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(1)Pentode Amp/5極管チューナ |
(2)Cascode Amp/カスコード管 |
(3)Nutrode Amp/ニュートロード管 |
(4)GG Amp & UHF/GGアンプとUHF管 |
(5)VHF Converter/VHFコンバータ管 |
I. History of UHF TV Tuner Tube/UHF TVチューナーの歴史 | |||||
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最も高い周波数を取り扱う民生用真空管と言えば,何と言ってもUHF帯TV放送のチューナー管でしょう。UHF帯のTVチャンネルの周波数割り当ては,米国では470-890MHz,日本では470-770MHzでした。実際にUHF帯のTV放送が始められたのは,TV先進国の米国でさえ1952年以降,日本では10年後の1962年以降でした。民生用の(非軍事目的の)通信機がUHF帯を利用できるようになったのは第2次大戦後のことで,そこでは戦前ならびに戦時中に開発された通信用の球が利用されました。UHF帯のTV放送が始まる1950年代初頭にはTV専用の真空管も開発されたのですが,その後1960年代の真空管黄金時代を経て1970年代始めの真空管TV末期になっても,感度の優れた実用的なUHF TV用真空管は出現しませんでした。と言うのも,実は1950年代に現れたトランジスタの開発がより高い周波数へ,より安価へ,と進み1960年代中頃には真空管に追いつき,そして追い越してしまったのです。そのためUHF帯TV用の真空管は1960年代で開発が打ち切られ,2度と顧みられることは無かったのです。以下にUHF用真空管の簡単な歴史を紹介します。
1. Acorn/エーコン管
UHF帯の受信用真空管は,米国では,戦前の1934年にRCAが600MHzまで使える発振管としてエーコン管の955を開発し,UHF利用の先鞭をつけました。米国では955は1934年にRCA De Forest Amateur Radio Divisionによってアマチュア無線誌QSTに広告が掲載され,初期の頃から一般ユーザーのUHF利用を意識した販売戦略だったようです。その後,エーコン管は1944年頃(その数年前?)に1200MHzまで使える発振管6F4,さらに戦後の1949年頃に6F4を改良し高電圧型とした6L4と続きました。しかし,特殊な形状のエーコン管はソケットの脱着に難があること,スペースファクタが悪いことなどから,利用は進まず,開発は打ち切られました。
一方,日本の事情はどうだったかと言いますと,東京電気(現東芝)が1938年(昭和13年)にRCAのエーコン管954, 955をUN-954, UN-955として国産化しています。その後,エーコン管は軍用として住友通信工業(現日本電気NEC),理研真空管(現日立),東北電気無線(後の岡谷無線,現ロダン),それに東洋電波(戦後はレックス,1950年に松下電気産業の傘下)が製造したようです。東北電気無線は1943年11月に完成,以後1945年3月まで製造した模様。また東洋電波(株)は1944年に製造開始。しかし,国内各社の当時の製造技術は米国に比べて雲泥の差があり,どの会社の球も相当性能が悪かったそうです。岡谷電機産業の小口貴仁氏(MJ1999年10月号)によると,製造時にはh-kショートやkgショート,出荷後には空気リークによるエミッション不足があったそうです。さらに,逓信省(商工省)電気試験所の清宮博氏によるとUN-954ではゲッターフラッシュにともなう電極間容量Cgpの増大がトラブルを引き起こし,その改良実験を戦争末期の1945年1月に行っています。通常のgmチェックでは合格するが,いざ実装してみると働かないというトラブルで国産のエーコン管は100MHz以上でまともに増幅できない球があったそうです。原因と対策は分かったものの,製造の面ではおそらくは終戦まで解決されることはなかったでしょう。西堀栄三郎氏の万能管ソラの開発事情からも言えることは,この問題は単に日本の製造技術が未熟だっただけではなく,軍が用途を明らかにせずに製造させたことにより,製造側が電極間容量の規格管理に注意を払わなかったという,製造側とユーザー側のミスマッチが原因の1つになったようです。
2. Miniature/mT管
エーコン管以後,より高周波へと向かうため,戦後,RCAは高周波特性の優れたペンシル管,ニューヴィスタ管,GEはセラミックス管へと移行しました。しかし,戦前にはもう1つの流れがありました。それは高周波特性はやや劣るが何よりも大量に生産でき使い勝手が良いという管種を利用するという道です。RCAは1939年,携帯ラジオ用にミニアチュア管(mT管)を開発しました。mT管は従来のST管やメタル管,GT管に比べると確かにリード線も短いので高周波向きでしたが,高周波特性はエーコン管に劣り,UHF帯全域をカバーする程の器量良しではありません。しかし,月産100万本を製造でき,ソケットの脱着でひびが入る危険性も低い点が買われて,UHF帯にも活用されました。RCAは初めにエーコン管955を量産向きにしたmT管9002(500MHz)を1941年に開発,また軍用には500MHzまでのUHF帯で使えるカソード・ドライブ回路用(後のグリッド接地型GGamp用)としてmT管の6J4を1944年?に開発しました。
3. UHF TV During WWII/戦時中のUHF TV
さて,こうして開発されたUHF管の利用を見ますと,戦時中にはもっぱらレーダーに使われたようですが,TV受信機にも僅かながら使用例が残っています。米国RCA Victorは,戦時中にミサイル誘導用のTVシステムの開発研究を行っていましたが,その1つに300MHzシステム(260-320MHz帯)がありました。受信機のフロントエンドは,RF増幅無し,6J6のコンバータ,955による局発,IFは23.5MHzという仕様でした。これがある意味ではUHF放送受信機の始まりと言えるでしょう。日本では軍用としてUN-955はVHF帯150MHzのレーダー(3式空6号電波探信儀)の高周波増幅や局発などに使われたようですが,TVへの利用は無かったようです。
4. Miniature Tubes for VHF after WWII/戦後のVHF用mT管
戦後,いち早くTV放送を再開した米国では,民生用TVのフロントエンド管においては,その後しばらくVHF帯チューナー用のmT管の開発が続きました。その中で,欧州Philipsは1949年に業務用ではありましたがmT管によるUHF用のGGamp球EC80(EIA名6Q4),混合用EC81(6R4)を開発しました。これが米国の6J4に次ぐUHF用mT管の走りだったと思われます。米国では同じ1949年,GEによりVHF帯のチューナーのGG(グリッド接地)amp用の球として6AB4が発表されています。これは12AT7の片ユニット単管でした。米国でUHF帯の民生用真空管が本気で開発されたのは1950年代に入ってからでした。
5. Development of Miniature Tubes for UHF TV/UHF TV用mT管の開発
UHF帯の放送が許可された1952年4月に,米国GEはUHF用のGGamp管6AJ4を発表,(1)低雑音,スノー雑音から解放される,(2)妨害輻射を少なくする,(3)高感度。RF無しに比べて30dB。従来の同軸型同調器に比べてコストが安いという謳い文句を並べていました。同年5月にはミキサー管6AM4,発振管6AF4を発表しました。代表的チューナーの構成は6AJ4の2段GGamp,6AM4の混合,6AF4の局発という塩梅です。ところが現実は厳しく,米国で実際にUHF放送が始まった1954年頃,蓋を開けてみれば,商用のUHFチューナーといえば,どこのTVセットメーカもRFアンプ無し,クリスタル・ミキサー,真空管の利用は僅かに局発だけという,実に簡素で原始的なものでした。例えば,1N82A-6AF4という構成でした。UHF帯のコンバータはリード線のインダクタンスが無視できなくなるため,分布定数系の増幅器として同軸型か四角いキャビテイを使う必要があり,そうすると量産とコストの2重苦があり,やっかいだったと言えます。
RCAは1954年9月,カラーTV CT-100を発表しましたが,そこに登場したチューナーはVHFとUHF兼用の16ch構成で,VHF RF Ampがカスコード6BQ7A, V-UHF MixerにクリスタルダイオードK3E, V-UHF Osc 6AF4, 40MHz IF Pre-ampに6U8。変わっている点は,同一回路でコイルの切り替えによりVHFの場合はRF amp付きになり,UHFの場合はいきなりダイオードミキサに入る。その代わり,IF Pre-ampの第1段が6U8の3極部を用いたGGアンプ,2段目が6U8の5極部を用いた通常のK接地アンプという点でした。
結局,UHFコンバータの主流はクリスタル・ダイオードとmT管の発振器のまま,1960年代中頃にUHFトランジスタにバトンタッチしてしまいました。
6. Development of Pencil Tube for UHF TV/UHF TV用のペンシル管の開発
1955年頃には,RCAによりペンシル型3極管のUHF放送コンバータへの応用も研究され,5675, 5876, 5893に似た球が試作されました。カソードの直径は5893と同じだがグリッドのメッシュは細かく改良され,gm=17mA/V, mu54でした。しかし,RFなし,クリスタルダイオードのコンバータには勝てませんでした。国内では太陽電子アポロが1961年頃には5675, 5794, 5876, 6562を製造していましたが,通信機用だったようです。
7. Miniature Tubes and Nuvistor for All Channel Row/オールチャンネル法対策用mT管とニュービスタ
欧州では狭い国土がひしめき合っていることもあり,局発によるスプリアス妨害の問題は深刻でしたので,早くからUHF帯の高周波増幅管が開発され,1950年代末には6CM4(EC86)/4CM4(PC86)などが開発されていました。一方,米国では1950年代末になると,新規に販売するTVには法律によりUHFチューナーを義務付け,その実施は1964年春からとしました(オールチャンネルTV)。それでも米国ではしばらく新しい球の開発はありませんでしたが,オールチャンネル法に関連してスプリアス妨害の規制が強化されたため,対策を余儀なくされました。欧州型のRF増幅管6CM4等を用いるやり方も選択しの1つだったのですが,RF付きは複雑で高価,米国では何と,発振出力を半分に抑える方法を選択したようです。このために,低電圧,低電流で動く球が要求され,1962,3年頃にニュービスタの6DV4, mT管の 6DX4, 6DY4が開発されました。
8. States of UHF TV Tubes in Japan/日本のUHF TV用球事情
一方,我が国のUHF放送は遅れて,1960年頃に実施が決まりました。VHFだけではカバーできない難視聴区域を解消するため,というのが主な目的でした。TVセットメーカは1961年頃にようやく各社とも試作段階に入ったそうです。UHF のTV放送が実験的に始まったのは比較的遅い1962年頃でした。第2次チャンネル・プランでは全国に110の中継局を新設する計画で,その1/3はUHF中継局,その第1号は茨城県の日立地区に設置されたという話です。
真空管製造メーカは,我が国のTVセットメーカ向けの製造も大事でしたが,米国への輸出も大切,UHFチューナー用の真空管の需要を満たすべく,日本のUHF放送開始より前にUHF球の準備を進めていました。例えば,東芝は6AF4Aを1958年には国産化していました。日本国内の真空管製造メーカの動きとしては,UHF放送の準備として1959年にはRF増幅混合管4CM4を国産化,寿命の短い6AF4Aに代わる発振管として6M-L3の開発,1960年には6AF4Aの寿命改良型6M-L4を開発, 1962年には新しいRF増幅管6DL4を国産化しています。さらに,1963年にはニュービスタの6DV4を国産化しています。各社足並みが揃ったのは1964年頃と思わます。
松下;4/6CM4, 6M-L3, 1959
東芝;6AF4A;1959, 6M-L4;1960, 2AF4A;1961, 6CM4/6DL4;1962
日立;6J4WA;1958, 6AF4A;1960, 6CM4;1961, 2/6DV4,2NH12;1963
三菱;6DV4;1964
NEC; 6CM4;1962, 2/6DV4, 2/3/6DZ4;1964
9. UHF Converter in Japan/日本のUHFコンバータ
オールチャンネル法でUHFチューナーの組み込みが義務付けられた米国とは異なり,我が国のUHF放送は難視聴地域解消を目的とした中継が主な任務だったので,放送開始当時は,真空管式のUHFチューナーは別のキャビネットに入れたコンバータとして売り出されました。したがって,UHF帯はあくまでもおまけ,アダプター的な性格の強い外付けコンバーターによりVHFチャンネルに変換する方式が主流になりました。
実際の使用例としては次のものがあります。1961年日立はUHFコンバータU-10を作りました。これは周波数混合にクリスタル, 局発は真空管,後段IF増幅6R-HH8というもの。受信周波数は670-770Mcで出力は2,3chでした。また,同年,東芝はUHFコンバータLA11を作っています。周波数混合M8470A, 局発6M-L4,後段IF増幅6D-HH13というもの。受信周波数は670-770Mcで出力は2,3chでした。
もっとも,日本のTVの中間周波数IFはあまりにも低すぎた(初期の頃は10MHz台で,中頃は20MHz台)ので,UHF帯から1段でIFに落とすには無理がありました。したがって,受信周波数670-770MHzに対し,発振周波数が低い下側コンバージョン方式を採用し,しかも中間周波数はVHFの2,3chとする2段変換とならざるを得ませんでした。局発は下側568-668MHz,1st IF 102MHzという構成になりました。また,我が国のTV組み込み用のUHFチューナーは,一部の好事家向けにのみ販売し,その中身は輸出向けの仕様,まさに米国と同様,RF増幅無し,クリスタル・ダイオード混合,6AF4A発振という方式が主流となりました。
このため,製造された幾つかのUHF管の中で最後まで生き残ったのは,RFなしクリスタルコンバータのチューナー用の発振管6AF4Aの米国流改良版6DZ4でだけで,結局,新たな球の開発は行いませんでした。安価なトランジスタが出現するまでの一時凌ぎとして用いたようです。実際,私の手元にサンプルとして集まったUHFチューナー用の国産球は,発振用の6AF4Aと6DZ4だけでした。
例えば,東芝は1963年に米国向けにUHF受信可能なオールチャネル型チューナーを搭載した機種16型を製造。1964年に輸出用として5102(11E2) 450mA/UHF, 5103(11E2A), 5106(16E8)。オールチャネル型チューナー。米国FCCの基準を満たすようアンテナと電源の不要輻射を抑える設計で,米国のULマークを取得。1964 年,LA24 UHFconv。第2次チャンネルプラン修正により難視聴地域にUHFテレビ局が次々と開局され,それに対応したもの。内容は不明。しかし,ダイヤル修正装置を組み込んだもの。真空管式はこれで終わりました。
一方,安価なトランジスタですが,1962年には松下が早くもトランジスタ式のRFアンプ付き,トランジスタ・ミキサーのものを発表しています。また,東芝は1964年頃にはUHFチューナーをトランジスタ化してしまいました。東芝は1965年,トランジスタ式のLC31 UHF Tunerを発売。 470MHz-770MHz, ch2/3。落雷の衝撃対策も施され,微同調機構もあったそうです。結局,日本ではUHF局の正式開局前に各メーカは全てトランジスタ化してしまったそうで,UHFチューナーの真空管時代はTVの他の回路部分に比べて最も早く幕を閉じました。
Name |
Base |
Outline |
usage |
gm mA/V |
mu |
Cin, Cout, Cgp |
6.3V Ih(A) |
300mA Eh(V) |
450mA Eh(V) |
600mA Eh(V) |
100mA Eh(V) |
955 |
5BC |
Acorn |
600MHz amp, osc |
2.2 |
25 |
1.0, 0.6, 1.4 |
0.15 |
|
|
|
|
9002 |
7BS |
5-1 |
500MHz amp, osc |
2.2 |
25 |
1.2, 1.1, 1.4 |
0.15 |
|
|
|
|
6F4 |
7BR |
Acorn |
UHFosc |
5.8 |
17 |
1.9, 0.6, 1.8 |
0.225 |
|
|
|
|
6J4 |
7BQ |
5-2 |
GGamp |
12.0 |
55 |
5.5, 0.24, 4 |
0.4 |
|
|
|
|
6L4 |
7BR |
Acorn |
UHFosc |
6.4 |
28 |
1.8, 0.5, 1.6 |
0.225 |
|
|
|
|
6N4 |
7CA KK-GG |
5-1 |
UHFamp ? |
6.0 |
32 |
3.0, 1.6, 1.1 |
0.2 |
|
|
|
|
EC80/ 6Q4 |
GGGG |
- |
UHFamp (GG), mixer |
12.0 |
80 |
5.4, 4.3, 3.4 |
0.3 |
|
|
|
|
EC81/ 6R4 |
- |
- |
UHFosc |
5.5 |
16 |
1.7, 0.5, 1.5 |
0.2 |
|
|
|
|
6T4 |
7DK GG-PP |
5-1 |
UHFosc |
7.0 |
13 |
2.6, 0.4, 1.7 |
0.225 |
|
|
2T4 2.35 |
|
6AB4/ EC92 |
5CE |
5-2 |
VHF GGamp |
5.5 7.2 6.7 |
60 67 70 |
(GK) 2.6, 0.55, 1.6 (GG) 4.5, 0.24, 1.8 |
0.15 |
PC92/ 3AB4 3.1V |
|
|
UC92/ 9AB4 9.5V |
6AF4 6AF4A /EC94 |
7DK 7DK |
5-2 5-1 |
UHFosc |
6.5 |
13.5 |
|
0.225 0.225 |
5AF4A |
3AF4A 3AF4B |
2AF4 2.35 2AF4A 2.35 2AF4B 2.35 |
|
EC84 6AJ4 |
9BX GGGGG |
6-1 |
|
10 10 |
80 42 |
|
0.225 |
|
|
|
|
6AM4 |
9BX |
6-1 |
UHF Triode |
9.8 |
85 |
|
0.225 |
|
|
|
|
6AN4 |
7DK |
5-1 |
UHF Triode |
10 |
70 |
|
0.225 |
|
|
|
|
EC91 6AQ4 |
KK-GG |
- |
|
8.5 |
100 |
|
0.3 |
|
|
|
|
6BA4 |
|
|
Planar Triode |
8.0 |
70 |
|
0.4 |
|
|
|
|
6BC4 |
9DR |
6-1 |
UHF Triode |
10 |
48 |
|
0.225 |
|
|
|
|
EC93/ 6BS4 EC903 |
GG-PP |
- |
? |
8.0 |
15 |
2.3, 0.45, 1.7 |
0.225 |
PC93 3.8 |
|
|
|
6BY4 |
|
|
PLANAR |
6.0 |
100 |
|
0.2 |
|
|
|
|
EC86/ 6CM4 |
KK- GGG- PP |
|
|
14 |
68 |
|
0.2 |
PC86/ 4CM4 3.8 |
|
|
|
EC88/ 6DL4 |
9NY GGGGG |
6-TX |
|
13.5 14.0 |
65 65 |
|
0.165 |
PC88/ 4DL4 3.8/4.0 |
|
|
|
6DV4 |
12EA |
4-4 Nuvist |
osc? |
11.5 |
35 |
|
0.135 |
|
2DV4 2.1 |
2N-H12 1.8 |
|
6DX4 |
7DX |
5-1 |
osc? |
11 |
30 |
|
0.2 |
|
3DX4 3.0 |
2DX4 2.4 |
|
6DY4 6DY4A |
7DK 7DK |
5-2 5-1 |
osc? |
11 |
28 |
|
0.125 |
3DY4 2.9 3DY4A 2.9 |
2DY4 2.05 2DY4A 2.05 |
1DY4 1.6 1DY4A 1.6 |
|
6DZ4/ EC94 |
7DK |
5-1 |
osc |
6.7 |
14 |
|
0.225 |
5M-L8 4.7 |
3DZ4 3.2 |
2DZ4 2.35 |
|
PC96 |
GG-PP |
- |
|
6.7 |
200 |
|
|
3.1V |
|
|
|
6M-L2 |
GG-PP |
- |
osc |
5.0 |
18 |
|
0.175 |
|
|
|
|
6M-L3 |
GG-PP |
- |
osc |
1.0? |
15 |
|
0.175 |
|
|
|
|
6M-L4 |
7DK |
5-1 |
osc |
6.5 |
13.5 |
|
0.175 |
|
|
|
|
955はUHF増幅と発振用3極管のAcorn管。1934年,RCAが開発。A級およびC級アンプ。また,これをミニアチュア管に直した9002もRCAにより開発されています。955は600MHzまで,mT管の9002は500MHzまで。
955 6.3V, 0.15A 250V/1.6W(CCS), Cin1.3pF, Cout1.0pF, Cgp0.4pF
9002 6.3V, 0.15A 250V/1.6W(CCS), Cin1.2pF, Cout1.1pF, Cgp1.4pF
250V, -7V, 6.3mA, 11.4k, mu25, 2.2mA/V
Left, UN-955(1945年), Right, Socket(made in Japan) [ZjM], [0aE] UN-955は戦時中の製造(昭和20年7月?)でメーカ不明の国産球。gm=100-95。hkショートを示すが生きている。右のソケットに挿してある球はRCAの2極管9004(60-17, 1960年製, Zone 4)。
RCA 9002 [Zk3] RCAの9002。955との比較のため先日秋葉原で新品で購入。店頭には軍箱RCAでも3種類のモデルがあったが,2種はガラス管内面が黒くスートされており,残る内部が見える球を購入。電極構造は955と同じであることが分かる。プレートはかなり薄っぺらであり,プレート両側にマイカ板支持用の支柱が見える。本球はgm正常(gm=105-95 )だが不幸なことにgkショートを示す。カソードにグリッド巻き線の1本(ひげのような光る細線)がカソードにレアタッチしているように見える。
UHF増幅用3極管のmT管。6J4は1944年?,RCA。500MHzまでのGGアンプ。6J4WAはRCA, 1955年,軍用の堅牢型。国内では日立が1957年に国産化。民生用ではない。
6.3V, 0.4A 150Vmax/2.25Wmax, Cin1(g-kh)5.5pF, Cout(p-kh)0.24pF, Cgp4pF, Cin2(k-h)2.8pF
150V, 100ohm, 15mA, 4.5k, 12mA/V, mu55
100V, 100ohm, 10mA, 5k, 11mA/V, mu55
RCA 6J4WAの構造。(RCA REview, 1955, p.293より)。上部シールドは半円形のものが2枚みえるが実物もこのように片側に折れ曲がっていた。
Left two, Hitachi 6J4WA(7-12, for Communications, 1967-11), and RCA 6J4WA(61-13, 1961) [ZjM]
両者ともコの字型の黒化プレートを左右2枚使用。金属ベルトで繋いでいるのは上の電極図の通り。RCAはドーナツゲッタ採用。日立は角型。日立はステムのピン部にはマグネシア塗布してある。日立製は新品箱入り,未計測。RCAは1960年代に秋葉原でジャンク真空管屋で測定して100円で買ったもの,私は未計測。
UHF増幅用3極管のmT管。1953-1955年頃,NECにより開発された。原型は6J4/6J4WA。GGアンプ。通信用。
6.3V, 0.4A mT18,
150V, -, 14.5mA, 13mA/V, mu46
UHF増幅用3極管のmT管。EC80/6Q4は1949年,オランダPhilipsが開発。500MHzまでのGGアンプならびにミキサー用。EC81/6R4は,Philipsが同時に開発した1500MHzまでの発振用。Philipsが初めて米国型9pin mT管を採用した球でもあった。
EC80 6.3V, 0.48A 250Vmax/4Wmax, Cin1(g-kh)9.3/5.1pF, Cout(p-kh)<0.08pF, Cgp<3.4pF, Cin2(k-h)<8pF
250V, -1.5V, 15mA, -k, 12mA/V, mu80
EC81 6.3V, 0.2A, Rh3ohm, 275Vmax/3.5Wmax/20mAmax, Cin1(g-k)1.8pF, Cout(p-k)1.6pF, Cgp0.7pF, Cgh<0.25pF, Ckh2.3pF
150V, -2V, 30mA, -k, 5.5mA/V, mu16
120V, -2V, 20mA, -k, 4.0mA/V, mu16
ECL-1175は1957年に電気通信NECにより開発された。通信用。
6AF4はUHF帯(470-890MHz)TVチューナーの局部発振器用の中増幅率3極管。米国GEが1952年に開発した模様。6AF4は,電極間容量Cgpを減少させるためプレートのカソードの対抗面を凸型とし電子流が通るカソード対抗面以外を他の電極から遠く離す構造を採用しているのは他のUHF用球と同じであるが,電子走行時間を短縮するため近接している電極間距離の設計はKG間約25um,GP間約100umだそうである。
改良型の6AF4Aは1957年頃開発されたもので,6AF4とは外形が異なるだけに見える。1958年,RCAは改良型6AF4Aを発表。内容はカソードはニッケル合金,グリッドはパラジウムメッキ,ベースピンは銀メッキとある。2AF4AはRCAにより1958年に発表されている。国内では東芝が1958年に6AF4Aを国産化。NECは1959年に6AF4Aと2AF4Aを,日立は1960年に6AF4Aを製造。東芝は1961年に2AF4Aを製造。輸出用だった。国内ではまだUHF放送は始まっていなかった。6M-L4は6AF4Aの改良型で東芝が1960年に開発。
6.3V, 0.225A, 7DK, 5-2(6AF4), 5-1(6AF4A), Cin2.2pF, Cout1.4pF, Cgp1.9pF
(A1amp) 80V, (150ohm), 17.5mA, rp2.1k, mu13.5, gm6.5mA/V
(Osc)100V, Rg10k, Rp220ohm, Ig0.75A, Ip17mA at 950MHz
プレートは電極間容量を小さくするため平板を凸型に折り曲げてカソード対抗面をできるだけ小さくした2枚からできており,寸法精度を確保するためにプレート間を幅の広いニッケル板で4点のスポット溶接したものを採用している。凸型プレートはその後のVHFチューナー管においても常識となっている。プレート板材は外側が灰色で内側が光沢のアルミ被覆鉄かニッケル材?を使用している。いずれにしても折り曲げにより光沢面が外側の大部分を占めており放熱の面では良くない。ゲッタは1960年代であっても小型の角型である。また,ステムの導入線は一般用の球に比べてかなり短い。
1952年,米国GEはGGアンプ用の単3極管6AJ4,GGミキサー用の単3極管6AM4,局発用の単3極管6AF4を発表。この3種で45MHz-870MHzのチューナが構成できるというもの。6AF4は後世まで使われた。一方の6AN4は開発者不明。同時期に作られた模様。
1000MHzまでのUHF帯用の高周波増幅と発振用の3極管。PC86, EC86は欧州で1950年代末に開発された。フレーム・グリッドを使用した高gm管。松下は4CM4を1959年頃,日立は6CM4を1961年に国産化。東芝とNEC(日電)は1962年に製造。ベースピンはリード線のインダクタンスを減らすためにカソードとプレートは2本づつ,接地するグリッドは何と4本が引き出されている。
6.3V-0.17A/3.8V, 0.3A (KK-GGGG-PP), Cin4.2pF, Cout0.25pF, Cgp3.1pF
(A1amp) 175V, -1.5V, 12mA, rp-k, mu68, gm14mA/V, Req=230ohm
(GGamp) 175V, Rk125ohm, 12mA, -7V, 0.01A
(SelfConv) 220V, -2V, Rg5.6k, 12mA, Ig0.05A,
UHF帯の高周波増幅管。欧州で開発された模様。EIA名がある。日立は1962年に国産化。東芝は1962年に製造。しかし,TVに使用された実績は見あたらない。
6.3V, 0.18A, 7DK, Cin3.7pF, Cout0.075pF, Cgp1.2pF
(A1amp) 160V, (100ohm), 12.5mA, (4.8k), mu65, gm13.5mA/V
[2003.10.17改定] UHF帯の発振用3極管。日本独自。TENが1948年に開発し(当時の名称はVH-3),その後JIS名に登録して6M-L2となる。電気的特製は6F4(gm 5.8mA/V, mu17)に似ているが,ヒータ電力が少ない(ヒータ電流は0.225Aに対して0.175A)。電極構造は6F4が6J4型(コの字型の板プレートを左右2枚使用している)を採用しているのに対して,6M-L2は容量増加を犠牲にして製作容易な通常の平型プレートを使用している。したがって,電極外形はエーコン管955やそのミニアチュア管9002,またその後のTV球6BQ7/6R-HH2系のユニットにも似ている。この球は1948年以降,1960年代まで製造されている。
6.3V, 0.175A, pins=(1:p,2:g,3:h,4:h,5:p,6:g,7:k),ベース接続について以前7DKと紹介したのは誤り。
(A1amp) 135V, -4.5V, 1.4mA, 3.6k, mu18, gm5mA/V
ドーナツゲッタ。プレートは全体に極めて薄い。6BQ7/6R-HH2系のプレートに類似。
UHF帯の発振用3極管。日本独自。松下が1959年に開発。米国6AF4Aのフレームグリッド版と思えば良いか?ヒータ電力が少なく,gmも50%程度up。1962年頃には型録に掲載されていたが,1966年頃には廃止管になっていた。
6.3V, 0.175A, 7DK, Cin3.3pF, Cout0.45pF, Cgp2.4pF
(A1amp) 90V, (280ohm), 15mA, (1.5k), mu15, gm10mA/V
(Osc)80V, Rg10k, Rp150ohm, Ig0.4A, Ip24mA at 900MHz
プレートは4ER4と同じ凹み型。ピンは金メッキされている。角ゲッタであるが充填棒の下側にフラッシュ遮蔽用の金属板を置き,上部マイカ板面を保護。
UHF帯の発振用3極管。日本独自。東芝が1960年に開発。米国6AF4Aの寿命対策管。ヒータ電力が小さくなり,出力容量Coutも小さくなった以外,6AF4Aと同特性。
6.3V, 0.175A, 7DK, Cin2.2pF, Cout0.45pF, Cgp1.9pF
(A1amp) 80V, Rk150ohm, 17.5mA, 2.1k, mu13.5, gm6.5mA/V
米国RCAが1962年頃に開発したUHF帯(470-890MHz)の局部発振器用の中増幅率3極管。600mA系の2N-H12は日立が1963年頃に開発。その後,1964年にNEC(日電)も6DV4,2DV4を製造。
6.3V, 0.135A/2.1V-0.45A/1.8V-0.6A, 12EA, Cin4.4pF, Cout1.9pF, Cgp1.8pF
(A1amp) 75V, (100ohm), 10.5mA, rp3.1k, mu35, gm11.5mA/V
70V, -7V, 0.01A
(Osc) 60V, -2V, Rg5.6k, 8mA, Ig0.35A,
1965年12月製の2N-H12。6CW4は参考。ベースピンは6CW4と異なり,高周波向けに足が多い。足は新品でも腐食していることが多い。
UHF帯(470-890MHz)の局部発振器用の中増幅率3極管。開発者不明。1963-4年頃開発された。6AF4Aの改良型で低電圧領域を規定し,低電圧動作を保証したもの。6AF4Aとは完全な互換性がある。5M-L8はJIS名の300mA管で,1964年にNECから発表されている。真空管式からトランジスタ式チューナーへの移行期間において継ぎ球として使われた。
6.3V-0.225A/2.35V-0.6A/3.2V-0.45A/4.7V-0.3A, 7DK, 5-1, Cin2.2pF, Cout1.3pF, Cgp1.9pF
(A1amp) 80V, (-ohm), 15mA, rp2k, mu14, gm6.7mA/V , Rp=2.7kohm
Toshiba 6DZ4, 正面(右)から見ると凹みプレートであることが分かる。側面(左)は板プレートの継ぎで幅広い板。
6AF4Aと同じ凸型プレートなのだが,内側に折り曲げているため電極が小さく見える。スポット溶接する必要がないし寸法精度の確保でも有利だ。プレート板材は光沢無しの黒化ニッケルではないか。ゲッタは小型のドーナツ型。