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5B.Japanese Early-Times 6.3V |
3. Kobe Industry TEN Transformer-less GT and 6.3V GT/TENのトランスレスGT管と6.3V管 | |||
4. Minor Japanses Type GTs/少数派の日本型GT管 | |||
5. American Type GTs and 5V Rectifiers/米国型GT管と5V整流管 | |||
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川西機械(神戸工業)TENは1947年頃にGT管を開発した。
日本独自の仕様の6.3V管も通信用に開発した。それが6G-R7である。なお米国型を国産化した1949年には6G-K14も作っている。
*相当管だが,ヒータ電流はやや増加しているので特性は若干異なる
Function/ 構造 Purpose/ 用途 Name/ 管名 Similar American/ 米国相当管 Pentode/ 5極
RF Amp/ 高周波増幅
Semi-remote cut-off/ セミリモートカットオフ
6G-R7
6SD7+
Diode/ 双2極
Full-wave Rectifier/ 両波整流
6G-K14
6X5*
+1998.8.12版にRH-4相当と書きましたが,6SD7-GT相当の誤り。BMの会,宇多さんにご指摘いただきました。感謝します。
川西機械(神戸工業)TENが1948年頃に開発した高周波増幅用の5極管。この球は,一般のラジオ用ではなく通信用に開発された。ヒータ電流を約10%UPした日本独自の仕様で,(資料により6.3V, 0.3Aとなっているものもあるが),内容は米国6SD7-GT相当。JIS/CESの分類はRシャープカットオフ4極,5極だが,一木氏のマニュアルには6G-R7はセミリモートと書かれている。(6G-R7は東芝マツダも製造した。開発が東芝であったのか,川西機械/神戸工業TENであったのかは不明?, 2008.6.30追記)
6.3V,0.35A,GT,8N(S,H,G3,G1,K,G2,H,P)
250V,100V,(250Ω),6.0mA,1.9mA,1M,3.6mA/V
Kobe Industry TEN 6G-R7/神戸工業TENの6G-R7。管名表示の下に「通信用」とある。製造年代不明。この球の構造はST管時代の電極をそのままGT管とした感じ。異なる点はゲッタが電極頂上にあること,ピンチ・ステムの両側を包むように金属板を配置しシールドしていること。シングル・エンド型だがシールドは良い。左のサンプルはロット番号20056,ゲッタは板の中央を四角く切り抜き,1辺に窪みをつけてゲッタ材を充填したものを使用。gm=-65。ややエミ減。右のサンプルはロット番号1555,ゲッタは太い針金で四角を作り1辺にゲッタ材を載せた小さな金属片を取り付けたものを使用。gm=93。ともにp-sgショートを示す。
実はこれは(Audio_REC_JP)に既に掲載していた。改めてここで紹介する。
6G-K14はラジオ用。TEN 通信用。皿ゲッタ,バンタムステム。黒化プレート。
日本で生まれた球のGT版がある。1948年頃にラジオ用の国産GT管が生まれたが,主にトランスレス管で12V球なのだが,その6.3V管が作られた。東芝12G-C5(#3003)に対する6G-C5(東芝, #3018),そして12G-DH3に対するメーカー不明の6G-DH3である。それらは,公式記録に現れない。東芝が開発した6G-C5でさえ,米国互換の6SA7-GTの発売に至ったため,マニュアルに痕跡をとどめる程度で,記録がほとんど無い。しかし,少しは流通したらしい。6G-C5ではマツダ1951年のマニュアルでは,保守用品種に指定されていた。1951年7月のMJ誌の記事では,6G-C5は6SA7-GTに取って代わられ,だんだん使われなくなったとある。6G-DH3は発売されたかどうか,全くのところ不明。現物はある。
また,GT管が製造される頃になって,戦後現れた国民的ラジオ用出力管6Z-P1や整流管KX-12FKなどのGT管が現れた。GT管6G-P1はJIS名なので,記録上名称だけが残っているが,販売の痕跡は1950年-51年頃の雑誌に見られた。(丸子真空研究所ミュー, ラジオ技術誌1950.11と松下の広告MJ誌1951.4,三重県津田さん調べ)。現物は沖電気製もある。12FK-GTはマイナーな名称であるが幾つかの会社が製造。(松下の広告MJ誌1951.4,三重県津田さん調べ),現物は大塚久さんの著書にトーヨー製が見られる。
ここに,現物の6G-DH3を入手した。製造は東芝(マツダ)のようである。(2008.6.30-7.21)
名無しであったが,ヒータ点火し,6.3V管と認定した。すなわち,6G-DH3を確定。
TV7により測定。gm=22, em=4,。エミ減模様。気になるところは,ゲッタ対向面のガラス部が白くなっているところだが,反対側は銀膜があり,単純なガスリークとはちょっと違う。活性化を試みる。12V短時間点火し。2回目gm=44, em=48, 復活。3回目,gm=44, em=44, かな。安定している。生きている。
日本電気(NEC),日本無線(JRC),東芝(マツダ),神戸工業(TEN),丸子(?)は1949年末までに米国型のGT管の国産化を果たし,生産を始めた。国内はST管が主流の時代でラジオ・ブームに沸いている時期であったが,球メーカは世界的な主流はGT管であると考え,力を入れていた。国内需要はこれからであったが,また輸出を睨んだ生産でもあった。
6.3V/5V Tubes |
150mA Tubes |
Function/ 電極構造 |
Purpose/ 用途 |
6C5GT |
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Triode/ 3極 |
Detector Amp/ 検波・増幅 |
6F6GT |
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Pentode/ 5極 |
Power Amp/ 電力増幅 |
6H6GT |
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Twin Diode/ 双2極 |
Detector/ 検波 |
6V6GT |
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Beam/ ビーム |
Power Amp/ 電力増幅 |
6X5GT |
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Twin Diode/ 双2極 |
Rectifier/ 整流 |
6SA7GT |
12SA7GT |
Penta-grid/ 5格子 |
Frequency Converter/ 周波数変換 |
6SD7GT |
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Pentode -Vari-mu/ 5極バリミュー |
RF Amp Vari-mu/ 高周波可変増幅 |
6SJ7GT |
12SJ7GT |
Pentode/ 5極 |
RF Amp/ 高周波増幅 |
6SK7GT |
12SK7GT |
Pentode -Vari-mu/ 5極バリミュー |
RF Amp Vari-mu/ 高周波可変増幅 |
6SL7GT |
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Twin Triode/ 双3極 |
Detector Amp/検波・増幅 |
6SQ7GT |
12SQ7GT |
Dual Diode Triode/ 双2極3極 |
Detector Amp/検波・増幅 |
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35L6GT |
Beam/ ビーム |
Power Amp/ 電力増幅 |
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35Z5GT |
Diode/ 2極 |
Rectifier/ 整流 |
5Y3G |
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Twin Diode/ 双2極 |
Rectifier/ 整流 |
米国型のGT管を用いて5球スーパを作ろうとすると,整流管は5Y3Gか6X5GTを採用しなければならない。しかし,国内の主力のST管ラジオの整流管は,直熱型のKX-12Fから傍熱型のKX-80BK,KX-12K,KX-80HKに移る時期ではあっても,片波整流が主流であるのに違いはなかった。トランス巻き線から言っても,両波整流はまだまだ贅沢品だったのである。このため,米国型GT管による5球スーパにも片波整流が要求され,1950年には日本独自の5G-K3,5GB5*が開発されている。
*5GB5は旭真空工業というマイナーな会社の開発(1951年)であり,定格は(350V, 75mA)。管名が変則的なので,ミスプリントで5G-K5の誤りとすると,これは東芝マツダの30G-K5(200V,70mA)の5V管となるが,規格も異なるようだ。また,12KというGT管も知られているが,これはKX-12KのGT版であろう。
5G-K3は1950年に日本独自に新しく開発された片波整流管。CES/JIS登録名のうちK3は,5X-K3(KX-12Fの別名)があったが,1950年に旧来馴染みの無い名称は廃止され,欠番となったが,5G-K3の開発で,埋められたもの。
Toshiba-Matsuda 5G-K3/東芝マツダの5G-K3。ガラス管上の管名やロゴはほとんど消えている。製造は1950年代半ばと推定。プレート材料はやや黒化したニッケルで30G-K5と比べると遥かに造りは近代的。em=57で活きている。
Kanto Denshi Hanbai 5G-K3/ 関東電子販売の5G-K3(7C, 1967年3月)。ガラス管,ベースは近代的だが,電極は昔ながらの作りで,できはいまいち。角ゲッタ,プレートはニッケルにカーボン塗布。新品なのだが,エミッションは小さく,em=42。保守用に作られたのだろう。