軸付きトリマ・コンデンサが見える。電源用コネクタは5Pソケット。
下面:左に検波増幅用真空管6AT6。中央はプッシュ同調用の6つの切り替えシャフトと5つのコイルが見える。
プッシュ同調機構のコイル群。プッシュ・ボタンを押すと5つのコイル群の1つが選局される。
同調機構2。マニュアル同調用メカ。3つのシリンダー。
セレン。電源スイッチ。糸かけ。滑車を使っていない。 欠損:ダイヤル2重ツマミ。 受信周波数:5.4-16 x100 (kc) 左に同調ツマミと音声ツマミは同軸。中央が同調,周囲が音声。 ダイヤルは糸かけ式横行型,PL左右2つ。 マニュアル同調はシリンダー3つ。プッシュはコア移動2つ。 ダイヤルスケール下に回転つまみ2つ。右は巻き線抵抗の位置。右は馬鹿あな? 同調切り替えスイッチは多点スライドSWとベーク多穴板。 コンデンサはペーパー7個,セラミック,チタン筒,モールド抵抗, アンテナ端子は同軸型で今日と同じ。 タイト板型トリマ2個ツマミ付き。コイル1個,タイトトリマ2個 電源コネクタ5P(センタ未使用),アース線1,
6BA6-6BE6-6BA6-6AT6 Tube :
RF1 24B580274B 294307 IFT-2 119-3-06 24K485555 pat nos 2547085 Tuning mechanism 7B501803 Coil Pack 77D513374 294305 15-9 Chass FRAME 70501713 Celen 27C501710 MS 56655 Pilot lamp 2, Push Botton 5 |
This is a tube Auto Radio, manifactured by an American Company, not a Japanese product, model unknown, obtained recent days through the Yahoo Internet Auction in Japan.
日本のYahooオークションで,次に見つけたのが,この米国PHILCO社の自動車ラジオP5106Eでした。あまりにも完璧な状態のラジオだったので感激しました。なにしろ,チューナ部の他,パワーアンプ部,電源部,スピーカまで揃っています。神戸の骨董屋さんが出品したものです。真空管の一部やバイブレータは1958年頃の日本製に交換されていました。このラジオは自動車とともに米国から輸入され,日本中を走り回った後,保守球に交換されたものと思われます。
Left and Right Sides: 上部にチューナー部(ラヂオコントロールシャーシ),下部に電源とパワーアンプ部。スピーカも見える。
Radio Control Chassisの下の絶縁板に,パワーアンプ兼電源部の回路図があった。6C4の位相反転,6AQ5のプッシュプルです。整流には6X4が使われています。スピーカは16cmx24cmの楕円です。
PHILCO AUTO RADIO P-5106E, MOPAR MODEL 812X, Panel 1368321/ 9007 Chassis; ser. 3201032253
6BA6-6BE6-6BA6-6AT6 Tube :
RF1 - IFT-1 4240S -- 455kc Tuning mechanism - Coil Pack 76-6632 Chass FRAME - Celen - Pilot lamp 2, Push Botton 5
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