ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Special tubes -Japan before WWII/戦前の特殊管

VI. Japanese Industrial and Military Tubes/日本の産業用・軍用真空管

34. Wired Communication Tubes

22.Japanese Special Tubes before WWII

32_63IMb. Industry & Military(II) Japanese 6.3V ST tubes of American Octal

2_IndMil. Industry & Military (III) Japanese Original 6.3V ST tubes


Page-63IMb. Industrial and Millitary Use Tubes(III)/産業用と軍用の球(III)

Japan Oriented Special Receiving Tubes before WWII/戦前の日本独自の受信用特殊管

3rd Edition (2006.11.11), (2008.4.26)+(2008.9.27)-(2011.8.12)-(2011.11.23)

HomePageVT/Radio_tube_2_IndMil.html


6. Industrial and Military/業務管

Table 2 Special Receiving Tubes manifactured by Tokyo Shibaura Electric/東芝が作った特殊受信管

Power Supply?
Measurement
Audio
TV

UY-6A3B

UY-45H

UY-71H

No Photo

UX-6203

UX-54/ UX-54A

UY-6301

UZ-6302

UZ-6303

UZ-6304


6. Industrial Receiving Tubes/業務管

Table 2 Special Receiving Tubes manifactured by Tokyo Shibaura Electric/東芝が作った特殊受信管

Purpose

Base

Eh

Ih

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

mu

rp

gm mA/V

Po W

UX-512

Triode for Micro Current Measurem.

512 G=top

5.0

0.25

135

-9.0

7.0

8.2

5k

1.6

UX-512A

Triode for Micro Current Measurem.

=112A

4D

5.0

0.25

135

-9.0

7.0

8.2

5k

1.6

UP-513

Triode for Jayroscope

UX-514

Triode for Micro Current Measurem.

512

4.0

0.6

10

-1.5

0.015

8

307k

0.026

UX-54A

Tetrode for Micro Current Measurem.

2.0

0.2

6.0

4.0

-4.0

0.04

1

Ig= 10-14

0.025

UX-54B

2.0

0.05

6.0

4.0

-4.0

0.04

Rg

Ig= 10-14

0.027

UY-536 (>1933-)

special 236

UY-537

special 237

UY-538

special 238

UY-539

special 239

UX-540

special 240

UN-554

Acorn

UN-555

Acorn

UZ-6001*

Low Noise Pentode

=UZ-560

#5005

#5005A

UZ-577

#5009

#5009A

6F

6.3

0.3

250

100

-3

2.3

2M

1.25

UZ-6001 (1939)

Low Noise Pentode =UZ77

6F

6.3

0.3

250

60

-1.5

1.7

715 Isg=0.4

650k

1.1

UX-6201 (1939)

High mu Triode for Measurem.

=UX-540

#5001

#5001A

4D

5.0

0.25

180

-3

0.5

30

86k

0.35

UX-6202

DH Tetrode

34

1.7 1.9

0.05

225

45

0

1.5 0.9

UX-6203 (1939)

Low mu Triode for VTVM

Top grid

4.0

0.48

4

0

0.14

3

(15k)

0.2

UY-6301 (1939)

Low Noise Triode

56

6.3

0.6

250

Rk 160

9

100

13k

7.7

UZ-6302 (1940)

SCO Pentode for High Freq.

6F

6.3

0.6

250

150

Rk 140

12

Isg= 2.5

-k

10

UZ-6303 (1941)

RCO Pentode for Audio

6F

6.3

0.6

250

100

-3

13

6.0

UZ-6304 (1941)

Power Pentode

6B

6.3

0.7

250

150

-3

32

Isg= 6

180k

13

KX-6901 (1940)

Rectifyer for HV

2.5

5.0

16.5k

2.0


IDH Power Triode for Regulated DC Power Supply?/安定化電源用傍熱型3極出力管


UY-6A3B -IDH Twin Power Triode

東京電気(TEC,マツダ)が1934年に開発(MJ95.8大塚には1936年とあるが)。「2A3のヒータ電圧を6.3Vの傍熱型にしたもので主として電源直流出力側の定電圧装置あるいは出力管として使用されました。」廃止品種。(マツダ51)。「戦時中に帝國海軍の要請により東京電気が製作。戦後,軍の放出品として神田の露店店頭をにぎわせたこともありますが,グリッド電流が流れやすく,R/C結合には不向きの上,大変弱い悪評さくさくたる球でした」(浅野,魅惑の真空管アンプ)。戦前は軍用に少量生産され,戦後もNHKなど放送局用音声モニターアンプなどに利用されたことがあります(浅野,続魅惑の真空管アンプ)。オーデBオではカソードが分離できる2A3としてOTLアンプに使われたこともある。

[YaQ]

Matsuda/Toshiba UY-6A3B/UY-6A3B マツダ中古

写真のサンプルについて

写真のUY-6A3Bは,刻印が記されてないので戦後製造された球らしい,ただマツダの1951年のマニュアルには廃止管となっているので,戦後製造なら終戦直後から数年間の時期だろう,と思われます。球は,ガラスも比較的きれいで,ガラス印字もはっきりしており,電極の造りもそれほど悪くないのですが,残念なことにゲッタが非常に薄く余命いくばくもない球だと判断されました。熱により大半のゲッタ鏡面を失ったものと思われます。

電極材料とくにプレートはブリキよりは上等の灰色で,大塚氏の写真にある見事な黒化プレートとは異なります。やはり材料の無い時代に作られたのでしょうか。プレートフィンは今日考えるとおかしい設計です。通常の平たいプレートにフィンの板が上から多数点でスポット溶接されています。送信管でも戦時中にはフィンを沢山付けた誤った設計の球があったそうです。真空中のフィンは熱輻射だけですから数を増やしても放熱には限界があるところですが,さらにその構造が問題で,フィンとプレートが一体型構造になっていない場合には,熱伝導は溶接面積部分しかないから,放熱が悪いそうです。作るなら1枚板を折り曲げてフィンと平坦なプレート部を形成しなければいけない訳です。また,ゲッタの受け皿は大型出力管の割にUX-12A並のものが唯1つしか付いてません。やはり,評判通り,2A3よりも弱い球かもしれません。

さて,TV7/Uでテストしますと,ヒータは難なく点火し安心したところ,gmテストの最中にヒータが消えてしまいました。足の接触不良かと電源を切って足を清掃し再度挑戦すると,また点火しやれやれと安心すると再び消えました。加熱により消えるので機械膨張に関係していますが,4本のヒータ全部が一斉に消えるので電極内部のヒータの接触不良でないことは確かです。ヒータピンの汚れのせいでもないので,原因はベース内部のヒータピン半田つけかジュメット線の切れかかりが疑われます。ベースをいじると少し回転し,ルーズベースです。回してみると点火しました。結局,ヒータリード線の半田がとれているのか,あるいはジュメット線出口でリード線が切れてるかのどちらかです。今の所,半田付けも分解もしていないので,どちらが原因かは分かりません。

gmのテストは米国2A3の条件で行いました。同じ動作条件では,UY-6A3Bのgmは2A3(5.25mA/V)の70%位(3.6mA/V)程度ですので,測定では2A3の標準値の70%程度あれば良いことになります。TV7/Uは脈流で測定しているので,系統誤差が大きく,2A3の場合には標準的な球で指示値72程度(代表特性5.25mA/Vの70%程度3.6mA/V)となります。そこで,UY-6A3Bはさらにこの70%,指示値で言えば50程度(gmでは2.5mA/V)あれば良い勘定になります。測定結果は,ほぼ標準値にあることが確かめられました。

 UY-6A3B ... 51〜50 > 38 (2A3の棄却値)

ただし,測定開始後,51の指示値がすぐにふっと50に下がります。これは電流を絞り出すとエミッションが不足することをあらわす特徴で,おそらくヒータ電圧を10%減じた正規のエミッションテストではもっとエミ減の性格がはっきりするでしょう。つまり動的な状態ではやや難のある球です。規格いっぱいの過酷な使用には耐えませんが,程度は軽いので中古球としては合格でしょう。ガステストも合格で,ガスによるグリッド電流の異常は軽いものでした。

 結局,この球はgmテストには合格しましたが,(1)足の接触不良,(2)ゲッタが薄い,という難点があります。おそらく,規格いっぱいで動作させるとたちまちガスが発生し,回復の手段も残ってないので,寿命となるでしょう。やはり,飾り球としてしか価値がないかもしれません。足の接触不良の原因は突き止めておりませんが,あとで半田付けをやってみたいと思います。

Electrical Characteristics and Typical Conditions for UY-6A3B/UY-6A3Bの規格と代表特性

(マツダ51)

電力増幅3極管。傍熱型ST管。6.3V,1.6A(10.08W),

外形: 51図(ST-50,132+/-5(117+/-5),50+/-1φ),口金接続: JES-5A(1F,2P,3G,4K,5F), 

最大規格6.3V+/-10%,Eb250V,Pb15W,特性図あり

250V,-43.5V,60mA,1.1k,μ4.0,3.64mA/V,RL3k,3W

(大盛52)

3極傍熱型出力管,6.3V,1.6A(10.08W),口金接続: 5A(1F,2P,3G,4K,5F),

250V,-43.5V,60mA,1.1k,μ4.0,3.64mA/V,RL-,-W

マツダ51に詳しいデータ,大盛52と浅野氏の前編(p.307)にパラメータだけが出ている。また浅野氏の後編(p.43)にモノクロの写真,大塚久「オーデBオ用真空管の系譜」MJ95.3にカラー写真が出ている。浅野氏のUY-6A3Bの写真は写りが悪く細部が分からないが,カソードは2本に見える。UY-45Hの写真が間違って掲載されたのかもしれない。

マツダのUY-6A3Bは名称から言うと6A3(すなわち2A3)の改造版で,実際内容も米国2A3に類似しているがパラメータの詳細は異なる。増幅率はほぼ同じだが,内部抵抗がやや高く,gmはやや小さい。またゼロバイアス電流も10%程度小さい。さらに最大定格はPbmaxは同じだが,Ebmax250Vに抑えられている。したがって,2A3と同じ使い方をするには無理がある。また最も大きな違いはヒータ電力が61%UPしている点である。単に効率が悪いだけでなく電極温度が高温化するため,電極に特別な放熱対策を要するとともに,グリッド電流が流れ易いので使用も難しい。

傍熱化にともなうヒータ電力の効率の悪さは電極構造と関係している。まず,米国の類似球を当たってみよう。6A3の傍熱管としてSylvaniaの6A5Gが知られている。6A5Gは2枚プレート型の6A3の電極構造をそのまま模擬した形となっており,各ユニットではM字型に張ったフィラメントの形状そのままに極細のカソードスリーブを4本配置し,合計6.3V,1.25Aで済ましているが,それでも25%UPである。スリーブ1本当たり約0.15Aであるから6G6G相当のカソードが8本並列という計算である。

これに対してマツダのUY-6A3Bは,大塚氏(MJ95.8)の解説「マツダ独自で円筒型のカソードスリーブが4本並列に入っている」の通りで,2A3のM字型フィラメント(陰極)の空間位置を4本の単純な平行線で置き換えた近代的な構造にしている。米国ではやや遅れて,Raytheonが2A3傍熱互換管2A3Hを1937年にマツダ6A3Bと同様の方式で作っている。ところで,このマツダの4本のカソードはいったいどこから来たものだろうか?この球のために特殊なカソード・スリーブとヒータをわざわざ新規に設計したとも思えない。同時代に製造されていた球から同じヒータ電力の球を探してみると,UZ-41のヒータ(6.3V,0.4A)が符丁する。これをUY-6A3Bに流用した可能性が大きい。実際,梅田徳太郎氏の受信管製造の記録(1976,電子管の歴史,資料編)によれば,「6.3V 0.4Aを4本使用したもの」と記述されていた。さらに「マイカ・スペーサでカソードを支持することは耐熱の点で無理があると考えタイデンタイト製スペーサを用いた」とあるが,私のサンプルには見られない。一体どうなっているのだ?また,同氏はプレート・フィンについても言及し「UY-6A3Bは発表許容陽極損失に対し安全率を十分にするためアノードに放射板を貼り付けることにした」と書いている。このプレート・フィンはしかし私が先に指摘したように真空中では伝熱は点溶接部分しか起きないという構造上の欠陥により,あまり役立たなかったものと考えられる。

(Reference)UX-2A3/6A3/6B4-G/6A5-G

2A3はRCAが1933年に発表した直熱3極出力管。日本ではマツダがUX-2A3として国産化した。RCAは1936年頃に初期の1枚プレート型から現行の2枚プレート型に改良した。またRCAは,2A3の6.3V版としてUXベースの6A3とこれをオクタル・ベース(UG)化した6B4-Gを発表している。フィラメント電力はともに6.3V,1.0Aで,特性は前者が全くの同等管であるのに対して,後者は改造球でEbmaxを325Vに引き上げた他,同一出力を得る動作ではバイアスがやや深い。Sylvaniaは6A3を傍熱化した6A5Gを作った。カソードは管内でヒータ中点に接続されている。

UX-2A3の規格

(マツダ51)電力増幅3極管。直熱型ST管。2.5V,2.5A(6.25W),

外形: 51図,口金接続: JES-4A(1F,2P,3G,4F),

最大規格2.5V+/-10%, Eb300V,Pb15W,特性図あり

250V,-45V,60mA,0.8k,μ4.2,5.25mA/V,RL2.5k,3.5W,5%

 

(Reference)Triode Connection of UZ-41/6K6/6AR5-3極管接続

2.6k,μ7,2.7mA/Vであり,4本並列では,0.65k,μ7,10.8mA/Vになる。

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UY-45H and UY-71H -Indirect Heated Power Triodes

UY-45HとUY-71Hは,UY-6A3Bと同様に,日本独自の業務用管で,何故こんな球が作られたか,あるいはどんな球だったか興味のあるところです。「サンプルも入手できていませんし,今後も入手できる可能性はきわめて低いのですが,」と,書いたところ,神戸市の北村新三さんからUY-71Hを御寄贈いただきました。 浅野氏の解説に戦時中は軍用に使用された旨が記されていますが,ここでは,その原型を探ってみたいと思います。


UY-45H - IDH Power Triode

東京電気(TEC,マツダ)が1935年に開発。日本独自の傍熱型3極出力管。梅田徳太郎氏の受信管製造の記録(1976,電子管の歴史,資料編)に写真は掲載されていないが,記述に従えば,外形はUY-6A3Bと同じで,プレートの作りも同じ。カソードが2本。カソード支持がマグネシア塗布のマイカ板を使用していることが分かる。

[7A7][7A7]

Matsuda UY-45H (写真提供, 京都府 辻野泰忠氏)

[7a7]

(マツダ51)

UY-45Hは交流式受信機に用いる傍熱型の電力増幅用3極管であります。

外形51図,6.3V,0.8A(5.04W),1F,2P,3G,4K,5F,

特性は45に準じます。(これ以上記載がない)

(マツダ51掲載の原型UX-45),

外形48図,2.5V,1.5A(3.75W),1F,2P,3G,4F,

180(212)V,-31.5V(1000ohm,30μF),31mA,1.65k,μ3.5,2.125mA/V,RL2.7k,0.825W

250(300)V,-50V(1500ohm,20μF),34mA,1.61k,μ3.5,2.175mA/V,RL3.9k,1.6W

275(331)V,-56V(1550ohm,20μF),36mA,1.7k,μ3.5,2.050mA/V,RL4.6k,2.0W

特性は45と類似だが詳細は異なる。ヒータ電圧が6.3V化され,ヒータ電力も34%UPしている。さらに外形がST-45からUY-6A3Bと同じST-50に大型化した。

(大盛52 UY-45H)

250V,-50V,34mA,1.75k,μ3.5,2.0mA/V,RL-,1.5W

(梅田徳太郎氏1976)

250V,-50V,30mA,1.75k,μ3.5,2.0mA/V,

UY-45Hのパラメータは(大盛52)と梅田氏の記録に残っている。これによれば,45に比べ内部抵抗が僅かに大きく,gmも僅かに小さいが良く似ている。

ところで,2A345を2ユニット並列にしたものと言われているから,逆にUY-6A3Bを半分にすれば傍熱型のUY-45Hができるはずである。現にヒータ電流はUY-6A3Bの半分だから,同じ造りを採用したとすれば,円筒型のカソードスリーブは2本で良い。

(6A3Bを半分にしたパラメータ)

Eb250V,Pb7.5W

250V,-43.5V,30mA,2.2k,μ4.0,1.82mA/V,RL6k,1.5W

UY-6A3Bのパラメータを1/2にしたものと直熱型UX-45を比較すると,異なるバイアス電圧での比較では,増幅率は若干高めで,内部抵抗が高く,gmは低い,という結果である。しかし,UY-6A3Bの特性曲線を見ると出力を決めるゼロバイアス電流はUX-45とほぼ同じであるから,やはり類似の特性を持っており,感度だけがやや高い球という事ができよう。したがって,UY-45HとはUY-6A3Bのグリッド,プレート構造をそのままにしたカソード2本版であることが想像できる。

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UY-71H -IDH Power Triode

東京電気(TEC,マツダ)が1936年に開発。日本独自の傍熱型3極出力管。梅田徳太郎氏の受信管製造の記録(1976,電子管の歴史,資料編)に写真は無いが記述にしたがえば,外形はST-45でUX-71Aと同じ。プレート構造はフィン(Radiation Plate/放射板)なし。カソードが2本。カソード支持がマグネシア塗布のマイカ板。

[0hK][0hK]

Matsuda/Toshiba UY-71H (1941.12)/(昭和16年12月)製 (神戸市 北村新三氏寄贈)

管壁にUY-71H,頭にマツダロゴ。ステムに青字でC。一見,45のように見え,内部構造はまた79のように見える。プレートの両端は一体成形したフィンがあるではないか!。プレートフィンなしという解釈は私の資料の読み方が間違っていた。記録ではUY-6A3BUY-45Hには放熱フィン(Radiation Plate)を付けたとあり,UY-71Hには特に言及していなかった。この放射フィンの意味は6A3Bのようにプレートに溶接で取り付けたエクストラ・フィンを指しており,UY-71Hにフィンがないとは書いていないのであった。サンプルは神戸市の北村新三氏から御寄贈いただきました。

(マツダ51)

UY-71HUX-71Aを6.3V級傍熱型にしたもので,使用法その他はこれと同様です。

UY-71H,外形48図,6.3V,0.8A(5.04W),1F,2P,3G,4K,5F,

(マツダ51の原型UX-71A)

外形48図,5V,0.25A(1.25W),1F,2P,3G,4F,

Eb180V,Pb3.6W

180V,-40.5V,20mA,1.75k,μ3.0,1.7mA/V,RL4.8k,0.79W

135V,-27V,17.3mA,1.82k,μ3.0,1.65mA/V,RL3k,0.4W

外形は71Aと同じで特性も類似しているが,ヒータ電力は300%UPしており詳細は異なる。パラメータは(大盛52)と(梅田氏の記録)に出ている。

(大盛52)

180V,-40.5V,22mA,2.10k,μ3.0,1.7mA/V,RL4.8k,0.79W

(梅田徳太郎氏1976)

180V,-40.5V,22mA,2.10k,μ3.0,1.43mA/V,

これによると,同一条件でプレート電流は10%UPしており,また増幅率は同じだが内部抵抗だけがやや高くなっていることが分かる。(ただし,大盛52ではμ=rpxgmの関係を満たしていないので誤植があるかもしれない。梅田氏のものは満たしている)。ヒータ電力を4倍にしたためパービアンスが遥かに高くなっているはずだが,その割にはパラメータは類似しており,傍熱型カソードの効率が悪いことを示している。

UY-71HUY-45Hと比べると,カソードはUY-45Hと同じものを使用しているが,増幅率はやや低いからグリッド巻き線を作りなおしたものと思われる。

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UX-54/UX-54A -Space Charge Grid Tetrode/空間電荷4極管

UX54, UX-54Aは微少電流叉は高抵抗回路における電圧測定用の空間電荷格子真空管。入力抵抗が非常に高く,従ってグリッド電流が極めて小さく設計されている。UX-54Aは,UX-54 (Ef2.5V, If0.1A)のフィラメント規格違いで,フィラメント以外の特性は全て同じ。

UX-54 2.5V 0.1A(dc)

UX-54A 2.0V -A(dc), Eb 6.0V, Escg4.0V, Eg -4.0V, Ib 0.04mA, Ig10-14A, Rg10^15ohm, mu 1, gm 0.025mA/V, Cin about 1pF

[7a7][7a7]

Matsuda UX54 (写真,辻野泰忠さん提供)

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UX-6203 -Low mu Triode for VTVM

UX-6203は真空管電圧計用の低増幅率3極環で,マツダ51年によれば「A型真空管電圧計用として特に設計されたものです」。1939年に開発された。ST-12型で,トップグリッド。逆V型(逆W型)のフィラメント。

UX-6203 4.0V 0.48A(dc), Eb 4.0V, Eg 0V, Ib 0.14mA, mu 3, gm 0.2mA/V

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UY-6301 -High mu Triode for AF pre-amplifier

UY-6301は傍熱型の高増幅率3極管で,マツダ51年によれば「マイクロフォン増幅器,トーキー増幅器などの初段増幅で特に信号対雑音を問題にする場合に使用されます」。1939年に開発された。高gm管。

UY6301 6.3V 0.6A 250V, -1.44V(Rk=140ohm), 9mA, 13k, 7.7mA/V, mu100

[6kC][6kC]

Matsuda UY-6301 (ガラス印字, 青ガラス, 皿ゲッタ)

当時我が国独自に開発した。LOW NOISEとあるが,後にいう「マイクロフォニー」対策管のようだ。梅田徳太郎氏の受信用真空管の製造の記録によれば,防震対策として,2枚重ねのマイカー板を使用してカソード並びにグリッド支柱の接触面積を大きくした。マイカ板に埋め込んだクリップ線にカソード並びにグリッド支柱を溶接した。グリッド支柱に1.5mm径の太いものを使用した。グリッドワイヤーの震動を防ぐため,グリッドワイヤーを両端で支柱に溶接した。(まるでフレームグリッド),また高gmのため,電極接触事故を防止する目的で,マイカ板の穴開け加工を精密に行い,カソード,グリッド,プレート寸法も精密にした。

UY-6301は本来の用途とは別に軍事用にも使われた。藤室衛(真空管半代記)によれば,戦時中にはUY-6301は爆弾の光電式有眼信管(光センサーを用いて地上10mで爆発させる)に用いた例がある。これはUY-6301x2の高gmを活かしたアンプにサイラトロンXB-767Aを組み合わせたそうだ。しかし,製造量は少なかったという。

mu100の3極管は,当時米国ではUZ-2A6くらいしか無く,一般的に使われたUZ-75, 6SQ7はmu70。戦後,6AV6, 12AX7ができて一般的に多用された。

例えば12AX7(4ユニット並列)と比較すると,近いものになる。

2A6 6.3V 0.3A(0.15A) 250V, -1.35V, 0.4mA, 91k, 1.1mA/V, mu100

12AX7 x1 6.3V 0.15A, 250V, -2V, 1.2mA, 62.5k, 1.6mA/V, mu100

12AX7 x4 6.3V 0.6A, 250V, -2V, 4.8mA, 15.6k, 6.4mA/V, mu100

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UZ-6302 -High gm SCO Pentode for Video Amp

UZ-6302は1939年/1940年に東芝が開発したTVの映像増幅用5極管。梅田徳太郎という東芝の開発に携わった人の記録によると,「UZ-6302,UZ-6303の製造では,高gmなのでグリッドエミッションに特に留意し組立時にグリッドがカソード被覆材に触れないように紙を巻き後で抜く,g1支柱に放熱に有利な脱酸銅線を使用し,上部にフィンを付けている」

そうです。私のサンプルにも渡邊さんのにもフィンがついているのがわかります。6C6などにはみられない形状の。

[ZhQ]

UZ-6302, 写真は東京都の渡邊耕二さん撮影

58[AfP]

[AfP]

Matsuda and Cycle-mark UZ-6302

59[AfP]61[AfP]

Top and Bottom of UZ6302(1903)

60[AfP]63[AfP]

59[AfP]

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UZ-6303 -High gm RCO Pentode for Video Amp

UZ-6303は1941年に東芝が開発したTVの映像増幅用リモートカットオフ5極管。その規格は戦後のマニュアル「マツダ51年」には出てませんが,梅田徳太郎という東芝の開発に携わった人の記録に出ています。バリミュー管で,

6.3V,0.6A, 250V,100V,-3V,12mA,-,gm=6mA/V

おそらく,バイアスがもっと浅いときにはgmはもっと高いかもしれません。

[ZhQ]

UZ-6303, 写真は東京都の渡邊耕二さん撮影

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UZ-6304 -High gm Power Pentode for Video Amp

UZ-6304は1941年に東芝が開発したTVの映像増幅出力用5極管。ヒータ電力は6.3V/0.7Aですから5極管42クラスといいたいところですが,どちらかというと米国6AG7を原型とした類似管です。

Ef/If V/A

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

Isg mA

rp kohm

gm mA/V

RL kohm

Po W

6305

1941

6.3V/0.7A

250

150

-3.0

32

6.0

180

13.0

-

-

6AG7

1939

6.3V/0.65A

300

150

-3.0

30

7.0

130k

11.0

10k

3.0W

[0j8]

UZ-6304, 写真は東京都の渡邊耕二さん撮影

52[AfP]

UZ-6204 (1905)

53[AfP]

54[AfP]55[AfP]

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