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7A. American Miniature 1.5V Battery Tubes/米国のミニアチュア型1.5V電池管米国のミニアチュア電池管 |
7J. Japanese American-Compatible Miniature 1.5V Battery Tubes/日本の米国互換ミニアチュア1.5V電池管 |
7E. European Rimlock and Miniature 1.5V Battery Tubes/欧州のリムロックとミニアチュア1.5V電池管; |
7Auto. American Miniature 26V and 12V Battery Tubes/米国のミニアチュア型26Vと12V電池管 |
7S. Subminiature 1.5V Battery Tubes/サブミニアチュア1.5V電池管 |
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Converter |
RCO Pentode |
Twin Diode High mu Triode |
Twin Power Pentode |
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26D6 |
26A6 |
26C6 |
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26A6, 26C6, 26D6そして26A7GTのシリーズは珍しくもヒータ電圧26Vの電池管です。
一般に6.3V球は戦前の電池管で当時の自動車用蓄電池の平均充電電圧がそれに当たるとか。戦後開発されたミニアチュアラジオ管6BE6, 6BA6, 6AT6, 6AQ5, 6X4も,もとをただせば自動車用でした。また戦争直前に米国で作られたロクタル管は航空機用に7Vか14Vというものが出ています。平均電圧が6.3Vや12.6Vと同じですが,充電時の最大電圧7Vや14Vでも壊れないようにヒータ定格を規定したシリーズと考えれば良いでしょう。
さて,ここに登場した26V管は,RCAが1946年に作ったようで,前年に開発したミニアチュア管シリーズをもっと大型のバッテリーに対応できるよう焼きなおしたもので,ミニアチュア管の第三弾です。ちょっと違う点は,+B電圧も26Vで済まそうとしました。このくらい電圧があれば,従来のラジオ管も働きます。しかし電力増幅用管6AQ5だけは動作範囲が狭まりうまく働かず出力が出ません。このため特殊なビーム出力管を作りました。それが,これらミニアチュア管と組み合わせて発表された26A7GTです。国内では東芝が1956年に国産化しました。
6BA6の26V管。+Bは26Vの動作例が発表されている。
26A6 T x2 010622,
6AT6の26V管。+Bは26Vの動作例が発表されている。
26C6 T 011208,
6BE6の26V管。+Bは+26Vの他,+250Vの動作例が発表されている。
26D6 T 011208
25L6GTを2つ封入したようなプッシュプル用ビーム出力管で26V管。+Bは+26Vの他,+250Vの動作例が発表されている。
26A7-GT RCA (1-48) ,
26A7-GT Tm 010622
日本に自動車がまだ余り無かった時代から,米国では自動車ラジオ用の真空管が発達しました。初期の頃はST形の6.3V管が開発され,「戦前のST管(2):電池管,6.3V管とスーパー」のページで紹介しました。その後も,自動車バッテリーは12.6Vが標準になり,ヒータ電圧12.6Vのメタル管,GT管,そしてMT管が用いられました。+B電源の供給は,直流発電機という手もありますが,機械式の振動子(チョッパー),昇圧トランスと整流管の組み合わせで作ったDC-DCコンバータなどが良く使われていたようです。しかし,電池管のうち,空間電荷グリッド4極管などは,極く低い電圧で動作するものがあり,バッテリー電圧そのままでもラジオが作れない訳でもなかったのです。これは,何も特別な真空管の特権ではなく,6D6や6SJ7など第3グリッドが分離されている5極管なら,十分に空間電荷形の真空管として動作させることも可能でした。
1956年5月,米国のTung-Solは新しい自動車用真空管を発表しました。それが,ここに紹介する+B電圧12Vの真空管です。発表された球は,周波数変換12AD6, 中間周波数増幅12AC6, 検波・増幅12AF6, そして出力管12K5の4本です。前3者は,戦前に船舶用バッテリ管として26Vの球(26A6,26C6,26D6)が開発されたこともあり,決して珍しいものでもありませんでした。26V管では出力管に困り,26A7GTというpush-pull用の特別な球を開発して問題を解決しましたが,12.6Vでは,如何ともし難いのが現実でした。Tung-Solは,そこで,空間電荷グリッド4極管を持ち出してきました。そんな訳で,特に12K5は一般には変わった出力管として知られています。ところが,今日,12K5はちっとも出力がでない,12.6V管の中に出力管を探したのだが,該当する球が見あたらない,などという話を良く聴きます。
そんな疑問は歴史を紐解けば,たちまち氷解することでしょう。世はトランジスタ時代に入っていました。トランジスタ・ラジオが本格的に売り出されたのは,実に12.6V管発表の前年の1955年のこと,当時はしかし,トランジスタは大きな需要を賄うほど大量生産できた訳でもなく,また高周波関係は苦手,熱にも弱い,コストがかかるなどの欠点があり,いましばらくは,真空管で行かねばならない時代だったのです。ですから,このTung-Solのシリーズは過渡期にあることを承知で開発したシリーズで,実に出力管相当部分だけはトランジスタの採用を想定したハイブリッド構成のラジオ用だったのです。出力トランジスタはTS-176という出力2.5W(8%)のものが同時に発表されています。
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Eh (V) |
Ih (mA) |
Eb (V) |
Esg (V) |
Eg (V) |
Ib mA |
Isg mA |
gm/gc mA/V |
rp kohm |
mu |
12AD6 |
12.6 |
0.15 |
12.6 |
12.6 |
g3=0 g1=1.1 (rms) |
0.12 0.34* |
0.65 1.19* |
0.1 0.32* |
- 400* |
Rg1= 2.2M |
12AC6 |
12.6 |
0.15 |
12.6 |
12.6 |
0 |
0.028 0.6* |
0.028 0.2* |
0.73 0.75* |
- 600* |
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12AE6 (T) (D) |
12.6 |
0.15 |
12.6 10 |
- |
0 |
0.75 2.0 |
- |
1.0 |
15 |
15 |
12K5 |
12.6 |
0.4 |
12.6 |
12.6 |
g2=-2 |
8.0 40* |
g1=85 =75* |
7.0 - |
- 480* |
5.6 - |
TS-176 |
- |
- |
-12 |
- |
R=15ohm |
500 |
Pgain =30dB |
Po= 2.5W |
D= 8% |
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Table 2 List of 12V Battery Tubes/12V電池管の表その後、米国の各社で45種の12V管が作られました。
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Pentagrid Converter* |
12AD6**(0.15)7CH gc0.32 |
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12FA6 TSol58(0.15)7CH gc0.3 |
Heprode Converter |
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12AG6(0.15)7CH gc0.3 |
12GA6(0.15)7CH gc0.14 |
Dual control Heptode RF with AGC Reducing back biasing of the AGC line |
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12EG6 Syl58(0.15)7ch gm0.8 |
Triode-Hptode Converter |
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12FX8(0.27)9KV gc-,mu10 12FX8A |
RCO RFamp |
12AC6*(0.15)7BK gm0.75 |
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12DZ6 Syl58(0.19)7BK gm3.8 [AGC] 12EA6(0.19)7BK gm3.8 |
RF pentode |
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12AF6(0.15)7BK gm1.5 12CN5(0.15)7CV gm3.8 12DK5(0.30)9GT gm3.3 |
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SCO RFamp* |
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12BL6*(0.15)7BK gm1.35 12CX6 Syl57(0.15)7BK gm3.1 12CY6(0.20)7BK gm3.25 |
12EK6* Syl58(0.19)7BK gm4.2 [10.0V-15.9V] 12EZ6 TSol58(0.175)7BK gm2.7 |
diode-diode-triode* |
12AE6*(0.15)7BT mu15 12AE6A |
12AJ6(0.15)7BT mu55 |
12EL6(0.15)7FB mu55 12FK6(0.15)7BT mu7.4 12FM6*(0.15)7BT mu10 12FT6(0.15)7BT mu14 12DV7 Syl58(0.15)9JY mu14 [separate K] |
triode-triode(Twine) |
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12U7(0.15)9A mu20 |
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triode-triode(direct coupled) |
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12G8(0.4)9CZ mu22,po0.025 |
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triode-triode'(Dismilar) |
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12AE7(0.45)9A mu13,6.4 |
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diode-triode-triode'(Dismilar) |
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12DW8(0.45)9JC mu9.5,6.4 |
diode-tetrode |
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12EM6(0.5)9HV gm5 |
diode-diode-tetrode |
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12DK7(0.5)9HZ gm5.0 |
12DU7 Syl58(0.25)9JX gm6.2 po 12J8(0.325)9GC mu5.5 |
triode-tetrode Relay Service |
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12DY8 Syl58(0.45)9JD gm6.0,mu20 |
SpaceChargeGrid tetorode |
12K5*(0.4)7FD gm15 |
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diode-diode-SpaceChargeGrid tetrode |
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12DL8 Syl57(0.55)9HR gm15 |
12DS7(0.4)9JU gm16 12DS7A gm19 12DV8(0.375)9HR gm8.5 |
triode-SpaceChargeGrid tetrode |
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12AL8 TSol57/Syl57(0.55)9GS gm15,mu13 |
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diode-pentode |
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12DE8(0.20)9HG gm1.5 |
diode-diode-pentode |
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12F8(0.15)9FH gm1.0 |
triode-pentode FM Mixer |
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12EC8 Syl58(0.225)9FA gm2,mu25 |
diode-triode-pentode |
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12FR8(0.32)9KU gm2.7,mu10 |
またまた12V自動車ラジオ用のジャンク球。12AD6はコンバータ管。このシリーズは1950年代後半にTung-Solが発表し,登場したのであるが,内容は電池管といいながら傍熱型であって,ふんだんにヒーター電流を流して使用するぜいたくなものである。ただし,+Bも12Vなのだから,プレート電流はなかなか流れない。以前にも神戸工業TEN製を紹介したがここでは本家の米国製を。
これも米国製の100本余りのジャンクの中に含まれていたただ1本の12V球である。
国内では,神戸工業TEN,松下電器産業などがTung-Solに端を発する12V管の製造を行いました。この球は過渡期のものですから,製造の流行も1958年頃から始まり1962年頃までには終わっていたようです。
印象は6BE6系にそっくり。ゲッタはリング形(1961年以降)。TENはロット・コードを変えたようで,東芝マツダの1950年代と同様に管名枠の切れ目の位置でそれを表しているが,解読できない。gm=65。