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History of Auto Radio/自動車ラジオの歴史3 |
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TRC(5). Kobe-Kogyo TEN Autoradio model unknown in 1959-60?/神戸工業テン モデル不明, ('03.1.18), ['03.2.11] |
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TRC(2). Clarion Transistor Auto Radio RN-110 in 1967/クラリオンオートラジオRN-110 ('67.xx), ['00.7.17] |
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TRC(4). Kobe-Kogyo TEN RS-21 in 1960s/神戸工業テンRS-21, ('01.5.9), ['03.2.11] |
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TRC(3). Clarion AM Radio RH1010A in 1980s?/クラリオンAMラジオRH1010A, ('00.6.24), ['00.7.5] |
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TRC(1). Clarion Transistor Auto Radio CR-204 in 1960s/クラリオンオートラジオCR-204, ('84.xx), ['00.6.24] |
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日本では1959年頃から各社ともトランジスタ化したオートラジオを作り始めたようです。真空管式のポータブルラジオは1956年頃から1958年頃にかけて輸出産業の花形でしたが,それに取って代わったのがトランジスタ・ラジオでした。真空管が米国市場を開拓しトランジスタはそれにあぐらをかいてスムースに移行できたようです。ことオートラジオは初期の真空管式は機工部分で相当立ち後れており輸出できるような代物では無かったのですが,数年のうちに修練を積み,トランジスタ化する頃には一人前になっていました。そしてトランジスタは民生部門では世界の第一線に並べたので,たちまち優れたオートラジオが作れたようです。
このラジオは神戸工業TEN製の初期のトランジスタ式オートラジオです。パネルにはトヨペット・クラウンとあります。「観音開きのクラウン」に使われていたそうです。自動車のことは良く分からないので正確な時代が分かりませんが,1950年代末から1960年代始めであることは確かです。Yahooオークションで見つけたのですが,真空管式と間違えて購入してしまいました。それもそのはず,巨大なキャビネットとスピーカー箱だったのです。蓋を開けてびっくり。
ラジオは3つの箱に分かれています。1つはチューナー部,他の2つはスピーカ・ボックスで,そのうちの1つにはパワーアンプが入っています。
Speaker and Power Amp Section/パワーアンプ部。中にはスピーカーとともに2石の2段アンプが入っています。当然,ドライブと出力用の重いトランスが一緒です。とにかく重い。ごっついボルト締めです。給電はこのユニットから行います。ヒューズが後ろに見えます。
Two Speaker System/2つのスピーカーシステム。ステレオでもない時代に2つありました。左側はパワーアンプの入ったものです。
もう一台。このラジオも神戸工業TEN製の初期のトランジスタ式オートラジオです。このラジオも先のRS21と同じ時代かやや前と思われます。Yahooオークションで見つけたのですが,同じように真空管式と間違えて購入しました。蓋を開けてびっくり。電池式のポータブルです。「オートラジオ」という文字は確認したのですが,「7transister」とかいう文字は写真では確認できませんでした。
Front panel of TEN Autoradio, Nobs are not original./ツマミはオリジナルでありません。左端にロッドアンテナ(先端破損)が見えます。右端にはプッシュ式電源スイッチが。
普通のポータブル・ラジオと何等変わりがないように見えますが,同調機構が3つのシリンダーを備えたミュー同調であること,ケースが鉄でできていること,が特異です。逆に普通のカーラジオにも見えますが,ロッド・アンテナが見えること,電池ボックスがあることなどは驚異です。
回路図がありません。
内容は2SA15-2SA30-2SA31-2SA31-1NA4Gx2, 2SB120-LD1?-2SB13ppとなっています。LD1?はカン型のバリスタです。出力は200mW。ロッドアンテナと取っ手が付いており,内部には電池ボックスが。ご丁寧に,多分パワーアンプや外部電源に接続できるよう櫛形ソケットが装備されています。
真空管では無いが参考までに出品した。帝国電波(クラリオン)製の1960年代の8トランジスタ・カーラジオのジャンク。職場で貰った当時の取り外し品。使用しているトランジスタは全て日立製で,ゲルマニウムの2SA, 2SBタイプである。1965年頃か?
[Front View] マウント用のパネルが無く,ツマミも無い。上蓋は外してある。ダイヤル窓にはClarionの文字がある。 向かって右側面には12A-43という印字がある。モデル名は上蓋にモデルCR-204の貼り紙がある。
[Top Veiw] 残念なことに,RFamp用のTr 2SA355と出力用の2SB337x2が切り取られている。それ以外は全て原型をとどめている。内部のMPコンデンサー,ケミコンにはCLARIONのブランド名が入っている。
[電源] DC12Vは右側の黒いコードの所から入る。鉄の蓋があり,貫通コンデンサと小型トランスで自動車のイグニッション・ノイズのフィルタを形成し,対策している。上から見ると丁度黒いチューブラ・コンデンサ15A500の下に小型トランスが見える。
[アンテナ] アンテナはキャビネット裏面の左中央付近にいまのTV用F型みたいなレセプタが見える。同軸で入る。イグニッション対策である。またアンテナ端子の隣にはトリマコンデンサの軸があり,装着時にマッチングを調整する。
[ダイヤル] ダイヤル・メカはプッシュ・ボタン5つである。メカの一番上に見えるアームはダイヤル指針用。シリンダーが3本ある。スライドする。左のシャフトを廻すとスムーズに動く。ギヤとバネが沢山使われている。プリセットの仕方は黒いプッシュ・ボタンのツマミを引き出して,手動で同調させた後にツマミを押し込むとできる。
[音量など] 右シャフトは中央が音量,周りが音質か,プッシュで電源がはいる。
[回路] オーソドックスなものと思われるが,普通のポータブル・ラジオと違うのは出力回路である。出力用トランジスタは外形が大型のTC3A/TB3型のものでケースが放熱板を兼ねている。ドライブ用トランスは基板上にあるが,出力トランスが無い。昔のB級プッシュプル回路なら絶対必要なところである。真空管しか知らない私は本で調べようにも参考書がない。僅かに判ったことはコンプリメンタリ方式が流行る前で同一パワートランジスタを用いたトランス・ドライブSEPPらしいということ。スピーカ出力用の端子も穴も無いのも不思議と思ったが,電源線青と一緒に出ている黒色平行ビニール線がスピーカ線だった。
Clarion Model CR-204 (12A-43) ( 8 Transistor ), Ser.59589 Print Circuit Board Ser PW-020-A-3 Dial Mechanism Ser. 388412 Hitachi Transistor (RF)(2SA355)-(Cnv)2SA354-(IF)2SA12-(IF)2SA12-(Det)1N34?x2-(AF)2SB75-(AF)2SB77-(Po)(2SB337 pp) IFT-1 12B 4K3, etc (10K type?) Driv Trans 7-18D Pilot lamp x1, CR類のうち,ケミコン類はClarion, マイラフィルムはNCC, またRFにSuzukiのマイカを用いている。抵抗は1/2Wがモールド型,1/4Wは焼き物筒のP型である。 |
rf 2SA355 =2SA641nec@100, 2SA341mat@100
cnv 2SA354
if 2SA12
af 2SB75
af 2SB77
out 2SB337 PA Ge.A -40V, -10V, -7A, 30W, 100'C, -1mA/-30V, hfe90, -2V/-1A, -2V, 1A fab=0.3MHz, outline=103, hit@800
out 2SB367 PA Ge.A -25V, -12V, -1A, 6.6W, 85'C, -0.1mA/-12V, hfe90, -1.5V/-0.5A, outline=100
これも真空管では無いが参考までに出品した。帝国電波(クラリオン)製の1967年の7トランジスタ・カーラジオ。使用しているトランジスタは全て日立製で,主にゲルマニウムの2SA, 2SBだが, シリコンの2SCタイプが加わった。サイズが奥行きだけ小さくなった。これは同一メカを使用しながらの電気関係の基板のサイズだけを小さくしたもの。当時のトヨタ・クラウンに装備されていたラジオの取り外し品で親父の形見。物置のラジオが山崩れにあい,箱の積み直しをしていたらジャンク箱から出てきた。車は廃車したが,ラジオはまだ動くのに捨てるのは忍びないと取り外したもの。我が家にとっては事業用の初の車だったので当時は大変な借金の一角を担ったラジオだった。
[Front View] パネルが四角くなった。シャーシ・ケースの構造が少し変わり,上蓋はバック・パネルを兼用したL字型になった。裏蓋の放熱器が無くなったためである。ネジはISO。
[Back View] 出力トランジスタの放熱器は隅にある。ヒューズとアンテナ端子コード付き。アンテナはシャーシ右下から,電源とスピーカケーブルはシャーシ左下から入る。
Clarion Model RN-110 (8CS), Ser.551292 ( 7 Transistor made in Japan 7H) Chassis Frame 308-060-000 Print Circuit Board Ser 099-255-100 Dial Mechanism Ser. 31190133 Hitachi Transistor (RF)(2SA355)-(Cnv)2SA354-(IF)2SA353-(Det)1N34?x2--(AF)2SC458-(AF)2SB77-(Po)(2SB367pp) IFT-1 12B 4K3, etc (10K type?) Driv Trans 6-C74-000, Output Transistor Radiator; 313-043-000 Pilot lamp x1, CR類のうち,ケミコン類はClarionからFDS(Fuji Denso)製に変わり, マイラフィルムはフィルム型とマイラ型に, またRF用はセラミックス型とデイップド・マイカ型に変わった。抵抗は1/2Wがモールド型,1/4Wは焼き物筒のP型である。 |
ケミコンの製造メーカFDS富士電装で1966年から1971年まで神戸工業テンのオートラジオを製造していた。その後は富士通テンに移管した。クラリオンにケミコンを供給していたのは面白いことだ。
クラリオンのAM専用ラジオ。Model IB RH-1010A, No. 0270731。ホンダ純正。アナログ・チューナ最後期のもの。この時代,自動車ラジオといえばFM付きが標準になりつつあるとき,わざわざAM専用のラジオを作ったのは廉価版を供給するためであろう。IC2個から成るラジオである。ICはともにNEC製で,AMラジオチューナがC126V2?, パワーICがuPC1241H。高1中2相当のラジオ。私は自動車に毎日乗っているがダッシュボードを外すなんて面倒なことはしたくないので,ラジオの裏など見たこともなかった。そこで安易に最近(2000年6月末),Yahooオークションで100円で入手したもの。
[Backview] この時代の鉄製シャーシの加工は精密で,裏蓋上側兼用キャビネットははめ込みによりぴたりと動かなくなる。ネジ止めは1カ所のみである。
[Back View2] 中身は2階建て構造になっている。上がプリント基板,下が同調機構。右端のアンテナ端子はTVのF型みたいなもの。中央のパワーICの放熱は裏蓋件鉄製ケースで,その固定ネジがICの放熱器取り付け穴でもある。
[Upper View] 昔と違うのは奥行きである。20年の間に何と1/3程度に小さくなった。もう1つ昔と変わらぬものが見える。右上の電源フィルタ用と思われる小型トランスがそれである。
同調は昔と変わらぬミュー同調機構。3つのシリンダーが右端に見える。プッシュボタン操作によりシリンダー内のコアが動くのである。