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(a) Midget(Portable)/ミゼット(ポータブル) | |||
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B(67). 27A Type Homemade (Nikoniko) in 1935? /ニコニコ自作, ('98.8.24) |
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B(108). 27A Type Perry 60 in 1937?/ペリー60型, ('99.11.26) ['00.6.1] |
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B(112). 27A Type Perry Patriot P-4 in 1935?/ペリー愛国号P4型 ('99.12.26) ['00.6.1] [add '01.6.15] |
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B(72). 227 Type Kitahara Electric Model 38 in 1938?/北原電気38型, ('99.1.3) [99.5.5] |
ここではミゼットの続編として「戦前の黄金時代のミゼット型並四」を紹介します。
Midget/小型セット
1931年(昭和6年)頃に現れたミゼットは,1934年(昭和9年)頃になりますと中身は同じでも一段と小型化され,コンパクトになってきます。その理由の1つは金属シャーシが主流になり,次いで真空管も1933年(昭和8年)頃にST管が登場したことがあげられます。山中電機テレビアン(Televian)のカタログに次の「小型セット」が掲載されています。
M-37; 4-tubes;(227-226-112A-112B), size; (345w, 255h, 210d), 6.5kg, 15W, \25
M-27; 4-tubes;(227-226-112A-112B), size; (335w, 207h, 250d), 6.5kg, 15W, \22.5,
マツダ球(ナス管のこと)定価6.0円, マツダ新球(ST管のこと)は4.8円。
「小型軽量で携帯に便利,かつ家庭用として取扱簡単,感度・分離に申し分無く機構,外観ともに斬新・華麗」と自慢しています。確かにより洗練られたデザインになってきます。当時の小型セットです。
当時のフルスペックの並四は,
UY-227, (TRS結合) UX-226, (TRS結合) UX-112, (チョークTRS) KX-112B;
ですが,次第に真空管が変わっていきます。
UY-27A, UX-26B, UX-12A, KX-12B
UY-27A, UX-26B, UX-12A, KX-12F
UY-56, UX-26B, UX-12A, KX-12F
真空管の段間には古き時代の象徴であるトランス結合が欠かせません。真空管の性能アップ,ペントードの登場とともにCR結合でも実用感度を得られるようになりましたが,27系の並四については感度がアップする要素は見あたりませんから,トランス結合が引き続き使われました。
しかし,戦時下の一歩手前が黄金期ですから,トランスは付き物でした。今現存しているものは黄金期を経て戦争に入るので保守部品が不足し改造されています。故障しやすいのが,黄金期にあっても廉価で安売り王,安かろう悪かろうと言われた受信機の代表選手。まともなものは残っていない。真空管も由緒正しき馬の骨。いろんなメーカの2流品が発見できます。
Porter-Box, Portable/ポーター箱,ポーター部
1935年(昭和10年)の丸にAの印の箱屋の謳い文句,「木の底板に組み立てるのは時代遅れです,四球またはSG三球用ミゼット型大好評」
箱の型番P3, P4, (size; 11.5", 8.5", 6.5")=(293w, 217h, 166d), \2.3
箱の型番P5 (size; 12", 8.5", 6.5")=(306w, 217h, 166d), \2.5
また,トランスの価格ですが,チョークコイル30H15mA, \0.60, 40H/30mA, \0.80-
結合トランスは廉価なもので,\0.6から\0.8でした。
一方,マツダUY-27Aは1本\1.17, UX-26B/0.49, UX-12A/0.52, KX-12B/0.52, 真空管1本を27から24乃至56, 57に置き換えるのに24B/1.69,
しかし,戦時下の一歩手前が黄金期ですから,トランスは付き物でした。今現存しているものは黄金期を経て戦争に入るので保守部品が不足し改造されています。故障しやすいのが,黄金期にあっても廉価で安売り王,安かろう悪かろうと言われた受信機の代表選手。まともなものは残っていない。真空管も由緒正しき馬の骨。いろんなメーカの2流品が発見できます。
並4ラジオの中期のキャビネットは,頭が丸い形をしたラジオ(米国では教会堂/カセドラル型,日本ではミゼットと呼ばれた)に次いで,縦に長い箱形(米国ではトムストーン(墓石)型と呼ばれた)が流行し,同じ頃やや小型の箱形として横型もありました。横型といっても戦後スーパ時代の横長の箱とは随分違って,どちらかというとギリシャ時代の神殿や近代ヨーロッパのオペラ座のような様式で,昭和8年(1933年)頃から昭和10年(1935年)頃に流行しました。当時の型録を調べるとこれはポータブルとかポーター部とか書いてありました。これも日本ではミゼットに分類されるようです。
('98.8.24)
骨董市で並4が出るとどうも手が出てしまいます。この横型ラジオは,「Nikoniko Radio」というブランド名がキャビネット正面下にあり,内部の造りから見ても既製品であることは確かですが,シャーシの銘板には電源規格しか表示しておらず,たぶんキットの自作ラジオです。真空管は,パワー・トランス(とソケット)の表示から,もともとは,再生検波に3極管 UY-27A,低周波増幅に3極管UX-26,出力管にUX-26,そして整流管にKX-12B が使用されていたようです。これは並4の廉価版に当たります。真空管がST管であること,UY-27Aが使われていることなどから,昭和10年(1935年)頃の普及品と推定されます。私が見つけたときには,検波管は新型傍熱型UY-56に,検波管と出力管はそれぞれUX-26Bに,整流管は後継のKX-12Fに置き換えられていました。
ツマミは左再生,右同調。電源スイッチはない。キャビネットのツマミ部分には金属板プレートが付いていた痕が残っていますが,本機は紛失している。ツマミ自身も戦時中のデザインですから,後に交換されたものでしょう。
裏面。シャーシ表面やスピーカなどに写真で分かるほどの鉄錆が出ている。
(特徴)
トランス結合型の並4。2つのチョーク・トランスがある。1つはブリキのシールド・ケース入りのAFT(恐らく1:3)でシャーシ上にある。これは出力管と前段の結合に使用されています。もう1つはカバーなしの電源フィルタ・チョークでシャーシ内にある。検波管負荷は抵抗で,次段とはCR結合となっていますが,オリジナルはどうももう1つトランスがあったようです。球のソケットには管種が刻印されている(オリジナル参照)。コイルは一般的な円筒型。バリコンはこの時代にしては珍しいポリバリコンのようなもの。同調VC,再生VCはともにツマミ直結。
(状態)
外観並。動作品?。シャーシ錆あり,AC布ケーブル付き
(欠品)
裏板なし,ツマミはオリジナルでない,ツマミ銘板ない。
(調査)
外観的には,シャーシ全体に錆が広がっており,少し錆び落しした痕跡は認められますが,シャーシ内部が見えないためか,古さが保存されています。真空管もUY-56へ交換されたのは戦後直ぐのようで,最近の修理痕ではありません。マグネチック・スピーカのコイルは交換の痕がありますが,これも最近のことではないでしょう。最近のものと言えば,スピーカ端子のハンダ付けが光っている位です。
このラジオを売っていたお兄さん曰く,「鳴りますよ!売る前にはいつも電気を入れて確かめるんです。これはマニアが修理したもののようです。こっちのツマミ(ダイヤル)は(固くて)回らないけれど茨城放送が小さく入るから,前のオーナーがそれに合わせていたんでしょ。こっちのツマミ(再生バリコン)は利いてないみたいです。昔のラジオはアンテナを繋げないと聞こえないんですね。このツマミの軸のところに線を繋ぐと聞こえるんですよ。」
「鳴る」という言葉に触発されて,どんな修理をしたのが見たくなりました。ツマミはネジ止めですが,これを引き抜き,シャーシ後部の木ネジ2個,スピーカの1個を外すと,シャーシが引き出せました。
内部の様子。上から再生コイル,その斜め上に平角型のマイカ・コン。マイカ・コンの裏には高抵抗が並列接続。これがPU端子に繋がっている(誤配線)。バリコンはシャフトしか見えないが超薄型のポリバリコン。中央は電源トランス。下の左は電源平滑用チョーク・コイル。中央は修理に持ち込まれたアルミ肌のでかいブロック型ケミコン。緑色のビニール線も最近の修理で持ち込まれたもの。右のブリキ箱がオリジナルの5端子ケミコン。その上に水色の近代チューブラ・ケミコン。ブロック・ケミコンはチョーク・トランスと旧ケミコン箱の間に挟んであるだけでどこにも留めてません。接続は空中配線となり,ハンダ付け部分はビニール・テープで巻いてるだけです。ブロック・ケミコンの端子は写真では下側にあり,木製キャビネット側ですから特に絶縁対策もしていません。皆ちゅーぶらりん。恐ろしき修理痕。
KX12Fによる整流直後のケミコンには,チューブラ形の500V 10μFが使われており,12Fの規格を良く知っている一応は心得のある人が直したのでしょう。でも,まず驚いたことには,シャーシ内部の不釣り合いまでにでかいブロック・ケミコンの存在です。270WV 90μF/45μF/45μFですが,90μFは未使用です。手元にあったものをそのまま入れた感じです。45μFの1つは+Bのフィルタに利用していますが,もう1つの+BはUX-26Bのフィラメント中点バイパスですから今日で言えば数10Vの小型ケミコンで良いはず。
さて,一応は心得のある人だったはずなのですが,回路図を追ってみると,何と検波管グリッドから出たグリッド・リーク抵抗(ガラス管製)とマイカ・コンデンサが本来同調回路に接続されるべきところ,間違ってPU端子に配線されています。そもそも,アンテナ端子と同列に並んでいるPU端子の存在が理解できなかったのではないかと思われます。このため,グリッドにはわざわざ最近のトランジスタ用セラミック・コンデンサ(0.003μF)を入れて同調回路に接続しています。つまり,検波管用のグリッド・リークがありません。これでも「聞こえた」そうですから不思議。比較的大きな漏洩抵抗を通じてグリッドが接地され,プレート検波として動作していると見なすこともできます。よっぽど感度は悪いことでしょう。再生バリコンをぐるぐるまわしても何も効果が得られないはずです。骨董市のお兄さんはアンテナをアンテナ端子に繋がず,再生バリコンの軸に繋いだようです。
また,大分昔の修理痕と言えば,まず戦後1948,49年頃に真空管を交換したようです。その頃の球が残っています。さらに,検波回路のプレート回路のAFTは,断線のために撤去され,CR結合に変更されたようです。戦後の大きなL型抵抗が持ち込まれています。ところが,低周波増幅段のUX-26Bのグリッド・リークは恐ろしいことに1MΩが挿入されています。直熱管では数100kΩが限界でしょう。修理するとすれば1:3のAFTに戻す方が無難です。
私の修理はこれからです。
B(67) 98.08.23 8k Hm(Nikoniko Radio)横型並4 1935? ST-4並4再生 △☆★▲ Maker, Model, Date, Ser.「昭和10年頃の自作横型並四ラジオ」形式不明,シャーシに銘板がある。
Spec;周波数:550-1500kc, AC, Sens;, Po, Cir,回路図なし Cabinet;木製横型。 , Size;294wx230hx173d Dial;直接型。, Nob;1)再生VC, 2)Tune, SW, Term;ANT/PU端子(P-P,E,A), Tubes;(オリジナル):UX-27A-UX-26-UX-26-KX-12B
Parts; Chasis;表が銀色,裏が薄い緑系塗装の鉄製。 PT:横型でシャーシ内中央にがっちりアングルで固定, CH;カバーなしでシャーシ内にある, AFT1: 多分失われている。CR結合に改造されている。AFT2: ブリキのシールド・ケース入りでシャーシ上にある, Chem;OES 250V 02 (ケミコンは角型のブリキ箱入りでシャーシ内にある)。 VC;B.H.A. Patent 00037 (ポリバリコン 370pF), 再生VC: B.H.A.? Patent 0001 (ポリバリコン 100pF), RF Coil,約30ファイx 80 SP; VR, C, R, バイアス用抵抗: UX-26Bのフィラメント部には2.3k(実測)のガラス管抵抗。 追加部品
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('99.12.26) ['00.6.1] [add '01.6.15]
今村電気株式会社製シャープダイン特選ペリー愛国号モデルP4。1999.12.26, 骨董市。このラジオ,並4。オリジナルはUY-27A-UX-26B-UX-26B-KX-12B。昭和8年から12年くらいかと思われる。有名なシャープダインという名称を使っており,部品もSHARPのロゴが入っている。しかし銘板は,不思議なことに今村電気会社とあり,早川金属研究所あるいは工業の文字は無い。OEM製品なのだろうか?
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Maker; Imamura Electric Co., Model P-4, Date, Ser. Spec; AC, Sens;, Po, Cir, Cabinet; , Size; Dial;, Nob, SW;Po.SWはサイドスイッチ(残っていない), Term;ジャック5p (AL, AR, AS, E, PICKUP), SPはシャーシに埋め込みのため端子なし。 Tubes;
Parts; Chasis;銅色のメッキ,PT, SPも同じ。 PT;SHARP Power Trans; B)180V,DC22mA, 1)2.5V,1.85A, 2)1.5V, 2.1A, 3)5V, 0.5A, CH, AFT, Chem; VC;, RF Coil;38ファイもある。 SP;マグネチック(SHARPのロゴあり) VR, C, R, |
中身を覗いて回路図を描いてみました。検波管にUY-27Aを使った4球ラジオといえばトランス結合が標準回路で,UY-27Aと次段のUX-26Bの間には1:3の昇圧トランスが,また,電源回路には30H/30mA程度のチョークトランスが使われます。しかし,この時代断線事故もつきものでした。トランスが入手できる時代にあっては,故障修理とともに切れたトランスは外され市販のトランスに置き換わることもありますが,戦時中から終戦後にかけての修理ではCR結合に改造されるのもお決まりのコースです。このラジオの回路も標準回路だったと思われますが,昇圧トランス,チョークトランス両者ともに切れたようで,昇圧トランスはT.K.印のものに交換され,そのフレーム金具はSHARPオリジナルのチョークトランスのものが流用されてました。取り付け具合はネジ1本でぶら下がっていたと言っても過言でありません(ゆるんでいたので)。チョークトランスは500 ohmの抵抗に置き換えられています。電源トランスの巻き線,スピーカの巻き線は生きていました。
ケミコンはSHARPオリジナルの4端子の金属箱のものがあり,膨れて変形していました。+B用にはNippon Chemiconの3uF/350Vが並列に挿入されていました。その他,オイル・紙コンデンサが3本,L型抵抗6本持ち込まれています。26Bのフィラメント・バイアス抵抗は平角巻き線型ですが断線しているようです。検波用グリッドリークは1.5Mのオリジナル,マイカドン250pFもSHARPオリジナルでした。この修理は1950年前後に行われたのではないかと思います。真空管は炙り痕がありました。配線は戦後の修理で錫メッキ線を使い,またCR結合では2Pラグ板を入れています。
シャーシの取り付けには8角頭のボルトが3本使われています。後から使用したものかもしれません。スピーカはネジ3本でシャーシに留まっていましたがシャーシには変形がみられ,またキャビネットにも変形と糊付けの剥がれが見られました。木製キャビネットの正面パネル裏側には段ボール紙がクッション代わりに挿入されていました。
, ('99.11.26) ['00.6.1]
日本電気産業製のペリー放送聴取用受信機60号型。このラジオ,並4。日本放送協会の認定番号11048から1937年(昭和12年)頃と思われる。1999.11.26, 骨董市で入手。
左同調,右再生。キャビネット: パネルは脱落寸前,下部左右の当て木が紛失,上部の左右飾り木も紛失,左側面の下当て木も紛失。シャーシ止めネジ3本紛失。
キャビネット正面には日本放送協会 11048,ダイヤル窓はプラステイック製で0-100表示(文字ほとんど退化), 左右にパイロットランプ(球なし)で裏から照らす。キャビネット側面にトグルスイッチ。
シャーシ面に次の標記。
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(調査2002.4.15) 大分経って調査開始。シャーシ正面中央はスピーカはめ込みのための半月形切り込み。左右にバリコン。左は同調,右は再生。内部の痛みも相当。AFTなし。チョークトランスあり。L型抵抗と筒型ペーパーコンデンサ。CR結合になっている。出力段までCR。R=3Mohmとは凄い設計。
[2002.5.1]裏板の図
Maker;Perry, Model 60, Date, Ser. Spec; AC, Sens;, Po, Cir, Cabinet; , Size; Dial;, Nob, SW;SWはサイドスイッチ(残っているが線は切断), Term;ジャック5p (A1, A2, A3, E, PU), SPは2p。 Tubes;...オリジナルは27Aだけ。
Parts; Chasis;カーキ色の塗装,PT角型, SPも同じ。 PT;角型: (1 Fuse), CH; AREA 10 cho-con?(針金止め), AFT; None Chem; AREA type-No.1 WV350VDC Condenser 750VDC, 8uF, Mitaka Denki Seisakusho. VC;鉄フレームの単連と再生, RF Coil;外側49-内側44ファイもある。 SP; VR, C, R, |
('99.1.3) [99.5.5]
北原電気(株)製の38型と銘板にある末期の並四ミゼットです。内部の造りから見ても既製品であることは確かですが,先のニコニコラジオと同様にシャーシの銘板には電源規格しか表示しておらず,たぶん素性が良く分からないキット(自作ラジオ)と思われます。
真空管は,再生検波に3極管 UY-56(ソケットはネジ止め,表示はUY-227),低周波増幅に3極管UX-26B(ソケットはリベット止め,表示もUX-26B),出力管にUX-26B(ソケットはネジ止め,表示無し),そして整流管にKX-12FK(ソケットはリベット止め,表示は12F) が使用されています。ネジ止めのソケットは後から交換されたかもしれません。出力管に12Aより省電力の26Bを使用しているので,並四の廉価版に当たります。真空管がST管であること,KX-12Fが使われていることなどから,昭和12年(1937年)以降の普及品と推定されます。26Bの1つ(FUJI)に13.8とあることから昭和13年(1938年)製かもしれません。整流管12Fは戦後製造の傍熱型KX-12FKに置き換えられています。検波管はもともとUY-56だったか,あるいはソケット表示通りUY-227だったかは分かりません。
Front view of KED Type 38/北原電気38型の正面。ツマミは左より同調,右再生。キャビネット塗装はあまり程度は良くない。キャビネットは塗装というよりも木目調カラー合板のような感じである。
Back view of KED Type 38/裏面。球は左より,KX-12FK(National, 戦後),26B(K-100刻印,戦前),26B(FUJI TUBE刻印,戦前)。右奥にUY-56(JRC Suwamusen, 戦後)。戦後の球は1955年頃の修理時に持ち込まれたもの。
(状態)
外観並。動作品?。シャーシ錆あり,AC布ケーブル(新しい)付き
(欠品)
裏板あり。特に欠品ないが,もとは木製ケース右側面にスイッチ穴があり,現在は電源スイッチがない。
上からスパイダーコイル,段間トランス,一番下の銀色の箱がケミコン。バリコンは上が同調,下が再生。
(調査)
松下のチューブラ型ケミコン(オレンジ色)は015328とあり,1953年1月製。1955年頃修理が行われた模様。線材は1950年代のビニール線に硬化割れが見られる。抵抗類はほとんどが戦後のカーボン皮膜L型抵抗。
(再調査2002.4.14)
回路はトランス結合標準ではなく,検波段と低周波増幅段の結合はもともとCR結合だったようです。シャーシにトランス取り付け用ネジ穴はあるのですが使用された形跡がありません。低周波増幅段と出力段の結合はトランス結合です。一方,標準回路にあった+B平滑用のチョークトランスがありません。本来それが取り付く位置に前記の結合トランスが鎮座しています。すると平滑用に大型の抵抗器があっても良さそうなのに見あたりません。よーく探すとありました。太いエンパイヤ・ケーブルに丸形の亜圧着端子が付いているものが2組。1つは+B用,もう1つは26Bのフィラメント中点のバイアス用です。検波管のグリッド・リークは普通のL型抵抗ですが,その中になにやら線が入っています。これがCかもしれません。戦後の代替品のようにも見えます。果たしてプレート検波だったのでしょうか?真空管ソケットは12Fという文字が気に掛かります。1937年以降の製造,かな。12Fとくれば,マツダ製品ではなくドンとかエレバムとか,KX-12FのKXを取った標記です。2流ブランドのソケット?この手のラジオは1937年(昭和12年)頃は真空管付きでなんと10円で販売されていたのです。ただし,12Bの時代でしたので,12Fが入っているとすれば1938年以降か?となります。ツマミの銘板には両方ともFUJIと表示されています。真空管のFUJIと一致します。
B(72) 99.1.3 16k (北原電気Type 38)横型並4 1938? ST-4並4再生 Maker;北原電気, Model38, Date1938?, Ser.「昭和13年頃の自作横型並四ラジオ」 Spec;周波数:550-1500kc, AC, Sens;, Po, Cir,回路図なし,シャーシに銘板がある。 Cabinet;木製横型 , Size;290wx241hx178d Dial;直接型, Nob;1)再生VC, 2)Tune, SW, Term;ANT/PU端子(A,E,P-P), Tubes;(オリジナル):UY-56?-UX-26B-UX-26B-KX-12F
Parts; Chasis;表がカーキ色の鉄製。 PT;縦型でシャーシ左にがっちり固定, CH, AFT;AFT1: 26B-26B段間トランス, Chem;1,1,2,2uF VC;大型8-9枚, 再生VC: 小型6-7枚型, RF Coil: スパイダー型 SP;マグネティック VR, C YSA製, R, VT Socket YSA製 |