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3_Tetrode. New Tetrode |
3_Triode. .New Triode |
3_PenRF.RF Pentode |
3_PenOpt. Output Pentode |
3_Rec. New Rectifier |
4. Radio Tubes for Japanese Three and Four Pentode Radios/ペントード時代の並四・高一ラジオ用球(3ペン・4ペン) | |||||||||||
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国内でペントードラジオの時代が始まった1932年頃,米国で新型の高周波増幅用の新型5極管57, 58が登場し,真空管の電極の防震対策としてガラス容器の上部を絞って上部から電極を支持するST管が初めて採用されました。我が国でもさっそく1933年に国産化され,「新球」として販売されました。これがUZ-57, UZ-58でした。従来の高級機用の品種も,1934年にUY-247,KX-280からUY-47,KX-80へとST化したものが国産化しました。並四ラジオ球やペントードラジオ球は1934年にはST管化され,KX-112BがKX-12Bとなりました。大量生産できるようになったので真空管の価格が安くなり,1935年頃からは庶民の手に届く廉価なラジオが沢山販売されるようになりました。また並四用の整流管KX-12Bはその後ペントードラジオ用に合わせて少し容量を大きくする改良がなされて1937年にKX-12Fがデビューしています。
KX-12Fは,1937年,東京電気(TEC,マツダ)により開発されたラジオ用の直熱型半波整流管で,KX-12B(Ib=30mA)の改良管(Ib=40mA)です。構造はKX-12Bと同じだがプレートの厚みが少し増え,耐圧も180Vから300Vへ。東京電気マツダの1937年の紹介文「KX-12Bより出力電流,電圧共に大きく,小型ダイナミックスピーカを鳴らすにふさわしいものであります」。ドン真空管も同じ年販売し,その後各社とも製造し,戦前の並四,高一ラジオの定番になりました。当初ベースの足はUXの4ピンだったが,戦時色が強まった1941年春頃,資源節約のため1ピンを省いた3本足に変わり自立できなくなった。さらに遅れてニッケルメッキから地肌の真鍮ピンに変わりました。鉄ピンも作られました。
戦後,3本足のまま製造が再開され,KX-12Fはトランス付き並四,高一の国民型ラジオはもちろん,普及型の6Z-P1,標準型のUZ-42の5球スーパーにも使われました。一時期,戦後ケミコンの質が悪い時期にラジオの点火直後の無負荷高圧によりケミコンの事故が多発し,1949年頃から傍熱型の整流管が望まれ,マツダよりKX-12K,どこからかKX-12FK,そしてNECから電流の大きなKX-80BK,TENからKX-80H,再度マツダからKX-80HKが出て,KX-12Fは次第に新製品には使われなくなりました。それでもケミコンが良くなってからは全く問題なく使用され,安価なので保守用に1960年代まで製造されました。1955年頃から名称はKXが無くなり12Fとなりました。戦後作られたモデルはフィラメントを吊り具で支持する形式のもので,角形ゲッタになった1950年代には品質は安定していました。
[ラジオの修理に] KX-12Fは戦後も多数製造されたので,比較的入手しやすい。稀に今日の真空管ショップに在庫のあることもあり,比較的廉価です。またYahooオークションでは中古球が出ることがあります。米国では相当管はありませんが,6.3V管の米国1Vを5Vで点火して代替管として使うことができます。外形を気にしなければ,ミニアチュア管の5M-K9や5V点火の6X4も使えない訳ではありません。なお,KX-12Fの代わりにKX-12Bを使ってはいけません。出力電流がやや小さいので,KX-12Bを壊す危険性があります。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Ebmax Vrms |
Ibmax mA |
Peak Inv.Eb V |
Peak Ibmax mA |
KX-12F RG-10013A '37.- |
1;-, 2;p, 3:f, 4;f |
ST-38, D=38 mm, L=110 mm |
5.0 |
0.5 |
300 |
40 |
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KX-12F* (Matsuda '51) |
JES-4B, 1;f, 2;p, 3;nc, 4;f |
ST-38 /D=38 +/-1 mm, L= 105 +/-5 mm |
5.0 |
0.5 |
300 |
40 |
850 |
240 |
Sample before WWII(1) Matsuda
KX12F(Old-4pin)
1937
(4A) ★KX-12F Tm( 刻マツダ/KX-12F, 4pin, 3リブP, サイド・マイカ付き円形マイカ,凸クル, 皿G, ガラス割れ), 松下無線Z3,
(4B) ○KX-12F Tm (刻マツダ/KX-12F, Base矢印, 4pin,(放)/正上方, 天(マツダ)消え,3リブP, 長方形楕円マイカ, 吊り具, ステム字無, 皿G, em=60.5), 抜出ES95 Sharp SR275 1953?
Tokyo Electric Matsuda KX-12F in 1937? without Glass Tube, using Matsusita-National Radio Receiver Z-3 before WWII/戦前の東京電気マツダKX-12F。(1937年頃製造,松下無線Z3型高1ラジオに使われていた球)。
ベース刻印(マツダ/KX-12F)。ガラス管はラジオのキャビネット破損により損傷,完全に失われてた。そこで保護のためにプラステイック板を巻いている。ステムに「ク」,いつもは見えないゲッタ側には「ル」と書かれているのが見えた。マイカは円形でサイド・マイカもある。(これは初期型である。後に長方楕円となった。)
この球,死んではいるが幽霊ではなくちゃんと足が4本ある!。つまり,戦後(抜けやすく,立たない,みっともないと)不評を買った3本足は戦時中(正確には戦争前)に発明されたのであった。(後の調査で昭和16年春3月に3ピンになっていたことを確認)。
ゲッタは皿型。普段見えない下から見ると,ゲッタの皿は板の真ん中に窪みがありゲッタ物質を置き,その上に長方形の金網を被せ,四隅をスポット溶接したもの。加熱により溶けるが金網の表面張力でしばらく止まっている?その後,フラッシュ。金網の編み目から分散して放出するので広範囲にフラッシュできる?
KX12F(Old-4pin) つづき
1938-40
[GOMI-1ひび真空漏れ]KX-12F Tm (刻マツダ/KX-12F/正, (マツダ)(放)/正やや右,Base矢印, 4pin, 3リブP, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸1ユ, 皿G) (050521調査)
KX-12F Tm (刻マツダ/KX-12F/正, (マツダ)(放)/正やや左,Base矢印(T)4pin, 3リブP, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸Iユ em=54) kirino 990516,
KX-12F Tm (刻マツダ/KX-12F/正, (マツダ)(放)/やや右, Base矢4pin,3リブP, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸2ヰ,皿G )(050515調査) B46 Wave KS1 1938?
?KX-12F Tm (刻放 1へ皿網ゲッタ) B113 Televian R4 1940? ,
?KX-12F Tm (刻マツダ/KX-12F/正, (マツダ)(放)/正やや右, Base矢印4pin, 3リブP, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸マ1) (050515調査)C75 National New KS2 1940
KX12F(Old-3pin)
1941
○KX-12F Tm(刻マツダ/KX-12F/正, (マツダ)(放)/やや右, 矢印Ni/3pin, マ16.2, 3リブP, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸ン, 皿G, em60) C27 National R-5M 1941,
? KX-12F Tm (刻放(マ16.5) 3本足) B(155)放送局第11号 011126,
○KX-12F Tm (刻1級, 真鍮3pin, 青がラス, c 1 こ 63>40) B16 Sharp New KS2 1940,
[GOMI-2]KX-12F Tm (青がラス,ガラス印字, (丸KX-12F)19.4/正, (マツダ消え), Base矢印真鍮pin, 3pin, 3リブP穴付き, 長方楕円マイカ, 吊り具, 凸なし, 皿G) (050521調査)
Box of Tokyo Shibaura Matsuda KX-12F, 1941-
Elevam and Star before WWII
○KX-12F Elevam (ガラス印字, エレバムMSEレト, 1級, (Base1234, 真鍮4pin, トウ) 皿G, em=56),
(4A) ○KX-12F スター(ガラス印字KX12F, Base矢印, 3pin, 天(スター), 円盤マイカサイド無し,桶ゲッタ,em=53),
ともに旧形式のガラス管。エレバムは1級(1941?-1949年),真鍮ピン,4つ足。em=56。スターは丸にカタカナのロゴがガラス頭部にあり,また桶ゲッタを使用していることから,戦前と推定した。em=53。
左エレバムのマイカは十字形で爪がある。右スターは1939年頃の古い形式の円形マイカであるが,本来あるべきサイドマイカがなく(はめ込み用の穴はある),爪もないので,頭部はガラス管壁に非接触,つまり自立形となっており,振動する。
Others
KX12F(Old-4pin)
○12F ECONOMY (刻,ガラスHI?, ガラス印12F,放, ステム黒オ, Base1234, em68) 040224,
[GOMI-3]12F 不明 (クリアガラス印字紫12F, Base1234, 4pin, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具, 凸なし, 皿G) (050521調査)
[GOMI-4]12F 品川電機 (クリアガラス印菱形<12F>, Base矢印128文字, 4pin, 3リブP, 十字マイカ, 吊り具, 凸青ウ10i, P側面楕円リングG) (050521調査)
KX-12F Hachiyo Eastron 7-4 (Base1234)あぶりなし, T050727
KX12F(Old-3pin)
(4C) △KX-12F Hachiyo-K.O.Tron (6-4 em43) B43 Nanaola N10 1943, △KX-12F Hachiyo-SAN (18-5 em49) B67 27typ HM nikoniko Midget 1935?, ○KX-12F Hachiyo-BESTO (8-10 1級 em67) B33 27typ HM siiku tombstone 1934?, ?12F BESTO (刻BESTO, Base1234,鉄3pin, ガラス赤(放)(12F),その下赤[F6-7], 3リブP, 吊り具, 皿G)(050516調査) B112 27typ Sharpdyne Perry Patriot P4 MIdget 1935?,
KX12F(New-3pin)
[GOMI-5]KX-12F エレバム (クリアガラス印(丸エレバム), ム?, Base矢印赤印Z, 3pin, 3リブP, 楕円マイカ, 吊り具, 凸なし, 皿G) (050521調査)
Unknown during WWII, Shinagawa and Elevam after WWII
KX-12C; 中間半波整流管(50mA),宮田製作所エレバムが1932年頃KX-280とKX-112Bの中間を狙って作ったラジオ用直熱型半波整流管KX-112CのST版で,エレバムは1935年頃にはST管を作りました。外形はST-45でKX-12Bよりひとまわり大きかった。1937年頃まで製造しました。1932年3月1.05円,1935年7月0.70円,1937年9月も同じ。ドン真空管は1937年9月0.60円から1939年1月にも0.75円と卸商の価格表に乗っています。ただ,1938年8月版のドン真空管カタログにはすでに型番落ちしていますので,在庫のみだったかもしれません。1937年にKX-12Fが発表されて以来,廃品種になったものと思われます。
KX-80B; 直熱型の中間半波整流管(70mA),エレバムのKX-112Cよりも遅れて1932年に東京電気サイモトロンが作ったKX-280BのST版。同様に「中間半波整流管」に分類された。米国245を原形としてグリッドを取り去った半波整流管といわれる。外形はKX-12B(ST-12/D=38mm)よりひと回り大きいST-14(D=45mm)である。KX280B発売後,1932年9月マツダ1.39円,1933年7月マツダ1.39円,エレバム1.75円,1935年7月-1937年7月,マツダ1.17円,ST管KX-80B, エレバム1.00円,K.O.真空管0.85円,ドン0.90円,1934年1月,マツダ1.40円,エレバム1.30円,ドン1.20円,ホリゾン1.,00円。
これらは,もともとPhilipsが日本にペントード(5極出力管)を売り込んだ1931-1932年頃に一緒に販売した両波整流管PH-506(4V/1A, 70mA), 半波整流管PH112K(5V/0.5A, 50mA)の影響を受けて,国内各社がこれに対抗して作ったもので,K.O.真空管は真先に中間両波整流管KX-506Bを作ったのですが,その後,製造を止め,ST化しなかった模様。これらの整流管は,UY-247等の出力数W以下のペントードの使用を前提としたもので,高級なラジオや電蓄では両波整流のKX-280/KX-80が利用され,また廉価なラジオではKX-112B/KX-12Bが使用されたので,僅かにUY-247やUZ-2A5を用いた3球や4球式の簡単なラジオでのみ使用されるに留まり,それも1935年頃までの流行で,1937年頃になるとKX-80が廉価になるのと引き換えにKX-80Bは保守の需要しかなくなった。またKX-12Cは1937年に出たKX-12Fにより使用されなくなった。したがって,戦前の製造量は少なかった。
戦後は劣悪な品質のケミコンが出回った時期に,ラジオを点火した直後の無負荷時の高圧により事故が多発し,同クラスの傍熱型整流管が要求され,KX-12Fよりも大きな出力を持つ傍熱型片波整流管KX-12K,KX-80BKやKX-80HKが作られた。結果的にKX-80B類似となっている。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Cathode |
Ebmax Vrms |
Ibmax mA |
KX-112C (Elevam box) |
1F, 2P, 3NC, 4F |
Estimate S-45/ D=45+/-1, L=112+/-5 |
5.0 |
1.05 |
DH |
250 |
50 |
KX-12C DON Vacuum tube catalogue in 1937? |
- |
ST-45 |
5.0 |
1.0 |
DH |
- |
50 |
KX-80B Matsuda '51 |
JES-4A 1;f, 2;p, 3;nc, 4;f |
ST-45 D=45 +/-1 mm, L=112 +/-5 mm |
5.0 |
1.25 |
DH |
400 |
70 |
KX-80B DON Vacuum tube catalogue in 1937?, 1938.8.30 |
1;p, 2;nc, 3;f, 4;f |
ST-45 L=115 mm |
5.0 |
1.25 |
DH |
400 |
70 |
Toshiba Matsuda KX-80B, 刻印マツダ/KX-80B, 天マツダ, 皿ゲッタ, 円盤マイカ+サイドマイカ, (ゲッタ膜なし,真空漏れ,陰極物質散乱)。060904
KX-80は米国80の国産版。直熱双2極整流管。ナス管280はRCAが1927年に開発,1929年頃名称がダッシュ付きの2桁に'80,1933年頃ST管'80が誕生。日本では東京電気(TEC,サイモトロン)がナス管版KX-280を1930年(昭和5年)3月?に国産化。UX-245と同時発表(1929年10月 価格 @3.50円?)。さらに東京電気(TEC-マツダ)はST版KX-80を1934-1935年頃国産化。1935年頃でもメーカーは残りのKX-280を使っていたりしたので,その頃からようやくST管に切り替わったらしい。戦前はUZ-2A5とともに高級ラジオ機に使用された。戦後はUZ-42とともに良く使われた。
[ラジオの修理に] 今日ラジオ修理用としては米国の80を入手するのが最も簡単でしょう。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Input |
Zpmin |
Ebmax Vrms |
Ibmax mA DC |
Peak Inv.Eb V |
Peak Ibmax mA |
KX-80 (RG-10060) |
|
ST-50 /D=50 mm, L=132 mm |
5.0 |
2.0 |
C C L |
- |
350 400 550 |
125 110 135 |
- |
- |
KX-80* (Matsuda'51) |
JES-4A |
ST-45 /D=45 +/- 1 mm, L= 112 +/- 5 mm |
5.0 |
2.0 |
C L |
100 ohm 5H |
400 500 |
110 |
1400 |
330 |
Sample before WWII
Matsuda
戦前のサンプル。1936年以降?ベースにはマツダとKX-80の刻印。ガラス裏面にはマツダロゴとその下に放マーク。ゲッタは皿である。フィラメント吊り用の支柱が2本ステム中央から出ている。上部マイカはスリットがあり高圧の絶縁に配慮しているように見える。しかし,写真でも分かるが,この球は中古で,プレート支柱2本のステム部のガラスは黒化し染みが出ている。ガラス電解が進んだものか。KX-80の寿命は短かった。
Elevam
DON
Eastron
Sample after WWII
戦後のサンプル。1級。ガラスはクリア。ベース・ピンは真鍮。新品だが,陰極物質が禿げ落ちている。em=(54,46)。かなりエミッションは悪い。正面は管名KX-80,裏面はマツダのロゴ,その右に1級マーク。文字はすべて白ペイント。ステムに文字なし。これは本当にマツダ製だろうか?(本当らしい)。フィラメント吊りはマイカ板を利用している。
KX-80K; 傍熱型の両波整流管,1937年頃にエレバム,ドン真空管が販売していた。これはKX-80の傍熱管である。外形はKX-80と同じST-45(D=45mm)である。1937年7月エレバム1.50円,ドン1.50円。1939年1月エレバム,ドン共に2.00円。戦時中は製造中止。
KX-80C; 直熱型の小型両波整流管,1938年頃にドン真空管が販売していた。これはKX-80の改良管である。米国の6X5クラスであるが,直熱管。
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Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Cathode |
Ebmax Vrms |
Ibmax mA |
Peak Inv.Eb V |
Peak Ibmax mA |
KX-80K DON Radio Tube Catalogue '38.8.20 |
1;p1, 2;p2, 3:f, 4;f *k=f+f |
ST-45, D=45mm, L=113 mm |
5.0 |
2.0 |
IH |
500 |
150 |
|
|
KX-80C DON Radio Tube Catalogue '38.8.20 |
1;p1, 2;p2, 3:f, 4;f |
ST-38 /D=38 mm, L= 107 mm |
5.0 |
1.1 |
DH |
200 for Cin 300 for CHin |
50 |
|
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Sample before WWII なし
Sample after WWII