ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

3. ST Radio tubes/STラジオ管

1) Nami-Yon and Kouichi - Japanese TRF Radios/並四と高一ラジオ

AC 2.5V Radio Tubes/AC 2.5Vのラジオ球

3_27. UY27 Family

3_26. UX26 Family

3_12A. UX12A Family

3_12B. KX12B Family

Page 3 - 26 Family

2nd Edition (2006.10.14)+(2007.10.24)+(2008.9.27)-(2010.12.25)

HomePageVT/Radio_tube_3_26.html


UX-26B /UX-26 -Medium mu Triode for AF-Amp /UX26Bについて

Test on UX26B by TV7/U / TV7によるUX-26Bのチェック

American Sample
Japanese amples

26

Ken-Rad

UX-26B (ST-14)

News

UX-26B

not yet

Matsuda,(1)(2)(3)(4)(5)

Elevam

Don

Besto

Others Fuji, Corona, Kawanishi, Large

UX-26B after WWII

Besto, Lucky


UX-26B /UX-26 -Medium mu Triode for AF-Amp

UX-26, UX-26Bは検波および増幅用の中増幅率の直熱型3極管。初の交流電源ラジオ用直熱型3極管UX-226(ナス管)の外形をST管に直したもの。直熱型真空管は,フィラメントを交流点火すると増幅すべき信号にも電源周波数のハムが重畳してしまうので特に信号振幅の小さい低周波増幅段では実用にならないが,UX-226はフィラメント電圧を1.5Vと小さく選定しその影響を軽減して実用化した。なお,検波段での使用は,交流点火式だとハムが大きく実用にならないので,蓄電池式に限られる。UX-26, UX-26Bが発売された時期にはすでに同用途の傍熱型3極管UY-56も販売されていたが,直熱型の方が廉価であったため,我が国戦前のラジオ受信機では,低周波増幅段に活路を見い出し,主に並四ラジオにおいて検波後の低周波増幅段に使われ,また特に廉価なラジオではスピーカを駆動する電力増幅段にも使われた。

26; 米国ではナス管226は2桁表示の26となってから1931年頃にST管の26が作られました。ST管26は電気的特性がナス管226と全く同じで,外形は太いST-14でした。

UX-26Bは,東京電気(マツダ)が1933年に開発し1934年2月に発売したST管で,米国UX-226(ナス管)を改良した日本独自の真空管です。UX-26Bの電気的特性の改良点は,gm一定のまま増幅率muを50%高くしたこと,プレート電流をやや小さくしたこと。muだけを見ると後継品種のUY-56/UY-76に近い。外形は米国26よりひとまわり小さく,内部の電極ではプレートの横幅がやや狭くなった。UX-226のプレートを特徴付けるプレート中央の2重円周状リブは,UX-26Bでは素っ気無い横棒3本のリブになった。フィラメントはUX-226と同じ逆V型であるが,グリッドやフィラメントの電極支持はガラス・ビーズからマイカ板になり,フィラメント頂点をマイカ板に固定した竿で吊っている。1934年に発売後,エレバムも参加。1935年7月エレバムは0.45円,マツダ0.49円。最も廉価な真空管の1つとなり,各社が製造した。戦争を挟んで,戦後も各社によって保守用に製造された。1966年にも保守品種として無線工業規格CESに登録されていました。

UX-26;我が国では東京電気が何故か米国26を国産化せずにマイナーチェンジ版UX-26Bを作りましたが,K.O.トロンやドン真空管は米国流のST管をUX-26として1934-35年頃に製造しました。1935年7月にK.O.真空管は0.39円,ドン真空管は0.43円。旧製品のラジオのうち特に出力管として使用していたUX-226の保守には,増幅率の大きなUX-26Bだと出力がさらに小さくなるため,完全互換のUX-26の方が適しているのですが,UX-26Bの普及度が高く,また旧製品のラジオ自身も性能が悪いので次第に見捨てられて保守の需要がなくなり,1932年頃にはUX-26UX-26Bに合流して廃止されてしまいました。

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[5f1]

1934年の東京電気マツダUX-26Bの推賞回路,並四受信機の低周波増幅段。入出力はトランス結合。フィラメントの電源トランス巻き線には中点は無く,代わりに抵抗R5(中性点付き抵抗20ohm)で中点を取っている。グリッドバイアス抵抗R2は2000ohmとある。C6はカソードバイパスコンデンサ1uF。

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Specification of UX-226 and UX-26B

Base

Outline

Ef V

If A

Eb V

Eg V

Ib mA

mu

rp kohm

gm

mA/V

pF

26 RCA RC-16 1950

1:f, 2:p, 3:g, 4:f

ST-14, D=1-13/16, L=4-11/16 inch

1.5

1.05

180

135

90

-14.5

-10

-7

6.2

5.5

2.9

8.3

7.3

7.6

8.9

1.15

1.1

0.935

26 GE ETRM-15P 1973

4D

14-1

1.5

1.05

180

-14.5

6.2

8.3

7.3

1.15

Cin=2.8, Co=2.5, Cgp=8.1

UX-26B Matsuda RG-10016 in 1935.4.30

1:g, 2:p, 3:f, 4:f (*1)

ST-38, D=38 mm, L=105 mm

1.5

1.05

180

135

-10

-7

4.2

3.5

12.5

11

11.3

1.15

1.1

UX-26B (Matsuda'37.3)

ST-38/ D=38 mm, L=105 mm

1.5

1.05

180

135

-10

-7

4.2

3.5

12.5

11

11.3

1.15

1.1

UX-26B (Matsuda'51)

JES-4B

1:f, 2:p, 3:g, 4:f (*2)

ST-38/ D=38+/-1 mm, L=103+/-5 mm

1.5

1.05

180

135

-10

-7

4.2

3.8

12.8

(10.3)

(10.6)

1.24

1.2

26B CES Matsushita '66

4D

ST

1.5

1.05

180

-10

4.2

12.8

-

1.24

ref 56 GE ETRM-15P 1973

5A

12-5

2.5

1.0

250

-13.5

5

13.8

9.5

1.45

ref 76 GE ETRM-15P 1973

5A

12-5

6.3

0.3

sa

sa

sa

sa

sa

sa

(Although Outline of American 26 is ST-14, UX-26B is ST-12, same as American 56/76)

(米国26の外形は米国12Aと同じST-14だが,UX-26Bは米国56/76と同じST-12)

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高ミューを活かすにはバイアスを浅く,負荷抵抗は大きくする必要がある。今日,国産ラジオの保守に米国26を挿しても動作するが,感度がやや落ちるかもしれない。逆に米国の真空管試験器で国産UX-26Bをテストするときには,26の規格で行うと電流が小さいためエミ減と診断される可能性がある**。

米国26の改良の動機は恐らく国内標準の並四ラジオのゲイン構成にあったと見てよい。ナス管時代初期(1929年昭和4年)の並四は,UY-227-UX-226-UX-226-KX112Aであったが,翌年には整流管KX112B(1930.2)やUY-224(1930.3)が登場し,やや大電流型の出力管UX-112Aもようやく交流ラジオに登場する準備が整ったのである。こうして,1930年(昭和5年)以降,高1ラジオ(UY-224-UY-227-UX-226-UX-112A,KX-112A/B)が確立され普及しだした。一方,従来の並四でも,出力管と整流管をUX-112A,KX-112Bに置き換えたいところだが,UX-112Aは従来のUX-226よりも大きなドライブ電圧を要するため,高周波増幅の無い並四ではゲイン不足になる。これを解決するために開発されたのが,このUX-26Bだったのだ。muを50%upしたことにより,並四構成でUX-12Aのドライブが可能となり,UY-27A-UX-26B-UX-12A-KX-12Bのラインが戦後までロング・ランとなったのである。したがって,この構成の並4は1934年(昭和9年)以降に確立されたのであった。

また,外形は,1930年代前半の国内他社のサンプルではST-14であるが,1930年代後半のマツダ製ならびにそれ以降の国内全製品はST-12に統一されたようである。

[ラジオの修理に] UX-26Bは戦後も生産された(1966年にも保守品種として登録されていた)ので,稀に今日の真空管ショップに在庫のあることもありますが高価です。Yahooオークションでは中古球が出ることがあります。米国26は外形がST-14でやや大きく外形上の互換性がない点を除けば,多少のパラメータの違いはあるけれども使用できます。今日では代替管として外形を気にしなければ,ヒータ電圧1.5Vクラスの電池用サブミニアチュア3極管を使う手があります。また,電池用ミニアチュア管1T4などの3極管接続も試すこともできます。これらの電池管はプレート耐圧が低いのですが,プレート供給電圧を90V程度に下げる,カソード抵抗を大きくして電流を絞ることにより,なんとか使えるのではないかと思います。(保証の限りではありません,各自お試しあれ)

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TV7/UによるUX-26Bのチェック

Test data(1)

TV7/Uには国産球のテストデータは掲載されていないので,UX-26Bのテストでは,米国26のデータを使ってきました(表のテストデータ1)。しかし,散々な結果です。低めに出ます。テストデータ1では10本のうち2本しか合格せず,実情にマッチしません。2本は明らかに生が良いとして,残る8本のうち,まだまだ使えるものが残っているはず。

よくよく球を見ると,フィラメントが点灯していない!!見えないだけですが。そこでフィラメント電圧を測定してみると1.3-1.2V程度まで低下しています。これでは中古球は過酷なテスト条件を課していることになります。

Test data(2)

フィラメント電圧が正規の1.5Vになるように商用電源の調整ツマミ(LINE)を調整したのが表2です。合格が1本増えました。しかし,UX-26Bの規格は米国26に比べて増幅率が大きいので,同じグリッドバイアス条件ではバイアスが深すぎてプレート電流が流れにくくなり,gmの測定結果も低めになってしまいます。

Test data(3)

そこでUX-26Bに近い特性を持つUY-56のグリッドバイアス条件を使うことにします。gmはUY-56に比べて20%低いので,判定条件も-20%としたのがテストデータ3です。テストデータ3では10本のうち6本が合格しました。ラジオに使っても実用になると思われます。不合格のもの4本のうち2本はほぼエミ減,残る2本はかなりなエミ減と判定できました。

ここまで来て振り返ると,テストデータ1では判定条件を29から10程度に置き換えれば,LINEを調整すずともUX-26Bの判定にそのまま使えそうだと分かります。

Sample of

UX-26

Test data (1) Based on American 26 (Part-1)

gm1

=x/40 (mA/V)

Test data (2) Based on American 26 (Part-2)

gm2

=x/40 (mA/V)

Test data (3) Based on American 56

gm3

=x/40 (mA/V)

gm'= gm3x (60/LineX)^2 (mA/V)

Eh=1.5V,

 

Line=60,

Pin=ER3-2000,

Bias=43,

Range=B,

Shunt=0,

Meter>29

Eh=2.0V (Adjust Line as Eh=1.5V using Voltage meter),

Pin=ER3-2000,

Bias=43,

Range=B,

Shunt=0,

Meter>29

Eh=2.0V (Adjust Line as Eh=1.5V using Voltage meter),

Pin=ER3-2000,

Bias=29,

Range=B,

Shunt=0,

Meter>29> (-20%)

BESTO UX-26B (a)

24 <29

0.6

29 =29 (LineX=51)

0.725

37 > 29

0.925

1.28

BESTO UX-26B (b)

6 <29

0.15

18 <29 (LineX=49)

0.45

28 <29

0.7

1.04

DON 26B (a)

14-17 <29

-0.425

33 >29 (LineX=49)

0.825

38 >29

0.95

1.42

DON 26B (b)

8 <29

0.2

22 <29 (LineX=52)

0.55

23 <29

0.575

0.766

FUJI UX-26B

8 <29

0.2

15 <29 (LineX=49)

0.375

24 <29

0.6

0.900

Douber UX-26B

34-28 >29

0.85

46 >29 (LineX=49)

1.15

54 >29

1.35

2.000

Lucky UX-26B

43 >29 (Line adjustment)

1.075

39 >29 (LineX=52)

0.975

60 >29

1.5

2.000

Matsuda UX-26B (a)

4 <29

0.1

17 <29 (LineX=50)

0.425

27 <29

0.675

0.972

Matsuda UX-26B (b)

16 <29

0.4

22 <29 (LineX=49)

0.55

36 >29

0.9

1.35

Matsuda UX-26B (c)

20 <29 (Line adjustment)

0.5

20 <29 (LineX=48)

0.5

37 >29

0.925

1.445

x=Mutual Conductance

 


American Sample of 26

[5e5]

Example of American 26, Ken-Rad in 1943?

[5e5]

Top view of KR 26

26 Ken-Rad (Altec box, Base print KEN-RAD made in U.S.A.,底License only to extent, indicated on carton, L3R/M-R, バヨネットピンなし, 3リブP, 十字マイカ「5」, 皿G) 010523

米国26はオーディオの出力管45と同じサイズで,我が国のUX-26Bばかり見ている目からすると太っちょに感じられる。フィラメントがM型なら

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Japanese Samples of ST-14's UX-26B

米国で誕生した226は1932年頃に電極の支持法などの改良が為され,外囲器(ガラス管)をST管(ST-14)に変更した26が作られた。米国26はナス型の旧製品と互換性を保つよう電気的特性だけでなくソケットに挿すベース部は同じサイズとし,ベース側面にバヨネット・ピンを付けていた。

一方,国内でも米国同様にナス型のUX-226のST版が1934年頃に作られた。しかし,大メーカの東京電気はこの時,ソケットは同じUX型であるが,外囲器はより安価な小型のST-12に変更し,同時に増幅率muを少し上げて感度を向上した改良版を作った。それが,日本独自のUX-26Bである。バヨネットピンが無い新型を流通させて旧製品の保守に困らないかと言えば,UX型の真空管のバヨネットピンは,もともとUV-201AなどのUVソケットにもUX型真空管が挿せるようにするのが目的であったものの,当時の我が国で使用されていたラジオのUX-226用のソケットはほとんどUX型専用であって,バヨネットピンが無くても困らなかったのであろう。

しかし,我が国でも米国同様にST-14の外形を持つUX-26Bが作られた。以下がその例である。

[YaT]

Minor Brand NEWS UY-26-B in 1933?, Front and Back.

1933年頃の無名なメーカ(ニュース真空管)のUY-26-Bの正面と背面。

UX-26B (刻UX-26-B, Base GPFF, 紙NEWS真空筒, バヨネット, ST14, 4リブ, 上部支持なし, (f-dan) A(31). 226 Type HM Tree Tube Reflex Radio 1930-1932 97.3.24

日本で生まれたUX-26Bはマツダの規格では外囲器(ガラス管)はST-12だが,この球は何と米国26と同じST14型を用いている。製造時期はUX-26Bの開発時期を考えて1933年頃と思われる。ガラス面には十字型の紙シールがあり,「Trade mark News,ニュース真空管」とある。また製造年月を示すラベルもあるが,ルース・ベースを補修するために巻かれた黒い布テープの下敷きになり,それを剥がすと文字も失われてしまった。電極内部の様子はガラス正面はゲッタ鏡面に覆われていて見えないが,背面からは見える。プレートはPhilco製と同じく水平に2つのリブが付いた平型。先のUX226と同様に電極支持にマイカ板を使用してない。また,ベースにはUX-26-Bとだけ刻印されている。ベース底には各ピンにP,G,F,Fと電極の意味が表示してある。ベースにはなおバヨネット・ピンが残っており,ST時代になってもなおUVソケットを使用したラジオの保守にも使えるといった珍しい球である。

この球は先のUX-226と同様に交流式レフレックス・ラジオ(3球+鉱石)の内部に残されていた球だが,残念なことにフィラメントは断線している。(だからこそラジオと一緒に放置され,私は入手できた!)。この時代は球の挿し違いが多く発生し,外見もうりふたつのUX-226(1.5V)をUX-201A(5V)の位置に挿すと間違いなくピカッと光って断線した。

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Japanese Sample before WWII

(1) Matsuda

UX-26B Tokyo Electric samples(1) 1934-1935


Die stamped with Double Matsuda logo, 1934-1935

1934

★UX-26B Tm (刻○マツダ/UX-26B○(pin3-4), Releaf=1234, 天マツダ, 紙「ソケットに注意挿違へると断線します」,黒2凸A, 桶G, gm=4) shida 0408,

[6f9][2eL]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1934, 左;志田氏寄贈[6f9], 右:写真提供(岡山県 安田富亘氏)[2eL]

東京電気マツダは1934年2月にST管UX-26Bを販売。(1935年のカタログに掲載された写真から)1934年の開発当初はどうも電極構造は自立型の電極上部の支持にガラスビーズを用いた226そのものだったと思われる。しかし,同じ年のうちに改良が加えられ,電極上部に三角マイカ板を置いて,長辺の2点で頭の狭いST管ドーム内面に接触させ固定する方式に改めたようである。

[6f9][6f9]

Electrode of Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1934,/電極上部と下部, 1934

平型プレートとグリッドの2本の支柱はマイカ板で固定された。フィラメントはマイカ板から吊り金具が出て,ここに逆V型のフィラメントが固定された。ゲッタは柄杓型が使われ,ステム下方にフラッシュされている。


Die stamped with base Releaf, 1935

[GOMI-1] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), Releaf=1234, ガラス10-3, 天マツダ, 紙「ソケットに注意挿違へると断線します」,凸B青4, 桶G) shida 0408,

[6f9]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, Releaf 1935, 左;志田氏寄贈,

東京電気マツダは1935年頃にはベースの刻印に丸マツダが消えたが,ベース底のレリーフは残っている。本品はガラスに10-3と印字があり,1935年3月と分かる。作りは同じ。桶型ゲッタであった。


Die stamped Matsuda only, 1936-37

UX-26B Tokyo Electric samples(2) 1936-1937

[6f9]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1936-1937, 志田氏寄贈, 4257

1936年頃,ゲッタが変わり,昔使われたプレート側面に張り付けたマグネシウムリボンを用いて排気時にフラッシュさせる形式に逆戻りした。2年程使われたようである。UX-26Bはガラス管の半面以上が銀色になり内部は良く見えない状態である。何故,時代が逆戻りしたかは定かで無いが,他の球,例えばUX-12Aは柄杓型ゲッタが使われその後リボンに戻ることなく新型の皿ゲッタに移行しているところを見るとUX-26B固有の事情によるものと推測される。半面を銀色にしなければならないとしたら,考えられる理由は柄杓型ゲッタでは真空度不足だったということ。UX-26BUX-12Aと同じく酸化物陰極の直熱管であるが,フィラメント電力はUX-12Aの5V,0.25A=1.25Wよりも大きな1.5Vx1.05A=1.575W,エミッション(ゼロバイアス電流)はUX-12Aの約1/3と小さい。これはフィラメントをM型(2往復)から逆V(1往復)フィラメントにしてカソード有効面積を小さくしてある。フィラメントの電力密度が2倍以上大きかったとすれば,時間の使用では酸化物陰極のエミッションの低下はUX-12Aよりも早かったであろう。このため,さらに高真空対策を要求されたのかもしれない。

1936

[GOMI-4] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin4), 矢印, 天マツダ, (放)/右pin3,凸Cメ青3, P側面貼付G,半面銀) shida 0408,

[GOMI-2] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), 矢印, 天マツダ, (放)/右2-3pin ,凸Cミ青4, P側面貼付G,半面銀) shida 0408,

[GOMI-3] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), 矢印, 天マツダ, (放)/裏1-2pin ,凸Cス, P側面貼付G,半面銀) shida 0408,

1937

[GOMI-5] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4)/正, 矢印, 天マツダ, (放)3-4pin/正右 ,凸2裏ル, P側面貼付G,半面銀) shida 0408,

[GOMI-6] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), 矢印, 天マツダ, (放)消え,凸2裏ヨ, P側面貼付G,半面銀) shida 0408,


UX-26B Tokyo Electric samples(3) 1938-1940

[6f9]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1938-1940

1938年頃,ゲッタが皿型に変わった。以後,1941年頃の廃止までこの形が生産された。

△UX-26B Tm(刻マツダ/UX-26B/3-4pin, Base矢印(T)朱印裏(放)/1-2pin,天マツダ, ステム「黒8」,紙「ソケットに注意挿違へると断線します」,皿G, 16<<29(米国26)),

UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), 青ガラス, Base矢印, (マツダ)(放)裏(pin1-2)うっすら, ステム(ツ), 皿G, 管内やや黒化, (20<29)桜屋box,

[YcO]

Tokyo Electric (Toshiba) UX-26B, before WWII, 1938?/戦前の東京電気マツダのUX-26B。刻印。1938年頃?

この時代の球は良くフィラメントが切れたようだ。1938年頃から皿ゲッタが使われ再び内部が見えるようになった。

ガラス裏面に放マーク。頭部にマツダのロゴ。皿ゲッタ。マイカは三角型。上部のみ。フィラメントは逆V型。ガラス面にシール「ソケットに注意,挿違へると断線します」。ベースの底に丸にTの朱印(1937年以降の物品特別税20%)。そのマークらしい。ガラス管はゲッタのために?下部が全体的に黒化している。ステムに「8」。gm=16<<29(米国26)。マツダのUX-26Bは米国26の規格でテストすると,ややエミ減傾向となるが,ミューが異なり,本当はバイアスを少し浅めにする必要があるから,生きているはず。

UX-26B Tokyo Electric samples(5) 1940-1941?

[6f9]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1941?

[7a7]

Tokyo Electric MATSUDA UX-26B, 1941? (写真提供 京都府 辻野泰忠さん)

また,東京電気マツダは最後の一時期,フィラメントの吊り金具を省略しマイカ板に穴を2つあけてここに吊るした。これは米国で整流管のKX-80や出力管2A3などに使用例が見られ,これを導入したのだろう。一見廉価になるが,マイカ板の質やフィラメントの張力の調整ができず垂れ下がって接触事故を起こしたり,加熱によりマイカが熱分解を起こして変質しフィラメントを切りやすくするなど,後々面倒な問題を生じる。1941年には廃止されているが,戦後,保守用に東芝の子会社TVCなどが製造している。UX-26Bは早くから完成していた球で,戦後製造されたのはフィラメント吊り具を用いた形式のものである。ゲッタだけが角形に変わっている。戦後の球は真空度,エミッション,構造,寿命ともに品質が良く安定していたようである。

[GOMI-7] UX-26B Tm (刻マツダ/UX-26B(pin3-4), 矢印Ni, (マツダ) (放)3-4pin凸2シ, マイカ板直接サポートフィラメント, 皿G) shida 0408,

[AeN]

Box of Tokyo-Shibaura (Toshiba) Matsuda UX-26B in 1940-41/

戦前(昭和15-16年頃)の東京芝浦電気株式会社製UX-26Bの箱。

箱だけ入手したもので,中身はありません。東京電気と芝浦製作所が合併した頃,1940年頃)の箱。東芝のデザインはもともとRCAのものから出発してここまで来た。

まず1面はUX-26Bの用途を万能真空管として規格を記している。2面は放マーク(日本放送協会認定 第31043),特許番号:この種真空管に使用する主なる特許及び登録実用新案:75769,81730,87484,90720,116869。登録実用新案:212212。登録意匠47107,とある。3面は(御使用の際の御注意)真空管は必ずサックから取り出して御使用下さい。サック入りで使用すると危険且つ短寿命となります。4面は,(御買求めの際の御注意)新品はサックに厳封してあります。サックを開封してあるものは保証致しません。箱の頭部。マツダは電球の箱のように蓋をホチキスで止めた格好になっている。今見えるトップグリッドは別の球。

(2) Elevam

△26B Elevam (刻 19.5<25) B67 27typ HM nikoniko Midget 1935?

[AeN]

Box of Miyata Works, ELEVAM UX-26B, before WWII/宮田製作所のエレバム真空管(戦前)のUX-26Bの箱。

箱だけ入手したもので,中身はありません。4面それぞれ違う。3面は1面と同じ。4面はMSEの位置が異なる。セロファンは保護用に金沢のマニアが後に付けてくれたもの。

(3) DON

ここに紹介するのはドン真空管の26B。DouberはDONのOEM製品で外観はゲッタ膜で見えないが内部にはDONのマークのプレートがある。

26B Doubar-DON なで肩(刻DOUBER/TUBE, Base1234, ガラス26B/(1?5 10), P凸DON, 3リブP, 十字マイカ,P側面G, 全面銀) (34-28) 040125,

△26B DON 怒り肩(刻DON TUBE, ガラス印字赤26B/トA(1937.1) , 紙黒DON, 天赤(放),P凸DON, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具, 桶G, 炙り痕(ステム片面-引出線銀膜汚染, ガラス内面茶, gm=14-17<25) kirin 990516

[GOMI-1] 26B DON 怒り肩(刻DON TUBE, Base1234, ガラス印字赤26B/チC(1938.3) , 紙なし, 天赤(放),P凸DON, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具,板G)

26B DON 怒り肩(ガラス印字赤26B/リA(1939.1) , Base矢印, 天赤(放),P凸DON, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具, 板皿G, 炙り痕(ステム引出線銀膜汚染), 8<25) 骨董990523/kirin 990516?

[GOMI-2] 26B DON 怒り肩(刻DON TUBE, Base1234鉄ピン, ガラス印字赤26B/リF(1939.6) , 紙なし, 天赤(放),P凸DON, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具,板G)

[6f9]

DON Douber 26B (5-10) in 1935 and Top view

[6f9]

DON 26Bs in 1937 and 1939/(トA, リF)

[6f9]

Top view of DON 26Bs in 1937 and 1939/ (トA, リF)

(4) BESTO

?UX-26B 八曜真空管 (ガラスロゴ+UX26B,左(1級), Base矢,真鍮pin, 裏四角枠[BEST 8-10], 3リブP, Tマイカグリッド横穴付き, 吊り具, 皿G,)(050516調査) B112 27typ Sharpdyne Perry Patriot P4 MIdget 1935?

(5) Others

?26B Fuji 刻(FUJI TUBE, Base123()4, ガラス26B, 13.8K, ステム青E25, 4リブP, 十字マイカ,桶G)(050524調査) B72 27typ KED 38 MIdget 1938?,

★UX-26B FUJI (刻FUJI/UX-26B, Base1234, ガラス13.4, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具, 桶G, 炙り痕全体に黒化, gm=6-8<25), 取出A(128) Homemade Normal Four Tube Eliminator Radio 1930s 001102,

[6f9]

Fuji UX-26B

?UX-26B Amer Tron 刻, 桶ゲッタ, B106 27typ National R14 tombstone 1935?,

△UX-26B H&W (刻印,桶ゲッタ) 16<25 A(128) Homemade Normal Four Tube Eliminator Radio 1930s 001111,

?26B K-100 (刻K-100, Base1234, ガラス26B, 4リブP, 十字マイカ, 小板曲G)ルース(050524調査), B72 27typ KED 38 MIdget 1938?,

CORONA

[2eL][2eL]

Corona? 26B, and Box of Corona Vacuum Works UX-26B, 写真提供(岡山県安田富亘氏)

[AeU]

Corona UX-26B, 自蔵

[AeU]

Top view of Corona UX26B

Kawanishi-TEN

[AeU]

Kawanishi (TEN) UX-26B

[AeU]

Top view of Kawanishi (TEN) UX-26B

[2eL]

Large 26B, 写真提供(岡山県安田富亘氏)

[2eL]

Box of Geneve UX-26B, 写真提供(岡山県安田富亘氏)


Sample after WWII


Besto after WWII

△UX-26B BESTO (Base矢印, ガラス印字白, BESTO/UX-26B, 裏1級, 3リブP, 吊り具, 長方楕円マイカ, ステム黒2, 皿G, gm=24<25) 骨董市020121,

★UX-26B BESTO(Base矢印, ガラス印字白, BESTO/UX-26B, 裏27-レ, 3リブP, 吊り具, 長方楕円マイカ, 角G, gm=6<25) 骨董市020121,

[6f9]

Besto UX-26Bs (in 1949 and1952) and Top view

Lucky

○UX-26B Lucky (Base矢印, 3リブP, 長方楕円マイカ(グリッド支柱穴横付き), 吊り具, 角ゲッタ,gm=43>29(米国26)),

[YcO]

[6f9]

Minor Brand Lucky UX-26B, after WWII/戦後のLuckyブランド(鳥居電業?)のUX-26B

ガラス管に白文字。角ゲッタ。長方形マイカ。ベースは綺麗な黒ではなく腐食した感じ。ルースベースで接触不良だったが,直したら生き返った。gm=43>29(米国26)。エミッションがありすぎる?

Others

△UX-26B SuwaJRC 18<25 B(15). 24B Type Hermes 24M 1937,

?UX-26B Dyneラジオ管産業 K.H. 角ゲッタ, B106 27typ National R14 tombstone 1935?,

?UX-26B Suntron (ガラス印字SUNTRON UX26B, 裏D, Base矢, 底赤KA印, 3リブP, Tマイカ,吊り具, 皿G)(050516調査) , B112 27typ Sharpdyne Perry Patriot P4 MIdget 1935?,

?UX-26B TVC (ガラス印字(TVC)UY26B, ナデ型ガラス, 3リブP, 吊り具, マイカグリッド横穴1付き, 角G)(050516調査) B108 27typ Perry 60 MIdget 1937?,

?UX-26B TVC (もう1本同じ,ステム青9)(050516調査) B108 27typ Perry 60 MIdget 1937?,

?UX-26B Futaba (ガラスUX26B, 裏(双葉), 3リブP, 吊り具, 半円マイカ, ステム緑1 12, 銅金馬蹄G(050515調査)) C75 National New KS2 1940,

?UX-26B National B107 24B Crown 480 tombstone 1937?

△26B Dyne 1級TN (18<25) B67 27typ HM nikoniko Midget 1935?

△26B DON (D-J) 1級18<25 B33 27typ HM siiku tombstone 1934?

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