ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Special tubes -Japan before WWII/戦前の特殊管

V. Communication Tube/通信用真空管

34. Wired Communication Tubes

22.Japanese Special Tubes before WWII

32_63IMb. Industry & Military(II) Japanese 6.3V ST tubes of American Octal

2_IndMil. Industry & Military (III) Japanese Original 6.3V ST tubes


Page-34. Communication Tubes before WWII/戦前の通信用真空管

3rd Edition (2006.11.13)-(2011.7.24)-(2011.11.23)-(2013.6.2)

HomePageVT/Radio_tube_34.html


Introduction/はじめに

8. Wired Communication Tubes before and After WWII/戦前・戦後の有線通信用の球

History of Japanese Telegraph and Telephone/日本の電話の歴史

History of Tubes of Nippon Electric Corporation/日本電気の真空管の歴史

Table Receiving Tubes manifactured by Nippon Electric Corp/日本電気が作った受信管

Reference/参考文献

1) Triode Ages/3極管の時代(101D-102D-104D/101F-102F-104F)

101D WE

101Dst NEC

101F NEC

101G NEC

HO-101F/TB-616A/TB-616B

102D

102F

102G WE

TB-610A/ 4020A STC

HO-102F/TB-612B

104D WE

104Dst NEC

104F

104G

HO-104F/TB608B

TB500A/ 205DN

WE252A

WE274A

2) Pentode Ages/5極管の時代

MC-656A

CY-501F/ MC-656B

CZ-501D/ MC-656C

CZ-501D

MC-658A/CZ-511

CZ-504D

CZ-504V


Introduction/はじめに

ここで紹介する球は,戦前の業務用の真空管です。通信管というのは「電子管の歴史」によると「電話,テレビなどの中継,端局,測定器などで使われる真空管で,一般にマイクロ波管を除く」とあり,受信用真空管に限れば,戦前には日本電気の電話用真空管が有名でした。戦前の日本電気の受信用真空管は非RCA系,非民生用真空管だったこともあり,馴染みが無いだけでなく,その資料も一般に流布されていません。僅かに米国Western Electricの複製品を作っていたことが知られており,またその真空管のサンプルはオーデイオブームに乗って高値を呼んでいるので,なかなかお目にかかれません。

ここでは,乏しいサンプルや資料を材料に特集してみました。なお,多くのサンプルと資料は京都府の辻野秦忠さんから御寄贈いただきました。ここに謝意を表します。


8. Wired Communication Tubes During and After WWII/

戦中・戦後の有線通信用の球


日本電気の通信用真空管は,ラジオ少年やアマチュア,はたまた一般のユーザーには余り馴染みの無い球ばかりですが,それは一般の市場に出回ることの無い業務用の球だったからです。電信電話業務は今日でこそ沢山の民間企業に分かれましたが,戦前から戦後にかけて日本では逓信省やその配下の電電公社が独占的に事業を展開し,業務に必要な真空管は真空管製造会社に注文して作らせていたこともあって,通信用真空管が一般市場に売られることはまず無かったのです。ところが,通信機器の他,劇場用の音響機器も手がけていた米国Western Electricの業務用真空管は長寿命,高性能,高信頼ということもあって,どういう風に入手したのかは知らないけれども昔からオーデイオマニアに人気があり,オーデイオ用の球だけでなく本来通信用に作られた球も生き残った球はほとんど買い占められてしまっており,希に出てくる球は目玉が飛び出る程高価で取引されるというのが現状です。ですから,通信用真空管は,本来,ラジオ少年とは無縁で,民生用真空管の歴史を取り扱う「日本の古いラジオ」には不似合いな真空管です。私は特集を組んでページを作る程,知識も無ければコレクションもありません。しかし,戦前から戦後にかけての通信用真空管は,実は,通信用設備の保守点検の際に寿命と判断されて交換され,ジャンクとして数多く登場し,戦後のアマチュアは二束三文で入手しラジオ工作に使用した方も多かったのです。そんな球を少し紹介します。

History of Japanese Telegraph and Telephone/日本の電話の歴史

断片的な資料をつなぎ合わせてみると,日本の電話に関する話題は次のようになります。

1876年(明治9年),米国でグラハム・ベルが電話を発明。

1987年(明治10年),日本にベルの電話機来る。

1878年(明治11年)に我が国で電話機を初めて国産化。

1899年(明治32年)東京大阪間に長距離電話開通。

1918年(大正7年)電気試験所,搬送電話の東京大阪間実験に成功。

1923年(大正12年)神戸湾内船舶と神戸市内電話加入者との間で無線電話による電話取り扱い開始(これは真空管式らしい)

1926年(大正15年)短波無線電話による長距離無線電話の実験,

1930年(昭和5年)短波無線電話による業務開始。

1933年(昭和8年) VHF酒田-飛島間で通信実験。

1937年(昭和12年)東京大阪間搬送電話回線開通。

真空管が無い時代に電話機があったなんて信じられますか?もちろん,無線による電話も放送も真空管の無い時代にはじまりました。ただ,このWeb-pageでは日本の通信用真空管の話に繋げたいので,搬送電話の話が重要です。

電話といいながら,昔は電信と電話がありました。機械設備としては,電信はまずブレゲー指字機,ついでモールスの印字機(明治4年, 1871年),2重機(明治13年, 1880年),音響機(明治28年, 1895年)。

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History of Tubes of Nippon Electric Corporation/日本電気の真空管の歴史

真空管といえば,米国では民生用にラジオグループのRCA/Radio Corporation of Americaが,また電話などの通信業務用にWE/Western Electricがその世界を2分し,また海外にも子会社や提携会社を通じて進出していました。日本では民生用の真空管はラジオグループの一員であるGEと提携した東京電気/東芝が,また通信用や陸上の電話回線網の球といえば,戦前では唯一日本電気が製造していました。ところが,その日本電気は逓信省の電信電話会社の設備の建設と保守用にのみ製造し,真空管を一般に市販しなかったこともあって,一般使用者にデータを提供するためのデータ・マニュアルなどを出版しなかったのが災いして,今日では参考になるまとまった資料がほとんど見つかりません。それでは不便なので,あちこちから資料の断片を集めてつなぎ合わせて,戦前に日本電気が製造した受信用真空管一覧表を作ってみました。それがTable 1です。

日本電気は,米国Western Electricと提携し,1920年代の後半にはWEの通信用真空管の国産化を始めました。東京都芝区三田に本社工場があり,研究部で真空管の研究と製造を行っていたそうです。1920年代の後半に始めに国産化したのは,Dシリーズでした。このDシリーズは米国で1922年に生まれ戦後まで使われました。大塚久さんのオーデイオ用真空管の系譜(2, MJ94.6)によると,米国WEが作った電話用真空管の製造履歴は,102Aは1916年-1923年, 102Dは1922年-, 102Fは1927年-, 102Gは1928年-1939年に製造を行ったとあります。日本電気では,D, F, Gを作りました。

日本電気はその後1933年に送信管の製造を始めました。1963年頃のNECのデータブックの前書きには何故か「NEC電子管の歴史は遠く昭和8年(1933年)フランスのLCTから送信管の技術を導入したことにはじまり,翌9年には早くも当時満州国新京に設置された日電製100kW放送機に使用する出力120kW大電力送信管TW-502Aを完成しました」とあります。ここからわかることは,技術導入後1年でそんな大きなものを完成できるわけがないし,またセールスに成功するとも思えない。つまり,もっと前から真空管を作っていたはずだ,ということです。受信管はやはり,1920年代の後半には作っていたのでしょう。また,TW-502Aが1933年なら,TC-500Aは1933年以前だということです。

さらに,1935年にはラングミュアの高真空2極,3極管の特許が切れ国内で真空管製造会社が新たに誕生し,その時期に受信管の本格的な製造を開始したようです。まず,1935年にはWE101D-104Dの省電力型として英国のWEの子会社STCが開発した4019A-4021Aを手本に,その互換管を日本独自の名称の球TB-600AからTB-603Aとして国産化しました。翌年の1936年(昭和11年)6月に,神奈川県川崎市に玉川向製造所を開設,本格的に真空管を製造しはじめました。この頃,送信管や業務用管として水冷管,空冷管,水銀整流管,通信管,バラストランプ,X線管を製造したとあります。通信管が含まれていました。日本全国の電話網を日本電気が一手に引き受けたとなれば,相当数の真空管を製造していたことになります。

日本電気はこのようにWestern Electricや系列のSTCなどの通信用真空管を複製し,保守球として納めていましたが,しかし,通信業務に徹し,Western Electricのもう一つの顔,劇場用などのオーデイオ管には手を出しませんでした。日本のトーキーの装置は,1930年代のはじめに米国最大のWestern ElectricやRCAの輸入品から始まったようですが,Western Electricは日本においても東洋支社を開設し,その保守部品は本国から供給していたようです。

RCAの装置もとても高価で,多くのユーザーは安価な国産品を望んでいました。したがって,国産の劇場用装置の真空管にはRCA系の国産真空管が多く用いられたのは当然でした。一方のWestern Electricの真空管は自社の装置の保守用にしか供給しなかったと伝えられていますが,日本電気が通信分野で真空管のライセンス生産を許されていたのならば,Westernの東洋支社に真空管を供給することがあっても不思議でないような気がするのですが,何故そのようなことがなかったのでしょう。その理由は,通信分野で必要とする真空管の数に比べると,劇場用の真空管の規模は小さく国産化する程の需要が無かったのかもしれません。

さて,満州事変が起きる1937年頃になると,日本電気は安穏としていられなくなりました。軍部の要請により東京電気(マツダ)が製造していた日本独自の電池管を日本電気も軍用に製造開始し,またRCAの互換管もつぎつぎと軍用に製造しはじめました。1939年には,東京電気だけが作っていた米国型のメタル管も製造開始しています。同じ1939年頃には本業の分野では通信用真空管として日本独自のCZシリーズを開発し,5極管の搬送システムを確立しました。その後,太平洋戦争が始まると1941年12月には軍用にエーコン管を製造しています。1944年には空襲を恐れて大津製造所を創設し,軍用受信管の大量製造を始めましたが,1945年に戦争が終結し,軍用の真空管製造は打ち切られました。

戦後しばらくは,通信用真空管としては,玉川向製造所がD, F, HO, CZ, CY球を唯一のメーカーとして製造を継続しました。逓信省がVHF多重回線の中継用として従来の甲型,乙型の安定度を改良した丙型を計画し,さらに波長40-60cm(550-650MHz)のFM3通話路のUHF多重通信装置が戦時中から日本電気により制作され,戦後にかけて青森函館間で使用されていました。この受信機(V-18A)にはST管のMC-658A(CZ-511相当)が15本中12本使われていました。また戦後,鉄道,船舶,警察消防用のVHF FMトランシーバー(UTR2)にメタル管のMB-850(マツダUS6305相当)が万能管のように17本中12本使われていました。一方の大津製造所は,戦後民生用受信管製造部門をそこに集結させ,後に新日本電気として独立,ラジオやテレビの民生用真空管を供給しました。

その後,通信用真空管の製造には日立と川西機械(後の神戸工業テン=富士通)が参加することになります。1950年頃には従来の搬送通信装置の輸出を目指し,米国で主流の+B電源が135VのWestern Electric互換310A, 311Aを製造した。しかし,1950年代には通信用真空管はミニアチュア管へと移行したためST管は時代遅れとなったのを受けて,電信電話会社(NTT)の電気通信研究所(ECL)が米国互換の新型の通信用ミニアチュア管を次々と開発し,それをNECを筆頭とする通信三社が製造しました。

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NECの真空管の銘々法

NECの社内名(1935年以降1950年頃まで)は,次の規則によっている模様。

名称=(第1文字)(第2文字)(3桁の数字)(第4文字) 例 TC-626A

(第1文字)は,Dは2極管, Tは3極管, Mは多極管, Qは水銀整流管, Xは格子制御放電管

(第2文字)は,Aは口金無し, Bはシングルエンド型, Cはトップグリッドなどのダブルエンド型, Eは両端側面に口金あるもの, W水冷。

(3桁の数字),送信管は500番,受信管はほぼ600番, 700はそれ以外, 800番金属管, 以降を開発順に通番で付ける。

(第4文字)は,英文字Aは標準で付く。B以降はその改良版を示す。

大塚久氏がオーデイオ用真空管の系譜(30)(MJ1996.9)でTC-626-Aを取り上げて,「WE262AのNEC版ですが,型番をみると数字がそっくり逆になっており,偶然かあるいは意図的にやったのか興味をひきます」と,262Aと626Aの関係を述べておられるが,開発順に番号を振っていった形跡があるので,どうも偶然に過ぎないように思えます。

なお,戦前から戦後にかけての通信管HO-101FとかCY-501D, CZ-501Dなどの名称はNECの名称ではなく,当時の真空管のユーザー,すなわち逓信省(後の郵政省)傘下の電電公社(日本電信電話会社NTT)の名称です。したがって,一時期はNEC名とNTT名を並記している真空管もありました。1950年代からは開発当時はECL名(電気通信研究所の名前)が表記され,製造にはいるとJIS名が使われました。

Table 1 Receiving Tubes manifactured by Nippon Electric Corp(1)/日本電気が作った受信管(1)

Purpose

Base

Eh

Ih

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

mu

rp

gm mA/V

Po W

101D

101Dst

Triode DH

4D

4.5

1.0

130

-9.0

8.0

6.0

6k

1.0

101F

Triode DH

4D

4.5

0.50

130

-8.0

6.0

6.5

6k

1.1

101G

Triode DH

4D

4.5

1.09

130

-9.0

8.0

6.0

6k

1.0

102D

Triode DH

4D

2.1

1.0

130

-1.5

0.8

30

60k

0.5

102F

Triode DH

4D

2.1

0.5

130

-1.5

0.8

30

60k

0.5

102G

Triode DH

4D

2.1

1.09

130

-1.5

0.8

30

60k

0.5

104D

104st

Triode DH

4D

4.5

1.0

130

-20

20

2.0

2k

1.25

104F

Triode DH

4D

4.0

0.5

130

-20

20

2.0

2k

1.25

104G

Triode DH

4D

4.5

1.09

130

-20

20

2.0

2k

1.25

205D

Triode DH UV-base

4D

4.5

1.6

250

-15

20

7

4k

1.75

205DN see TB-500A

Triode DH =TB-500A UX-base

4D

4.5

1.6

250

-15

20

7

4k

1.75

310A* (1950)

Pentode

10

0.32

135

-

5.5

1200

650k

1.8

0.25

311A* (1950)

Pentode

10

0.64

135

-

30

122

43k

2.9

2.0

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Table 1B Receiving Tubes manifactured by Nippon Electric Corp(2)/日本電気が作った受信管(2)

Purpose

Glass & Base

Eh

Ih

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

mu

rp

gm mA/V

Po W

TB-500A

Triode DH =205DN UX-base

4D

4.5

1.6

250

-15

20

7

4k

1.7

TB-600A (1935)

Triode DH

(=4019A/ CV249)

S/4D

4.0

0.25

130

-8

8

7

6k

1.2

TB-601A (1935)

Triode DH

(=4020A/ CV1653)

S/4D

2.0

0.25

130

-1.5

0.8

30

50k

0.6

TB-602A (1935)

Triode DH

(=4021A/ CV1671)

S/4D

4.0

0.25

130

-8

20

6

2k

3.0

TB-602B

Triode DH

4D

4.0

0.25

130

-20

25

2.5

2k

1.25

TB-603A (1935)

Triode DH

(=4022A)

S/4D

4.0

0.25

130

-4.5

8

12

5k

2.4

TB-605A

Triode IH = WE244A

5A

2.0

1.6

135

-6

6

10

10k

1

TB-608B TB-608D HO-104F

Triode DH WE104F

4D

4.0

0.5

250

-13.5

20

7

5k

1.4

MB-610GT

Pentode Power Amp =Octal 38?

7S

6.3

0.3

250

100

-25

22

120

10k

1.2

2.5

TB-611A

Triode DH =WE215A?/ WE215D

1.0

0.25

60

-3

1.8

5.8

13.7k

0.42

TB-611B

Triode DH = WE215A?

4D

1.1

0.25

60

-3

2.3

6.5

10k

0.65

TB-612B HO-102F

Triode DH =WE102F

4D

2.1

0.5

250

-3

2.0

35

50k

0.7

TB-613A

Triode DH =WE231D?

4D

3.1

0.06

90

-3

2.0

8.0

15k 16k

0.5

TB-614A

Triode DH =WE215A?

1.0

0.27

100

-8

2.0

6

13.7k

0.42

TB-616A TB-616B HO-101F

Triode DH =WE101F

4D

4.0

0.5

250

-6

8.0

15

10k

1.5

MC-619A

tetrode =WE245A?

5E

2.0

1.6

135

45

-1.5

4.5

120

160k

0.75

MC-622B

Pentode =eq.UZ-57*

2.5

1.0

1.5

MC-624A

Triode-Pentode DH

=UZ-133D

33D

1.1

0.12

MC-625A

pentagrid DH =UZ-135

35

1.1

0.13

TC-626A

Triode =WE262A

S/

10

0.32

135

-4.5

2.0

15

20k

0.75

TB-627A

Triode IH =(WE271A?)

5A

5.0

2.0

350

-25

36

8.5

2k

3

TB-627B

Triode =WE271A*

5.0

2.0

350

400

-25

-30

36

39

8.5

8.5

2.9k

2.85k

 

2.92

MC-630A

Pentode = UZ-77

-

6.3

0.3

250

180?

100

-3

2.3

1850

1.5M

1.25

MB-630GT* /MB-630T

Detection =octal77

8N

6.3

0.3

250

100

-3

2.3

1875

1.5M

1.25

MC-631A

Pentode =UZ-78

-

6.3

0.3

250

180?

100

-3

7.0

1200

800k

1.5

MB-631GT* /MB-631T

RF amp =octal78

8N

6.3

0.3

250

100

-3

7.0

1160

800k

1.45

MC-632A

Converter =Ut6A7 =RT1

6.3

0.3

250

g2+ g5= 75

g1=0

g4= -3

TB-639A

Triode IH =UY37

6.3

0.3

180

-13.5

4.3

9

10k

0.9

 

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Table 1C Receiving Tubes manifactured by Nippon Electric Corp(3)/日本電気が作った受信管(3)

Purpose

Base

Eh

Ih

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

mu

rp

gm mA/V

Po W

MB-640GT

Power Amp octal UY-38

7S

6.3

0.3

250

250

-25

22

120

100k

1.2

2.5

MC-640A

Pentode =UY38

MB-643B

Pentode? DH

-

5.0

0.25

135

135

-13.5

27

46

24k

1.88

MC-644A

Pentode? =UZ79

6.3

0.6

250

?

-2

2.0

85

67.5k

1.25

MC-645A

Po. Amp =UZ89

6.3

0.4

250

250

-25

32

125

70k

1.8

MC-646A

Automatic Control =eq.Ut6B7(P) =RT4

6.3

0.3

250

100

-3

6

1000

1M

1.0

MB-648A/648T

=UZ41

MC-649A

UF-134(A) pentode

(=UX34)

34A

1.1

0.06

MC-650A

UF-111A tetrode

11A

1.1

0.06

TB-651A

Triode =UF109A

51A

1.1

0.16

135

-4.5

5.9

8.5

11k

0.77

MC-655A*

Pentode

6B

5.5 6.0

1.0

250

200

-13.5

35

315

90k

3.5

3.0

TB-655A*

Pentode

6.3

1.0

250

200

-13.5

35

315

90k

3.5

MB-655A CZ-504D (1939)

pentode

6B

5.5 6.0

1.0

250

200

-13.5

35

315

90k

3.5

MC-655C CZ-503D (1939)

Pentode

6F

5.5

1.0

250

200

-13.5

35

315

90k

3.5

3.0

MB-655D CZ-504V (1950)

Pentode

6.3

0.9

250

200

-13.5

40

90k

3.5

3.0

MC-656A

Pentode

5F

2.5

1.0

200

100

-1.5

5

2000

1M

2.0

MC-656B CY-501F (1939)

Pentode

5F

4.5

0.5

250

100

-1.5

5

3000

1.5M

2.0

MC-656C CZ-501D (1939)

Pentode

6F

3.5

1.0

250

130

-2.5

6.5

3500

1M

3.5

MC-656D CZ-501V (1950)

Pentode

6.3

0.55

250

130

-2.5

8.0

1M

3.5

MC-657A CZ-502D (1939)

Pentode

6F

3.5

1.0

250

130

-2.5

10

2800

800k

3.5

MC-658A CZ-511 (1940-41)

VHF Pentode

6F

6.3

0.6

250

180 130

-2

11

-

6.0 7.5

MC-660A CZ-514 (1940-41)

Pentode

6F

6.3

0.7

250

180

-6

45

85k

6.5 7.5

 

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Table 1D Receiving Tubes manifactured by Nippon Electric Corp(4)/日本電気が作った受信管(4)

Purpose

Base

Eh

Ih

Eb V

Esg V

Eg V

Ib mA

mu

rp

gm mA/V

Po W

TE-661A (Acorn)

UN955

ME-662A (Acorn)

UN954

ME-664A (Spec Acorn)

VHF Det, Amp & Osc

Fig 50

6.3

0.15

250

100

-3

2.7

1200

800k

1.5

DB-665A

=KZ-6C

(=KX142*)

*誤り?

MC-670A

=UZ-6C6

MC-671A

=RT3 =UZ6D6

MC-672A

=N231 =Ut6L7G

TB-674GT

Triode Det, Osc & Amp =UY-76

6Q

6.3

0.3

250

-13.5

5.2

13.8

10k

1.38

TB-674A

Triode = UY-76*

6.3

0.3

250

-13.5

5

13.8

9.5k

1.45

MC-804A (Metal) (1939)

Triode Pentode =US6F7A*

6.3

0.3

250

100

100

 

-3

-3

6.5

3.5

 

8

850k

16k

1.1

0.5

MC-810A*

=US6J7

MC-811A*

=US6K7

MC-812A*

=US6A8

MC-813A*

=US6Q7

MB-816A

=US6F6

DB-817A

=KS6H6

TB-818A

=US6C5

DB-837A

UHF twin diodes

6.3

0.18

6

MB-850 (Metal)

IF Amp =US6305*

6.3

0.5

250

100

-3

5.2

1M

4.0

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Triode Ages/3極管の時代


101D-102D-104D/101F-102F-104F/101G-102G-104G

日本電気は米国Western Electric の通信用真空管,D型(101-Dから104-D)やF型(101-Fから104F)は,1920年代に国産化した。外形は当初の丸球の形のまま1948年頃まで製造し,その後ST型にした。またベースはUV型の短いピンとバヨネットピンを持ったものであった。フィラメントは白金心線の結合型のものであったが,1939年に普通の非結合型に変えた。名称から101は低増幅率の増幅管,102は中増幅率の増幅管,104は電力増幅用。Dはフィラメント電流1Aで,101,104はEh=4.5V, 102だけがEf=2.1V。Fはフィラメント電流0.5Aで,Gはフィラメント電流1.09A。


101D

米国Western Electricが1921年に開発した通信用の真空管の1つで低増幅率(mu6.2)の3極管。出力は65mV。当初,ベース・シェルは真鍮製でゲッタは無し,ガラス容器は球形であったが,1925年以降ベークライトになり,ゲッタも付く。1939年以降ガラス容器はSTになる。国内では日本電気が1920年代に国産化,戦後の1948年頃まで球形のまま製造した。

s[0iU]

Western Electric 101-D, ベークライト・ベース。(京都府辻野秦忠さん寄贈)

電極構造が良く見え,教科書通りの構造をした真空管といわれる。ゲッタは無い。ガラス管壁にのみ文字あり。ガラス管壁にある特許番号の表現から右の方が新しい。実は左の球はベースをいじったのではないかと疑われる。ガイドピンの位置が180度違っている。 管内のガラス支柱が右に見えるが左にこないといけない。

(Left), Western Electric Made in U.S.A. 101-D, Pat. in U.S.A.19-19-16, .., 1-1-84 Pats Applied FDR. (Right), Western Electric Made in U.S.A. 101-D, Patent 1209324, ..., Pat.Pend. 1201273,.....

フィラメントは(Left) 2.3 ohm, Rg-f=infM, (Right) 2.1ohm, Rg-f=4.27M

c[oiU]

Western Electric 101-D, 電極上部の図。フィラメントはM型。


101D-st [6001]

[7a7]

NEC 101-D ST, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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104-D

Western Electricの開発した出力用3極管。

b[0iU]

Western Electric 104-D, (京都府辻野秦忠さん寄贈)。

プレートの間隔が101-Dに比べて狭い。電極上部に円盤がありこれがゲッタ。ガラス管の頭にはゲッタ鏡面がある。

フィラメントは(Left) Open ohm, Rg-f=infM, (Right) 2.1ohm, Rg-f=240k

[7a7]

NEC 104-D, (撮影、京都府辻野秦忠さん)


104D-st

[7a7]

NEC 104-D ST, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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101-F

Western Electricの開発した低増幅率の電圧増幅用3極管。101-Dの省エネ管。フィラメント電流を半分にしてある。

[0iU]

NEC 101-F/日本電気101-F, (京都府辻野秦忠さん寄贈)。

近代的なプレートになった。ゲッタは電極下部にあり皿型。電極上部はガラスピローにより各引出線を支えている。電極下部には何もない。マイカを使う時代になっても漏洩電流を防止する目的でマイカ板を使わなかったのが特徴といわれている。

Filament open, Rg-f=240k

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101G NEC

[7a7]

NEC 101-G, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

NEC 101-G, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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102G WE

[7a7]

WE 102-G, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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TB-601A/4020A

英国のStandard Telephone and Cables/STCは,1932年頃に通信用3極管4019Aから4022Aを開発しました。STCは米国のWestern Electric系列の通信会社ですが,これらの球はWEとは独立に開発したもので,米国WEの通信用真空管101-Fから104-Fをもとに改良を加え,フィラメント電流0.5Aを省エネ形の0.25Aとしたものです。いずれもガラス容器はナス管の時代の3極管で,電極が斜めに立っているのが特徴です。米国で同じ省エネ形の球が登場したのはかなり遅い1940年になってからで,ST管101L-104Lとして製造され,戦後も長らく使われたようです。当時の米国WEの球は電流をたっぷり流す金持ちの国には向いていても,数々の強豪が林立する欧州ではより経済的な通信用真空管が求められていたようです。その意味で,英国STCが開発した通信管は世界の最先端であったといえます。日本も無駄飯食いは許されぬ国情,日本電気はこれらSTCの球を原型にして,1935年(昭和10年)に互換管TB-600A-TB-603Aを開発しました。この頃から日本電気は単純なコピー製品から受信用真空管の独自の開発が始まったのでしょう。翌年,日本電気は三田から川崎に移転し本格的な真空管製造に乗り出しました。

(TB-600A/4019A), 4V, 0.25A, 130V, -8V, 8mA, 6k, mu7, gm1.2mA/V

(TB-601A/4020A), 2V, 0.25A, 130V, -1.5V, 0.8mA, 50k, mu30, gm0.6mA/V

(TB-602A/4021A), 4V, 0.25A, 130V, -20V, 20mA, 2k, mu2.5, gm1.25mA/V

(TB-603A/4022A), 4V, 0.25A, 130V, -4.5V, 8mA, 5k, mu12, gm2.4mA/V

日本製のサンプルはありませんが,STC系のサンプルが入手できたので紹介しましょう。

[0iU]

STC4020.A. (京都府辻野秦忠さん寄贈)。

高増幅率3極管。フィラメントの陰極物質を形成するのに,排気時にプレート内面のポケットに入ったバリウムを高周波加熱で蒸発させて,タングステン・フィラメントの心線に蒸着される方法(蒸発法)を採用しているため,バリウムがステムを汚染してしまうのを防ぐために,電極を斜めに配置しているそうである。

[0iU]

STC4020.A. 高増幅率3極管(つづき)。

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HO シリーズ

日本電気は1935年から1936年頃,無装荷ケーブルを用いる搬送電話装置用に歪みの少ない通信管を開発した。それがHOシリーズとして知られている球で,電圧増幅用HO-101F, 高増幅用HO-102F, 出力用HO-104Fがある。HOという名称の意味は,岡田章さんの真空管標本箱に解説があり,H:搬送用,O:音声,だそうである。100番台は3極管,Fはフィラメント0.5Aシリーズである。さて,HOシリーズの出力管はA級PP回路で使うよう指定されていたそうである。1937年(昭和12年)には東京大阪間搬送電話回線が開通したが,HOシリーズは東京-名古屋(中山道)の中継所で使われたそうである。


HO-101F

[7a7]

Nihon denki (NEC) HO-101-F /日本電気, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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HO-102F

[AhT]

NEC HO-102-F ST, filament opened. (岡田章さん寄贈、020205)

Base of NEC HO-102-F ST

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HO-104F/TB-608B

4V, 0.5A, 250V, -13.5V, 20mA, mu7.8, 1.56mA/V

HOシリーズはベース互換である。ガラス管はST時代になっていたので,STを採用したらしい。

[0iL]

Nippon Electric HO-104F, (1951-2), (自蔵)。

ベースとガラスの接合部は緑の防湿処理。バヨネット・ピン付きUVソケット。フィラメントはM型。ステムは青字で2/4 y285。ガラス管正面に管名,右にNTT(電電公社)ロゴ,裏に製造年(1951-2)。ゲッタ板はやや特殊な形状で角型の上部に斜めのゲッタ遮蔽板がある。gm=44B,51

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オーディオ用出力管?

 WE104Dは電話用の出力管だが,劇場用などの拡声器のためにもっと大きな出力を望んだ専用管が205Dのようだ。


TB-500A/ 205DN NEC opt

[7a7]

NEC 205-DN with BOX, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

NEC 205-DN with Navy Anchor Mark, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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WE 252A opt 1930

[7a7]

WE 252A, Power Triode, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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WE274A rec1931

[7a7]

WE 274A, Rectifier, (撮影、京都府辻野秦忠さん)

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Pentode Ages/5極管の時代

1930年代末,電話には従来3極管が使われてきたが,時は5極管時代,負帰還アンプの出現で5極管も低歪みが実現できることになり,いよいよ高ゲインの中継機が作れるようになった。そのため,専用の通信管を開発したのがCY, CZシリーズである。


MC-656A

日本電気が1938-1939年頃開発した簡易増幅用5極管(2.5V, 1A管)。一連の電圧増幅用5極管の1つ。ヒータ電流を3極管101-D系と同様に1Aに設定したUYベースの5極管で,構造はRCA系の古い4極管UY-24などと同じくシールド筒に囲まれて電極が内部にある。特性はRCA系の5極管UZ-57/6C6に似ている。しかし,ヒータが同じ規格なのにgmが2倍ある。つまりゲインは大きいが,バイアスが浅いところで歪みはやや大きく,簡易増幅という名称があてはまる。後のNTTの名称制度でいうとCY-501Dというところなのだが,このような名前があったかどうか。

(MC-656A) 2.5V/1.0A, 200V, 100V, -1.5V, 5mA, -, 1M, 2mA/V

(UZ-57/6C6) 2.5V/1.0A, 6.3V/0.3A, 250V, 100V, -3V, 2.0mA, 0.5mA, 3M, 1.22mA/V

[0i9]

NEC MC-656A, (茨城県宇多弘さん寄贈)。

管壁に<NEC>ロゴ,ベース底にもある。ステムに(0-1139)。戦後の製造? 5極管であり,外側に見える電極はシールド缶で内部にプレートがある。ゲッタは皿型。MC-656B/CY-501Fの原型とも見えるが,それにしては電極の造りがMC-656Bのサンプルよりも新しい。未計測。

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MC-656B/CY-501F

日本電気が1938-1939年頃開発した簡易増幅用5極管(4.5V, 0.5A管)。先のMC-656Aのヒータ電流を101-F系と同じ0.5Aとしたもの。1939年,CY-501Fという名称で逓信省の標準品となった。

MC-656B/CY-501F, 5F, 4.5V, 0.5A, 250V, 100V, -1.5V, 5.0mA, 1.5M, 2.0mA/V, mu3000 

後のMC-656C/CZ-501Dと比べると省エネタイプで,gmは57%程度と低いが,ヒータ電力は65%,所要+B電圧も低め。

[0iJ]

Sumitomo(NEC) CY-501F/MC-656B, 住友真空管(昭和20年1月), gm=49C/17D。(自蔵)。

シールド缶(編み目)の中にプレートがある。ベースピンは鉄製。

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MC-656C/CZ-501D

MC-656Cは日本電気が1938-1939年頃開発した電圧増幅用5極管。日本電気は始め英国STC/Brimarの8A1をそのまま国産化しようとしたが「微細構造で,格子よりの電子放出が多く,組立が複雑で量産向きでない」ので断念し,独自にMC-656Cを開発したそうである。1939年,CZ-501Dという名称で逓信省の標準品に制定した。独自に開発した中身はどんなだったかというと,構造はRCAの77/6C6に類似し,電気的特性はその後継6SJ7を2管並列にしたようなものである。6SJ7のヒーター電力を3.5V, 1.0Aに合わせて電極を85%スケールアップするとgmは3mA/Vになり,ほぼ似たような球になる。スケールアップはカソードの幅を広げる方法で対応したと考えられる。

(8A1) 4.0V, 1.0A, 200V, 80V, -1.5V(200ohm), 3.5mA, 0.7mA, 600k, 4mA/V

(MC-656C/CZ-501D), 6F, 3.5V, 1.0A, 250V, 130V, -2.5V, 6.5mA, -, 1M, 3.5mA/V, mu3500

(6SJ7), 6.3V, 0.3A, 250V, 100V, -3V, 3mA, 0.8mA, 1.5M, 1.65mA/V

(6SJ7x1.85)=(3.5V, 1.0A), 250V, 100V, -3V, 5.6mA, 1.5mA, 0.8M, 3mA/V

この球は電話の搬送システムに利用されただけでなく,1940年頃には2kWテレビ送信機の変調器のドライバー段に複数並列接続で用いられた例がある。

川西機械/神戸工業TENは戦後の1948年にCZ-501Dの製造を開始した。日立は記録がないが同じ頃製造に参入したと思われる。

[0iJ]

NEC(Old Logo) CZ-501-D/MC-656-C(5/18, 171), gm=84C/29D。

戦後すぐの製造と見られる。ベースピンの長さが異なり立てると傾く。NECロゴは菱形ではなく,丸形である。

[0i9]

Hitachi CZ-501D (1953), (茨城県宇多弘さん寄贈)。

[0iL]

Hitachi CZ-501D, (1955.3, 30C944), (1955.3, 30C858) 箱はともに(1954.8)。gm=51, 46。

[oiL]

TEN CZ-501D, (1953-5, 30E90),(1953-5, 27E190), gm=56-, 54

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CZ-504D/MB-655A

MB-655Aは日本電気が1938-1939年頃開発した出力用5極管で,英国STC/Brimarの7A2を手本に独自に開発したもの。7A2はRCAの42を通信管向きに改造したものと思われ,42に類似の特性を持つ。ちなみに,42はRCAが1932年に開発した民生用球で,我が国では東京電気が1934-35年に国産化している。MB-655Aはヒータ電力5.5W/4.41Wで42に比べて約20%増し,Ibも20%増し,gmは40%増しである。感度は高い分バイアスがやや浅くなっている。

(7A2) 4.0V, 1.2A, 250V, 250V, -16.5V(410ohm), 34mA, 6.5mA, 80k, 2.35mA/V, RL7k, Po3.5W

(RCA42) 6.3V, 0.7A, 250V, 250V, -16.5V, 34mA, 6.5mA, 80k, 2.5mA/V, RL7k, Po3.2W

(CZ-504D) 5.5V, 1.0A, 250V, 200V, -13.5V, 40mA, 7.5mA, 90k, 3.5mA/V

1939年にユーザーの逓信省(電信電話会社NTT)が標準品として制定しCZ-504Dという名称になった。MB-655Aは社内名称であり,CZ-504Dが公式の名称である。

CZ-504Dは,戦後,川西機械/神戸工業TENも1947年に製造を開始した。記録がないが日立も同じ頃製造に参入したと思われる。1950年代末にNTTの電気通信研究所が後継管19R-P11を開発し,その後,徐々に置き換えられるまで使用された。最近ではオーデイオアンプに利用され,佐藤定宏氏の使用例(AB1pp, 1978, 1987)がある。

[0iJ] [0iJ]

NEC, CZ-504D, (1948.8)。

ステムに青で8/18-106というロット番号。プレートはニッケルに炭粉をまぶしたもの。マイカは透明。貼り紙がしてある。貼り紙の下には,Nippon Electric, made in Japan, CZ-504Dと白字でプリントしてある。その右には郵便マーク。ガラス頭部にNKとプリント。ベース底には237。貼り紙には,Standard T.T.S 8/18-106, Ga28.9, AK=0.1, K2=34.0, K3=46.0, N=-117.9。AKはカソードの活性度で,ヒータを10%減じて増幅度が1.5dB以上落ちる真空管は交換するというように,NTTにおける保守の指標になっていた。gm=60C。

[0iL] [0iL]

NEC, CZ-504D, (1955.4)。

ステムに青で13D127というロット番号。プレートは艶消しニッケル。マイカはマグネシア処理。ガラス管壁にNippon Electricと菱形NECロゴ, CZ-504Dと白字でプリントしてある。その右には電電公社(NTT)のロゴ。ベースとガラスの接合部には緑色ペイントの防湿処理。gm=?

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CZ-504V/MB-655D

CZ-504D(5.5V)の6.3V版で,日本電気が1950年に開発。

[0iL] [0iL]

Hitachi CZ-504V (JCV1) 10.3.22.1,

ガラス管壁に名称CZ-504V,裏側に日立のロゴ。着炭プレート。gm=84B, 29C

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MC-658A/CZ-511

MC-658A sumitomo (S19.4 ) 写真なし


References/参考文献

このページにある表は下記の参考文献に基づいて作りました。

1) ニューラジオ編集部編, 最新 受信送信用真空管ポケットブック, 大盛社 (1952.8)

2) 社団法人日本電波協会編纂(梶井剛), 11.各種真空管特性一覧表, p.1131-p.1177, 無線工学ポケットブック(1941.7, 1947.3)

3) 樋口千代造, 他, 実用ラジオサービスブック, XXV.最新受信用真空管の規格一覧表, p.346-425, 理工学社, 年代不詳.(1948-1949)

4) 田尾司六, 解説真空管, 日本放送出版協会, 1949.

5) 梅田徳太郎, 受信管製造の記録, 1976, (電子管の歴史, 資料編, 1987)

6)大塚久,クラシック・ヴァルヴ,誠文堂新光社, 1994

7)大塚久,オーデイオ用真空管の系譜(2, MJ94.6)

(c)1998-2001-2002, 2006, 2011, 2013 Koji HAYASHI All rights are reserved.
1st edition (1998.6.18)+(1998.11.17)+(2000.9.10)+(2000.9.30)+(2000.10.7)+.(2001.7.27), (2002.11.24)