ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

5. Economics Growing Ages/高度成長時代

Miniature Superhet/ミニアチュア管スーパー

64: Rimlock Five Super
5: MT Standard -Autotrs
51: MT Standard
51A: MT Standard with Eye

Miniature Superhet/ミニアチュア管スーパー

2 Band with Short Wave/短波付き2バンド

53: MT Standard Homemade
51B: MT Standard HiFi
52 Two Band MT Standard
52B Two Band MT Standard HiFi

Page 64. Japan Made Rimlock Tube Radio During (1952-1953)/日本製の欧州MT管ラジオ

Page 72. Appendix- European and New Zealandish Rimlock Tube Radios During (1946-1960)/欧州とニュージーランドのリムロック管ラジオ

1st ed. (2001.1.4)+(2001.5.6)+(2001.6.3)+(2001.6.15),+(2003.12.13), 2nd ed. (2006.7.15)-(2010.5.3)

HomePageRadio/Radio_P64_Rimlock.html

Page 64. Japan Made Rimlock Tube Radio During (1952-1953)/日本製の欧州MT管ラジオ

Page 72. Appendix-European and New Zealandish Rimlock Tube Radios/おまけ-欧州とニュージーランドのラジオ

J(127) Matsushita Rimlock Tube Radio PS-71 in 1953,/松下PS71リムロック管ラジオ ('00.9.23)

3 Band

X(136) UK Rimlock Radio Chasis in 1950?/英国の不明ラジオシャーシ, ('01.1.10),

J181 (=J127) Matsushita Rimlock Tube Radio PS-71 in 1953 Part2/松下PS71リムロック管ラジオその2, ('03.4.24), ['03.12.13]

X(140) Ultimate EKCO (NZ) model RDG, in 1950s/エクコRDG型, ('01.3.23)

X(141) Ultimate EKCO (NZ) model RCX -Ekcosprite, in 1950s/エクコRCX型, ('01.3.23)


Japan Made Rimlock Tube Radio During (1952-1953)/日本製の欧州MT管ラジオ


J(127) Matsushita National PS-71 Rimlock Tube Radio/松下PS-71リムロック管ラジオ in 1953, ('00.9.23)

松下の珍しいラジオ。GT管ラジオPS-53と同時代の製造で,真空管に1946年にPhilipsが開発した欧州mT管であるリムロック管を使用しているのが変わっている。日本では製造されなかった球。松下電器産業は1953年にオランダPhilipsと技術提携を結び,真空管製造の子会社,松下電子工業を立ちあげている。このラジオはその頃のもので,オランダから輸入した球が使われている。

構成は周波数変換に6極3極管UCH-42, IF増幅に5極管UF-41, 検波低周波増幅に双2極3極管UBC-41, 出力に5極管UL-41, そして電源整流に片波整流管UY-41を使用している。基本的にトランスレス球であり,AC100Vに抵抗無しで全て直接に繋げているが,さすがに+B電圧だけはAC入力が欧州220Vにくらべて100Vは何とも力不足でありオートトランスを使って昇圧している。また,パイロットランプは点火する余裕が無いので,トランスを使用している。この辺の設計思想は米国型GT管ラジオPS-53と全く同じである。無歪み出力1.1W,最大1.6Wを誇り,スピーカはコンパクトな5inch(12.5cm)である。

Yahooオークションで入手した。

キャビネットは木製ラッカー仕上げ。珍しくコンパクト。

球は左より,UY-41, UCH-42, UF-41, UBC-41, UL-41である。スピーカは5P-51R。

Ser. 4341. 電源100V, 24VA, 感度300uV/m/50mW。

UCH-42/14K7..TKB *YD

UF-41/12AC5..Nm3 XD <KTX>

UBC-41/14L7..はげ ..Nm3 XD

UL-41/45A5 LMZ XF NKC

UY-41/31A3..N5E XF

Back to TOP


J181(=J127 Matsushita Rimlock Tube Radio PS-71 in 1953 Part 2/松下PS71リムロック管ラジオ, 2台目, ('03.4.24), ['03.12.13]

松下電器産業ナショナルの欧州ミニアチュア管(リムロック管)を使用した小型ラジオ。1953年。すきなリムロックラジオが売れ残ってかわいそうなので2台目として入手。紹介する写真も1台目と同じアングルから撮っており何も変わらない。

Front view of PS-71

Back view of PS-71

左より,Philips MiniWatt UY41(N51 +X, J.I.Y), UCH42(TK8 *YD, KWY), UF41(Nm D 1+, KWY KTX), UBC41(RKB +M, KWY), UL41(XF NKC, KWY)。UL41はメタルシェル付きである。出力管のゲッタは黒く変色し寿命を伺わせる。

底に赤印105227。金属部に錆が出ている。右のつまみが無い。ACコードが途中から布製に変えられている。(製造番号から,あるいは1952年製かもしれないと思われる)。

つまみ1個,裏ネジ1本紛失。(updated '0312.13)

Back to TOP


Appendix-European and New Zealandish Rimlock Tube Radios/おまけ-欧州とニュージーランドのリムロック管ラジオ


X(136) UK 3 Band Rimlock Radio Chasis in 1953?
('01.1.10),

3 Band

European Rimlock Tube Radio as my first collection, obtained only a chasis. Unknown maker, it may be made in United Kingdam. 3 Band radio. 私の欧州リムロック管ラジオのコレクション第一弾。シャーシのみYahooで入手。3 bands(LF, MF, SWか)対応。VRがmade in Londonとあることから,イギリス製と思われる。Ser. A048262。メーカを探る手がかりなし。

Shaft, from left, (1)Volume with Power switch, (2)Tuning and (3)Band switch/シャフトはひだりより,(1)電源スイッチ付きボリューム,(2)チューニング用駆動軸,(3)バンドスイッチである。

シャーシ上には電源トランス,2連バリコン,コイル3つ,IFT1個がある。もう1個のIFTはシールド・ケース無しのものがシャーシ内に納められている。バンドスイッチの近くにアンテナ・コイルが見える。全てコア入りボビンで,左よりLF, MFは径7mmでハニカム巻き,SWが8mm径で単巻きに見える。MFとSWは回転式タイト製トリマ・コンデンサが付く。IFTはシールドケース横に3つの穴が縦に並んでおり,上と下の穴にコア入りコイルが見える。つまり横置き型である。

[キャビネット・デザインの推定]

1940年代末から1950年代初めにかけてのイギリス製リムロック管ラジオではツマミが3つ並んだタイプはまだ見たことがない。ダイヤル機構はバリコンが横向きで,糸かけプーリーの直径は超特大の138mm,ダイヤル・スケールは217mmだから,横行型と思われる。ツマミ中央がフライホイール付きのドライブ・シャフトであり,シャーシ・サイズは295x153x63mm,プーリーは横に15mm程度突き出る。シャーシ前面の左右に2つづつネジ穴が残っており,またシャーシ上部に留めネジ1個が残っているので,ここに295x180mm程度の金属製フレームがあったに違いない。スピーカは恐らくシャーシ中央に位置するものと思われ,ダイヤル用金属フレーム上にダイヤル指針と滑車があり,スピーカはフレーム中央に取り付けられていたかもしれない。各ツマミのシャフトは長尺で76mmあるが,少なくともキャビネット内に55mmは納まるから,ダイヤル機構とスピーカがその分突き出ていたことになる。プーリーは入手の段階で欠けておりバラバラになった破片も同時に入手した。

Back Terminals, from Left,Airial-E, Speaker(Ext, Int, Ext), Phono(in, E), AC selector(200-220-240V).

真空管は全てMullard製。EL41はかなりくたびれている。

AC in 200-220-240V (240Vにセット)。

Tube;

ECH42(6CU7)/Mullard 1382 3H2 BVA DA

EF41(6CJ5)/Mullard 1438 ?B6 BVA AA

EBC41(6CV7)/Mullard 1445 2C3 BVA AA

EL41(6CK5)/Mullard 1440 1D3 BVA AA

EZ40(6BT4)/Mullard 1451 19 BVA AA

 

Shaft, From left, (3)Band switch, (2)Tuning Whoil, (1) Volume and Power Sitch./シャフトは左より,(3)バンドスイッチ,(2)チューニング用ホイル,(1)電源スイッチ付きボリュームである。

内部は閑散としているように見える。この理由は各部品が小さいからである。英国では1950年代初頭にこのように部品が小型化されていたとは実に驚きである。中央に出力トランス。バンドスイッチ周辺にコア入り発振コイルが3つ離れてある。左はLF, 右はMF,その上にSWがある。LF用のみトリマ・コンデンサが付く。

コンデンサ類であるが,蝋付けの紙コンデンサ3個(黄色,STATIO 350V, 0.1uF, 0.05uF, working Type BTB, made in England),スチロールコンデンサ3個(銀色,500v WKG SUFLEX 3000pF, 3900pF),筒型チタコン4個(青色),板型のマイラコンデンサのようなもの(茶色,500pF),モールド筒型コンデンサ3個(茶色,HUNTS, A301-0.25uF/150V, A52-0.25uF/350V, A71-?),マイカ1個(TCC MWN 50pF)などが見える。最も大きいHUNTのコンデンサは中央にひび割れが入っている。

抵抗類だが,全て筒型のカラーマーク入りソリッド抵抗である。恐らく1/4W型7個, 1/2W型8個, 1W型3個で,大容量の物は1つもないのも驚きである。VRは(ERIE, made in England, 2 MEG, LOC LAW)とある。

シャーシ貫通部にはゴムブッシュが全て入っている。シャーシ上のケミコンは1953年製?ちょっと意外だった。

32-32MFD, RED OUTER, 275V MAX WKG, 350V SURGE, BBC CE 567113? BRITISH PATTENTNo503370 NOV 53, MADE IN ENGLAND

バリコンの留めネジはゴムブッシュを抑えるためか実にでかい。真空管ソケットは銅製リベットである。

どれも,修理痕は特に見られない。配線の具合は1960年代の日本製のステレオアンプやアマチュア無線機などのレディーメードを思い出すが,総評としてとにかく良い部品を贅沢に使用し良くできたラジオである。日本ならもっとコストダウンしただろうにと思うところが多々あるのであるが,それがまたイギリス製,欧州製の風格を出しているのであろう。

Back to TOP


X(140) Ultimate EKCO (NZ) model RDG, in 1950s, ('01.3.23)

This is the second collection as the rimlock tube radio, manufactured by EKCO (NZ) in New Zealand, early time in 1950s. このラジオはニュージーランド製のリムロック管ラジオ。1950年代初期と思われる。英国EKCOのニュージーランド現地会社と思われるUltimate EKCO (N.Z.) Co. Ltd., Auck(land?)の製造。唯一整流管だけはリムロックではなく日本で馴染みの深い米国型ミニアチュア管6X4であるが,何とオーストラリア製。Yahooオークションでリムロック管の姿を発見して,Philips好きの私は思わず喜んで買ってしまった。

ニュージーランドは英国の文化圏のようで,英国本国との結びつきが強いことを窺わせる。部品類は現地生産できないものは欧州から輸入せざるを得ない。リムロック管にはもともとEZ-41という整流管があるのだが,できるだけ現地調達しようとする現れが,オーストラリアの整流管の採用だったのではないかと考えられる。オーストラリアには米国RCA系の会社があることは知られていたが,オーストラリア製の真空管を見たのは初めて。

From left, (1)Volume with Power Switch, (2)Tone, and (3)Tuning. 左のツマミはオリジナルでない。キャビネットは木製。白縁はペイント。デザインは何か欧州というよりは日本のラジオに似ている。何故か?それはダイヤルが小さいからだと思う。オーストラリア,ニュージーランドは日本と同様に電波が少なかったに違いない!

Tubes are, from left, EF41, ECH42(back), EL41, EBC41(back) and 6X4.

木製キャビネットは実に簡単な作り。裏板があった形跡がない。真空管はもとは全て英国,オランダ製だったと思われるが,後に幾つか交換されたようだ。ドイツTelefunken製のEL41は交換部品と思われる。回路設計は英国のオリジナルそのままで現地生産したと思われ,真空管を除く主要部品は英国からの輸入の他,ニュージーランド,オーストラリアで作られたものを使用。現地生産分はどれも英国系の会社らしい。スピーカはニュージーランド製ROLAである。バーアンテナが見える。IFTは小型の英国製のもの。456kcを使用。電源電圧は欧州と同じ240V。

Ser. RDG 227203.

Tubes;

ECH42(6CU7); Miniwatt ECH42 made in Holland, SH3/Y9E

EF41(6CJ5); Mullard EF41 BVA made in Gt. Britain,L+1/B1G

EBC41(6CV7); Mullard EBC41, British made, P31/B8E

EL41(6CK5); Telefunken EL41 made in Germany, B17218009

6X4; Radiotron made in Australia, JL13

IFT; (2)WcARITE type 850, 456/475 kc, London, England.

Chem; DUCON, type ECT..., made in Australia

Speaker; ROLA model C, 13F0, Rola Co. (N.Z.) Ltd.

ダイヤルは550-1600kHzまであり,オーストラリアとニュージーランドの局として,2CRから2AYまでのコールサインとおぼしき記号が並んでいる。39局。BC帯では海を越えてオーストラリアの局が聴こえるとも思えないので,豪州共通のダイヤルなのかもしれない。

Back to TOP


X(141) Ultimate EKCO (NZ) model RCX -Ekcosprite, in 1950s
, ('01.3.23)

This is the third collection as the rimlock tube radio, manufactured by EKCO (NZ) in New Zealand, early time in 1950s. このラジオはニュージーランドのUltimate EKCO (N.Z.) Co. Ltd., Auck(land?)のリムロック管ラジオ。X(140)のmodel RDGに続く1950年代初頭の製造と思われる。トランスレス管を使用しているがセミトランスレスである。デザインが良いが,残念なことに天板が割れて,エポキシ樹脂で無骨に補修してある。

From left, Volume nob with Sw, Lever Tone SW in Center and Tuning nob.

Tubes are UF41, UCH42(back), UBC41, UL41, UY41(back, colud not seen)

真空管のオリジナルは整流管UY41だけらしい。他は交換されたように見える。バーアンテナが欠けているが,真空管UBC41やUL41を抜く時に頭に当たる。キャビネットが欠けているのと同じ理由?バーアンテナから白い線がキャビネット内を走っている。後でユーザーが付けたものか?トランスレス球を使っているのだが,トランスがある。240V仕様では抵抗を使う以外にトランスを使う手がある。パイロットランプが1つ球がない。

Product of RADIO (1936) LTD. AUCK., N.Z.

Ser. RCX 193822, IF 460kc. For A.C. Mains Only 230V 50CPS.

Tubes;

UCH42(14K7); Telefunken UCH42, made in Germany, U 5102210

UF41(12AC5)..Philips UF41 made in Holland, Mm5/+812

UBC41(14L7); Telefunken UBC41, made in Germany, U 5006902

UL41(45A5); Telefunken UL41, made in Germany, ?5106810

UY41(31A3); made in Holland, Miniwatt, UY41, 1M2/X5K

VC; Polar made in England

IFT; 6840, 234

chem; DUCON

Speaker; ROLA model 5x7H, 27B7

裏板は紙エポキシのような感じ。ネジの部分が痛んでいる。感電対策のため露出部が無い。

Do not connect receiver unless back cover is in Position. 左からアンテナワイヤを出す切り欠きがあるが,憎いことにはAerialと表示されている。

ダイヤルは550-1600kHzまでだが,逆ダイヤルになっている。コールサインは45局ある。前のモデルより6局増えた。

Back to TOP

(c)1998-2001-2002 Koji HAYASHI All rights are reserved.