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(1)Pentode Amp/5極管チューナ |
(2)Cascode Amp/カスコード管 |
(3)Nutrode Amp/ニュートロード管 |
(4)GG Amp & UHF/GGアンプとUHF管 |
(5)VHF Converter/VHFコンバータ管 |
I. History of Neutrode Tuner/ニュートロード・チューナーの歴史 | |||||
II. Neutrode Tube/ニュートロード管 | |||||
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2HA5/3HA5/ 4HA5/6HA5, EC900/PC900/ XC900 Toshiba, Hitachi, NEC |
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2HM5/3HM5/ 4HM5/6HM5 |
2HQ5/3HQ5/ 4HQ5/6HQ5 |
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TVのVHFチューナーに中和型アンプが登場したのは1950年代で,ニュートロード・チューナーと名付けられました。米国スタンダード・コイル社が開発したそうです。高周波増幅に3極管を用いるとCgpによる帰還による発振に悩まされますが,ラジオ受信機の歴史では1920年代には早くも中和型のアンプが登場し,実用になっていました。しかし,その後の多極管の開発により使用されなくなっていました。何故,再び日の目をみたかというと,製造コストにあったようです。
単3極管のニュートロードアンプは次の特徴を持っています。(1)カスコードに比べて安価,(2)不要輻射が大変少ない,(3)マイクロフォニーが少ない,(4)消費電力も小さい,(5)混変調特性が良い。ニュートロードはカスコードに比べてゲインが6dB程小さいという欠点がありますが,NFは良いでの後段で埋め合わせがきくようです。
ニュートロード型RFアンプ専用の真空管は,Sylvaniaにより1957年に開発された6BN4が最初のようです。この球は1952年頃に開発されたカスコードアンプ用双3極管6BZ7の電極を単管に焼きなおしたものでした。この時代,Sylvaniaは民生用TV球の開発を精力的に行っており,6BN4と同時に同目的の4極管6CY5も開発しています。この4極管の系譜は後にFM放送のチューナー管6C9や6AB9へと発展します。この6BN4の系譜は,その時期に流行っていたフレーム・グリッドにより高ゲイン化され,主流となりました。ニュートロード型RFアンプ専用の新型管は1960年代前半に次々と開発されましたが,1960年中頃には満足な形で終結し,以後1970年代の真空管TV終結までこれらの遺産で食い継ぎました。
日本国内では,ニュートロードは1964年頃に主流となりました。その直接的な理由は輸出用のUHFコンバータにあったようです。米国では1963年頃にオールチャンネル法が施行され,UHFチャンネルが受信できないTVは売ることができなくなりました。UHFコンバータを付属させダブル・コンバージョン方式にするのは簡単ですが,コストの点では不利。シングル・コンバージョンにすると従来の日本で使われてきた低いIFではイメージ比が足りません。結局,これに合わせる形で日本でもIFのUpが図られました。
米国ではUHFのIF出力周波数をどこにするかが問題で,(1)VHFの1,2chにする方法,(2)VHFのIFに直接出力する方法の2通りがありました。国内では,従来の双3極管によるカスコードアンプ,双3極管による混合・発振の時代にはIFは10MHz台,27MHz台でしたが,(2)の方法を取るとイメージ比を確保するにはIFを50MHz台に引き上げる必要があり,双3極管によるインピーダンスの低いミキサーでは対応でき難くなりました。したがって,5極管ミキサーを導入しました。
1964 Neutrode Tuner 16PA, 11PR, 11RZ(3GK5)
1964 Exp 5102(11E2) 450mA/UHF, 5103(11E2A), 5106(16E8)
1964 LA24 UHFconv
1965 Neutrode Tuner 19HA
1965T LC31 Tr.UHF Tuner, 470MHz-770MHz, ch2/3
TRB21 Tr VHF Buster; 2SA432 G=15dB, NF6dB
1966T TRB22 Tr VHF Buster 3Tr
1966T AP271P 2HA5, 4GS7
Table of Neutrode Tubes
Base/Outline |
gm/mu |
6.3V |
300mA |
450mA |
600mA |
Others |
4 Series |
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5CE |
5.0 60 Fmax 300 MHz |
EC92 0.15 6AB4 |
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5CE |
7.2 67 6.7 70 |
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PC92 3.15 3AB4 |
|
|
UC92 9.5V/0.1 9AB4 |
7EG 5-2 KK-GG |
6.8 43 |
6BN4 0.2 |
|
3BN4 |
2BN4 |
|
7EG 5-2 |
7.7 43 |
6BN4A 0.2 |
|
|
|
|
12AQ 4-4 |
9.8 65 |
6CW4 0.135 |
|
2CW4 2.1 |
2B-H5 1.8 |
13CW4 13.5V/0.06 |
12AQ 4-4 |
9.0 63 |
6DS4 0.135 |
|
2DS4 2.1 |
2EG4 1.7 2N-H11 1.8 |
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5 Series |
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|
7FP 5-2 |
10.5 80 |
(6ER5) EC95 0.18 |
(4ER5) PC95 3.6 |
(3ER5) 2.8 |
(2ER5) 2.3 |
|
7FP 5-2 |
9.0 75 |
(6ES5) 0.2 |
|
(3ES5) 3.0 |
(2ES5) 2.35 |
|
7FP 5-2 |
9.0 50 |
(6FH5) 0.2 |
|
(3FH5) 3.0 |
(2FH5) 2.35 |
|
7FP 5-2 |
11 60 |
(6FQ5) 0.18 |
|
(3FQ5) 2.8 |
(2FQ5) 2.3 |
|
7FP 5-2 |
12 74 |
(6FQ5A) 0.18 |
|
3FQ5A 2.8 |
(2FQ5A) 2.3 |
|
7FP 5-2 |
13 70/65 |
(6FY5) EC97 0.2 |
PC97 4.5 |
LC97 |
(2FY5) XC97 2.4 |
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smT |
15 77 |
6D-H6 0.2 |
4D-H6 0.3 |
|
2D-H6 2.3 |
|
7FP 5-2 |
15 78 |
6GK5 0.18 |
4GK5 4.0 |
3GK5 2.8 |
2GK5 2.3 2GK5/2FQ5A |
|
7GK 5-2 |
15 72 |
6GW5 0.19 |
4GW5 4.2 |
3GW5 3.0 |
2GW5 2.45 |
|
GG-PP |
6.7 200 |
|
PC96 3.1 |
|
|
|
7GM 5-1 |
14.5 72 |
6HA5 0.18 EC900 |
(4HA5) 3.9 (PC900) |
3HA5 2.7
|
2HA5 2.2 XC900 |
|
7GM 5-2 |
15 75 |
(6HK5) 0.19 |
(4HK5) 4.0 |
(3HK5) 2.9 |
(2HK5) 2.3 |
|
7GM 5-2 |
14.5 78 |
(6HM5) 0.185 |
(4HM5) 4.0 |
(3HM5) 2.9 |
(2HM5) 2.0 2HM5/2HA5 |
|
7GM 5-2 |
15 78 |
(6HQ5) 0.2 |
(4HQ5) 4.2 |
3HQ5 3.0 |
(2HQ5) 2.4 |
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6BN4系は米国Sylvaniaが1957年に開発した初のニュートロード・チューナー用3極管。1952年頃に開発されたカスコードアンプ用双3極管6BZ7の電極を単管に焼きなおしたものと思われる。
7EG, 5-2 2.3V-0.6A, 3.0V-0.45A, 6.3V-0.2A
275V, 2.2W (Design max) Cin3.2pF, Cout1.4pF, Cgp1.2pF,
150V, 220ohm, 9.0mA, 6.3k, 6.8mA/V mu43
6BN4Aはgmをupしたもの。
7.7mA/V mu43
RCAが1959-60年に開発したニューヴィスタ管。TVとFM放送のチューナー用。6.3V系,450mA系,そして移動無線用の13V系がある。特性はシャープカットオフとセミ・リモート・カットオフの中間でAGCを掛けて使用できるが,後に開発された6DS4系に比べるとバイアス範囲は狭い。国内では日立,NECが国産化。東芝,三菱も試作したが製品化しなかった。600mA系2B-H5は日本独自のJIS名管で,日立が開発した。
(2CW4/3CW4/6CW4/13CW4)12AQ 2.1V-0.45A/6.3V-0.135A/13.5V-0.06A, (2B-H5)1.8V-0.6A
Cin=4.3pF, Cout=1.8pF, Cgp=0.92pF,
110V, 130ohm, 7mA, mu65, 6.6k, 9.8mA/V
-4V, 0.01mA
(代表動作)70V, 0V, Rg47k, mu68, rp5.44k, gm12.5mA/V, Ib7.2mA
RCAは1961年型のカラーTV CTC-11で6CW4を採用したチューナKRK-98(混合発振は6EA8)を使っている。RCAのニュービスタは華々しくデビューしたが,小型化以外にめぼしい特徴が無く,TVチューナーではやがて単なるmT管のニュートロード管に軍配が上がり敗退した。しかし,完全に駆逐された訳ではなく,細々と生き残った。実は日本でも真空管カラーTV末期の1971年に至っても2H-B5を使う機種が残っていたのである(シャープの1品種)。6CW4はTV以外では小型で高周波の配線に向いていることや珍しさも手伝ってFMチューナーやアマチュア無線などに使用され生き残ったようである。まれにUHFのGGアンプにも使用された。しかし,ソケットの入手には苦労した。
日立 6CW4 (刻印8 49, 黒印字8-12, 緑9 X)1968年12月製。何年か前に秋葉原の秋月でザルにざくざくと売っていたもの。右はHitachi 2B-H5(刻印-, 黒印字59, 緑-)
6DS4系は1961年にRCAが開発したニューヴィスタ管でTVとFMチューナー用。6CW4系のセミリモート・カットオフ版。混変調歪みを低減する。6.3V系,450mA系がある。600mA系の2N-H11は日本独自でJIS名である。日立が開発。
2EG4系は1961年にRCAが開発したニューヴィスタ管でセミリモート・カットオフ管。600mA系のみ。6DS4系と同じ特性で日本の2N-H11と同等品と思われる。600mA系の開発がやや後手に回ったこと,本来2DS4を名乗るべきだが既に450mA系に同名があったこと,などから別名になったと思われる。
(2DS4, 6DS4) 2.1V-0.45A/6.3V-0.135A 12AQ,
(2N-H11) 1.8V-0.6A 12AQ, (2EG4) 1.7V-0.6A 12AQ
Cin=4.3pF, Cout=1.8pF, Cgp=0.92pF,
110V, 130ohm, 6.5mA, mu63, 7k, 9.0mA/V
-5V, 0.1mA
-6.8V, 0.01mA
(代表動作)70V, 0V, Rg47k, mu68, rp5.44k, gm12.5mA/V, Ib7mA
6ER5系は米国Sylvaniaが1959年12月に発表した単三極管。ニュートロード型チューナー専用管初のフレームグリッド(strap frame grid)採用。RCAがニュービスタ管を開発していた頃,Sylvaniaは従来のMT管+フレームグリッドで対抗した。結果的にSylvaniaの路線が世界標準となった。
6ER5系の電極構造は,グリッド・プレート間容量を減らすために,プレートは凸型プレートを採用,さらにグリッドの間にビーム管のビーム・プレート(ビーム形成翼)と同じものを配置,空間遮蔽効果によりCgpを低減していました。スクリーン・シールド電極とも呼ばれました。そのために管名末尾の数字は4(3極+ヒータ)に1(シールド)を足して5に増えました。この球は,後のTV用高周波増幅管のルーツになりました。
特性はセミ・リモートカットオフで強電界地域でアンテナ入力1.2Vまで許され,AGCにより混変調も良好な結果が得られるとあります。
6.3V, 0.18A 250V/2.2W Cin=4.4pF, Cout=4.0pF, Cgp=0.36pF
(RCA) 200V, -1.2V, 10mA, 8.0k, 10.5mA/V, mu80,
-3.8V, 0.5mA/V
-5.6V, 0.1mA/V
その当時のSylvaniaは欧州Philipsの球を次々と米国で生産し提携関係を強めていたようで,Sylvaniaの球もPhilipsの世界的ネットワークに乗って各国に普及していったようです。
国内では松下が早くも1960年6月に300mA管の4ER5を発表しています。また,同年12月には4ER5を2本用いたチューナーの例を載せています。周波数混合・発振にも4ER5の自励式コンバータを採用していました。またNEC(新日電)は1961年に2ER5,6ER5を国産化し,1962年2月に紹介しています。一方,アマチュア無線では米国コリンズがこの球をVHF用の受信コンバータ62Sに使用しました。また,オーデイオ用プリアンプに採用したメーカもあるようです。
しかし,我が国ではニュートロード型チューナーに直ぐには飛びつきませんでした。何故なら,当時の日本はHigh-gmカスコード・チューナーの開発競争の真最中,感度の点ではかないません。ニュートロード管が主流になるには,さらにgmをupした6GK5系の出現と変換ゲインの高い周波数混合管6GS7系が出現するまで待たねばなりませんでした。
6ER5系のシャープカットオフ管?。6ER5よりヒータ電力がやや大きく,muがやや小さい,また電極容量Cgpはやや大きい。日本では作られなかった模様。
6.3V, 0.2A 250V/2.2W(Design max) Cin=3.2pF, Cout=4.0pF, Cgp=0.5pF
(GE) 200V, -1.0V, 10mA, (8.0k), 9.0mA/V, mu70
この球は6ES5系を原型に,muを50に引き下げ,パービアンスをやや大きくして,低電圧+B向けに改良した模様です。最大プレート電圧が250Vから150Vに引き下げられました。コンバータは6U8の改良型6EA8/5EA8/19EA8が同時発表されています。
国内ではNEC(新日電)が2FH5/3FH5/6FH5を国産化し,1961年5月には発表しています。面白いことには6ES5系よりも先行して発表しています。
6.3V, 0.2A 150V/2.2W(Design max) Cin=3.2pF, Cout=4.0pF, Cgp=0.52pF
(RCA) 135V, -1.0V, 11mA, 5.6k, 9.0mA/V, mu50,
(NEC) -5.5V, 0.1mA
1972年JAPANは白字でスタンプされてます。オリジナルの文字は1つも残っていません。中身は6GK5かもしれません。ガラスに筋があり,電極構造からしてNEC製,製造は1960年代と考えられます。国内ではWHと関係の深い三菱電機もNEC製を採用しており,三菱電機経由で輸入したものかもしれません。中古,未計測。
Sylvaniaが59-61年にEIAに全品種とも登録。後の6GK5系と比較してmuが小さくgmが低い。その代わりCgpも小さい。つまり,6GK5系の原型です。国内では使用した形跡はありません。
6FQ5 7FP 5-2 6.3V,0.18A, 200V/2.5W, Cin4.8pF, Cout4.0pF, Cgp0.4pF
135V, -1.2V, 11.5mA, 5.5k, 11mA/V, mu60
6FQ5A系は6FQ5系の改良版で,代表特性は下記の通り。
6FQ5A 7FP 5-2 6.3V,0.18A, 200V/2.5W, Cin5.0pF, Cout3.5pF, Cgp0.52pF
135V, -1.2V, 8.9mA, 6.3k, 12mA/V, mu74
後の6GK5系と比べてgmはなお低いのですが,良く見るとバイアス条件が-1.2Vと異なっており,-1.0Vにすると6GK5そのものになるように見えます。電極間容量などは6GK5系そっくり。つまり,6FQ5A系は本来の6FQ5系の保守用パーツとして6GK5の電極部品をそのまま使用したのでは無いかと思われます。下で紹介する球は全て代替品です。
米国の真空管商社ブランドで,3FQ5Aと枠付き白字で汚くスタンプしてありますが,管上部にうっすらと東芝特有の金枠文字で3GK5と残っています。プレート側面の片側は開いており,さらにマイカの穴が1960年代と異なることから1970年代初頭と思われる。中古,未計測。
1969年頃。ゲッタリングは両支持。米国Raytheonの黄色字スタンプで2GK5と2FQ5Aが並記してあります。管下部にはNEC特有の文字で2GK5の表示が明確にあります。ガラスは鯛焼きのごとく接合したもので筋入りです。中古,未計測。
開発者不明。欧州では初めにEC97(6.3V系)とPC97(300mA系)が作られ,た。一方,米国では2FY5(600mA系)と6FY5が作られた。
7FP 5-2 6.3V-0.20A, 4.5V-0.3A, 2.4V-0.6A, 2.8?V-0.45A
200V/2.2W(Design max), Cin4.75pF, Cout4.3pF, Cgp0.48pF
135V, -1.0V, 11.0mA, 5k, 13mA/V, mu70
米国Sylvania/GTEが1961年に開発( 59-61年に全品種をEIAに登録)。グリッド支持棒に繋ぎの横棒を付けたstrap frame grid管(61.3 )。
7FP 5-2 2.3V-0.6A, 2.8V-0.45A, 4.0V-0.3A, 6.3V-0.18A,
200V/2.5W(Design max), Cin5.0pF, Cout3.5pF, Cgp0.52pF
135V, -1.0V, 11.5mA, 5.4k, 15mA/V, mu78
チューナ管として一世を風靡。英国Mullardも1962年に広告を載せているが欧州名は無い。国内では東芝は1962年に2GK5, 3GK5, 6GK5を国産化,さらにサブミニ管6D-H6も作った。日立は1962年に2GK5と6GK5を,三菱は1963年に2GK5を製造。NECも1963年には2GK5と6GK5を製造。松下は1964年に4GK5を製造し,国内は6GK5系一色となった。なお,6GK5系の定価は各社とも800円。松下は4GK5だけが600円で他の品種は同様に800円だったのは不思議。
国内ではVHF高周波増幅2GK5, 3GK5, 4GK5, 6GK5に対して,混合発振には5極3極複合管4GS7, 5GS7, 7GS7, 6GS7が標準的に使用されました。
文献*では、6GK5や6HA5では、小さい面積のプレートを遠くに配置し、ビームプレートにより電子流を集束させることで、Cpgを減少させている旨、説明があった。ただし、図は6HA5とあるが、スクリーングリッド付きでは4極管だから、6HA5ではないよね。これは6CY5や6EA5、さらに6AB9の片ユニットなどの4極管だ。
*R.F.Shea (Ed.), Amplifier Handbook, MacGraw-Hill, 1966.
gmは6, 未計測, 未計測。
プレートが片開き。マイカが厚い。gmは50, 61, 52。
Hitachi 3GK5(H8-6, F2) in 1968, 3GK5(H8-6, I4) in 1968, Sharp/Hitachi 2GK5(92 B2) in 1969, and Photo about Top Mica -Protect Cathode Vibration [Zi6] / 右は防震マイカ。gm=未計測, 72, 未計測。
1964年版は大型ドーナツゲッタ。1969年は小型ドーナツゲッタ。gm=未計測,35。
Matsushita, National Logo ?GK5(7F) in 1967, Three Pine Needles Logo 3GK5(7G) in 1967 and National Logo 4GK5(8F) in 1968 [Zi6] 松下 ?GK5(7F,ナショナル)1967, 3GK5(7G,三松葉ロゴ)1967, 4GK5(8F,ナショナル)1968, gm=未計測,未計測,62.。
松下はプレート側面が片側解放,片側切り込み。上部にシールド兼ゲッタ支持支柱。防震マイカ。国内随一の造り。ここにはサンプルを示さないが松下製1965年はプレートがややスリムでスポット溶接がある。
Matsushita Three Pine Needles Logo 2GK5(8H) in 1968, 4GK5(0C) in 1970 and National-Logo ?GK5(BO) in 1970s, gm=82, 57, 57. [Zi6]
松下 2GK5(8H,三松葉ロゴ)1968, 4GK5(0C,三松葉ロゴ)1970, ?GK5(BO,ナショナル)1970s, gm=82,57,57。
東芝が1961年に開発。ミクロビスタ,フレーム・グリッド管。6GK5系のサブミニ版。シールド付き。この当時,東芝は次期チューナー用ミクロビスタ管としてカスコード型RF管3D-HH12(EIA名3FU7),混合発振管3D-HH13(EIA名3FX7)を,またニュートロード型としてRF増幅6D-H6,混合発振管として6FW7も開発している。実際に売り出され,価格が付いているのは2D-H6で\850。3GK5は\800だったからやや割高。
smT 6.3V-0.20A, 4.3V-0.3A, 2.3V-0.6A
200V/2.5W(Design max), Cin5.1pF, Cout4.1pF, Cgp0.45pF
135V, -1.0V, 11.0mA, 5.13k, 15mA/V, mu77
NF 5.5dB
開発者不明,1962年頃。6GK5系のピン配置をグリッド接地型アンプ用に改造したもの。カソード引出線が1本しかなく,代わりにグリッド引き出し線が2本ある。6GK5系に比べて電極間容量がやや増えている他,ヒータ電力がやや大きく,muがやや小さい。サンプルが無いので電極構造は分からないが,スクリーン・シールドはあると思われる。
7GK 5-2 2.45V-0.6A, 3.0V-0.45A, 4.2V-0.3A, 6.3V-0.19A,
200V/2.5W(Design max), Cin5.5pF, Cout4.0pF, Cgp0.6pF
135V, -1.0V, 12.5mA, 5.8k, 15mA/V, mu70
米国Amperexが1962年12月に発表。フレームグリッドの巻き線に民生用としては初の8um grid wireを採用。プレートグリッド間の距離は何と40um。ベースピン配置は6GK5系から新しいものに変わった。
7GM 5-1 2.2V-0.6A, 2.7V-0.45A, 3.9V-0.3A, 6.3V-0.18A,
220V/2.6W(Design max), Cin4.3pF, Cout2.9pF, Cgp0.36pF
135V, -1.0V, 12.5mA, 5.0k, 15mA/V, mu75
英国Mullardは米誌の63年2月にEC900/6HA5の広告を載せています。この球はどうやらPhilips系のようです。国内では,米国のニュースには敏感なのですが,6HA5が国産化されたのは遅く?松下は1965年,東芝,NECは1966年頃でした。日立の記録はありませんが同じ頃でしょう。東芝は定価800円。
6HA5系の特徴はプレートの縦寸法にあるようで,6GK5系よりやや短くなっています。そのため,プレート損失が僅かに小さくなり,ヒーター電力も僅かに小さいのですが,少しパービアンスを上げてgm等のパラメータをほとんど同じにしたようです。縦寸を短縮した目的はCgpを低減して中和が取りやすくしたことにあるようで,0.52pFからさらに0.35pFと30%程度小さくしています。国内では,1964年代頃は6GK5系一辺倒でしたが1966年頃には6HA5系に切り替えるメーカが現れました。しかし,その後TVの真空管・トランジスタ・ハイブリッド化が始まり,1972年頃にトランジスタ化されてしまったので,手元にある6HA5系の中古球も新品ストックも数が少なく,生産量は6GK5系と比較すると僅かだったようです。
国内チューナーは,VHF高周波増幅2HA5, 3HA5とともに,混合発振には5極3極複合管4GS7, 5GS7が標準的に使用され,6GK5時代と同様でした。
From Left, Toshiba 6HA5(No code), 2HA5(Middle of 1960s, Brown Print Ages), 2HA5(White Print Ages), US National Instrument/Toshiba 3HA5(1972s, NA273-04, 72-51) [Zi5]
東芝は下の日立等に比べてガラス管長がやや短い。全て中古。左よりgm(Dレンジ/Cレンジ)=19/30, 14/18, 30/46, 未計測。新品はgm=52/96だから全てエミ減と判定される。
6HA5系の電極構造の各社共通の特徴として,プレートの厚みが6GK5系4mmに比べて8mmと倍増している。プレート後方面を2倍に離したことになる。また,電極上部と下部のそれぞれのマイカ板上にカソードとグリッドを囲うシールド板がある。
ともに中古,NECは電子軌道のロゴあり。gm(Dレンジ/Cレンジ)=44/105, gm=19-18/-。
開発者,年代ともに詳細は不明。1963年頃。サンプルなし。電気的特性は6HA5系に類似しているが,ヒーターが僅かに大きく,その代わりプレート最大損失が10%程度低い。
7GM 5-2 2.3V-0.6A, 2.9V-0.45A, 4.0V-0.3A, 6.3V-0.19A,
200V/2.3W(Design max), Cin4.4pF, Cout2.6pF, Cgp0.29pF
135V, -1.0V, 12.5mA, 5.0k, 15mA/V, mu75
この球は6HA5系の廉価版。ガラス管を短いT5-1からやや長いT5-2にしたもの。何故長くしたかというと,T5-1はガラス管が短すぎ,封止時に加熱しすぎるため窒素ガスによる冷却が必要だった。
(電気的特性は6HA5に同じ)
国内各社とも輸出向けに製造したと思われますが,肝心のサンプルはあまり見つけることはできません。日立は2HM5/2HA5という品種をせっせと自社のTV用に出荷しました。この他,僅かにNEC製(1971年)が1本ありました。白字の管名表示は2HA5で保守用ですが,管下部には2HM5/2HA5とあり,長尺であることから明らかに2HM5です。しかし,6HA5の保守用にしてはシールドケースのサイズが合わずに苦労したと思われます。松下は1966年にはマニュアルに掲載していますので,1965年頃には製造したのかもしれません。
左2つは正面,右は側面。ガラス管下部の管名枠には2HM5と表示,白字では互換性を示す意味で2HM5/2HA5と表示している。電極は同社の6HA5系と全く同じ顔をしていることが分かる。電極構造は凸型プレート板の裏側を別の平板で閉じ,4点をかしめて機械的精度を確保する構造。全て中古。gmは右の(L2/8-12)のみ計測,gm=14/15。
この球は6GK5を6HA5と同じピン配置にしたもの。規格上ヒーター電力はやや大きくなっていますが,代表特性は全く変わりません。恐らくピン配置を6HA5系に統一してチューナーを作りやすくする一方で,経年劣化に対する改善を図ったのでしょう。
6HQ5 7GM 5-2 6.3V,0.2A, 200V/2.5W, Cin5.0pF, Cout3.5pF, Cgp0.52pF
135V, -1.0V, 11.5mA, 5.4k, 15mA/V, mu78
(NEC) -2.5V, 1.5mA/V
-4.2V, 0.15mA/V
国内ではこの頃の球は十把一絡げに扱われたためいつ頃製造したかという記録は見あたりませんし,使用された形跡も見あたりません。しかし,NEC(新日電)のマニュアルには確かにその製品規格が掲載されており,また米国から輸入した球の中にその昔北米向けに東芝が輸出した現物を見つけることができます。
上部マイカ上部のガラス内壁が黒くなっているのは当時の東芝製の特徴。1960年代末から1970年代前半製か?