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B(106). 27A Type National R14 in 1935?/ナショナルR14型, ('99.11.2) ['00.6.1] |
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B(107). 24B Type Crown 480 in 1937?/クラウン480, ('99.11.19) |
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B(33). 24B Type Homemade (Siiku) in 1934?/縦型自作(シーク), ('97.4.27) |
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B(15). 24B Type Hermes 24M in 1937/ヘルメス24M, ('96.7.24), |
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B(114). 24B Type Homemade (Oriental) in 1935?/縦型自作(オリエンタル), ('00.5.x) ['00.6.1] |
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このページでは,戦前の黄金時代の並4を紹介します。
ラジオの中身(電気的な形式)はスーパーヘテロダインとか再生式とか色々ありますが,戦前には再生検波ラジオばかりが普及し,そのグレードを言い表す方法として真空管の数を数えるのが最も代表的でした。さて,最も一般的だったのは4球ラジオですが,同じ4球でも色々ありまして,特に4本で再生検波,低周波増幅,電力増幅,それに高圧電源整流を行うグリッド再生検波・低周波2段の形式のラジオが事実上の日本標準形式となりました。初期のことは3極管3本と2極管1本で構成されていましたが,後に検波に4極管が,そして最後に5極管が使われるようになりました。この形式のラジオは戦後になって全てをひっくるめて並4ラジオと呼ばれるようになりました。真空管が1本少ないものを同じように並3ラジオと呼ぶこともありました。
戦前に並4に次いで流行った形式に高1ラジオがあります。これは高周波増幅1段付きのラジオのことです。並4に高周波1段を足せば5球高1ラジオで,そのようなラジオもありましたが,5極管が普及するにつれてラジオの構成も変わりました。低周波出力段に5極管を用いると,感度が高く低周波増幅の3極管1本を省くこともできたので,再生検波,電力増幅,高圧電源整流の3本で構成する3球再生検波ラジオ(3ペン),やそれに高周波増幅1段を付けた4球高1ラジオ(4ペン高1ラジオ)が誕生しました。ペンはPentode(5極管)のことです。これも戦後になって高1と呼ばれました。
一方,一般庶民や今日のラジオ収集家から見ればラジオは外観が大事。ラジオと言えば木箱ですが,初めは頭の丸いダルマ型のミゼットラジオが流行りましたが,やがて縦型になり,最後に横長の箱になりました。米国ではダルマ型はカセドラル/教会堂型と呼ばれ,また縦長のラジオはトムストーン/墓石と呼ばれました。日本では教会堂のような立派な外観のものは1935年前後にコピー製品として出回りましたが,和室に置くにはどうも異教徒的な存在であり,すぐに障子や襖によくマッチする格子模様の無難な姿に変わりました。
Matsushita Electric Works (Now Matsushita Electric Industory) chassis Model R14, with Unknown brand Tombstone Wooden Cabinet that was manifactured by unkonwn small company.
松下電器製作所。並4ラヂオ。UY-27A, UX-26B, UX-26B, KX-12Bの廉価版です。シャーシの型番がR14。
ダイヤルエスカッションはNationalマーク。キャビネットは外観があまりにも綺麗なので近年の代替品に見えるが,一方において正面パネルと側板の間に長い年月による隙間や割れがあるからやはり1935年当時のものと判定せざるを得ない。キャビネットの材質は合板ではなく一枚もののラワン材のようで,表面は実に綺麗である。ただ惜しむらくは,裏板はベニアで穴の加工位置はシャーシと合わない。だから,私は初め,町の小さなラヂオ店やアマチュアが松下のシャーシ完成版を利用して当時市販されていた廉価なキャビネットに自分で入れたと考えた。ところが,あらあら不思議,1935年の型録を見るとこのデザインのキャビネットが掲載されているではないか。もっとも,型録にシャーシの型番R14だけは見あたらないが。
このラジオは,1999.10.31 笠間の骨董市で入手。市に並んだ骨董屋には多くの縦型ラジオがあったが,骨董屋相手では私の財布で購入できる程のものを探すのは意外と難しい。本機はデザイン的にはつまらないが中身はナショナルで,しかも一際安価だった。それでも値切って買った。最近の骨董屋の縦型ラジオはバブル期が過ぎてあまりにも高く成りすぎた。客はあっても売れないので持て余し気味に見える。
シャーシに銘板がありナショナルのR14シャーシと分かる。シャーシ上に並ぶ真空管は左よりUY-27A(UY-56 Noble), UX-26B(National), UX-26B(AmerTron), KX-12B(AmerTron)であって,出力にUX-12Aを使用していないから廉価版である。右側に,頭にRのついた角型の大型パワートランスとその隣と左側に金属ケース入りの埋め込み型トランスが2つ見える。段間トランスとチョークだろうか?が見える。中央に見えるアルミケース入りのやや丸みを帯びた四角い箱はシールドバリコン。その左側にコイル筒が見える。35mm径。シャーシは黒いペイントで補修した痕があり,銘板まで塗られてしまった。キャビネット右側面に青いビニール線が見えるが,これは避雷用のアンテナスイッチが増設されている。キャビネット内に見えるそれだ。スピーカにはメーカー名が無い。
Maker, National Elec. Works/松下電器製作所, Model R-4 Chassis, Date 1935?, Ser. - Spec; Four Tube, AC100V, Sens -;, Po -, Cir - Cabinet; Tombstone, Size; - Dial;Air plane type, Nob, Three, SW-, Term(4p, PU, E, AS, AM, AL, );SP-Term;2P, Tubes;
Parts; Chasis; PT, CH, AFT, Chem; RF Coil, IFT, SP; Frame 23cm/マグネチックSP VR, C, R, |
この縦型ラジオは,たぶんキットの自作ラジオです。真空管は,パワー・トランスの表示から,もともとは,再生検波に3極管 UY-227あるいはスクリーングリッド管UY-24B,低周波増幅に3極管UX-26B,出力管にUX-12A,そして整流管にKX-12B が使用されていたようです。しかし,私が見つけたときには,検波管は5極管のUZ-57に,整流管は後継のKX-12Fに置き換えられていました。UZ-57への変更は回路の改造や,ソケット交換,アルミ筒のシールド・ケースの増設が必要でした。
シャーシ内部には1948年製の箱型ケミコンが残っているので,このラジオが最後に修理された時期は,戦後の復興期,部品が入手できるようになった時期であったことが分かります。
(特徴)
キャビネットはメーカ名が無いが既製品。同型でサイドの木目が若干異なるのものをS氏の写真で目にしたことがある。コイルはスパイダー型。ダイヤル窓はプロジェクション型であるから旧さを物語る。目盛は樹脂製の円盤に0-100/100-0分割,ダイヤル機構はVC直結。シャーシは銀色散り綿塗装の鉄製だが,穴開け加工は拙悪。PTは縦型が実装されているが,シャーシ切込みは横型でミスマッチ。さらに,トランスの磁力線の方向は具合が悪そう。パーツは各社混成,配線はグチャグチャである。したがって,本機はキャビネット+シャーシ・キットを利用した自作品であろう。シーク製電源トランスSH1は1937年の型録では\1.90,またキャビネットは同型のものが1935年に掲載されている。SH-1の用途は227-226-112A-112Bの並四用であった。略号
(状態)
キャビは堅牢だが,キズ,削れが多数あり,正面パネルに墨の汚れもある。内部はシャーシ置台(高さ調整)に木材の端切れを使用。裏板の切込みはシャーシの端子と合わない。
内部はPTの上カバー(左側面)の錆ひどい。掃除するとチリメン塗装がボロボロに落ちた。戦後(1948年頃)に修理した模様で,ケミコンはシャーシに縛りつけてある。AFTも交換?CR類も戦後の各社が使われており,エンパイア・チューブが多用されている他,空中配線がある。球は全て戦後の一級品に交換され,この時UY-27AはUZ-57に改造された模様。AL製シールド・ケースが追加された?
B2 33 97.4.27 15k Homemade(川越)縦型並4 1934? Tomb ST-4並4再生 △☆★▲ Maker, Model, Date, Ser.「昭和9年頃の自作縦型並四ラジオ」,形式不明,回路図なし Spec; 周波数:500-1500kc?AC, Sens;, Po, Cir, Cabinet;木製縦型 , Size;305wx494hx230d Dial;投影型, Nob;1)再生VC, 2)Tune, 3)PoSW, SW; , Term;ANT端子(E,A1,A2),PU端子,(シャーシ上)SP端子付き Tubes;(推定)UY-24B-26B-UX-12A-KX-12B
Parts; Chasis;鉄製シャーシ(0.7mm)。 RF Coil, IFT, VC:主T.E.W製(11-12枚), 再生VC:(8-9枚) Coil:スパイダ PT, CH, AFT, Chem;
CR: *2MΩ Gridleak/Gaily Strong=GS, Cap=YEC製 *.100VAC 接地,トンボ印のマイカドン:cap=002 球ソケット:GS,デカイPL,ACケーブルは布巻線。 SP;マグネティックELEPHON No.55 |
このラジオ,戦前の自作並4。キャビネットのデザインは1935年(昭和10年)頃を髣髴させる。プロジェクション型ダイヤルとツマミの配置,ツマミの文様は古い物もある。
電気部のパーツは寄せ集め。オリジナルの真空管構成は,電源トランスの仕様からUY-24B, UX-26B, UX-12A, KX-12Fに見える。電気部は戦後になって球やコイルを交換したらしい。残っている球はいずれも戦後の製造で3本が1級印,他の1本は無印。実装されていたのはUZ-57, UY-56, (UX-)12AそしてKX-12Fである。電源回路にはチョークトランスが,また出力管の入力はトランス結合でAFTが残っている。検波管の負荷はCR結合だが,もとはトランス結合だったかCR結合だったか定かでない。
スピーカ・グリルのデザインは簡素で余り良いとはいえない。キャビネットの造りも良くない。戦前のキャビネットの木材は戦後と同様に合板が多いが,このラジオは何とラワンの1枚物に見える。キャビネット上部(天板)は木材そのものの変形が酷くキャビネットの形状に大きな狂いを生じている。ツマミちぐはぐ。1個はCROWNだった。
何と言ってもシャーシはキャビネットに納まりきらない。寸法が元々悪い。恐らくアマチュアがシャーシと箱を別々に求めたものだろう。中の電気関係の保存状態はキャビネットの状態と同様余り良くない。シャーシ表面は赤錆でボロボロ。凄い状態を清掃した。錆酷くシャーシが何層にもわたり剥がれた。電源トランス,スピーカー全て赤錆。球ソケットのメッキ部分は金ぴかだがぺらぺらに薄い。もともとの配線の材料や,電源トランスの引き出し線の配線材は異様に太い。スピーカはその時代のもの(Standardブランド?)。自作のためか,シャーシに馬鹿穴が見える。背面はヒューズ用の穴だが未使用。スピーカ端子は背面にあるが元々の位置はシャーシ上部であり,未使用。背面は蓄音器用の外部入力端子の穴なのだ。
Maker, Model, Date, Ser. (Homemade) Spec; AC, Sens;, Po, Cir, Cabinet; , Size; Dial;, Nob; , SW, Term; Tubes; ソケットには管名なし。
Parts; Chasis;大型並4(キャビネットとミスマッチ),内部SP端子と2連ヒューズ用の穴が余っている。 PT;Oriental 角型大型トランス,
CH, AFT;1:3? CONDOR, Chem;Elena(パンク)。 VC;大型,再生VC(しっかりしている), RF Coil; 28ファイ,(戦後交換?), SP; STANDARD/ MAGNETIC/ CONE SPEAKER.....調整ツマミ付き VR, C, R, Dial Window/Disc: National/-, Nob; CROWN..1, 他不明。 |
日本精器クラウン480型,並4型ラジオ。UY-24B, UX-26B, UX-12A, KX-12B。ダイヤルがプロジェクション型からエアプレーン型へ。
Front and Back Views. 正面。ツマミ1つ紛失。UY-24B(マツダUY-57S), UX-26B(ナショナル), UX-12A(エレバム海軍マーク), KX-12B(12Fトウ)
キャビネットの保存状態が悪く,中身も錆だらけで,汚れも酷かった。このまま骨董屋で眠り続けると朽ち果ててしまう恐れのあるラジオ。中身は月並みな並4だったが,メーカ名があり,交渉により安価になったことから入手。1999.11.20ロゼの市。
次の休みに清掃と撮影に着手。キャビネットは水拭きで大分汚れを取った。合板に糊剥がれがあり,ぶかぶかしているところがある。売却前に素人がボンドで剥がれを一時的に接着したがはみ出しや不完全さが残り,かえって中途半端になっている。シャーシには1cmものホコリが積もっていた。正面パネルのツマミが錆びてはずれないのでシャーシが取り出せない。絵筆や歯ブラシで,できるだけ清掃したが,まだ内部には少し残っている。シャーシには錆が出ている。SPにも錆が出ている。
2000.3.26の作業でツマミが取れた。前日CRC556を吹き付け,翌日,左右に捻り,取ることができた。内部はやはりゴミがたまっていた。ネズミのかじり痕も。ツマミはうらにCROWNと書かれている。
清掃作業員。
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Maker;Nippon Seiki-Crown, Model 480, Date, Ser. Spec; AC, Sens;, Po, Cir, Cabinet; , Size; Dial;, Nob, SW;サイドスイッチ(残っているが線は切断), Term;(5p (PU, E, A3, A2, A1)), SP端子は特に無い? Tubes;...オリジナルはない。
Parts; Chasis;銀色の塗装 PT; 角型(銀色の塗装), CH;Mitaka(銀色の塗装), AFT, Chem; VC;鉄フレームの単連と再生, RF Coil;外側49-内側44ファイ程度, SP;マグネチック(SHARPのロゴあり)銀色の塗装 VR, C;角形, 5p+1p AREA Mitaka denki seisakusho 350VDC, R |
大阪変圧器製のヘルメス(Hermes)24M ラジオは,ST管時代中期の並4ラジオです。
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検波管には4極管のUY-24B が使われ,残りの低周波段と整流管は,それぞれ,UX-26B , UX-12A,KX-12B でした。発見時にはUY-24Bは戦後の代替管UY-57Sに,またUX-26Bは戦後の諏訪JRC製,UX-12Aは戦後(1955年以降)のElevam製12Aに,KX-12Bは戦後の松下(1955年以降)の12F に交換されていました。
さらに,低周波用トランスの1つとマグネチック・スピーカも交換されていました。
(状態)
外観並,キャビ一部剥がれ(正面,天井),塗装削れあり。
シャーシ錆なし,ACケーブル付き,回路はSP,バッフル板,VR交換。
(欠品)
裏板なし,固定ネジなし(ワッシャ2個あり),シールドケース上蓋なし
B3 15 96.7.24 15k ヘルメス(大阪変圧器)24M 1937? Tomb ST-4並4再生 □△□▲ Makerヘルメス(大阪変圧器), Model24M, Date, Ser. Spec;検査表示24z AC, Sens;, Po, Cir,回路図なし,トランス結合型並4 Cabinet;縦型木製。ストライプ付き。横R付き。縦格子SP , Size;387H,257W,165D Dial;円形(エアプレーン)。1:100の角度表示, Nob3点式 (1)SW (2)tune (3)VR, SW, Term; Tubes;UY-24B(UY-57S),UX-26B,UX-12A,KX-12B(KX-12F)
Parts; Chasis;緑灰色焼付塗装鉄シャーシ PT;縦型, CH;不明, AFT;AFT:1:3トミオカ電気のTelevy Audio Transformer(1:3), Chem;Hermes 5端子角型Test800V,6μF VC;ベアリング付き, RF Coil, SP;8"マグネテイック(交換されている) VR, C, R, |