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2B. Tetrode ages/四極管時代 | |||||||||||||
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スクリーン・グリッド型4極管は,米国RCA系では1927年に発表した直熱型のUX-222が始まりですが,1929年には米国ではそれを傍熱型にした4極管UY-224が発表されました。4極管は3極管に比べて増幅度が大きく検波に使っても感度が優れており,またCgpが非常に小さいので中和なしに安定した高周波増幅が行えるという画期的な球で,ラジオの製造に大きな変革をもたらしました。さらに,米国では4極管の出現後,都市部での強力な放送電波と真空管のハイゲインとが災いして受信機初段での混変調や変調歪みの問題を引き起こし,その解決策としてグリッド巻き線ピッチを不均一にしてバイアス電圧を変えることにより増幅率を制御するバリアブルミュー4極管が発明されました。1931年に米国Arcturus,他から551が,また米国RCA他から235が販売されました。
日本では,1929年にはUX-222が,また1930年にはUY-224が東京電気サイモトロン(東芝マツダ)により国産化,売り出されました。SG管(スクリーン・グリッド管)と呼ばれ,当時の最先端のラジオに使われました。その後時代が過ぎて廉価になってからは,並4ラジオの検波管,高1ラジオの高周波増幅管と検波管に使われました。またUY-235も1932年には国産化され売り出されましたが,日本では国情が異なるせいもあってか活躍の場は余りありませんでした。
UX-222は蓄電池(乾電池)用の直熱型スクリーングリッド四極管で,東京電気サイモトロンが国産化,1929年7.25発売(池谷)。フィラメントにトリエーテッドタングステンワイヤーを用いており,乾電池用のUX-199, UX-120のファミリー最後の真空管です。電池用ではありましたが,初の4極管で今日でも名前だけは有名です。4極管は3極管よりもおおきな増幅率を実現でき,UX-199が9ならば30倍以上大きな値となります。本来なら画期的な大発明なのですが,我が国では,放送用ラジオ受信機は交流式ラジオに注目が集まっている時代で,UX-222はデビュー以来一部の無線機には使われたようですが電池用,高価,低性能の3拍子では採用してくれませんでした。1931年10月定価5円。当時のUX-222の使われ方といえば,内田作蔵,通俗ラヂオ講議録(1932)によれば,たったの一例,電池式四球セット(UX-222-UX-201A-UX-201A-UX-112A)が登場するだけです。この結果から東京電気はほんの一時期で製造を打ち切ったようにも思われましたが,意外や意外,エレバムも製造し1939年1月に卸3.30円でした。東京電気の廃止は1941年7月で,代替管にはUX-1B4が指定されていました。息の長いところを見ると業務用に使われていたのでしょうか。UX-222はむしろ次の交流用のUY-224の踏み台としてのみ有名でした。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
RCA 22 in RC-19 1959 |
- |
- |
3.3 |
0.132 |
135 |
67.5 |
-1.5 |
3.7 |
1.3 |
- |
325 |
0.5 |
Matsuda UX-222 in MJ43.1 |
- |
L=124, D=45 |
3.3 |
0.13 |
135 |
45 |
-1.5 |
1.7 |
0.2 |
270 |
720 |
0.375 |
(1) Tokyo Electric Cymotron UX-222
金網の電極はプレートを取り囲むアウタースクリーングリッドです。アウタースクリーングリッドはワイヤーを編んだ金網ですが,後に廉価なメッシュ板に変更した(受信管製造の記録,梅田)とあるが,サンプルはこのワイヤーを編んだもので,初期のものと分かる。ゲッタは桶型ですが桶は下に落ちています。
サンプルは1930年-1931年頃の製造と思われます。ベース刻印はサイモトロンですので1932年以前の製造,ベース底には(TEC)の浮き彫りとCymotron patented Tokyo Electric Co.の表示があります。ピン番号表示はありません。ガラス管面に(丸マツダ)にマツダランプ工場製品のロゴがあります。またガラス管面に紙が貼ってありますが,年3月20日としか読めません。プレートは写真に見えるように,アウタースクリーングリッドの内部にあり,その内部に第2グリッドが見えます。
224, '24, 24A; 米国224は傍熱型スクリーングリッド四極管で,米国で1929年にUX-222を傍熱型に改良したものとして誕生し,中和無しで高周波増幅ができる,ゲインが大きい,と良いことばかりで,Philcoのカセドラルなどに大活躍しています。また,スーパーヘテロダイン受信機の周波数変換管や混合管としても使われました。米国では224の名称には,その頃,RCA UY224, Cunningham C324, Sylvania SY224など様々な前置詞や番号が付きました。また米国ではAC点火専用のヒータとしてタイト製筒で絶縁したものが使われましたが,1930年頃にはタイト製筒に代わってヒータにアランダムを塗布したクイックスタートヒータが登場し,RCAでは製品名にAが付いたUY-224-Aとなりました。その後,型番も会社共通の'24となり,クイックスタート版は24Aとなりました。1932年頃には外形はドームトップ型(日本ではダルマ型)のST-14となりました。
UY-224; 我が国では東京電気サイモトロンがUY-224として1930年に国産化発売。当初,タイデンタイト製スペーサを使用した(梅田)とあるが,ヒーター絶縁用スリーブのことかもしれない。定価は1931年4月頃4.80円,10月4.50円,1932年2月-1933年3月,3円と安くなりました。1932年3月Radiotron卸4.50円,サイモトロン卸2.40円,エレバム卸1.90円,イーストロン定価?2.00円,ケーオートロン定価?2.00円,HW真空管定価?2.00円。UY-224が発売された1930年頃といえば,我が国では並四球を用いた交流受信機がようやく普及し始めた頃で,雑誌では最先端のSG球UY-224を用いたスーパーヘテロダインまで登場し効能を列挙しましたが,庶民は恩恵に預かれませんでした。1932年頃になってもまだ並四球ラジオの人気がすごく,UY-224はとメーカー製ラジオでは高級機のみに使用されておりました。当時のUY-224の使われ方といえば,内田作蔵,通俗ラヂオ講議録(1932)によれば,5球式エリミネータ(UY-224-UY-227-UX-226-UX-226-KX-280), 5球式エリミネータ(UY-224-UY-227-UY-227-UX-245, KX-280), 4球式エリミネータ(UY-224-UY-224-UX-245-KX-280), 8球スーパーヘテロダイン(UY-224-UY-227-UY-227-UY-224-UY-227-UY-227-UX-245-KX-280)の四例で,高周波増幅,あるいは中間周波数増幅でした。1933年になるとメーカー製ラジオの出力管UX-112Aの三球式や三ペン,四ペンラジオに使用されるようになりました。
我が国で224が有名になったのは実は廉価なST版UY-24Bが作られたからで,UY-24Bが庶民に普及しその後戦後まで製造されました。したがって,ナス管時代のUY-224は時代の先端,高級品の代名詞で,4年程しか製造されなかったこと,また需要がのびなかったことなどから,今日残っているサンプルは意外と少ないことに気付きます。なお,我が国ではクイックスタート版UY-224-AあるいはUY-24Aが作られたという記録はありませんが,タイデンタイト製スペーサの使用をやめたとすればクイックスタートとなっていたことでしょう。我が国では区別をつける必要がなかったのかもしれません。
UY-224の規格表は見当たりませんでしたが,益田さんのページ「二桁ナンバー管名鑑」の御紹介で無事落着。米国ではUY-224とUY-224Aは電気的特性は同じだったこと,ST化した時に若干の規格改定をしたこと,我が国のUY-224は米国UY-224Aとおなじ,またUY-24Bは米国24Aと同じ,ということが理解できます。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
mu |
rp Mohm |
gm mA/V |
UY-224 |
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UY-224-A RC-10 1933 |
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S-14, D=1-13/16, L=5-1/32 inch |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
4 4 |
<1.33 |
615 400 |
0.6 0.4 |
1.025 1.000 |
24A Sylvania 1946 |
5E-0-3 |
ST-14 5-1/32 inch |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
4 4 |
1.7 1.7 |
630 400 |
0.6 0.4 |
1.05 1.00 |
UY-24B (Matsuda RG-10014, '35.4.30) |
1k, 2p, 3h, 4h, 5k, TOP=g |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
4 4 |
- - |
630 400 |
0.6 0.4 |
1.05 1.00 |
UY-24B (Matsuda'37.3) |
1h, 2p, 3g2, 4k, 5h, TOP=g |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
4 4 |
1.7 1.7 |
630 400 |
0.6 0.4 |
1.05 1.00 |
UY-24B (matsuda'51) |
JES-5B |
|
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
4.2 4 |
1 1 |
630 400 |
0.6 0.4 |
1.05 1.00 |
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Class |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
RL kohm |
UY-24B (Matsuda('37.3) |
Grid Det Plate Det Register load amp |
180 250 250 |
20-45 20-45 30 |
- -5 -2.5 |
- - 0.5 |
250 250 250 |
以下の球は数年前に日本のお店で1本@500円で1990年代末に求めた輸入中古球。国産球が枯渇して久しく,たまに現れるものは骨董価値扱いされ驚くほど高額ですので,入手はまず不可能と考えていたところ,運良く米国中古球のお裾分けがありました。
(1) RCA RADIOTRON UY-224
この2本のサンプルは,ベースに丸(RCA)のロゴとRADIOTRON/UY224の刻印,ガラス管壁にも(RCA)のロゴ, ベース底にLicensed only to extent, indicated on carton, ピン番号なしで,1929年から1931年頃の製造。プレートのように見える電極はアウタースクリーングリッドで金網製。電極支持は上部にガラスビーズ使用。ともに中古。右のサンプルは桶型のゲッタが使用され,ゲッタの周囲のみ鏡面がある。生きている(gm=52>25)/TV7/Uと正常。ガラスはクリアで内部が良く見える。ヒータはヘアピンで2穴のセラミック筒をカソードスリーブに挿入した古い形式。左のサンプルはゲッタ鏡面が下側全体と上部を覆っており全体に黒化して内部は良く見えない。生きているが(gm=38>25)/TV7/Uと低い。これは再フラッシュさせたものと思われる。
電極上部の支持にガラスビーズ(筒)を使用,透明なので見にくいが,金属支柱が4本でている。左端と右端は遮蔽缶に溶接され,しっかりと支持している。遮蔽缶の中央には大きな穴があり,ここにグリッド巻き線とカソードが貫通している。中央左は遮蔽缶の後ろ側を登ってきたカソード・リード線がガラスビーズで中継され,カソードに繋がる。カソードはヒータの入ったセラミック筒の周りを金属板で巻いたものでかなり太い。逆V字型のヒータが納まるように1本のセラミック筒には2本の穴が上下に貫通している。中央右はトップ・キャップから来たリード線を中継してグリッド・巻き線に繋がっている。マイカ板が無いのでグリッドはこのガラスビーズ支持1本で位置が決まる。
遮蔽缶内部の黒い(暗い)部分が本当のプレートである。下部に見える金属製の環状のものは,グリッド巻き線の枠で左右にグリッド支持棒が溶接され,この上に筒状の巻き線がある。そのやや左下に見える金属部分は下に向いた柄杓型(桶型)ゲッタである。
(2) SYLVANIA SY-224
ベースにはSYLVANIA/SY224の刻印とロット(30),(1930年製?),球の頭部にはSylvania特有の緑の葉っぱのマークが貼り付けてある。電極支持はガラスビーズ。内部のプレートも金網製。カソード内部のセラミック筒はヒータ1本づつで計2本。他はRadiotronと同じ作り。生きている(gm=40>25)/TV7/Uが,ヒータ・カソード間の絶縁が甘くTV7/Uではレアショートを示す。
(3) Unkown 224-P-480
メーカー不明の224。ベースに224-P-480の刻印と(AK)という文字の刻印。上部電極支持にマイカ板を使用しており,やや後期の球。構造はRCA型に似ているが,異なる点も幾つかある。ヒータはヘアピンで中点を上部で釣り上げており,1穴セラミック筒に通している。カソードスリーブは下部から配線。変な構造物があり,下部のグリッド環状枠から1本の金属棒が横に延び,その後上部に立ち上がりプレートとシールド缶の隙間に入り,途中で切れている。これは中和用の金属棒か?生きている(gm=38>25)/TV7/U。
Tokyo Electric Matsuda UY-224マツダ丸ロゴの刻印付き。ベース底にはマツダ/マツダランプ工場製品浮き彫りのタイプ(1932-)と,マツダのみの浮き彫りのタイプ(1934-)がある。
左サンプルは,ベースに(丸マツダ)のロゴ2つで「マツダ」を挟み込んだ形式の刻印があり,底にはマツダの浮き彫りがある。がラス管壁には裏側やや上側に(丸マツダ)のロゴがある。1934年頃のものか。このサンプルはヒータは点灯しましたがプレート電流は流れず,ガス球のようです。左のサンプルのようにこの時代のUY-224はゲッタ鏡面が真空管下部を覆い隠しているのために電極下部を覗き見ることができません。
中央サンプルは火炙りでゲッターが電極下部ステムにまで蒸着したもの。もはや使えない。
右サンプルはゲッター膜がガラス管片側のみにあるもので,下部の観察ができる。
マツダのみの刻印
サンプルは,写真だけですが,ベースに「マツダ」の刻印,がラス管壁中央に(丸マツダ)のロゴがある。1935-6年頃か。
KSTRON ST-14 typed UY-224
ここに紹介するサンプルは,米国24Aと同じサイズ(ST-14)の,我が国で作られたST管です。KSTRONと刻印されていますが,メーカは不明です。製造は1932-35年頃と思われます。Yahooオークションで入手した時はUZベースがこのベースの下にハンダ付けされ,UZ-57の代用品として働かされたようです。ヒータは太いセラミックチューブに入っているのか,アランダム塗布なのかは判別できませんがヘリカル型ではないようです。カソードスリーブは太いようですがUY-235を見ると同じ位のサイズですので当時の標準品かもしれません。ベース底にはPGCF+-が表示され,またゲッタは桶(柄杓)型です。生きていました(gm=46>25)/TV7/U。
235, 251; 米国235ならびに551は,傍熱型スクリーングリッドバリミュー四極管で,4極管UY224のハイゲインと都市部での強力な放送電波との相乗作用で引き起こされる変調歪みや混変調の解決策としてデビューした改良球です。グリッド巻き線ピッチを不均一にしてバイアス電圧を変えることにより増幅率を制御するバリアブルミュー4極管で,米国では1931年に米国Arcturus,他から551が,また米国RCA他から235が販売されました。1932-3年頃にST管化され,35やダブルネームの35/51として販売されました。
UY-235; 日本では,東京電気サイモトロンがUY-235として1932年始め頃国産化発売。定価4円。当初G2グリッドにコーン型を使用したが量産向きでなく,後にG1の可変ピッチ型に改めたという。(池谷理氏の受信管物語では1932年7月とあるが,以下のようにすでに販売されていた)。1932年3月サイモトロン卸3.20円,エレバム2.50円,1932年9月,マツダ卸3.08円,エレバム2.40円,ケーオー2.30円。1933年7月マツダ卸3.08円,エレバム2.04円。当初,ナナオラの高級ラジオ96型やコンソール90型(ともに高周波3段)の初段と2段に使われたりしましたが,約2年で最新鋭のUZ-58がデビューしてしまいました。
バリミュー管はグリッド・バイアス電圧に対してプレート電流が対数的に減少する特性を持ち,ラジオの自動ゲイン調整に便利ですが,この時代,我が国では高級ラジオもまだスーパーヘテロダインではなくバリミューは手動ゲイン調整のみ使用されましたので我が国での使用例はあまりありません。それでも,1935年位まで製造され,その後日本独自の形状ST-38(米国ST-12)にしたUY-35やUY-35Bも作られ,UZ-58/UZ-78/UZ-6D6に徐々に置き換わりながら戦争前まで使われました。
http://www.nnc.or.jp/~t-uchida/upfile/vacuumtube/rimote/remote.htm
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
mu |
rp Mohm |
gm mA/V |
Cgp pF |
National Union 235 1932.4 |
- |
- |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 70 |
-3 -1.5 |
6.5 5.8 |
2.5 max |
370 385 |
0.350 appro. |
1.10 |
10 max |
35/51 Sylvania 1946 |
5E-0-3 |
ST-14 5-1/32 inch |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
6.5 6.3 |
2.5 2.5 |
420 305 |
0.4 0.3 |
1.05 1.02 |
15 uA/V at -40V |
UY-235 (Matsuda RG-10014, '35.4.30) |
1k, 2p, 3h, 4h, 5k, TOP=g |
S-45/ D=45 mm, L=124mm |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 70 |
-3 -1.5 |
6.5 5.8 |
- - |
370 385 |
0.350 0.350 |
1.05 1.10 |
|
UY-235 (Matsuda'37.3) |
1h, 2p, 3g2, 4k, 5h, TOP=g |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
s.a. |
|
UY-35B 1941.7 |
5B |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
2.5 |
1.75 |
250 |
90 |
-3 |
6.8 |
1.45 |
- |
0.4 |
1.1 |
|
UY-35B (matsuda'51) |
JES-5B JES-1A |
s.a. |
2.5 |
1.75 |
250 180 |
90 90 |
-3 -3 |
6.8 6.3 |
2.5 2.5 |
440 305 |
0.4 0.3 |
1.1 1.02 |
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(1) Tokyo Electric Matsuda
1935年頃の製品。ベース刻印「マツダUY-235」。ベース底には「マツダ」のレリーフがある。ガラス管壁には丸にマツダのロゴの印字。アウタースクリーングリッドは金網製,電極上部の支持はガラスビーズ使用。ゲッタは桶(柄杓)型。ヒータは見えない。カソードスリーブ引き出しは上部から。gm=(32>26)/TV7/U。それ以外の特長は下記のエレバム製に同じ。 (京都府の辻野泰忠さん寄贈)。
(2) Miyata Works Elevam 235
ベースには焼印でハッキリしない文字ELEVAM 235がある。ガラス壁には丸に(エレバムMSE D.F.)とある。1934年6月か? (ラジオの中から出てきたもの)。
写真上部左側にガラスビーズ。外側はスクリーン・グリッドと同電位のシールド筒(アウタースクリーングリド)。この筒を支える2本の支柱はガラスビーズに結ばれている。そして,グリッド支柱の上部はこのガラスビーズに支えられ,またトップ金具に向かっている。カソード引出線は何とカソード・スリーブの一部が上まで伸びており,ステムから外側を迂回してきた棒に連結されている。電極下部のステム左に皿ゲッタが見える。桶(柄杓)型ではないから,ナス管後期の製造?(この球は先のマツダUY235より新しく見えるが,やはり1934年頃)。gm=(38>26)/TV7/Uで生きている。
プレートは内側の黒く写っている筒。中央で光っている部分はガラスの反射だから気にしないでね。電極中心の筒は細いグリッド巻き線。