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8J. Magic Eyes -Japanese |
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3. History of Japanese Magic Eye/日本のマジックアイの歴史 | |
3.1 Japan-made American Type/国産の米国型マジックアイ |
3.2 Japan-original JIS name Type/日本名のマジックアイ |
Table 3A American Type and Non-JIS Name Tubes/米国型と非JIS名管の一覧表 |
Table 3B JIS Name Tubes ('04.4.28)/JIS名管の一覧表 |
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No photo |
No photo |
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6G-E7/6DL7 new |
6M-DE1new |
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(6E5-D) |
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(6Z-E1) |
(6M-E2) |
(6M-E4) |
(6M-E5) |
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Appendix | ||||||
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No photo |
No photo |
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Futaba 6LT-06 |
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(12Z-E8) |
(12Z-E9) |
(6M-E10) |
(6G-E12) |
(6G-E12A) |
(6R-E13) |
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戦前は我が国のラジオ用受信管は,米国で新しい真空管が現れると必ずといって良い位に国産化し製造した。マジックアイも御多聞に漏れず,まず1935年,HW真空管がマジックアイ6E5を国産化したという話をどこかで見た記憶がある。さらに,1938年,東京電気マツダが6G5を国産化しEZ-6G5と称した。その写真は東京電気総合カタログ(1940年版)に出ているらしい。この頃はストレート管ではなくダルマ形(ST管)だった。米国ではスーパーヘテロダインが主流だったので,新製品には競って採用され,また旧製品にもパーツ・メーカが「AVCの付いた受信機にマジックアイが簡単に取り付けられる」という宣伝文句を盛んに流布したため,マジックアイの製造量は増加した。一方の日本は並四・高一時代。一般国民はスーパーヘテロダインなど見たこともなかったのだから,普及は戦後のスーパー流行まで待たねばならなかった。
戦後,我が国のマジックアイのリバイバルは,スーパー時代突入とともに始まった。1950年にまず,HW真空管が6E5と6G5を販売しはじめた。\350だった。この球は米国で戦前のうちにベースだけが6-pin(UZ)でガラス管はストレートというチューブラー形になり,戦後になって国産されたものはチューブラー型であった。
同年12月,電波科学誌にHW真空管の広告がある。(奥田電機株式会社, 品川区大井北浜町1147番地)「世界の水準を行くマジックアイ, UZ-6G5, UZ-6E5, 納入先, 日本ビクター、 日本コロムビア, 八欧無線(ゼネラル/富士通ゼネラル), 七欧無線(ナナオラ)」それに「三越, 白木屋, 広瀬無線, 山際電気」。メーカの用途は主に高級なオールウェーブ機だったようである。この売れ行きは良かったらしい。後にマジックアイで有名になった東洋無線はまだダイヤル・メカを作っていた。同じ号に通販のキット販売が掲載されているが,早くも6E5付きの2band 5球スーパが1セットだけ現れている。2bandというからにはオールウェーブで,短波といえばGT管使用が当時の流行だった。
翌1951年になっても事情はあまり変わらない。オールウェーブ機の製作記事にはGT管に混じってマジックアイが登場,「IFTの調整に便利」とある。しかし,やがて,他の管球メーカも1951年頃から続々と製造に乗り出した。大手の東芝マツダは戦前に製造したことのあるST型の6G5に代わってチューブラー型とした6U5/6G5をその頃までに製造していたが,1951年頃にようやく6E5を製造し始め,一方の6G5/6U5を1953年頃には保守品種とした。同じ年,ロダンは6E5を日本独自にミニアチュア管化し,6E5-MTと名付けた。その後,改良して後の6M-E2となった。ターゲット中央のカソード位置を偏芯させたバージョンも誕生させた。これは欧州EM70/EM71に見られる技術である。
1952年,電波科学7月号の通販紙面に,「HWマジックアイ, 三井電子製, 6E5, 6G5, 窓付き350円」と書かれている。同じHWマジックアイというからには,先の奥田電機は無くなって三井電子となったのだろうか?同じ通販紙面に,5球乃至高1付き6球スーパのバルブキットがあるが,マジックアイ6E5を付けたバルブキットはことごとくGT管と組み合わせたもので,メーカはマツダ,ロダン,NECであった。マジックアイ単独の項にはロダン6E5 440円とある。同じ号にサン真空管も6E5の広告を出している。1952年11月の小川卸商報にはドン6E5 320円, マツダ6E5 560円, 6G5 590円とある。ドンも参入している。この年の傾向としては,ゼネラルを初めとするラジオ・メーカがオールウェーブ機だけでなくBC帯専用のラジオにも差別化のためにマジックアイを搭載しはじめたことであろう。もちろん,マジックアイとの組み合わせはST管が当たり前になった。したがって,我が国のマジックアイは1952年に爆発的に流行したことになる。1952年12月,宮田電機(エレバム)は独自の6E5-SR(2つの表示部を持つ球)と6E5-SR-GTを発売(電波科学53年1月に掲載)。これは欧州EM4やEM34の技術であった。
1953年,電波科学6月号の広告には,三井電子有限会社(東京品川区大井寺下町1420番地), EZ-6E5, 各一流メーカ納入,とある。HWではなくローマ字でMItsuiとあるのだから,HW真空管とは違うことを示している。同じ号にニュースター真空管製作所(品川区南品川5-289)の広告があり,マークにはNHW NewSTARという具合にHW真空管との関連を臭わせている。HW真空管はどうなった?かは定かでない。後に有名になった東洋無線は6E5に赤いダイヤの飾りを付けた6E5-Dを売出し,またミニアチュア管6E5-Mを開発した。これが後の6M-E5となっている。ラジオ技術7月号にトーヨーの(赤玉)6E5-Dと6E5-Mの広告が掲載されている。ラジオ技術誌の通販欄にはマツダマツダ6E5 550円, 6U5/6G5 645円, ロダン6E5 420円とある。6E5の値段はあまり変わっていない。
さらに,マジックアイはラジオだけでなくテープレコーダのレベル表示にも利用された。この年にはテープレコーダがかなり流行しだようで,ラジオと音響7月号に特集が出ている。録音には磁気飽和監視の意味でレベル表示が必ず必要とされ,回路図を見る限りレベル表示は高級機がVUメーター,普及機ではNE-45, NE-51等のネオン管,まれに豆電球(白熱灯),そしてマジック・アイも使われはじめていた。コンサートン(戸根無線?)にその使用例がある(管種不明)という時期であった。
1954年,小川卸商報8月号によれば,6U5/6G5 マツダ392円,6E5はマツダ392円,NEC 318円, ドン260円, ススム(聞いたことない) 210円,またエレバム独自の6E5-SR(2つの表示部を持つ球)は330円,トーヨーの6E5-Dが280円, 6E5-Mが310円と掲載されている。ホリゾンは記述無し。1954年9月, MJ誌の広告に堀川電子管(ホリゾン)はUZ-42LとともにEZ-6E5Sを新製品として掲載した。ガラス管を単に短くしたもの。「無駄な大きさを除して狭少部分にも非常に使い良くしたもの,電気的特性は全然変わらす,ただ全長が著しく縮小されました」とある。
1955年,小川卸商報10月号にようやくホリゾン6E5-S 230円が掲載された。後続の会社はよほど特徴のある品種でない限り,流通商にも取り扱ってもらえなかったようだ。当時まじめに考えた特徴,短いというメリットは市場にはほとんど受け入れられなかったようだ。サブミニアチュア管で有名なアポロ真空管も1955年9月のMJ誌に6E5の広告を載せている。同誌にある三井のマジックアイは相変わらずEZ-6E5と称している。
球メーカとして駆け出しだった松下は1952年頃Philipsと提携し欧州球を製造し始めたが,1955年頃のマニュアルによると,6E5, 6U5/6G5, 6AF6G, などの米国球,日本独自の6E5M, それに欧州のEM34を製造していた。1953年7月のラジオ技術,マツダ6G5/6U5, 645円, 6E5, 550円, ロダン420円。(マジックアイ・キット1組75円)。
1955年,東芝マツダは6Z-E1を開発。これはEM1の後期版とおなじで欧州の技術。6E5-P/6M-E4は欧州EM80の技術を発展させたもの。6E5に代わり比較的長く1959年頃まで使用された。以下,国内で開発された後希望した品種はCESに登録されJIS名をもらった。初期の数種は必ずしも開発順ではない。6M-E2はロダンが前に開発した6E5-MTのピン違いである。1960年頃には姿を消した。6Z-E3は名称だけが残っているが実体が明らかでないが6E5の高感度版。6M-E4は東洋・松下の6E5-Pである。1960年初頭には姿を消した。6M-E5は東洋の6E5-Mであった。6M-E5は1959年頃には姿を消してむしろ6E5-Mが1960年代初頭まで生き残った。JIS登録しないものもまだあった。ホリゾンのMS-1, MS-2が最後の製品かもしれない。
1955-6年頃からラジオはトランスレス時代を迎えた。12Z-E6は6E5の12V版であるが+Bが同じなので「倍電圧トランスレス用」でしか使えない,このような用途はなく使われなかった。6G-E7は米国EAi登録され6DL7という名称を持ったが有名ではない。ほとんど流通しなかった。12Z-E8, 12Z-E9は大型キャビネットに, 6M-E10は小形キャビネットに標準的に用いられ1962年頃まで使用された。さらに6Z-E11というトランスレス版もあり,6M-E10の大口径版と見られるがヒータ電圧以外にE8と違いがないので使用されずに終わった。
一方,1956年頃にTV同調用6R-DM1, 6G-DE2が出現したが使用されずに終わる。
松下はひとり欧州のマジックアイを国産化,EM34, DM71/1N3, DM70/1M3, DM90/1H3も作る。1N3はテンも出荷。これらは比較的早く消えた。1957-8年にかけて欧州の6DA5/EM81が国産化された。東洋も6DA5を作る。これは1962年頃までHi-Fiセットに生き残った。
1959年頃からステレオ時代のマジックアイができた。6G-E12, 12Aがそれ。1963年頃まで使用された。またオーディオ表示として6R-E13, 1D-E14, 6R-EE1が登場。1D-E14はテープレコーダに用いられた。1964年頃まで生き残った。6R-E13はその後姿を変えてEM84として出荷されたらしい。6R-E13は1960年代末まで製造された模様。1960年代初老から,簡易型のメーター,ラジケータが発達した。VUメータは高価であったが,次第に廉価なラジケータが使用されはじめ,マジックアイにとって代わった。通信機には昔から高感度のメータ,Sメータが使われ,アマチュア無線では再現性(読みとり精度)の欠点のためかマジックアイが使われることはほとんど無かった。変調度モニターくらいであろうか。ラジケータの普及に拍車が加わったとすれば,ラジオのトランジスタ化であろう。1964年くらいになると真空管ラジオそのものがなくなり,1960年代末までHi-Fiセットだけが生き残った。
下記の表は米国型ならびに欧州型でなくJIS名でもない国産品種をまとめている。
Name |
|
Development in Japan |
Ef/If |
Out-line |
Base |
Eb |
Rp |
Eg |
Eta |
Angle |
6E5 (ST) (T) |
Sharp cutoff |
1935 HW 1950 HW Matsuda 1952 |
6.3/ 0.3 |
ST38(12) T29 |
6R (H,P,G,TA,K,H) |
250 0.2 mA 125 0.1 mA |
1M |
0 -7 0 -4 |
250 2 mA 125 0.8 mA |
90 0 90 0 |
EZ-6E5-D |
Red-Eye Diamond |
1948? Toyo |
6.3/ 0.3 |
T29 |
sa |
|
|
|
|
|
EZ-6E5-S |
Short size |
Horizon 1954, SUN, Suwa-JRC |
6.3/ 0.3 |
T29 |
sa |
|
|
|
|
|
EZ-6E5-SR 6E5-SR-GT |
Dissimilar Double Eye |
Elevam 1953 |
6.3/ 0.3 |
T29 |
UZ=(H,P,G,Ta,K, H) Octal= (s, H, P, G, Ta, P, H, K) |
|
|
|
|
90 0 90 0 |
6E5-M |
see 6M-E5 |
Toyo 1953, Matsushita 1955 |
6.3/ 0.15 |
T18 |
(G,P,H,H,Ta,NC,K) |
(200) 180 - |
1M |
0 -6 |
(200) 180 3.0 mA |
90 0 |
6E5-MT |
see 6M-E2 |
Rodin 1951 |
6.3/ 0.3 |
T18 |
(P,G,H,H,Ta,NC,K) |
200 5.0 mA (Ec=-4V) |
1M |
0 -7 |
200 3.0 mA |
90 0 |
EZ-6G5 EZ-6U5/6G5 |
Remote cutoff (Vari-mu) |
1936 Matsuda-TEC 1950 HW, 1951 Matsuda, 1955 Matsushita |
6.3/ 0.3 |
ST38(12) T29 |
6R (H,P,G,TA,K,H) |
250 0.24 mA 200 0.19 mA |
1M |
0 -22 0 -18.5 |
250 4 mA 200 3 mA |
90 0 90 0 |
6AF6-G 6AF6-GT |
Double Indicator |
?TEN 1955 Toshiba |
6.3/ 0.15 |
T29 |
(NC,H,Rc2,Rc1,Ta,H,K) |
- |
Rp1= 1M Rp2= 0.5M |
Rc1=160V Rc2=80V |
250 2.2 mA 0.65 mA |
95 0 95 0 |
MS-1 |
Magic Screen Separate type; Triode & Indicator |
Horizon 1955 |
6.3/ 0.15 6.3/ 0.25 |
T18 T21-160 mm |
(G,P,H,H,NC,P,K) (F,Ta,RC1,G,F,NC,RC2) |
250/ 180 |
1M |
Rc1=Tp Rc2=Eb -4/0 -7/-4 |
|
W=3.5 mm 0 |
MS-2 |
Magic Screen (Combi) |
Horizon 1955 |
6.3/ 0.35 |
T21-100 mm |
(H,Ta,K,NC,H,P,G) |
230 |
1M |
0 -6 |
230 3.5 mA |
W=3.5 mm 0 |
6DL7 6DL7/6GE7 (Japanese) |
see 6G-E7 |
Toyo Matsushita -1958 TEN |
6.3/ 0.3 |
T29 |
octal (NC,H,2P, G, Ta,1P, H, K) |
250 |
1M |
0 -5.5 0 -22 |
250 3 mA |
90 0 90 0 |
JIS名のマジックアイである。JIS名への登録は1955年頃に行われたため,それ以前に開発されたものに改めて型番が付与されていることに注意。
Name |
|
Development in Japan |
Ef/If |
Out-line |
Base |
Eb |
Rp |
Eg |
Eta |
Angle |
6Z-E1/6E5-W |
Double side of 6E5 |
Toshiba-Matsuda 1955 |
6.3/0.3 |
T29 |
6R (H,P,G,TA,K,H) |
250 |
1M |
0 -7.5 |
250 |
90 0 |
6M-E2 6E5-MT |
Miniature |
Rodin 1951, 1955-58 |
6.3/ 0.3 |
T18 |
(G,P,H,H,Ta,NC,K) (P,G,H,H,Ta,NC,K) |
180 0.145 mA |
1M |
0 -7 |
180 2.5 mA |
90 0 |
6Z-E3 |
High Sensitivity |
|
6.3/0.3 |
T29 |
6R (H,P,G,TA,K,H) |
250 |
1M |
-3 -7 |
250 |
90 0 |
6M-E4/6E5-P |
Magic Finger |
Toyo, Matsushita 1956-58 |
6.3/0.2 6.3/ 0.22 |
T18 |
(G,P,H,H,Ta,NC,K) |
250 |
1M |
0 -3 -2 -5.5 |
250 2.0 mA |
open close 90 0 |
6M-E5/6E5-M |
Miniature |
Toyo, Matsushita 1956-58 |
6.3/ 0.15 |
T18 |
(G,P,H,H,Ta,NC,K) |
180 0.17 mA |
1M |
0 -6 |
180 2.5 mA |
90 0 |
12Z-E6 |
12V Version of 6E5 |
1956-58 |
12.6/ 0.15 |
T29 |
6R (H,P,G,TA,K,H) |
250 |
1M |
0 -7 |
250 |
90 0 |
6G-E7/6DL7 |
Dissimilar Double Eye |
1956-58 TEN, Matsushita, Toyo |
6.3/ 0.3 |
T29 |
octal (NC,H,2P-C, G,TA,1P-C, H, K) |
250 |
1M |
(i) 0 -5 (ii) 0 -22.5 |
250 |
90 0 |
12Z-E8 |
Low +B |
Toyo 1958, Matsushita -1958, NEC 1957-59 |
12.6/ 0.15 |
T29 |
(H,P,G,TA,K,H) |
110 |
1M |
0 -4.5 |
110 |
90 0 |
12Z-E9 |
Double side of 12Z-E8 |
Toyo 1958, NEC 1959 |
sa |
sa |
sa |
sa |
sa |
sa |
sa |
sa |
6M-E10 |
Low +B |
Toshiba-Matsuda 1956, Toyo 1958 |
6.3/ 0.15 |
T18 |
(G,P,H,H,Ta,NC,K) |
100 |
1M |
0 -6.5 |
100 |
90 0 |
6Z-E11 |
Bar* |
? ? |
6.3/ 0.15 |
T29? |
(H,P,G,Ta,K,H) |
200 5 mA 110 2.5 mA |
- |
0 -5.5 |
200 4.5 mA 110 2 mA |
90 0 |
6G-E12 |
FM Stereo Dual Eye |
Toyo 1960 |
6.3/ 0.3 |
T29 |
octal 2G,1P,K,2G,2P,TA,H,H |
250 |
1M |
0 -4.5 |
250 4.5 mA |
90 0 |
6G-E12A |
FM Stereo Dual Eye |
Toyo 1961-62 |
sa |
sa |
octal (2G,2P,K,1G,1P,TA,H,H) |
sa |
sa |
sa |
sa |
sa |
6R-E13 |
Bar Eye |
Toyo, Matsushita 1962.2 |
6.3/ 0.2 |
T21 |
(G,K,Ta,H,H,IC,P,Ta,Ta) |
250 1 mA |
2M |
0 -2 -3 -10 |
250 1.5 mA |
- - 22 mm 0 |
1D-E14 |
Bar * |
Toyo |
1.4/ 0.25 |
T8 |
(G,NC,H,H,P) |
100 0.35 mA |
- |
0 -6 |
- |
10 mm 0 |
6R-EE1 |
Bar Stereo * |
Toyo? |
6.3/ 0.22 |
T21 |
(gsp, Ta, K, H, H,2P, 2G, 1P, 1G) |
250 3 mA |
|
0 -10 |
250 3 mA |
22 mm 0 |
6M-DE1 |
TV Tune |
Toyo 1956 |
6.3/ 0.15 |
T18 |
(G,Pt,H,H,Ta,Pd,K) |
180 10 |
1M Rd=2M |
0 -5 |
180 2.5 mA |
90 0 |
6G-DE2 |
TV Tune |
Toyo 1956 |
6.3/ 0.3 |
T29 |
(NC, H, Pt, G, Ta, Pd, H, K) |
250 10 |
1M Rd=2M |
0 -5 |
250 3 mA |
90 0 |
6E5-D was developped (probably) in 1953 by Toyo-Musen Co., Ltd. This is a 6E5 family tube which has a red-diamond pilot lamp using heater bright.
東洋無線株式会社が1953年頃に開発した赤色パイロットランプ付きの6E5です。この当時のキャッチフレーズ。1953年6月電波科学の広告「ラジオにも美しい装い...!,6E5(赤玉),6E5M(MT)マジックアイで」。1954年9月にも同じ広告が見られます。同時にミニアチュア管の6E5-Mも宣伝していました。当時,マジックアイ6E5は作れば売れるという人気商品で,大中小各社が販売を開始していました。東洋無線は従来の6E5を製造する一方で,将来を見越して他社に無いものを開発していました。ミニアチュア化といい,赤玉といい,実に変わっていました。そして赤玉は「ラジオ・アマチュア」の間で人気を博しました。これが同社の将来の展望を開いたともいえましょう。ただし,この赤玉の流行は数年だったようです。大手ラジオ・メーカはこの6E5-Dを採用しませんでした。私の手元には1953年製のサンプルしかありません。東洋無線はその後も次々と新しい国産品種を開発しましたが,6E5に関してはごく標準的な6E5にもどり,大手ラジオ・メーカーに供給し続けました。
当時の6E5-Dは特にカソード材料や組立構造が悪かったようで,蛍光膜の蒸発物質による黒化が激しく寿命は案外短かったようです。また,アマチュアが作るラジオはヒータ電圧が高めで,蛍光面の汚染が早かったのも寿命を縮める一因となったようです。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
Toyo 6E5-D |
L=88.4mm, D=28.8mm |
(28.7), (青メ13) |
角ゲッタ, 蛍光面黒化, ガラス管内面の3極管と蛍光電極間が異様に黒化 |
使用法が悪かったせいかもしれない。現在は完全に退光し僅かに光るのみ。 |
2 |
Toyo 6E5-D |
L=89.2mm, D=28.8mm |
(28.9), (青ノ3) |
角ゲッタ, 蛍光面黒化 |
|
6E5-D, Green on the fluorescent has been disappeared, only center Red Lamp is bright now./赤玉は輝いたが,蛍光はもう見えない程退化していた。米国型のページ(Radio_Tube_8A)で紹介した東洋の同時期の6E5(1953年製)と比べても,蛍光はこちらの方がとことん退化している。すると赤玉はパイロットランプ代わりとして使えるので,蛍光がなくても交換する気にならなかったのだろうか。本当の暗がりで観察すると左の球は蛍光緑が確認でき,右はもう少し光るのが確認できた。さらに強力磁石を近づけると電子流が収束し緑の炎のようにもっと強い蛍光がゆらゆらとした。蛍光膜はまだ生きているのだが表面の堆積物がアースまで電流を流してしまいに発光できないでいるのだ。
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
Toyo (28.7) |
(used) |
0 very very very weak |
40-36 |
6 <22 |
no good |
Toyo (28.9) |
(used) |
0 very very very weak |
18 |
17 <22 |
no good |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye open |
6.3V |
GR5-4030 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
6.3V |
GR5-4230 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
*emission |
Target Diode |
6.3V |
GR0-4050 |
0 |
0 |
A |
4 |
|
+gm |
Triode |
6.3V |
GR3-2050 |
17 |
0 |
B |
3 |
>22 |
1955年10月,堀川電子管(ホリゾン)はマジックスクリーンを発表。前年秋に寸法の短いEZ-6E5Sを新製品として世に送り出したが,月並みである。当時東洋は赤ダイヤ6E5-Dに次いで,ダイヤル指針をマジックアイにしたマジック・フィンガー6E5-Pをデビューさせていた。市場で何とか巻き返しを図ろうとしたのだろうか。横行ダイヤル全面を蛍光スクリーンにしたものを考えた。それが,長さ約100mm,幅約20mmの蛍光面をもつ表示部と3極部を別々にしたMS-1だった。同時に30mmx17mmの蛍光面と3極部を同封したMS-2も発表している。表示の動作原理は基本的に欧州Philipsが作ったサブミニアチュア管DM70/1M3, DM71/1N3と同じで,後の国産品種1D-E14にも継承された方式であるが,スクリーンが大きく,またターゲット電圧は通常のマジックアイ並に高電圧(180-250V)なのが特徴。
構造は10cm以上の長さを持つフィラメント1本に対し,それを小口径のグリッドの環が取り巻き,遠くに蛍光膜を塗布したプレートがある。電子線制御電極はフィラメントと同様に単線であるが2本あり,グリッドとプレート間に配置されている。蛍光パターンはフィラメントを中心に幅が変わるようにできる。同調するとスクリーンの発光面積が増えるので,ダイヤル照明が明るくなるという仕掛け。
以下のサンプルは福島県会津若松市の土屋さんのご厚意で地元の廃業する電気屋さんから入手したもの。真空漏れを起こしていて不動品である。排気用トップチップが欠けて,また7ピンのうち3番ピンが抜けている。また,セットである駆動部の3極管は散逸して無かった。しかし,貴重なサンプルです。また,マジックスクリーンの文献については,三重県鈴鹿市の津田孝夫さんより寄贈していただいた。謝意を表します。
6Z-E1はJIS名第一号の同調指示管。6E5の蛍光パターンを両開きに改良したもの。1955年に東芝マツダが開発。電子線制御電極の小片をもう1枚追加し,180度反対側に配置。金属片1枚を余分に溶接するだけだから製造は簡単。同社は最初にラジオ部門(マツダ・ラジオ)で高級型新機種めじろA(7RA-70型)に採用した。「両開きのマジックアイ」と紹介している。1956年かっこうC, うぐいすD, めじろB, C, ファンタジアの5機種, 1957年標準型かっこう2機種,普及型うぐいす3機種,高級型めじろ2機種,最高級ファンタジア1機種の8機種に採用された。最後は1958年で東芝マツダの高級型めじろFS(6RD-262), ファンタジアC(6HF-255), FMラジオ8FM-100Sの大型3機種に採用されたが,小形機にはミニアチュア管6M-E10が採用され,翌年以後新規採用はなくなった。
両開きはSUNやNEC(初めの頃6E5-W))も作った。6E5-Wは内容を表している名称だった。ブランド名ELMANのマジックアイは名称は6E5だが,内容は6Z-E1である。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
2 |
Toshiba-Matsuda 6Z-E1 |
L=85.7mm, D=28.0mm |
無印, 頭刻印, |
|
生きている?, (酒井氏寄贈), |
3 |
SUN 6Z-E1 |
L=85.6mm, D=28.8mm |
ベース金字SUN Radio Receiving Tube, 白 QE(17.5) |
|
生きている |
4 |
Elman 6E5(-W) |
L=85.0mm, D=28.6mm |
ステム(青77) |
|
|
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
Toshiba-Mastuda |
New |
5 (New) |
10 |
25 (New) |
Reference Tube |
2 |
Toshiba Matsuda |
(used) |
3 |
6 |
24.5 >22 |
good |
3 |
SUN |
(used) |
3 |
8 |
34 >22 |
good |
4 |
Elman |
(used) |
3 |
22 |
17.5 <22 |
not so bad |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye open |
6.3V |
GR5-4030 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
6.3V |
GR5-4230 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
*emission |
Target Diode |
6.3V |
GR0-4050 |
0 |
0 |
A |
4 |
|
+gm |
Triode |
6.3V |
GR3-2050 |
17 |
0 |
B |
3 |
>22 |
通称6E5-Mは2種類ある。1つはこのロダンのベース・レスの製品,他方は東洋のベース付きである。岡谷無線(ロダン/Rodin)は1951年頃マジックアイのミニアチュア版を作った。ロダンの製品は排気孔を側部に配置しているので管長が短い。製品名は6E5-MTで,初めカソードが管中心にあったが,その後改良して欧州EM70と同様に偏芯させた。初期の写真はMJ誌に掲載されている。その後,東洋のベース配置になおしたものをJIS名6M-E2として1955年頃CES登録した。6E5-MTは表示位置に対して排気チップは真上にくるが,6M-E2は45度ずらされた。その後1950年代末には6E5-Mとしてロダンの製品が販売されている(例えばラジオ技術1958年, サイドチップ付きの写真がある)が,中身は6M-E2だった。JIS名では知名度が低く売れなかったのだろう。ロダンの製品は背が低いが取り付け時にサイドチップが邪魔になる。
6M-E2のサンプルは新品ならびに中古もあるが,つまらないことに製造時期は皆同じであった。6M-E2の中古は蛍光膜が新品同様だが2番ピン(ターゲット)が欠けていてダメかと思われた。しかし,調べてみると何とターゲットは3番ピンにも並列配線されており点灯に支障はなかった。6E5-MTはYahooで入手した中古品で完全に蛍光膜は黒化していた。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
6E5-MT (I) |
- |
赤印字(I) |
ゲッタ馬蹄 |
1955年かそれより前 |
3 |
6M-E2 (6D) (Y) |
- |
銀印字, 側面(6D) (Y) ステム底(R) |
ゲッタ角 |
1956年4月。pin2=lost (can be replaced with pin3) |
Sample
State
Fluorescent Screen Brightness
Target part Diode em*
Triode part gm+
Judgement
1
6E5-MT (I)
(used)
2: very very weak
7
84 >22
no good
2
6M-E2 (6D) (Y)
(new)
6: very good
53
73 >22
refference tube
3
6M-E2 (6D) (Y)
(used) like new
5:very good
38
31 >22
good
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye close |
6.3V |
ET1-5270 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
(Eye open ) Target Diode measurement |
6.3V |
ET0-5070 |
0 |
0 |
A |
4 |
| |
*emission | ||||||||
+gm |
Triode measurement |
6.3V |
ET1-2070 |
17 |
0 |
B |
3 |
>22 |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye close |
6.3V |
ET2-5170 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
(Eye open ) Target Diode measurement |
6.3V |
ET0-5070 |
0 |
0 |
A |
4 |
| |
*emission | ||||||||
+gm |
Triode measurement |
6.3V |
ET2-1070 |
17 |
0 |
B |
3 |
>22 |
日本独自のマジックアイでマジックフィンガーと呼ばれる。東洋無線が,当時オランダPhilipsと資本提携した松下電器と一緒に1954年頃開発したものと推定される。製造はトーヨーが行い松下にOEM供給していたようである。はじめ6E5-Pという名前を使ったが,その後CESに登録しJIS名6M-E4になった。松下電器は1955年にラジオBX265にの6E5-Pを搭載,レーダースーパーという商品名で販売した。マジックアイが体操選手のようにぐるぐる回るのは実に凄い。後には日立のラジオにも使われたが,これはマジックアイを固定して単なる表示器として用いた。
凄い球が日本に現れたものである。必要は発明の母。ダイヤルの照明付き指針として開発された。技術的には,実に面白い。私は恥ずかしながら,大塚久氏によってクラシック・ヴァルブに紹介されるまで,この球を見たことがなかった。それ程この球は市場で短命だったともいえよう。
構造上の原型は欧州PhilipsのEM80と見られるが,まるきりのコピーではなく独自のアイディアが入っている。ガラス加工は素人目にも大変で透明三角プラスティックを2つセメダインでくっつけたような格好をしたガラスである。それだけでない。電子線を飛ばす仕掛けはPhilipsの真似であるが,それだけではこれだけ長いターゲット全体を光らすことはできないだろう。実は加速用のグリッドが付けられていることが内部構造の観察から分かる。また,ターゲット正面の1本の棒は機械的なダイヤル指針の役割だけでなく,ターゲットと同電位として広く長い開口部を電気的に蓋をして先端部分まで綺麗に発光させる役割を負わせていると考えられる。これも工夫の1つだろう。このように我が国でも独自の製品が出現したのは非常な驚きであったが,その後,世界に出て評価されたという話は残っていない。開発者が英語の紹介論文を書かなかったせいもあるかもしれない。それどころか,売れ行きが悪いと開発者は冷や飯を食わされ,技術も歴史の片隅に消えてなくなってしまうのであった。欠点も大いにあった。同調パターンが思ったよりも分かり難い,寿命が短い,作りにくい,などなど。6M-E4は国内では一時期注目されたものの,やがて忘れ去られてしまった。
サンプルは,私が困窮していることを知って寄贈いただいたものばかりである。ラジオからの取り出し品の2本は,京都府のマジックフィンガーのファン辻野泰忠氏からラジオごと寄贈されたもの。また,新品1本は岡田章さんに御寄贈いただいた。他の1本はインターネットを通じて岡山県の板野尚吾氏より真空管のコレクション兼ラジオの保守用として訳を説明してお譲りいただいたものである。ここに謝意を表します。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
6E5-P (55.2) |
- |
(カけ, 0/QB) |
TV7/Uでは電圧が低く全く光らない。実機では先端部に僅かに緑が確認できた。 |
1955年2月 (松下)....松下のラジオ, BL-265に使用されていたもの。 |
2 |
6M-E4 (58.5) |
|
(ソ9, 8E) |
カソード皮膜が剥離している。TV7/Uでは電圧が低く全く光らない。 |
1958年5月 (日立), 日立のラジオ, S567に使用されていたもの。 |
3 |
Toyo 6M-E4 (00/ NJ), 8I (TO3) |
|
(ト3, 8I) |
下に光った場合の例を示してある。 |
1958年9月, これは新品である。 |
4 |
same |
- |
same |
same |
same |
6E5-P mounted on the dial mechanism of Matsushita-National Radio Receiver "Rader Super" BX265
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
3 |
Toyo 6M-E4 (00/ NJ), 8I (TO3) |
New |
5 (New) |
9 |
8 (New) |
Reference Tube |
4 |
sample 2 |
New |
5 (New) |
8 |
10 (New) |
Reference Tube |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye close |
6.3V |
ET1-5270 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
(Eye open ) Target Diode measurement |
6.3V |
ET0-5070 |
0 |
0 |
A |
4 |
| |
*emission | ||||||||
+gm |
Triode measurement |
6.3V |
ET1-2070 |
17 |
0 |
B |
3 |
>4 |
6E5-Mは米国6E5をそのままミニアチュアサイズにした球。東洋無線の製品が有名。JIS名6M-E5は6E5-Mを1955年頃CES登録したもの。日本独自の製品で東洋の広告には1953年頃に現れた。ミニアチュア管のマジックアイは電子管の歴史(コロナ社)の年表によれば1951年に日本に登場したことになっているが,この6E5-Mを意味するのか,それともロダンの6E5-MTを指すのか分からない。6E5-Mと6M-E5は規格に若干の違いがあるのか,はたまた知名度のせいなのか,東洋はその後も6E5Mの名称で販売した。松下は1958年から1962年のマニュアルに6ME5を掲載し,自社製品にも使用したが,内容を見ると東洋のOEMのようである。また,日本ビクター(JVC)のサンプルもある。JVCはその頃,松下と資本提携し真空管の供給も受けていたが,松下は何故か欧州系以外のマジックアイはトーヨーのOEM製品を使用し,JVCは東洋とは違う会社の製品を使用したと思われる(12ZE8の例)。ここに示すJVCの6M-E5も東洋でないどこかの会社(SUN真空管か?)のOEM製品と見られる。新日本電気も6M-E5を販売していた。
旧型と新型。左は旧型で,表示部のターゲットの下に爪付きの円盤マイカがあり,その下の3極部の上部下部マイカがさらに円盤で上部は爪付き。制御電極片が太い。右は新型で3極部の上部下部マイカが長方形,上部は爪付き。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
J Victor 6M-E5 |
|
(ベース底黄色QF) |
3極上部爪つき円盤マイカ, 3極部プレートやや長く大きい,角ゲッタ。制御電極片太い。ターゲット白い。ルーズベースで接触不良 |
1955年?または1957年?10年ほど前MJ誌を通じて真空管愛好家から入手した中古球。 |
2 |
(Toyo 6E5-M?) (57-5) |
|
(Toyo消えている) (6E5-M消えている)(ステム緑字, ホ2) |
3極上部爪なし円盤マイカ,弓ゲッタ.制御電極片太い。ターゲットやや白い。 |
1957年5月。HiFiレシーバアンプの取り外し品。 |
3 |
Toyo 6E5-M (58-9/10) |
|
(管名枠8角) (8J) (ステム緑字, リ3) |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ. 制御電極片太い。ターゲットは白いが,カソード物質散乱。 |
1958年9月/58年10月。最近Yahooオークションで雑多に混じって入手した球。 |
4 |
Matsushita-National 6M-E5(59-5/6) |
|
(9F)(ステム緑字, ホ4)(ベース底00/MF),.この球は製造コードから東洋無線のOEM製品と思われる。 |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ. 制御電極片太い。遮光板は下側がわざわざ黒化されている特別仕様。ターゲット焼けている。 |
1959年5月/6月。HiFiレシーバアンプの取り外し品。 |
5 |
(Toyo 6E5-M?) (61-8) |
|
(Toyo消えている) (6E5M?消えている) (ステム緑字, リ6) |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ,ターゲット白い。制御電極片細い。 |
1961年9月。最近Yahooオークションで雑多に混じって入手した球。 |
6 |
Toyo? 6E5-M (61-11/62-1) |
|
(Toyo消えている) 6E5M 管名横長になる。(ベース底赤2A) (ステム白字, ル6) |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ,制御電極片細い。 |
1961年11月/1962年1月。.HiFiレシーバアンプの取り外し品。 |
(1) J Victor 6M-E5, この球,やや暗い,周囲の青地が見える程輝度が弱い。(2) Toyo6E5-M?, 中程度に明るい, 周囲がやや青く見える, (3) Toyo 6E5-M (8J), ヒータも赤い色が全面に見えてしまうが,非常に明るい。ヒータを4V台にしても遜色無く光る, 周囲は黒に見える。(4) Matsushita-National 6ME5 (9F), 非常に暗い。写真の自動焦点が動かない, 周りを明るくして焦点を無理に合わせて撮影, 周囲の青地がハッキリ見える程コントラストが弱い。(5) Toyo 6E5M?, ヒータも赤い色が全面に見えてしまうが,非常に明るい。ヒータを4V台にしても遜色無く光る, 周囲は黒に見える。(6) Toyo? 6E5M 管名横長。ターゲット焼けている。
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
J Victor 6M-E5(ベース底黄色QF) |
(new) |
3: weak |
12 |
28 >22 |
good |
2 |
Toyo (6E5-M) in 1957 (緑ホ2) |
(used) |
4: good |
42 |
53 >22 |
good |
3 |
Toyo 6E5-M in 1958(8J) (緑リ3) |
(used) |
5: very good |
43 |
20 <22 Low |
very good bright but low gm |
4 |
Matsushita-National 6M-E5 in 1959 (9F)(緑ホ4)(ベース底00/MF) |
(used) |
1: very very weak |
14 poor |
15 <22 poor |
no good |
5 |
Toyo (6E5-M) in 1961(緑字リ6) |
(used) |
5; very good |
12 |
24 >22 |
very good |
6 |
Toyo 6E5-M in 1961(ベース底赤2A) (白ル6) |
(used) |
3: weak |
38 |
15 <22 poor |
weak |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye close |
6.3V |
ET1-5270 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
(Eye open ) Target Diode measurement |
6.3V |
ET0-5070 |
0 |
0 |
A |
4 |
| |
*emission | ||||||||
+gm |
Triode measurement |
6.3V |
ET1-2070 |
17 |
0 |
B |
3 |
>22 |
++) A 7-pin miniature tall test socket adapter JFC ELEX-7 is required to fit it to the TV7/U 7-pin miniature soket because 6M-E5/6M5-M has a diameter 20.4 mm of bakelite base.
6G-E7/6DL7 was developed by TEN, Matsushita and Toyo Musen Co., during 1956 and 1957.
6G-E7/6DL7は1個の管球内に6E5に近似したシャープカットオフ特性と6U5に近似したリモートカットオフ特性を有する2個の3極管を封入し,それにより制御される蛍光ターゲットを備えた同調指示管。TENは6G-E7/6DL7と表示。松下は6DL7。
(トーヨー6G-E7)
6.3V,0.3A,GT-(74.5/83.0?92mm),(NC,H,2P-C, G,TA,1P-C, H, K)
Ebmax250V,Etamax250V,Ehk100Vpeak
250V,Eta250V,Eg0V,Ip3mA,Rp1M,
(1)Eg-5.5V,(Pc1閉又)
(2)Eg-22V,(Pc2閉又)
(一木)
6.3V,0.3A,GT-(76/86?90mm),1-12(NC,H,1P,G,TA,2P,H,K)
100V,R11M,Eta100V,
(1)Eg-1.0V(陰影角90度);Eg-3V,(0度)
(2)Eg-2.5V(陰影角90度);Eg-8V,(0度)
12Z-E8 was developed by Toyo Musen Co., during 1956 and 1957 for a 150 mA series of Transformerless radio receiver with a low +B Supply like +110V.
12Z-E8はトランスレス・ラジオ用に開発されたマジックアイで,低+B供給電圧(110V程度)に対応しています。6E5のトランスレス版といえましょう。東洋無線が12Z-E9, 6M-E10とともに1956-57年頃に開発した模様で,1958年頃に広告を出しています。松下,NECとも自社の真空管マニュアルに掲載していますが,市場に現れたものは松下系のものが圧倒的に多かったようです。その松下製は東洋無線のOEM製品と見られます。また,Victorブランドのものもありますが,SUNか東芝系のTVCではないかと思われます。当時はラジオもコンパクトなものと音の良い大型のHi-Fiラジオに2極化しましたが,その卓上大型ラジオもトランスレス化が進み,従来の6E5に代わるトランスレス管が必要だったのです。しかし,トランスレスではあまり出力が得られないため,東芝などはあいかわらずトランス付きのセットを作り従来の6Z-E1で済ましたのに対し,松下などが熱心に12Z-E8を使用しました。
(1)12Z-E8の3極部は,低+B電圧で従来の6E5や6Z-E1と同等の感度を得るように,ゼロバイアス・プレート電流やgmを50%Upとし,大電流・高感度型になっています。外観上は全く変わり無いように見えますが,同じ会社の製品を良く見比べてみると,プレートの厚みがやや薄く作られているのが分かります。
(2)またターゲット部はエミッションを増加するためにカソードに巻き付けられたカソード等電位の空間電荷制御グリッドの巻き方を工夫しています。このグリッドは本来蛍光面の発光の均一化に役立たせていたのですが,同時にターゲット電流を制限してしまうので,ピッチの管理を怠ると製品毎のターゲット電流のバラツキが大きくなってしまいます。東洋の例では,ピッチを2-3倍粗くしています。またサンの例ではピッチを粗く,直径も太くしています。
名前が消えた球も同じメーカならこんな特徴から6E5か12Z-E8かを見分けることができましょう。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
VICTOR 12ZE8 |
D=28.8mm, L=99.0mm |
(ステム,青ス)(ベース底銀P.C) |
リブなしP, 2段サイドマイカ, 角ゲッタ |
1956年3月製?TOYO以外のどこかのOEM |
2 |
Mastushita-National 12Z-E8 |
D=28.7mm, L=83.0mm |
(8H) (ステム, 白- 3)(ベース側面00/NH), |
2リブP, 上部サイドマイカ, 角ゲッタ |
1958年8月製.TOYOのOEM |
3 |
Mastushita-National12Z-E8 |
D=28.3mm, L=86.7mm |
(9L), (ステム, 白ヲ4)(ベース側面9L/9L), |
2リブP, 上部サイドマイカ, 角ゲッタ |
1959年12月製TOYOのOEM |
4 |
Mastushita-National12Z-E8 |
D=28.6mm, L=85.7mm |
(1C), (ステム, 白ハ6)(ベース側面1E) |
2リブP, 上部サイドマイカ, 角ゲッタ |
1961年3月製(松下5月)TOYOのOEM |
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
Victor(PC) |
(New) |
5 |
42 (12.0) |
51 >33 |
Reference Tube |
2 |
Matsushita-National (8H) [-3] |
(used) |
4 |
66 (16.2) |
39 >33 |
good |
3 |
Matsushita-National (9L) [WO4] |
(used) |
4 |
76 (17.8) |
30 <33 little bit Low |
good |
4 |
Matsushita-National (1C) [HA6] |
(New) |
5 |
72 (17.2) |
45 >33 |
Reference Tube |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye open |
12.6V |
GR5-4030 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
12.6V |
GR5-4230 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
*emission |
Target Diode |
12.6V |
GR0-4050 |
0 |
0 |
A |
4 |
|
+gm |
Triode |
12.6V |
GR3-2050 |
17 |
0 |
B |
3 |
>33 |
12Z-E9 is a dual shadow version of 12Z-E8, and was developed during 1955-1958 as the same time as 12Z-E8 for a 150 mA series of Transformerless radio receiver with a low +B Supply like +110V.
東洋無線が1956-57年頃に開発した3種のトランスレス用マジックアイの1つで,6Z-E1(両開き型)のトランスレス版です。電子線制御電極が2つある点を除いて12Z-E8と電気的特性は同じです。使用例はあまり多くないのですが,私のラジオ・コレクションではシャープのラジオがこれを使っています。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
TOYO 12Z-E9 |
D=28.3mm, L=84.8mm |
(8J) (ステム, 緑2-14) |
2リブP, 上部サイドマイカ, 角ゲッタ |
1958年10月製 |
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
Toyo (8J) |
(new) |
5 |
27.5 |
74 >33 |
Reference tube |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye open |
12.6V |
GR5-4030 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
12.6V |
GR5-4230 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
*emission |
Target Diode |
12.6V |
GR0-4050 |
0 |
0 |
A |
4 |
|
+gm |
Triode |
12.6V |
GR3-2050 |
17 |
0 |
B |
3 |
>33 |
東洋無線が1956-57年頃に開発した3種のトランスレス用マジックアイの1つで,従来のトランス付き用ミニアチュア管6E5-M/6M-E5のトランスレス版に当たります。外観は6E5-M/6M-E5そっくりですが,ヒーターウォームアップ・タイムを規定している事,低電圧+Bに対応(180Vから100V)している点が異なります。3極部の特性(Eb-Ib曲線)はヒータ電力が半分にもかかわらず同時期に開発された12Z-E8とほぼ同じで,6E5-M/6M-E5と比べてgmもゼロバイアス電流も50%Upの高感度となっています。
東芝は1957年に開発したと「東芝レビュー」に記載していますが,不思議な事に自社の真空管マニュアルにはついぞ掲載しませんでした。東芝の6M-E10にはガラス管には東芝のロゴが印字されていますが,電極構造,造り,そして内部の組立時の筆書きコードも東洋無線と同じですので,東洋のOEM製品と思われます。東芝は1957年に新規採用して自社のラジオに搭載しはじめ,真空管ラジオが終わる1962年頃まで使い続けました。確かに他社は採用した例を知りません。一方,東洋無線は1958年頃から12Z-E8, 12Z-E9と並んで6M-E10の宣伝を行っています。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
Toyo 6M-E10 |
L=56.4mm, D=17.8mm |
(1A) (白イ6) |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ, 制御電極片細い |
ガラス管壁1961年1月/ステム1961年1月製その昔ソケット付きジャンクで譲り受けたもの |
2 |
Toshiba 6M-E10 |
L=55.4mm, D=18.2mm |
(2E) (白ロ7) |
3極上部長方マイカ,弓ゲッタ, 制御電極片細い。 |
ガラス管壁1962年5月/ステム1962年2月製。現役かなりやJ(6ZL-609)から取り外して調べたもの。 |
両者全く同じ造り。トーヨー製はステムの白字のコード(白イ6)とガラス管壁のコード(1A)が一致している。東芝製は3か月のずれがあり,製造後,東芝に納入されるまでのずれと考えられる。
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
Toyo 6M-E10 1A (white i-6) |
(used) |
4: good |
61-58 |
36 >33 |
good |
2 |
Toshiba 6M-E10 2E (white ro-7) |
(used) |
3:litle bit dark, good |
68-67 |
19 < 33 little bit low |
not so good |
Test |
Status |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
gm |
Fluorescent Screen |
Eye close |
6.3V |
ET1-5270 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
(Eye open ) Target Diode measurement |
6.3V |
ET0-5070 |
0 |
0 |
A |
4 |
| |
*emission | ||||||||
+gm |
Triode measurement |
6.3V |
ET1-2070 |
17 |
0 |
B |
3 |
>33 |
++) A 7-pin miniature tall test socket adapter JFC ELEX-7 is required to fit it to the TV7/U 7-pin miniature soket because 6M-E5/6M5-M has a diameter 20.4 mm of bakelite base.
6Z-E11は東洋無線が開発したマジックアイで6E5のトランスレス版。12Z-E8と違うのはヒータ仕様が6M-E10と同じ6.3V/0.15Aとなっている点。3極部は高パービアンスである。サンプルなし。
see http://rekihinkan.fc2web.com/honnkan/6ZE11.htm
6G-E12はステレオ信号のレベル表示用に同じ特性のマジックアイを2つ封入したもので,シャープカットオフ特性の3極管が2個封入してある。東洋が1960年頃に開発。必要は発明の母。世はステレオ時代。ステレオ・テープレコーダのレベル表示やラジオ放送でいえば中波2波のステレオ放送に対応したもの。ステレオ用といえば通常のマジックアイを2個使用しても良いが,表示を背中合わせに並べることでさらにレベルの違いを見やすくできる。米国ではその昔開発された古典的な表示器のみの6AL7GTが知られているだけだったが,欧州ではドイツ国内で,EM83(RFT), EMM801(Telefunken), E82M(Valvo)が作られており,また我が国では6G-E12, 6G-E12Aの後,6R-EE1が作られている。
6G-E12は従来通りガラス管の頭に表示部がある形式であるが,2チャンネルの信号の差異を明確にするためパターンの最長部(ターゲットの最遠部)を隣り合わせとしている。このため,2つの3極管を同軸カソードではなく独立構造とし互いに最も離れた位置においているのが特徴である。3極部は6M-E5と同じようである。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
TOYO 6G-E12 |
- |
(1D), (緑ニ6) |
- |
(1961年4月) |
このサンプルは中古球だがターゲットは綺麗だった。ところがヒータが点灯しない。抵抗を測ると180k ohm位あった。ハンダ鏝で先を溶かすだけで,抵抗値は数ohmに下がった。ヒータピンの内部で接触不良(ハンダ不良)を生じていたようだ。改めてTV7/Uで動かすと,動かない。今度はTV7/Uの内部機構の接触不良。パネルが熱膨張して変形するとおかしな症状が出る。だましだまし何とか測定した。
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
Toyo 6R-E12 (1D), (緑Ni6) |
(used) |
4:good |
24-23 |
15 14 |
Reference Tube |
Test |
Status Unit1 (L) |
Status Unit2 (R) |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
em |
Fluorescent Screen |
Eye open |
Eye close |
6.3V |
HY1-6230 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
Eye open |
6.3V |
HY4-6530 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
( Both Eye Open), *Target Diode measurement |
6.3V |
HY0-6030 |
0 |
0 |
A |
4 |
*note | ||
+gm |
Triode |
- |
6.3V |
HY4-5030 |
17 |
0 |
B |
3 |
>10 |
- |
Triode |
6.3V |
HY1-2030 |
17 |
0 |
B |
3 |
>10 |
6G-E12の改良型と言われる。東洋が1961-62年頃開発。何を改良した?表示パターン。3極部をセパレート型から同軸型に。よほど原型の6G-E12は評判が悪かったのだろう。その1つはメタル・エスカッションにあったに違いない。視野が極端に狭い。また2つのカソードのエミッションを揃えるのは面倒なので製造の歩留まりも悪かったのかもしれない。改良型では同軸構造とし,従来のコーン型のお皿に戻った。ただしヒーター遮光板はでかい。できあがったイメージは従来の6E5の3極部を縦に2分割した感じである。
我が家で使用していたサンスイのステレオ・アンプSM-12A(1963年頃)には実にこれが使用してあった。左から2番目はその時のもの。まだ光るが,弱い。他は未使用品である。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
TOYO 6G-E12A (2L) |
- |
(2L), (緑ヲ7) |
- |
(1962年12月) |
2 |
TOYO 6G-E12A (3G) |
|
(3G), (緑ト8) |
|
(1963年7月) サンスイSM12A |
3 |
TOYO 6G-E12A (3L) |
|
(3L),(緑ヲ8) |
|
(1963年12月) |
4 |
TOYO 6G-E12A (3L) |
|
same |
|
same |
中古球を点灯させた。
何かおかしい? 右側のユニット1が何も信号のないときに陰影が2つに分かれてしまっている。閉じたときのオーバーラップも酷い。実はこれは中古の球で,新品はこうならない。ユニット1の電子線制御電極(ユニット1のプレート)を接地しても状況は変わらない。制御電極の電界が効いている証拠には陰影が開いているのだから,問題は中心部に迷電子が集まってしまうのだろうか?。点灯前のターゲットの色を見て分かった。蛍光面が右は白く残っている。ということは他の陰影部分が酷く焼けて発光しなくなっていたのだ。
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
1 |
Toyo 6R-E12A (2L), (緑Wo 7) |
new |
new |
9 |
12 12.5 |
Reference Tube |
2 |
Toyo 6R-E12A (3G), (緑to 8) |
(used) |
4:good ? |
15.5 |
11.5 10.5 |
no good |
Test |
Status Unit1 (L) |
Status Unit2 (R) |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
em |
Fluorescent Screen |
Eye open |
Eye close |
6.3V |
HY1-6230 |
0 |
100 |
A |
3 |
|
Eye close |
Eye open |
6.3V |
HY4-6530 |
0 |
100 |
A |
3 |
| |
( Both Eye Open), *Target Diode measurement |
6.3V |
HY0-6030 |
0 |
0 |
A |
4 |
*note | ||
+gm |
Triode |
- |
6.3V |
HY4-5030 |
17 |
0 |
B |
3 |
>10 |
- |
Triode |
6.3V |
HY1-2030 |
17 |
0 |
B |
3 |
>10 |
電子管の歴史にはNHK技研の内田秀夫氏が開発し,東洋,松下が製造とある。発表は1961年末。松下のマニュアルに掲載されたのは1962年版(1961年12月)。カラーブレテンNo.89(1962年3月)にも掲載されている。同社の1962年度の推奨品種。
内容は欧州PhilipsのEM84/6FG6に非常に類似しているが,ピン配置他詳細が異なる。EM84/6FG6は1958年はじめに米国EIAに登録され,PhilipsはEM84を1959年に販売している。ちなみにEM87/6HU6は1962年に登録と見られるが,(オランダのWebサイトの情報では)PhilipsはEM87を1959年(!?)に販売している。6FG6は米国ではRCAなどの製品もあるが欧州のOEM製品とみるべき。松下はPhilipsと技術提携していたにもかかわらず,何故か,6R-E13を製造した。松下はトーヨーにOEM製品を作らせていたので,6R-E13もそうかと思うと,事実は小説よりも奇なり。ちゃんと松下製のガラスに十字の切り込みのある6R-E13が製造されている。その後,複雑なことに東洋はEM84と印字した背の高い6RE13の姿をした出荷している。いったい,欧州PhilipsのEM84と6RE13とでは何が違ったのだろうか?ピン配置が異なるのは決定的な違いで互換性がない。しかし,それを一致させれば,外形がやや大きくヒータ電流がやや小さい点を除けば全てをカバーしており,十分EM84の代替が可能である。
電極は横置きで,グリッド断面は菱形。
|
Sample |
Outline |
Print & Code |
Electrode |
Others |
1 |
TOYO 6R-E13 (2A or 7A?) |
- |
(2A or 7A?) (白箱, 64-7, 780円) |
ドーナッツゲッタ。ガラス蛍光膜コーティングは縁が綺麗でない。 |
(1962年or 1967年1月) |
2 |
TOYO 6R-E13 (7E),(7F) |
|
(7E),(7F) (箱は,日立補修部品 同調指示管 カードNo. CN-750C-029, 照合番号02500, 現金正価670円) |
|
(1967年5月, 6月) |
3 |
TOYO 6R-E13 (1I) |
|
(1I)箱は白の元箱 |
(東芝の工場で作った?), ステムの点と数字,頭の絞り,等が同じ。 |
(1971年9月) |
4 |
Matsushita 6R-E13 |
|
(DY), (1968年11月) シールテープ付き旧National文字箱。780円。 |
松下製は頭は十字絞り。ガラス蛍光膜コーティングが綺麗。ガラス内面の導電性コーティングも1H3と同じくすんだ半透明。ゲッタは角形。 |
(1968年11月) |
|
Sample |
State |
Fluorescent Screen Brightness |
Target part Diode em* |
Triode part gm+ |
Judgement |
5 |
Toyo 6R-E13 (9G) |
New |
5 (New) |
13 |
4 (New) |
Reference Tube |
4 |
Matsushita-National (DY) |
New |
5 (New) |
7 |
4 (New) |
Reference Tube |
Test |
Status Unit1 (L) |
Heater |
Select |
Bias |
Shunt |
Range |
Push |
em |
Fluorescent Screen |
Eye close to a litte open |
6.3V |
EV1-3720 |
0 to 100 |
100 |
B |
3 |
|
( Eye Open), *Target Diode measurement |
6.3V |
EV0-3020 |
0 |
0 |
A |
4 |
*note | |
+gm |
Triode |
6.3V |
EV1-7020 |
17 |
0 |
B |
3 |
> 3 |
1D-E14, Last Japanese Name Magic-Eye?, was debveloped by Toyo-musen during 1962-1963 for voltage level mointor of audio signal in a simple tape recorder. It seems the fluorescent display that simplified the structure of DM71/1N3 without a function of pilot lamp - upper and lower piriods of ! mark, in order to display the signal level clearly.
日本最後のマジックアイ?。6R-E13と同じ頃現れたオーディオ信号のレベル表示器である。主に簡易テープレコーダ向けらしい。もはや蛍光表示器といった方が早い。従来,テープレコーダには6E5-MやDM71/1N3が使われていたが,6E5-Mは表示面が狭く見にくい。その点,DM71/1N3はバー表示で良かったのだが,ポータブル・ラジオ用に開発されたので無信号時にも両端部が光るというパイロットランプ兼用のおまけの機能が付いていた。しかし,テープレコーダのレベル表示の場合には無信号時には消えてくれないと適正なレベルが分からないという欠点になる。そこで,構造を単純化して棒表示器だけに改良したのが1D-E14だったのだと思う。
(Toyo Musen Co. Ltd.) (4B) 1964年2月
サンプルはSONYのテープレコーダに使用していたもの。
The electrode structure is a triode, similar to DM70/1M3, that consists of a filament, a ray control electrode with a long flame form and a terget plate with fluorescent coating.
構造はDM71/1N3と同様にフィラメント1本,長い枠型の制御電極,その枠の下に白い蛍光膜を塗ったターゲット・プレートを置いた3極管です。細いフィラメントが見えるでしょうか?プレートは右側(上部)に進む程,心持ち電極間距離が徐々に離れていくように見えます。直流点火ですとフィラメントには電圧の低い側と高い側ができ,高い側はプレートとの電位差が小さく,電子線のエネルギーも小さくなりますので,発光も弱くなるハズです。表示部は10mm,入力信号が-6Vでは消灯,入力が0Vに近づくと最大10mmの棒表示となる。
6M-DE1
東洋無線,1956年。TV同調指示用。550円。
ここでは付録としてその後の蛍光表示管をお見せしましょう。1980年頃のもので,製造は昔TV球などを製造していた双葉電子です。実は立派な真空管でした。その頃,専用LSIと組み合わせて使ったものです。専用LSIは受信機の局発信号を受けて,中間周波数を差引いた周波数カウンターにより数字を作り,FETのドライブ回路により蛍光表示管を点灯させるものでした。蛍光表示管の表示は,フィラメントは負電圧(-6V)程度で点灯させ,グリッドとアノード(プレート)に+5V程度の電圧を送ります。ダイナミック表示というのはグリッド信号,アノード信号を時分割して送り,同期した文字だけ点灯するものだそうです。考えてみれば,これは一種の電池管です。一時は自動車ラジオや目覚まし時計などにも使われましたが,やがて半導体のLEDやバックライト付きの液晶パネルに変わりました。
このサンプルは沖電気のLSI,基本発振用水晶発振子とともに秋葉原の秋月電子で販売していたものです。今は昔の物語。
Electrodes; Three Filaments, Mesh Grid and Letter-Frourescent Target(Plate)/電極:3本のフィラメント,メッシュ・グリッドそして文字の蛍光ターゲット(プレート)