|
|
|
|
|
| ||
|
|
|
|
|
| ||
|
|
|
|
Part 2 Two Band Radio with Two Speakers/2Bandラジオ(2スピーカ時代) | |||
|
H(60). Toshiba Uguisu-PS/ 5ZB-483 in 1960/東芝うぐいすPS, 5ZB-483, ('98.5.24) [98.8.2] |
|
H(58). National E-330 in 1962/松下電器ナショナルE-330, ('98.5.22) , [98.8.2] |
|
H(21) Toshiba Kanariya-YS/ 5ZL-541 in 1961/東芝かなりやYS, 5ZL-541, ('96.11.3), |
|
H(61).Mitsubishi Diatone/ 5P-780 in 1962?/三菱電機ダイヤトーン5P-780, ('98.5.24) [98.8.2] |
|
H(39) Sharp UW-121 in 1961/シャープUW-121, ('97.8.24) |
|
|
Part 3 Two Band Magic Eye Radio with Two Speakers/2Bandマジックアイラジオ(2スピーカ時代) | |||
|
H(79). Columbia 1232 in 1961/コロンビア1232, ('99.5.23) [99.6.1] |
|
H(90) National GM-520 in 1962/松下電器ナショナル GM-520, ('99.9.x) ['00.6.3] ['01.1.5] |
|
H(110) Toshiba Kanaria-J /6ZL-609 in 1962/東芝カナリヤJ, 6ZL-609, ('99.12.end) , ['00.6.5] |
|
|
2スピーカ・ラジオとは一体何でしょう?
ここで取り上げる2スピーカ・ラジオは,同じスピーカを左右対称に2個配置したラジオのことで,一見ステレオ・ラジオと勘違いしてしまいますが,そうではありません。1960年代後半にFMステレオ放送が始まりますが,真空管ラジオはその頃にはトランジスタ・ラジオに取って代わった後でした。通常の中波帯(MW)でも2つの放送局が異なる周波数で電波を出してステレオ放送を実施したAMステレオ時代があり,受信にはラジオを2台必要としました。これに対応したラジオも登場しましたが,2台分を単に詰め込んだだけですので選局ダイヤルが2組ありました。ダイヤルツマミ1つで同調できるステレオ・ラジオではありませんでした。一方,当時のほとんどのラジオにはレコード演奏も簡単に楽しめるようにレコード・プレーヤのピックアップ端子が設けられており,特に大きい音で歪みなく楽しめるよう配慮したHi-Fiラジオも数多く作られています。1950年代末には,アンプとスピーカを2組搭載してステレオ・レコードに対応したラジオも少数ですが登場しました。これが「ステレオ・ラジオ」と呼ばれました。当然ながら,ラジオのチューナー部は1組です。このラジオと外見上は全く同じですが,アンプは1組でスピーカだけ左右に1個づつ,合計2個搭載したラジオが作られました。一体,何の為に?
2スピーカ・ラジオは卓上小形のプラスティック・キャビネットのラジオであることにその特徴があります。木製の大型ラジオにも2スピーカ型はありますが,6半を2本搭載した本格派で,音の良さを競うHi-Fiラジオの流れを汲む物でした。小形のラジオで同じ事をする理由は,同じ口径のスピーカを2組積むと同じ出力でも2倍大きな音が出せる,逆に同じ音の大きさなら,アンプもラジオのキャビネットもより小形にできる,というメリットがあったのでしょう。だからこそ,高さも奥行きも10cmで横に長いプラスティック・ラジオが実現できたのです。逆にラジオは横長となりました。こんなラジオが,瞬く間に流行,各社が一斉に製造しました。こんなラジオが作られたのは真空管ラジオが終わる直前の1959年から1962年頃まででした。
手元には東芝の資料しかありませんが,東芝は1959年に10cmスピーカを2個搭載したかなりやCS(5ZL-372)を作っています。これが左右対照に配置した小形卓上型2スピーカ・ラジオの最初期と思われます。同時に作ったES(5ZL-427)は左側に2個のスピーカを配置した非対称のデザインで,過渡期のものでした。うぐいすBSは2スピーカ型ですがまだ大型キャビネットでした。
(2002.11.9追記)東芝は1960年に10数種の真空管ラジオを販売した。標準型かっこうLS(ステレオ・ラジオ),普及型うぐいす4機種(CS, DS, ES, PS), それにかなりや6機種(FS, HS, KS, LS, NS, RS)である。(終わり)
東芝の普及型うぐいすPS。12cmを2個搭載している。
(現状)キャビネットは破損なし。
H. 60 98.5.24 1k 東芝うぐいすPS 5ZB-483 61 Pl MT-5SL 2B 2SP 2バンド・レスラジオ/2SPモデル。 Ser.285121 回路図 5ZB-483/598064 仕様:100-110v/25VA,Po1.5W キャビネット:プラスティックス(耐衝撃スチロール) Toshibaマーク+Tマーク サイズ:517w 167h 134d 周波数:535-1605kc,3.9-12Mc ダイヤル:横スライド ツマミ:4点式 (1)PoSW/VR (2)Tone? (3)PH/MW/SW (4)Tune 端子:(A,E)穴,(PU)3端子?, 真空管:東芝<無印2シリーズ?>
(部品) シャーシ:やや厚い鉄製 VC: 533001 IFT: 521006 (254d) 455kc Chem: 15L-120K SP:Toshiba 5P-50084 2W,8ohm Toshiba 50136, cone 1LL |
東芝かなりやYS。実際の製造は1962年だが,東芝の記録によると,このモデルは1961年。当時スピーカを2つ積むのが流行った。アンプ部は変更なく,キャビネット・デザインとスピーカ1個の値段が余計にかかる。1961年製の東芝のモデルには標準型(かっこう)は無くなり,普及型(うぐいす)と卓上型(かなりや)のみとなった。かなりやには小型化(OS),標準(NS,ZS,US),薄型(PS,TS),高級(RS,YS)の4種があった。このYSは卓上型の高級機で,「音質切り替え装置」が付いていた。このラジオは私の手元に来るまでに乱暴に扱われ?キャビネット天井部分と裏板が破損している。
(現状)キャビネットのツメ1ヵ所と裏板のツメがかかる部分が破損している。外観は汚れを取ってみた。ダイヤル部はプラスティック板の2重構造で溶接してあるので分解は不可能?それほど汚れてはいないが清掃は難しい。
(欠品)シャーシ取り付けネジ,糸切れ
H6 21 96.A.27 1k 東芝かなりやYS 5ZL541 61 Pl MT-5SL 2B 2SP ★★★▲▲○ 2バンド・レスラジオ/2SPモデル。 Ser.287021 回路図なし 仕様:100-110v/25VA,Po1.5W キャビネット:プラスティックス(ABS?) Toshibaマーク+Tマーク サイズ: 周波数:535-1605kc,3.9-12Mc ダイヤル:横スライド ツマミ:4点式 (1)PoSW/VR (2)Tone? (3)PH/MW/SW (4)Tune 端子:(A,E)穴,(PU)3端子?, 真空管:東芝<無印2シリーズ?>
(部品) シャーシ:やや厚い鉄製 IFT:小型(凸印) SP:Toshiba SP4004Q(張り紙)x2 |
シャープの61年の小型普及型。流行りの2スピーカ。出力トランスは4.25Ωだが,スピーカは1.2W/8.5Ω2本並列である。シャーシは板状で垂直に使っている。キャビネットを薄型にできる他,球の加熱による天井の熱シールドをシャーシに立てた金属板が使える。シャーシの取り付けも簡単そう。この種の例は後期のナショナルのラジオにも見られる。正面パネルのクリア・カバーはネジ留め。コレクションは乱暴に扱われたため?キャビが破損している。
(状態)キャビネットは綺麗だが一部破損。パネル左のスピーカ・グリル部(クリア材の格子)が割れて紛失。内部はホコリが多少積っているが,サビはなく良好。ACコードやアンテナ線などオリジナルを良く保存。OPTの紙コンデンサのワックスが35W4とヒューズ部を汚染している程度。通電するとちゃんと鳴った。
H7 39 97.8.24 2.5K シャープuw-121 61 Pl MT-5SL 2B 2SP ☆□○□□○ 2バンド・レスラジオ/2SPモデル。 Ser.036103 回路図あり 仕様:100V/0.24A/23W,Po1.2W, シャープ真空管使用のラベル,検査証, 当社の保有する工業所有権:ラジオ関係特許および実用新案(209236,他18)など キャビネット:プラスティックス(ABS?) サイズ:475(W)x128Dx122(155)H 周波数:535-1605kc,3.9-12Mc,感度階級:極微電界級 ダイヤル:横スライド ツマミ:3点式 (1)PoSW/VR (2)PH/MW/SW (3)Tune 端子:(A,E)穴,(PU)3端子,ネジ 真空管:12BE6 シャープ<日立?> <1-2>丸................未チェック 12BA6 シャープ<日立?> <1-2>角 12AV6 シャープ<日立?> <1-2>サイド見えず 30A5 シャープ<日立?> <1-2>丸,楕円P 35W4 シャープ<日立?> <1-2>角,T型P (部品) シャーシ:縦型の鉄製 ANT-COIL 20φ,OSC-COIL 8φ, VC:SHARP MODEL C-122 12-430pF IFT:小型(凸印) 41F-725 455kc VR:NOBLE 8V-415 D-500k CHEM:MARCON 150WV 185VS G1B04 SP:sharp 10P-4Ax2, (8.5Ω/1.2W) PL: 3.2Vx2 |
(追記'02.11.9)松下電器産業は1962年頃に真空管ラジオを6機種販売した。Hi-FiモデルのBH-700,それに小形卓上の1スピーカ・モデルを2機種(E-200, GX-240),2スピーカ・モデルを3機種(E-330, GM-520, BM-550D)であった。本モデルはアイ無しの廉価版で他より3000円ほど安い。
松下の62年の小型普及型。流行りの2スピーカ。シャーシは板状で垂直使用。キャビネットは薄型。松下電器ナショナル・ブランドの「豊かな音があなたを包む2スピーカ・2バンド・ルーム・ラジオ」。現金正価7,450円,月賦定価7,800円。
(現在はもう手元にありません)
(状態)キャビネットは綺麗。
仕様 H. 58 98.5.22 2.5K ナショナルE-330 62 Pl MT-5SL 2B 2SP ☆□○□□○ 2バンド・レスラジオ/2SPモデル。 Ser.219945A 回路図,検査証あり 仕様:100V/23W,Po1.2W/最大1.5W, キャビネット:プラスティックス(ABS?) 周波数:535-1605kc,3.75-12Mc,感度階級:極微電界級 ダイヤル:横スライド ツマミ:3点式 (1)PoSW/VR (2)PH/MW/SW (3)Tune 端子:(A,E)穴,(PU)3端子,ネジ 真空管:
(部品) シャーシ:縦型の鉄製 ANT-COIL ?φ,OSC-COIL ?φ, VC:National MODEL 2HC-43 12-430pF IFT: 455kc CHEM: Type NA150V 30BZ K23 SP:National P-420RAx2, (3Ω/1.5W) |
三菱電機のダイヤトーン・ラジオ。流行の2スピーカ。縦型板状シャーシ。
(現在はもう手元にありません)
H. 61 98.5.24 1K 三菱5P-780 6x Pl MT-5SL 2B 2SP ☆□○□□○ 2バンド・レスラジオ/2SPモデル。 Ser.6118734 回路図,検査証あり 仕様:100V/23W,Po1.2W/最大1.5W, キャビネット:プラスティックス(ABS?) 周波数:535-1605kc,3.8-12Mc, ダイヤル:横スライド ツマミ:4点式 (1)SW/Tone-High/Low (2)Vol;Soft/Loud, (3)SW-MW/SW (4)Tune 端子: 真空管:
(部品) シャーシ:縦型の鉄製 ANT-COIL ?φ,OSC-COIL ?φ, VC:三菱 12-430pF IFT: 丸形455kc CHEM: 三菱ケミコン, 30761 VR(SW-Tone);Noble 36074 SP:Diatone PJ-64 I, (3Ω/1.5W) |
(状態)キャビネットは外部,内部とも酷く汚れている。正面パネル右側一部破損,ツマミも左2つは頭割れ,最右は紛失。
コロムビアのアイ付きレス5球スーパ。鳴る。足が無い。
(現在はもう手元にありません)
VC:160319 FP-243A SP: DS-56 1.5W, 3.5ohm, Corn 075001/HA2602, Frame HAY IFT: RT 221-B 260308 真空管:
|
(追記'02.11.9)東芝は1961年には12品種の真空管ラジオを販売したが,1962年になると急激に減少しわずか5品となった。普及型では2スピーカのうぐいすL,また卓上型では1スピーカモデルはカナリヤV(5UL-607)のみで,2スピーカモデルはカナリヤX,S,そしてマジックアイ付きがここに紹介するカナリヤJである。 それまで東芝のラジオは短波付きラジオの名称には末尾にSを付けていたが,1962年には短波付きなのにSが無くなり,本機はかなりや「J」のみである。これ以後,カナリヤは1964年に1スピーカ・モデルのカナリヤKとLが出たに過ぎず,2スピーカ時代は本機が最後となった。(追記終)
12BE6, 12BA6, 12AV6, 30A5, 35W4, 6M-E10のアイ付きトランスレス6球スーパ。
糸は断線しており張り替えた。通電したらヒータ点灯したが雑音だけが聞こえた。点灯時,6M-E10のヒータが一番に光った。アイは緑に光った。バンドスイッチの回転位置をうまくするとラジオが良く受信できた。スイッチの接触不良だ。パイロットランプ点かない。
25VA, 1.5Wmax, 535-1605, 3.9-12Mc, Ser 592499。99.12.18ロゼ。
(追記'02.11.9)松下電器産業は1962年頃に真空管ラジオを6機種販売した。Hi-FiモデルのBH-700,それに小形卓上の1スピーカ・モデルを2機種(E-200, GX-240),2スピーカ・モデルを3機種(E-330, GM-520, BM-550D)であった。特に2スピーカ・モデルのアイ付きは本GM-520とBM-550Dであった。
当時のカタログの本機の紹介には「近代的感覚があふれる2スピーカ・2バンド・ルームラジオ」,現金正価10,250円,月賦定価10,800円とある。(追記終)
(現在はもう手元にありません)