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Japanese Rectifier |
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日本の整流管は戦前には,独自のものとして,KX112A, KX112B, KX112F, PH-112K, KX12B, KX12F, KX80B, KX80C, KX80Kが知られている。1942年から日本独自の名称制度が確立され,12X-K1, 6X-K1, 5X-K3(KX-80), が誕生した。戦後,ラジオ用には12K, 12FK, 80BK, 80HK, 80S, 新80Kが現れ,さらに日本独自の名称制度が新たにJISに制定され,5G-K3, 30G-K5, 30G-K7, 30G-K9, 5M-K9, 6G-K14, 25M-K15などがCESに登録された。しかし,1955年頃にラジオ用整流管の開発は終了した。残るオーディオ用とTV用も1959年頃を最後に終了し,米国系の球に合流するか1950年代に登場したゲルマニウム・パワーダイオードやシリコンダイオードへとバトンタッチした。
マイナーな真空管製造会社の製品にKX-80Sという整流管がある。これはダン真空管工業が1953年頃(津田氏によれば,電波科学1953.12に広告あり)に販売されたもので,直熱型の全波整流管でKX-80と5Z3の中間容量と推測される。プレートが80の1.5倍ある。規格は不明。
プレートは着炭黒化。カシメ2つ。ゲッタは角。プレートはくすんだ灰黒色,造りはマツダのKX-80にほぼ同じだが,プレートのサポートについてはNECの5Z3に似ていて,ステムから支持棒2本が飛び出している。またフィラメントはスプリング吊りである。em=[65,40],片側がエミ減。
KX-80Mは,戦後,宮田製作所エレバムが1950年頃+に開発した直熱型の全波整流管。80Mは80相当管らしいが規格不明。1954年頃まで販売したが1955年には廃止し,KX-80のみを販売した。1952年11月,エレバムKX-80Mは235円,1954年8月は187円であった。ちなみに,KX-80は952年11月で東芝285円,NEC260円,ホリゾン175円,ドン190円で販売していた。
素性の分からぬエレバムKX-80M。
松下80Kは傍熱型の80相当管で,パービアンスは等しくなるように設計されているので特性は80に同じという。プレートは燻したようなニッケルで,プレートフィンの開き方が独特。2枚合わせのプレートをカシメた後,外側に向かって両サイドを90度開いている。ピンチステム,角ゲッタ1個。新品,em=[66,65], [65,65]
松下5G-K4(1956)は,同社の80KをGT化したものである。ピンチステムに押し込むために電極下部のヒータ引き出し線の支柱を曲げるなど組立に苦労している。松下5CG4は米国EIAに登録した名前で,5G-K4と同じなのだが,プレートの開き方を変えて,本来放熱の必要なカソード対抗面の筒の部分に新たにフィンを設けて十字形としている。カシメが増えた。電極下部のヒータ引き出し線の支柱は曲げずに組み立てる方法が取られた。em=[61,62]. [63,63], [未計測]
6G-K14はラジオ用。TEN 通信用。皿ゲッタ,バンタムステム。黒化プレート。
5R-K16は欧州PhilipsのEZ81/6CA4の5V版。日本独自。
全て角ゲッタ。NEC製は松下と同じ長辺を持つプレートの両サイドは片側2箇所カシメ。短いフィン側はスポット溶接。東芝は長辺を持つプレートの両サイドと短いフィン側ともに片側2箇所カシメ。その他は良く似ている。
マツダ,角ゲッタ。プレートは着炭黒化。U字形断面のプレート材を4つのカシメで留めている。2つのユニットの電極下部フィラメントの中継には大型板フィンを使用している。放熱のためか?em=[5,3], 完全なエミ減。東芝(0D), 1960年4月製,角ゲッタ。2つのユニットのフィラメントの中継に大型板フィンを使用しているだけでなく,給電点側にも板材を使っている。ゲッタ膜は茶色に変色しているが,まだ生きている。em=[48.5,44]。東芝(0L), 1960年12月製。ガラス管がやや短い。ドーナツ・ゲッタ。ゲッタ膜は茶色に変色しているが,まだ生きている。その昔,自らTVから外したもの。em=[51.5,48.5]
旧5G-K20, ピンチステム,角ゲッタ2個。em=[46,46.5], em=[49,49.5]
ドーナツゲッタ1個。66.12.1とマジックで印あり。この構造を見ると6G-K17を2個並列にしたことが良く分かる。ジャンボシェル,セパレータ付き。
Matsuda KX-12F(1937-1940s), OLDON KX-12F(1940s), DON 12F(1940s), Matsushita KX-12F(RJ) 1954.
Matsuda KX-12F(1937-1940s), 皿ゲッタ,刻印,放,4本足。戦後のものは皆3本足。ステムが7本で,うち2本はフィラメント吊り用に上部に伸びている。em=50.5。OLDON KX-12F(1940s,検M),em=50。 DON 12F(1940s, 1級), ドンはステムが5本で,フィラメント吊りは電極上部で吊りを行っているらしいが見えない。em=61。Matsushita KX-12F(RJ) 1954. em=61。
NEC KX-80B(K?), Matsushita KX-80BK(0SJ) 1953, Matsushita 80BK (PJ) 1954, and Toshin KX-80BK (59-1) 1959.
NEC KX-80B(K?) コ, 着炭。複雑な造りのプレート。em=未計測。matsushita KX-80BK(0SJ) 1953 em=17/38/41,ゲッタ退化。 プレートはニッケル色。Matsushita 80BK (PJ) 1954, プレートはくすんだ灰黒色。em=46。Toshin KX-80BK (59-1) 1959. em=47。アルミ被覆鉄。
KX-80HKs, Toshiba-Matsuda1950s Matsuda KX-80HK, (1)プレートやや黒っぽい。プレート上部爪,横に棒を溶接。皿ゲッタ。ステム「6」em=53。(2)プレートやや茶。プレート上部爪,斜めに棒を溶接。ステム「ユ」em=54。(3)角ゲッタになる。ステム「イ」青1点。em=37-42。