|
|
|
|
|
|
|
|
2_Battery. Military 2V and 1.1V Series |
2CJ. Early-time Miniature |
2_BatZ. Radio Zonde |
Japanese Battery Tubes for Millitary/日本の軍用電池管 |
Table 2 Japanese Battery Tube/日本の電池管 |
|
| ||||||
|
|
Converter |
RCO Pentode |
Power Pentode |
Triode |
Dual Triode |
Triode & Power Pentode |
|
|
UF-134, UX-134 | |||||
|
|
|
|
| |||
Multi-purpose |
|
SCG Tetrode |
|
|
SCO Tetrode |
Twin Triode | |
UY-11A*1 |
|
Uy-11M*1 |
Uy-14M,*1 |
|
no sample |
no sample |
東京電気は1931年に米国の2V蓄電池用電池管230, 231, 232をUX-230, UX-231, UX-232として国産化しました。さらに1932年から1933年に後続の33, 34シリーズをUY-233, UX-234として国産化。230, 231はデビュー当時はUX-199と同様にストレートのT管でしたが,直ぐにナス管に変更されました。これらは,一部は民生用としてラジオ受信機に使われた他,警察無線などの業務用や軍用としてももちいられたようです。一方,東京電気は同じ頃,欧州からやって来たPhilipsの1.3V乾電池用経済管A-109(3極管), B-105(5極管), A-141(空間電荷4極管)の影響を受けて1932年に3極管UX-109を,1933-34年に5極管UX-110,空間電荷4極管UX-111, UX-111Bを作りました。これらは当初よりナス管で作られ,民生用として一般に市販された他,業務用にも使われました。1940年の卸値段で,UX-109がマツダは1.82円,ドン1.60円,UX-110がマツダは2.52円,ドン2.20円,UX-111,UX-11B,ともにマツダ3.15年,ドン2.70円でした。UY-111Bはドン2.70円でした。特に,空間電荷グリッド4極管UX-111Bを用いた2球式の小型ラジオ受信機も市販されました。米国形の電池管は,1933年から1934年にかけて,外形がナス管からST管へ,そして名称が2桁のUX-30, UX-31, UX-32, UY-33, UX-34へと変わりました。
1933年から1934年にかけては,我が国では軍の要請を受けて東京電気が移動無線機用の電池管の開発を進めた時期でもありました。まず,2V系の電池管としては,UX-30を原形に特にポータブル無線機器を意識してか電気的特製はそのままに外形を小型化した日本独自の変種が作られました。30をT管に納めしかも口金無し(ソケットなし)の形式のUN-30M,30を双3極管にしてUZベースのST45に納めたUZ-30Cです。さらに1934-1935年には,30CをT管に納めてコンパクトにしたUZ-30MC,また開発時期は定かでありませんが30MCのフィラメント電流を倍増しUZベースのST45に納めたUZ-31MCもありました。UX-30M, UN-30M, UZ-30MCは特殊管として一般にも市販され,1940年の卸値段で,普通のST管のUX-30が1.26円の時,UX-30Mは3.76円,UN-30Mは3.60円, UZ-30MCは6.40円でした。
また,東京電気は経済管の軍用版として,日本独自の1.1V電池管130シリーズを開発しました。それが1933-34年のUF-111A, UY-133, UY-133A, UX-134, UF-134, 1934-35年のUZ-130C, UZ-133D, UZ-135, 1936年のUX-109A, UZ-109Cでした。
1.1V管UY-133, UX-134, UZ-135は一般にも市販されました。1940年の卸値段で,それぞれ3.85円, 4.55円, 6.30円でした。
130シリーズは当時としては旧型のUX-99を除けば最新型で最もコンパクトな真空管だったので,さっそく軍用無線機に採用されました。例えば,94式3号丙無線機(1934年製,陸軍の地上用)の41号型受信機では,UF-134-UZ-135-UF-134-UF-111A-UF-109A-UY-133Aという具合に使われました。しかし,その後の10年は世界的に最も真空管の発展した時代だったにもかかわらず我が国では新しい電池管の開発はほとんどありませんでしたので,それらを使い続けた日本軍の無線機は戦争が終わってみると最も旧式の無線機となっていました。震動に弱いST直熱管ですから無線機を移動するだけで故障してしまったことでしょう。
また,電池式真空管はさらなる小型化の要請がありました。UX-111Bの成功を受けて東京電気は1935年頃にはピーナツ管試作を行い,1937年には空間電荷4極管Uy-11M, 5極管Uy-14Mを完成しました。小型コンパクトの極地でしたが製造技術が伴わず,Uy-11Mは空間電荷型だから許せるとしても,一般の5極管Uy-14Mは単に小型化しただけでしたので電気的性能たるや悲惨な程に低gmでした。これらは軍用として使われたようですが資料は無く,また本当に実用になったかは疑問のところです。この路線をさらに発展させることができたなら随分と事情は違ってきたことでしょう。
当時の軍用電池管を今日の視点から見ると,移動無線の重要な課題は耐震動性能や機動性を向上させることで,当時の技術でも電気的性能を維持しながら小型化することは容易だったはずで,確かに1934年から1935年頃まではSTベースでありながらT管を用いて小型化し,さらに複合管とする路線は,UZ-30C等の実現で日の目をみたはずなのですが,その後,米国の電池管はST管よりも小型でもう少し作りやすいGT管やロクタル管へと移行し,電極構造の堅牢化が図られたのに対して,我が国では大半の品種はST管のままで,しかも省電力の130シリーズは電極構造が特に一般受信管と比べても弱い構造のまま放置されました。その理由の1つは,1937年頃から米国で始まったガラス管の小型化の波に乗ろうにも,中国大陸で始まった戦争により軍部の要求が従来の無線機の増産保守に向けられ,改良を後回しにしてしまったこと,移動無線では送信管の電力を小型化できないので受信管のみ省電力にしても電源は小型化できない,無線設備全体は重い大きいものだという常識が通用していたため,軍部の誰もが改良のイニシアチーブを取らなかったことがあったのではないかと思われます。130シリーズの電極構造の改良,小型化を怠ってしまったのは最大の失点であり,旧来の堅牢性の無いST管を戦争末期まで製造し続け,現場では震動により電極が変形ショートして故障続出,使用不能になってしまうのですから,当時の軍人は何を考えていたのでしょう?という話でした。
1939年にミニアチュア電池管1R5, 1T4, 1S5, 1S4が米国で発表されると我が国でも東京電気で1940年に試作が行われたそうですが製造には至らなかったといいます。他方,我が国では品川電機が1T4を原形に国産化したB-01, B-03が戦時中に製造され軍用として僅かに用いられたとのことです。
|
|
|
|
|
|
|
Det & Amp Triode/ 検波増幅3極
|
UX-30* (0.06A) mu9.3
|
UN-30M ( Base-less), 1933-34 UX-30M UX-166 mu16 (2.3V,0.06A) 1934頃 |
Philips A-109 (1.3V, 0.06A) |
UX-109 (0.08A), 1932
|
|
UX-109A/ UF-109A (0.06A), 1936 UX-166B (0.06A) 1934-35 |
Det, Amp & Osc Twin Triode/ 検波増幅発振 双3極 |
UX-30* |
UZ-30C (Unit x2) UZ-30MC (2.0V,0.12A) (Unit x2) UZ-31MC (2.0V,0.26A) (Heater x2) |
|
|
|
UZ-130C (0.24A) mu7.2 |
Det & Amp Twin Triode 検波増幅双3極 |
|
|
|
|
UX-109A (1.1V/0.06A) 1936年 |
UZ-109C (0.12A?) 1936年 (Unit x2) |
Power Triode 電力増幅3極 |
UX-31* (2.0V,0.13A) |
|
Philips B-105 (1.3V, 0.15A) |
UX-110 (0.16A), 1933-34 |
|
|
Det & Amp Tetrode (Space Chg) 検波増幅4極 (空間電荷) |
|
|
Philips A-141 (1.3V, 0.08A) |
UX-111 (0.08A) UX-111B (0.08A), 1933-34 |
|
UF-111A (0.06A), 1933-34 |
Det & Amp Pentode 検波増幅5極 |
UX-32* (2.0V,0.06A) |
UX-1B4* UX-167 (2.2V,0.06A) 1934年頃 |
|
|
|
UX-167B (0.06A) 1934-35年 |
|
|
|
|
|
|
|
Power Amp Pentode 電力増幅5極 |
UY-33* (2.0V,0.26A) |
UX-1F4* UY-169 (2.2V,0.13A) 1934年頃 UY-169A (2.2V, 不明) |
|
|
|
UY-133 (0.125A) 1933-34 UY-133A (0.06A) 1933-34 UY-169B (0.12A) |
|
|
|
|
|
|
|
Det & Amp Triode- Pentode 検波増幅3極5極 |
|
|
|
|
UY-133A +UX-109A |
UZ-133D (0.125A) (Multiple) |
Vari-mu Pentode 可変増幅5極 |
UX-34* (2.0V,0.06A) |
UX-1A4* |
|
|
|
UX-134 (0.06A) 1934-35 |
Penta-grid 5格子変周 |
UZ-1C6* (2.0V,0.12A) |
UZ-1C6B (0.12A) |
|
|
|
UZ-135 (0.13A) 1934-35 |
以上は主として,東芝マツダの資料。ドン真空管製作所の資料(1935?)では,UX-109(1.1V,0.065A), UX-110(1.1V,0.16A), UX-111(1.1V,0.08A), UX-111B(1.1V,0.065A)とある。
(2002.8.8) UX-109の原型としてPhilips A-109, UX-110の原型としてPhilips B-105を追加。資料はフィリップス日本ラヂオ株式会社のフィリップスラヂオ真空管説明書(1932.10),フィリップス経済(ミニワット)真空管1.5ヴォルト半乾電池用のパンフレット(年代不詳)の特性図等。マツダ真空管資料(RG-10070)UX-109, (RG-10071)UX-110,ともに(1930.4.10).
UX-30Mは東京電気マツダ(東芝)が1933-34年にに開発した増幅・発振用3極管で,気象観測用のラジオゾンデなどのためにUX-30の電気的特製をそのままに外形を小型化した日本独自の球です。30をT管に納めしかも口金無し(ソケットなし)の形式のUN-30M,ソケット用のUX, UVがありました。マツダUX-30M, UV-30Mの1940年1月の定価4.70円,卸3.76円。UN-30Mの1940年1月の定価4.50円,卸3.60円。戦時中には理研真空管,品川電機(トウ)等も製造しました。
UZ-30MCは東京電気マツダ(東芝)が1934-35年に開発した携帯無線機用の検波・増幅・変調・発振用直熱双3極電池管。内容的にはUX-30を2組封入したST管UZ-30C(1933-1934年)を小型化したもの。ガラス管はST-45からT-29となった。マツダUZ-30MCの1940年1月の定価8.00円,卸6.40円。
30をT管に納めしかも口金無し(ソケットなし)の形式のUN-30M,30を双3極管にしてUZベースのST45に納めたUZ-30Cです。さらに1934-1935年には,30CをT管に納めてコンパクトにしたUZ-30MC,また開発時期は定かでありませんが30MCのフィラメント電流を倍増しUZベースのST45に納めたUZ-31MCもありました。
戦時中には,東芝の他,理研(戦時中は日立に吸収)が作ったことでも知られている。米国では戦時中(1942年頃)に似たような目的で3A5というミニアチュアの直熱型双3極管が作られた。
(3A5) 2.8V/1.4V, 0.11A/0.22A, 90V, -2.5V, 3.7mA, rp8.3k, gm1.8mA/V, mu15
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
pF |
UX-30 (Matsuda'35.12.10) RG-10020 |
|
ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
2.0 |
0.06 |
180 135 90 |
-13.5 -9 -4.5 |
3.1 3.0 2.5 |
9.3 |
10.3 10.3 11 |
0.9 0.9 0.85 |
|
UX-30 (Matsuda'51) |
JES-4B 1:f, 2:p, 3:g, 4:f (*2) |
35 ST-38/ D=38+/-1 mm, L=105+/-5 mm |
2.0 |
0.06 |
180 |
-13.5 |
3.1 |
9.3 |
10.3 |
0.9 |
|
UN-30M (Matsuda'51) |
None |
T |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
UZ-30C (Matsuda'51) |
JES-6B 1:f, 2:p(2), 3:g(2), 4:g(1), 5;p(1), 6;f |
48 ST-45 |
2.0 |
0.12 |
|
|
|
|
|
|
|
UZ-30MC (Matsuda'51) |
JES-6B 1:f, 2:p(2), 3:g(2), 4:g(1), 5;p(1), 6;f |
23 T-29 |
2.0 |
0.12 |
|
|
|
|
|
|
|
UZ-31MC (Matsuda'51) |
|
23 |
2.0 |
0.24 |
|
|
|
|
|
|
|
頭に(理)のマーク,製造は昭和19年(1944年)。元祖UX-30の電極は平型プレートで,グリッド巻き線も良く見える球だが,本球は特性をそのままに小型化したもので,プレートは断面が長方楕円ののっぺらぼうになった。UX-30を小型化したUN-30M(ソケット無し,T管)のユニットを2つ並べた球らしい。しかし,電極の横寸法が半分になっても,縦寸法は余り変わらず,真空管の縦寸の半分はピンチステムとソケットである。外径は29mm,高さは82mm,足を入れると95mm。米国3A5と比較しちゃいけないか。
フィラメント電圧1.1Vの130シリーズ電池管は日本独自の真空管です。東京電気が経済管の軍用版として,1933-1935年に開発したもので,UY-133, UY-133A, UX-134, UF-134, 1934-35年のUZ-130C, UZ-133D, UZ-135, 1936年のUX-109A, UZ-109Cがあります。
UX-109A(1.1V,0.06A)は日本独自の検波及び増幅用3極管。電池式受信機の検波段あるいは低周波増幅段に使用する。東京電気がUZ-109Cとともに1936年に開発。前年に作られた複合管UY-133Dの3極部と同じ。UX-109Aは1.3VのUX-109の改良版で,フィラメントを1.1Vにして電力を削減した他,パラメータを2V管UX-30のに近付けたもの。UX-30から見るとゼロバイアス電流を除く3定数はほぼ同じでフィラメント電力が半減されている。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
UX-109 (Matsuda'51) |
JES-4A 1;f, 2;p, 3;g, 4;f |
46 S-45/ D=45 +/-1 mm, L=102 +/-5 mm |
1.3 |
0.08 |
90 |
-4.5 |
2.0 |
8.5 |
16 |
0.53 |
UX-109A (Matsuda'51) |
same above |
35 ST-38/ D=38 +/-1 mm, L=105 +/-5 mm |
1.1 |
0.06 |
135 max |
-4.5 |
5.9 |
8.5 |
11 |
0.77 |
UF-109A (Matsuda'51) |
European 4pin base |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
UZ-109Cは日本独自の検波及び増幅用双3極管で,UX-109Aの電極を2つ封入したもの。電池式受信機の検波段あるいは低周波増幅段に使用する。東京電気がUX-109Aとともに1936年に開発。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
UZ-109C (最新受信送信用真空管ポケットブック, ニューラジオ編集部,大盛社, 1952) |
JES-6B 1:f, 2:p(2), 3:g(2), 4:g(1), 5;p(1), 6;f |
ST-38 (?) |
1.1 |
0.12 |
135 |
-4.5 |
5.9 |
8.5 |
11 |
0.77 |
UF-111A(1.1V,0.06A)は日本独自のSCO(シャープ・カットオフ)5極管。東京電気が1933-1934年に開発。名称は空間電荷4極管UX-111,UX-111Bと似ており,良く間違えられるが,全く別系統の球。1929年に国産化した3.3V4極管UX-222を原形に,フィラメントをトリエーテッドタングステンワイヤーから酸化膜フィラメントに変えてエミッションを改善して1.1V管とした球のようです。電極構造は編目のアウタースクリーングリッドや筒状プレートなどUX-222のサイズを踏襲しながらST管とした球となっています。非常に古い設計といえましょう。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
rp Mohm |
mu |
gm mA/V |
Matsuda UX-222 in MJ43.1 |
|
L=124, D=45 |
3.3 |
0.13 |
135 |
45 |
-1.5 |
1.7 |
0.2 |
0.72 |
270 |
0.375 |
UF-111A (Matsuda'51) |
European Type 4pin 1:g2, 2:f, 3;p, 4;f, top=g1 |
39 ST-38/ D=38 +/-1 mm, L=115 +/-5 mm |
1.1 |
0.06 |
135 |
45 |
-1.5 |
1.7 |
- |
0.45 |
120 |
0.300 |
UZ-130C(1.1V,0.24A)は日本独自の検波増幅及び発振用双3極管。東京電気がUY-133Dとともに1934-35年に開発。UX-109Aの倍の電力が取り扱えるようにしている。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
pF |
UX-30 (Matsuda'35.12.10) RG-10020 |
|
ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
2.0 |
0.06 |
180 135 90 |
-13.5 -9 -4.5 |
3.1 3.0 2.5 |
9.3 |
10.3 10.3 11 |
0.9 0.9 0.85 |
|
UX-130A (実用ラジオサービスブック, 理工学社, 1949) |
4D |
|
1.1 |
0.12 |
180 |
-13.5 |
11.5 |
7.2 |
5.1 |
1.400 |
|
UZ-130C (Matsuda'51) |
JES-6B 1:f, 2:p(2), 3:g(2), 4:g(1), 5;p(1), 6;f |
48 ST-45 |
1.1 |
0.24 |
180 |
-13.5 |
11.5* |
7.2* |
- |
1.4 |
|
UY-133A(1.1V,0.06A)は日本独自の電力増幅用5極管。電池式受信機の出力段に使用する。東京電気がUY-133とともに1933-1934年に開発。複合管UY-133Dの5極部と同じ。UY-133AはUY-133のフィラメント電力を半分として出力を半分としたものと考えられる。マツダUY-133の1939年7月,1940年1月の定価5.50円,卸3.85円。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
rp k ohm |
gm mA/V |
RL k ohm |
Po W |
mu |
UY-133 Matsuda '51+ |
1f, 2p, 3g, 4g2, 5f |
ST38/ D=38mm L=105mm |
1.1 |
0.125 |
90 |
90 |
-9 |
4.6 |
5 3 |
80 |
0.75 |
- |
0.13 |
60 |
UY-133AMatsuda '51+ |
JES-5B 35 |
|
1.1 |
0.06 |
90 |
90 |
-4.5 |
3.3 |
1.0 |
120 |
0.5 |
- |
- |
- |
UY-33 Matsuda '51+ |
JES-5B |
|
2.0 dc |
0.26 |
180 135 |
180 135 |
-18 -13.5 |
22 14.5 |
5 3 |
55 50 |
1.7 1.45 |
6 7 |
1.4 0.7 |
90 70 |
Tokyo Electric (Toshiba) Matsuda UY-133A, in 1943/1943年(昭和18年6月)製造。
No. 7671。表にUY133A, 頭にマツダロゴ。何とも可愛いプレート。筒の直径は56や76と見間違う程。普通の5極管と違う点は,第3グリッドは2本の支柱があるのだが,第1と第2グリッドは1本の支柱しかないのだ。フレームグリッドではないが,下のステムからの支持棒1本と上部のマイカ板の穴の1点押さえで自立しているのだから恐ろしい。未計測。このサンプルは1943年の東京電気(株)製で(マツダ)とある。東京電気は1940年頃芝浦電気と合併して東芝となりマツダ製品を出荷していたが,子会社の東京電気無線は東京電気となり同じくマツダを出荷した。
UZ-133Dは,日本独自の3極5極管。東京電気が1934-35年に開発。UY-133AとUX-109Aの電極を封入した検波・低周波増幅用の複合管。
Specification of UZ-133D
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
|
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
UZ-133D (matsuda'51) |
JES-6A JES-1A 1;f+g3p, 2;pp, 3;g2p, 4;gp, 5;pt, 6;f, TOP=gt |
50 ST-45/ D=45 +/-1 mm, L=122 +/-5 mm |
1.1 |
0.125 |
P |
90 max |
90 max |
-4.5 |
3.3 |
1.0 |
- |
120 |
0.500 |
T |
135 |
- |
-4.5 |
5.9 |
- |
8.5 |
11 |
0.770 |
UX-134/UF-134(1.1V,0.06A)は日本独自の可変増幅用(リモート・カットオフ)5極管。UF-134はUX-134のUFベース版。東京電気がUX, UFともに1933-1934年に開発。マツダUX-134の1939年7月,1940年1月の定価6.50円,卸4.55円。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
rp Mohm |
mu |
gm mA/V |
UX-34 (Matsuda'51) |
JES-4A 1:f, 2:p, 3:g2, 4:f, top=g (*2) |
35 ST-45/ D=45 +/-1 mm, L=122 +/-5 mm |
2.0 |
0.06 |
180 135 90 |
67.5 67.5 45 |
-3 -3 -1.5 |
1.7 1.7 0.8 |
0.4 0.4 0.2 |
1.2 0.95 - |
- |
0.65 0.64 - |
UX-134 (Matsuda'51) |
JES-4B JES-1A 1:f, 2:p, 3:g2, 4:f+g3, Top=g1 |
39 ST-38/ D=38 +/-1 mm, L=115 +/-5 mm |
1.1 |
0.06 |
90 67.5 |
67.5 45 |
-1.5 |
2.0 0.65 |
- |
0.700 - |
220 - |
0.320 - |
東京電気は1940年頃に芝浦電気と合併し東京芝浦電気(東芝)になり,本社は川崎から東京銀座に移転。真空管は東京電気時代のマツダのロゴを使い続け軍用にもマツダのロゴのものも出荷したが,1944年頃からロゴはマツダからサイクルマーク(私はプロペラ・ロゴと呼んでいたがサイクルマークが正解)に切り替えられ,戦争末期にはサイクルマークだけになった。
フィラメントは写真では見えないが上下に1本で,上に竿で吊ってある。変な形のマイカが使われている。爪がガラス管壁に届いていないように見える。電極下部を見ると,グリッドは平型でプレートが円柱であるのが分かる。
UZ-135(1.1V,0.13A)は日本独自の周波数変換用5格子管。東京電気が1934-1935年に開発。原形は当時米国でデビューした2V管1A6と見られ,ベース接続は違うが,動作例では低い電圧しか紹介されていないがフィラメント以外の電気的特製は類似と見られる。東京電気は米国1A6そのものは販売しなかった。後に品川電気が1A6と1A6B(おそらくベース違い)を製造している。東京電気は米国型の改良型2V管1C6はベースをUZ-135と同じにした相当管UZ-1C6Bを後に開発販売した。マツダUZ-135の1939年7月,1940年1月の定価9.00円,卸6.30円。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Ec2 V |
Esg V |
Eg V |
Rg1 k ohm |
Ib mA |
Ic2 |
Isg mA |
rp k ohm |
gm mA/V |
1A6 GE ETRM-15P 1973 |
6L 1:f, 2:p, 3:g2, 4:g1, 5g3+g5:, 6:h, Top=g4 |
12-6 |
2.0 |
0.06 |
180 |
180 +20k |
67.5 |
-3 |
50, 0.2 mA |
1.3 |
2.3 |
2.4 |
500 |
0.3 |
UZ-135Matsuda '51+ |
JES-6B 39 1:f, 2:p, 3:g3+g5, 4:g2, 5:g1, 6:h, Top=g4 |
ST38/ D=38 mm +/-1, L=113 mm +/-5 |
1.1 dc |
0.13 |
135 |
135 +20k |
67.5 |
-3 |
0.2 mA |
2.2 |
- |
- |
- |
0.2 |
1C6 GE ETRM-15P 1973 |
6L |
12-6 |
2.0 |
0.12 |
180 |
180 +20k |
67.5 |
-3 |
50, 0.2 |
1.5 |
4.0 |
2.0 |
700 |
0.325 |
UZ-1C6B Matsuda '51+ |
same above |
same above |
2.0 dc |
0.12 |
180 |
180 |
67.5 |
-3 |
50, 0.2 mA |
1.6 |
- |
2 |
- |
0.325 |
UZ-1C6B D* '51+ |
|
|
|
|
|
+20k |
|
|
|
|
3.2 |
|
|
|
ステムに青でC。第1から第3グリッドは扁平な超楕円断面,第4と第5グリッドはほぼ円形の断面。プレートはやや楕円断面。三重県橋本さんのご厚意により譲り受けました。
電池式受信機用万能5極管。東京電気マツダ。開発年代は1942年頃と推定さる。高周波増幅,低周波増幅,検波,混合,局部発振のいづれにも使用できるとある。フィラメントの片側にはアウターシールドが接続されている。外形はひょろ長いT管で,T管といえば国産では3極管は30MCや高周波5極管は同時期に作られた6.3Vの6Z-AM1, 6Z-1V, 6Z-3Vであるが,この高周波5極管族は米国戦前の1N5-Gに外形がそっくりだ。ただし,電気的特性は劣り,リモートカットオフ特性の米国2.0V電池管UX-1A4-pのカソードエミッションを1/2にしたものに相当し(下の表参照),1A4-pの逆V型フィラメントを1本だけとしてT管に封入して製造したものと思われる。ただし,1A4-pは第3グリッドは扁平であるが,UY-11Aは円筒形をしている,3極管接続等にも使えるよう第3グリッドが独立に引出されている,など詳細は異なるようだ。受信機用万能真空管は保守部品の補給の難しい移動無線機用に考えられたもので,大平洋戦争勃発後,6.3VセットではUZ-6D6やUt-6F7を,また12V管ではソラ(後の12G-R6)が万能管として使用された。そして,同様の目的で電池式無線機用として開発されたのがUY-11Aである。UY-11Aを使用した無線機は戦争中盤の1943年頃から現れ,1セットに6本から7本使われた。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
rp Mohm |
mu |
gm mA/V |
UY-11A (Matsuda'51) |
JES-5B JES-1A 1:-f+S, 2:p, 3:g2, 4:g3, 5;f Top=g1 |
28 T-30/ D=30 +/-1 mm, L=115 +/-5 mm |
1.1 |
0.06 |
135 max |
67.5 max |
-3 |
1.8 |
0.5 |
0.700 |
300 |
0.480 |
Reference 1A4-p Sylvania 1946 |
|
|
2.0 |
0.06 |
135 |
67.5 |
-3 |
2.2 |
0.9 |
1.0 |
|
0.625 |
Reference 1B4-pSylvania 1946 |
|
|
2.0 |
0.06 |
135 |
67.5 |
-3 |
1.6 |
0.7 |
1.5 |
|
0.560 |
Reference American 1N5-GT |
|
|
1.4 |
0.05 |
90 |
90 |
0 |
1.2 |
0.3 |
1.5 |
|
0.750 |
電池式真空管はさらなる小型化の要請がありました。東京電気はUX-111Bの成功を受けて1935年頃にはピーナツ管試作を行い,1937年には空間電荷4極管Uy-11M, 5極管Uy-14Mを完成しました。小型コンパクトの極地でしたが製造技術が伴わず,Uy-11Mは空間電荷型だから許せるとしても,一般の5極管Uy-14Mは単に小型化しただけでしたので電気的性能たるや悲惨な程に低gmでした。
1937年に東京電気マツダが開発した携帯小型通信機用の5極管。空間電荷4極管で,ナス型のUY-111Bを小型化したもの。電池式携帯無線機の検波増幅用である。ピーナッツ管と呼ばれた。外形は直径17mm, 長さ54mm。小型化のためgmが半減している。一部の軍用無線機に使用された。戦時中は理研真空などが製造した。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Escg V |
Eg V |
Ib mA |
Iscg mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
pF |
UX-111 (Matsuda'51) |
|
|
1.3 |
0.08 |
21 max |
20 max |
-3 |
1.7 |
|
5.2 |
6.6 |
0.800 |
|
UY-111 (Don '38) |
|
|
1.1 |
0.075 |
25 max 21 |
20 max 18 |
- |
1.7 |
3.2 |
5.0 |
6.0 |
0.860 |
|
UX-111B (Matsuda'51) |
|
|
1.3 |
0.08 |
20 max |
20 max |
-1.5 |
1.0 |
|
9 |
10.6 |
0.850 |
|
UY-111B (Don '38) |
|
|
1.1 |
0.075 |
25 max 21 |
20 max 18 |
- |
1.0 |
2.8 |
10 |
10.6 |
0.850 |
|
Uy-11M (Matsuda'51) |
Special 5pin 1:f, 2:p, 3:SCg, 4:g, 5:f |
3 T-17/ D=17+/-0.5 mm, L=54+/-2 mm |
1.1 |
0.06 |
22.5 max |
22.5 max |
-1 |
0.6 |
- |
8.5 |
20.2 |
0.420 |
|
1937年に東京電気マツダが開発した携帯小型通信機用の5極管。ピーナッツ管と呼ばれた。外形は直径17mm, 長さ54mm。米国のmT管よりも小さい?超小型で便利そうなのだが,性能は2年後の1939年に米国で生まれたmT管に比べてgmは1/4程度と性能はいまいちであった。それが普及を妨げた原因であったかもしれない。中身を考えるとどうもUX-199を5極管にしてフィラメント電力を1/3にした感じである。
Ef 1.1V, If 0.06A,
Eb45V, Esg45V, Eg-3V, 0.35mA, 0.1mA, gm 0.13mA/V, rp 0.5Mohm, mu6.5
(参考 UX199)
Ef 3.3V, If 0.063A,
Eb90V, -, Eg-4.5V, 2.5mA, rp15.5k, gm0.425mA/V, mu6.6
写真右に電極が見えるが,mT管よりも小さく,UX-199を思い出す。ステムも小型のピンチステムである。