|
|
|
|
|
| ||||
| ||||
7A. American Miniature 1.5V Battery Tubes/米国のミニアチュア型1.5V電池管米国のミニアチュア電池管 |
7J. Japanese American-Compatible Miniature 1.5V Battery Tubes/日本の米国互換ミニアチュア1.5V電池管 |
7E. European Rimlock and Miniature 1.5V Battery Tubes/欧州のリムロックとミニアチュア1.5V電池管; |
7Auto. American Miniature 26V and 12V Battery Tubes/米国のミニアチュア型26Vと12V電池管 |
7S. Subminiature 1.5V Battery Tubes/サブミニアチュア1.5V電池管 |
| |||
| |||
|
|
|
|
2G21/2G22
|
2E31/2E32 |
2E41/2E42 |
2E35/2E36
|
| |||
|
|
|
|
|
|
| |
| |||
|
|
|
|
|
1AG5, 1AJ5 |
| |
| |||
|
|
|
|
|
| ||
| |||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1N3 No sample |
1N5, 1N5SF |
|
|
| |||
|
|
|
|
|
1ER11 No sample |
1EDR1 No sample |
|
| |||
|
|
|
|
|
No sample |
1AG5SF |
|
| |||
|
|
|
|
|
5678SF No sample |
|
512B No sample |
(see Sub-miniature.html)
米国では,MT管開発の翌年の1940年にRaytheonやHytronが軍の要請を受けて砲弾の無誘導信管/近接信管(Proximity Fuze),後のサブミニアチュア管(SMT)の開発を始め,1941年3月に原型を完成,戦時中は大量に製造しました。戦後,Raytheonはその技術を民生用ラジオに転用し,1946年には周波数変換用管2G21,シャープカットオフ5極管2E31,検波・増幅2E41,出力管2E35のラインとソケット版2G22,2E32,2E42,2E36をRMAに登録したと発表しています。 1.25V,50mAのフィラメントを使用していました。この2E/2Gシリーズの外形は,長さ1-9/16",断面が0.3"x0.4"の楕円形をした平べったい球で,足はリード線型とソケット用の短い型のものと2種類同時に発表されています。SylvaniaもFuseの商用版開発のニュースを流しましたが,具体的な管名は出てきませんでした。やや遅れを取ったのでしょう。Hytronは戦後しばらくは製造技術そのものを販売していたようで,1950年頃にはCBSに吸収されCBS-Hytronになり,その御幾つかサブミニアチュア管を製造したようです。
RaytheonとSylvania
Raytheonはその後,もっぱら軍用の球ばかりを開発しました。まず、CK510AXから始まる有名な一連のシリーズを作ります。いずれもピンチステムの引き出し線をそのまま出したような格好の扁平のサブミニ管です。フィラメント型の500番台CK-AX,ヒータ・カソード型の600番台CK-BK,CK-CXを経て,1950年頃からの新型管はその名称はRMA/EIA名の産業用数字管の5000番台に合流しました。一方,Sylvaniaはチューブラー型のサブミニ管をデヴューさせた後,産業用数字管を続々と発表しました。サブミニ球はその性格からどうも軍用や産業用に適していたようです。そのため,開発の主体は当初より軍用や産業用に向けられ,1951-1952年頃から高信頼管の開発競争へとエスカレートしました。サブミニ管は数多くの球を要求する計算機や振動の問題をともなう航空機やミサイルなどの分野で独壇場となり,1956年頃にはGEが5-star管として製造に参入。その後,各国で高信頼管が作られました。その後もRaytheonやSylvaniaによって1960年代初頭にかけ勢い良く開発競争が続けられました。驚くことにこれらの球は1980年代まで製造が続けられました。そのお陰で私達は今日もこちらのおこぼれを格安で購入することができます。
民生用サブミニ管
一方,民生用サブミニ管はどうかといいますと,1949-50年頃にSylvaniaやRCA,GEから一斉に,周波数変換用7極管1C8, 1E8,3極5極管1V6,シャープカットオフ5極管1AD5,検波・増幅1Q6, 1S6,1T6,出力管1V5, 1AC5などを続々と発表しましたが,SylvaniaのMT管1L6が発表されたのが1949年のことですので,名称登録の順を考えるとやはり1949年以降のことだったように思われます。実際,RCAは周波数変換用7極管1E8,シャープカットオフ5極管1AD5,検波・増幅1T6,出力管1AC5を1950年に掲載していますが,推奨回路はマニュアルに掲載しませんでした。(J.W.Stokesの70 years of radio tubes and valvesでは1950年のRCAのマニュアルに現れたと言っています。大塚久さんの「クラシック・ヴァルブ」ではこれらの球はmT管と同じ1945年12月に発表されたと紹介していますが誤りのようです。実際,RCAのマニュアルには1E8と1AD5のみ特性曲線データが紹介されています。他の品種は他の会社の開発だったかもしれません。)。Raytheonは1950年5月の広告に1AD4を,また1951年9月になると1AG5, 1AH4を加えました。しかし,民生用のサブミニ球開発競争はそれで終わりました。ラジオやTVには安価なmT管が適しており,高価でも小型が良い,消費電力が少ない方が良いという唯一の需要は補聴器でしたが,Raytheon独自の500番台や後の産業用数字管で十分まかなえたようです。米国の受信機回路図集Most Often Needed Radio Diagram (1953)によれば,電池管で残っているのは,サブミニアチュア管では1V6, 1AH4, 1AJ5のみでした。サブミニ管でその後EIA登録された球は1960年代初頭に2本,何と日本は東芝の2本のミクロビスタ管(シールド付き)だけでした。
日本の状況
我が国では,1949年末に、小メーカの太陽電子研究所(アポロ)が、外径9.2mmのリード線形のサブミニアチュア管1N5,1N3を作りました。これは日本独自の規格の球で、名称の1は1.4V、Nはベース無し、3または5は3極管、5極管を表しており、3極管は戦時中の30M、5極管は米国1T4を意識して作ったサブミニ管でした。(米国RMA/EIA名の1N5はRF用GT管、1N3は欧州DM71の米国登録名でマジックアイ)。大メーカがサブミニアチュア管に参入したのは、その後で、東芝が1954年頃に補聴器用にRaytheon CK549DX(増幅用5極管)相当の#3040, CK546DX(電力増幅用5極管)相当の#3041を開発しています。また,業務用のポータブル無線機用にRaytheonの2G21を国産化しています。また,これに見合う数字管として,5672(電力増幅用5極管), 5676(高周波発振用3極管), 5678(高周波増幅5極管)を国産化しています。いずれもRaytheonが開発した1950年頃の球がお手本だったようです。通信メーカーの日本電気NECはRaytheonのCK500シリーズの幾つかを作りました。また,1954-1955年頃には、ミニアチュア管の省電力版がPhilipsから出され、国内では松下が製造しましたが、国内各社でも米国型のミニアチュア管のフィラメントを省電力用に取り替えたSF管を製造しはじめました。サブミニアチュア管にもこれが応用されて、1955年頃,先のアポロが日本独自の省電力管として2G21-SF, 5678-SF, 1AG5-SFを、同じく小メーカの日本電子管製作所パームが、それらの品種に加えて1AH4-SFを作りました。 また、パームは、出力管512B, 補聴器用の増幅管DF67S(おそらくDF64類似), 出力管DL67(DL67相当管)を作りました。
2E36という名称を聞いて,2E24, 2E26などの記憶から送信管かな?と思ってしまうのは早計。サブミニ管が出現した1946年頃には軍のハンデイトーキー用に開発されたため,一般のRETMA/EAI登録ではなく,移動無線の送信管と同じ軍用/通信用?の名称に登録されたらしい。Eは5本足,Gは7本足。だったのだろうか?
2G21は息の長い球で1940年代から軍用真空管時代最後の1980年代まで作られたらしい。
歴史は既に書いた。表だけご覧いただこう。
Raytheon Original Tubes
Name
Class
Base
Out-line
Ef V
If A
Eb V
gm
Po W
note
2E31
RF pentode
2E31 (F5p)
TX
1.25
0.05
22.5
0.500
Socket
2E32
same above
Lead
2E35
Power pentode
2E31 (F5p)
TX
1.25
0.03
45
0.500
Socket
2E36
same above
Lead
2E41
Diode pentode
2E41 (F6p)
TX
1.25
0.03
22.5
0.375
Socket
2E42
same above
Lead
2G21
Triode Heptode converter
2G21 (F7p)
TX
1.25
0.05
22.5
gc0.06
Socket
2G22
same above
Lead
2G21/2G22は3極7極周波数変換管。7極管は6BE6/6SA7というよりも昔の混合用7極管6L7という感じ。というのも発振用3極管が別にあり,第1グリッド同士が結ばれている。第2,第4グリッドは遮蔽グリッドなので,受信信号は第3グリッドに入力される。ちなみに2G21はソケット用にリード線が短く固いタイプ、2G22は直接配線用にリード線が長いタイプ。
2G21 1.25V, 0.05A,
(pin:2G21;pt, ph, gt+g1h, f, g3h, g2h+g4h, f+g5h)
(Hept) Eb;22.5V, Eg2+g4;22.5V, Eg3;0V, Ib;0.2mA, Ig2+g4;0.3mA, rp;500k, gm;0.060mA/V
(tri) Eb;22.5V, Ib;1.0mA, Ig;0.030mA, Rg;50k
*2G21 T 040625
ピン配置はその後の5672, 6092と同じ。
2E35/2E36 1.25V, 0.03A, (pin;p, g2, f, g1, f+g3)
45V, 45V, -1.25V, 0.45mA, 0.11mA, 250k, 0.500mA/V, RL100k, 6mW。
[0c4]
下記の2つの表は,米国EIAに登録された数字とアルファベット名を持つ球の一覧である。ベースによりRaytheon系とSylvania系の2つに分けてある。サブミニ管ポータブルは民生用ラジオにはほとんど採用されなかったのであろう。品種が意外と少ない。表を見るとわかるように,Raytheon系では,電池管式スーパーラジオを構成する場合,多少バラエテイがある。コンバータ複合管1V6, ミキサ1AE5, IF増幅1AD4, 1AH4(中電力),1AK4(省電力), 検波増幅1AG5(中電力), 1AJ5, 1AK5(省電力), 出力1AG4。しかし,Sylvania系では,電池管式スーパーラジオを構成できる球は本来1種類しかない。コンバータ1C8/1E8, IF増幅1W5/1AD5, 検波増幅1Q6/1S6/1T6, 出力1V5/1AC5である。外形やピン配置が異なるものがあるだけである。RCAは後者に属する。
表の資料(GEは1955年まで,GE*は1974年の資料による,赤字はRCA,GEの中にはSylvaniaやCBS-Hytronが開発しGEが販売したものも含まれている)
Name
Class
Base
Out-line
Ef V
If A
Eb V
gm
note
Maker
4-series
1AD4/ XFR1/ DF62
Shielded RF Pentode -High gm
1AD4 (F5p)
2-1
1.25 DC
0.1
45V
2.0
Ray50, GE/ Hivac/ Mul
1AG4
Power pentode
512AX (F5p)
2-1
1.25 DC
0.04
41.4
1.0
0.035 W
GE
1AH4
RF pentode
1AD4 (F5p)
2-1
1.25 DC
0.04
45
0.75
Ray51, GE
1AK4
RF Pentode
1AD4 (F5p)
2-1
1.25 DC
0.02
45
0.75
GE
5-series
1AE5
Heptode mixer
1AE5 (F6p)
TX
1.25 DC
0.06
45
gc0.2
GE
1AG5*/ CK551- AXA
Diode pentode
1AG5 (F6p)
2-1
1.25
0.03
45
0.25
Ray51, GE*
1AJ5
Diode Pentode
1AG5 (F6p)
2-1
1.25 DC
0.04
45
0.425
GE
1AK5
Diode Pentode
1AG5 (F6p)
2-1
1.25 DC
0.02
45
0.280
GE
6-series
1V6
Triode pentode converter
1V6 (F7p)
2-3
1.25 DC
0.04
45
gc0.20
CBS/ GE
Name
Class
Base
Out-line
Ef V
If A
Eb V
gm
note
Maker
2-series
1T2
Half-wave HV Rectifier
1AY2 (T2pt)
TX
1.4
0.14
-15 kV
Ib=2 mA
GE
3-series
1D3
Low mu HF triode
8DN
3-2
1.25 DC
0.3
90
3.4
mu 8.7
GE
1M3/ DM70
Electron Ray Ind
8DN
3-2
1.4
0.025
Philips GE
5-series
1V5
Power Amplifier pentode
8CP
3-2
1.25 DC
0.04
67.5 45 30
0.750 0.600 0.45
0.05 W 0.015W 0.005W
GE
1W5
RF pentode
8CP
3-2
1.25 DC
0.04
67.5 30
0.735 0.430
GE
1AC5
Power Amplifier pentode
8CP
3-5
1.25 DC
0.04
67.5 45 30
0.750 0.600 0.45
0.05 W 0.015W 0.005W
=1V5
GE RCA
1AD5
RF pentode
8CP
3-5
1.25 DC
0.04
67.5 30
0.735 0.430
=1W5
GE RCA
6-series
1Q6
Diode pentode
8CO
3-2
1.25 DC
0.04
67.5 30
0.600 0.330
GE
1S6
Diode pentode
8DA
3-2
1.25 DC
0.04
67.5 30
0.600 0.330
=1Q6
Syl/ GE
1T6
Diode pentode
8DA
3-5
1.25 DC
0.04
67.5 30
0.600 0.330
=1S6
GE RCA
8-series
1C8
Pentagrid converter
8CN
3-2
1.25 DC
0.04
67.5
gc0.15
GE
1E8
Pentagrid converter
8CN
3-5
1.25 DC
0.04
67.5
gc0.15
=1C8
GE RCA
1V6はコンバータ用の1.2V型3極・5極電池管。1950年頃の球で開発者不明だが,造りはRaytheonのタイプ。電池管ポータブルラジオのコンバータには初期の3極・6極管2G21の他に,6極のミキサー管1AE5と民生用管1C8/1E8系とこの1V6のがあるだけである。この中では1V6が感度,省電力の意味で一番優れている。
base=(1V6;pp, g2p, g1p, f+g3p, gt, pt, f) 1.25V, 0.04A,
(P)45V, 45V, Rg5M, 0.4mA, 0.15mA, 1M, gc0.2mA/V
(T)45V, Rg1M, 0.4mA, Ig0.012mA
CBS 1V6 Frquency Converter(Triode and Pentode)(周波数変換用3極・5極管) [0bN]
1AD4は電池式スーパーヘテロダイン受信機のIF増幅用の5極管。1950年頃の球で開発者不明だが,造りはRaytheonタイプ。Hyvac XFR1/ Philips DF62と等価。gmはミニアチュア管の6DB6並で高いがフィラメント電流100mA。Sylvania系の1W5は省電力で,フィラメント電流40mAなので,gmも比例して小さい。
base=(pin;1AD4; p,g2,f+g3,g1,f) 1.25V, 0.1A,
45V, 45V, Rg2M, 3.0mA, 0.8mA, 500k, 2.000mA/V
*1AD4 (=XFR1/DF62) NEC(991 60-9) 030411, 1AD4 Toshiba(ユ) x2 070929
1AJ5は電池式スーパーヘテロダイン受信機の検波・増幅用の2極・5極管。1950年頃の球で開発者不明だが,造りはRaytheonタイプ。感度・フィラメント電力ともにSylvania系の1Q6/1S6/1T6と他と同レベル。
base=(pin;1AG5; p, g2, pd, f+g3, g1, f+g3) 1.25V, 0.04A,
45V, 45V, Rg5M, 1.0mA, 0.3mA, 300k, 0.425mA/V
Raytheon JRP-5678 x4 990724 andix, HR (Hivac) CV2254/XFR2/5678(?)(VG)
5678 (NEC)x1? 010901, 5678 (NEC 623/1958-3, 5824/1962-3)X2 030407
(*1AJ5 GE 9809shida)
(*1V6 CBS 9809shida)
(*2E36 National okada99)
5672 XYF1 Po Amp *CV2238/XYF14PF/5672 9809shida
5676 Oscillation Triode
5678 Shielded RF Pentode
サブミニアチュア管はもともと戦時中に米国で軍事目的で開発された小型管ですが,戦後の一時期に民生用に活用すべくポータブルラジオ用の品種が開発されました。しかし,小型で製造が容易でないことから高価であり,民生用ラジオの市場ではミニアチュア管に負けてしまいました。米国ではその後,小型という特徴を活かした軍用や通信用の特殊なものを中心に開発が進められました。我が国でも,戦後の1950年代はじめに,大手メーカーによって米国型のサブミニアチュア管の国産化が始まりましたが,それは軍用機器の保守用とか通信機用を対象としたものでした。
一方,我が国では,大手真空管メーカによりラジオ用のミニアチュア管の国産化が始まる頃に,民生用ラジオのための小型の真空管を開発したメーカーがありました。まず,太陽電子研究所(アポロ)は1949年に,独自のサブミニアチュア管13M, 15Mを開発し,販売しました。米国のサブミニ管は管径9.2mmで,足はリード線形または特殊なベースのものが多かったのですが,同社の自称サブミニ管は管径12mmのサブミニアチュア管にMT管のベースを履かせた独自の外形を持っていました。管名の1はフィラメント電圧(1.1V),3あるいは5は電極(3極管,5極管)を表し,Mはミゼット(小型)を意味しているそうです。
Name/ 名称 |
Outline |
Structure/ 構造 |
Ef (V) |
If (mA) |
Eb (V) |
Esg (V) |
Eg (V) |
Ib (mA) |
Isg (mA) |
gm mA/V |
rp kohm |
mu |
1N5 |
Submini T9.2 |
Pentode/ 5極 |
1.4 |
50 |
67.5 |
67.5 |
0 |
2.8 |
0.8 |
0.75 |
360 |
- |
15M |
Midget T12 |
Pentode/ 5極 |
1.1 |
50 |
67.5 45 |
67.5 45 |
0 |
1.8 1.0 |
0.7 0.5 |
0.55 0.45 |
160 170 |
- |
new 15M |
Midget T12 |
Pentode/ 5極 |
1.4 |
50 |
67.5 45 |
67.5 45 |
0 |
2.8 1.4 |
0.8 0.4 |
0.75 0.55 |
360 |
- |
1N3 |
Submini T9.2 |
Triode/ 3極 |
1.4 |
50 |
67.5 |
- |
-1.5 |
2.4 |
- |
0.95 |
12 |
11.4 |
13M |
Midget T12 |
Triode/ 3極 |
1.1 |
50 |
67.5 45 |
- |
-1.5 |
2.2 0.8 |
- |
0.6 0.5 |
15 16 |
9 8 |
さらに,1949年末には,新たに外径9.2mmのリード線形のサブミニアチュア管1N5,1N3を作りました。米国では1N5-GTが知られており,このサブミニ版かな?などと一瞬錯覚しますが,同じ名前でGT管とサブミニ管が存在できるはずがありません。フィラメントやgmは揃えることはできても,Ebやrpが違えばやはり別の球と見なすのが自然でしょう。ですから,やはり名称は米国RETMA/EIA名に似ていますが,内容は日本独特のものと考えるのが妥当です。なお米国名の1N3は欧州管DM71の米国登録名で,マジックアイです。
発売当初の15Mや13Mはヒータ電圧1.1Vで発表されていましたが、サブミニアチュア管1N3や1N5を発表後、アポロは両者の電気的規格を統合したようで、同一の性能が得られることが分かります。さらに,1954年から1955年にかけて,他社のMT管と同様に4球スーパが組めるように,周波数変換管17M(1R5相当),検波増幅管15DM(1S5相当),出力管15PM(3S4相当)も新たにつけ加えました。
[Af3] Outline of Apollo M-Series, from Data Sheet/ Mシリーズの外形(データシートより) [Af3] Specification and Base-conection of Apollo M-Series, from Data Sheet/ Mシリーズの仕様とベース接続(データシートより) ポータブル・ラジオ管がいよいよ盛況になり,1955年頃にフィラメント電流25mAのSFシリーズが出始めると,同社もSF管を作りました。資料はありませんが,手元に現物だけがあります。それが後で紹介する15MB-SFや1N5-SFです。
*No Sample
*15M (Apollo-1t4) 051224 hashimoto
*15MB-SF (Apollo) 031116
*15DM (Apollo-1s5) 051224 hashimoto
*No Sample
*13M (Apollo) 050827+socket
アポロは1949年末にサブミニアチュア管1N3や1N5を作っていますが、その後、1950年代の半ばには、カタログにあるような品種のサブミニアチュア・ラジオ管を作りました。一方,日本では,もう1社,独自のサブミニ管を作る会社がありました。それが,パームです。1955年には米国型の1AJ5, 2G21, 5672, 5678を作る一方で,25mAのSF管1AG5-SF, 2G21-SF, 5678-SF, 512-Bなどを作り販売しました。
これらの日本独特のサブミニ管の歴史は,マイナーな会社が作ったためか,正当的な歴史書「電子管の歴史」には取り上げてもらえませんでした。 このページでは、外形がT12(mm)のApollo MシリーズとMBシリーズ(ベースなし)のみ紹介し、米国と同じ外形(T9.2乃至T9.8)のApolloやParmのサブミニアチュア管は、サブミニアチュア管のページで紹介することとしました。
|
|
|
|
|
|
| |||||||||
|
pin |
Out-line |
Ef V |
If mA |
Eb V |
Eg2 V |
Eg1 V |
Ib mA |
Ig2 mA |
rp |
gc mA/V |
Eb V |
Ib mA |
Ig mA |
Rg1 |
1V6 |
1V6 |
2-3 |
1.25 |
40 |
45 |
45 |
Rg=5M |
0.4 |
0.15 |
1M |
0.200 |
45 |
0.4 |
0.012 |
1M |
1V6 Apollo |
|
|
|
40 |
45 |
45 |
50k |
0.4 |
0.15 |
1M |
0.200 |
- |
- |
- |
|
1V6 Palm |
|
|
|
50 |
45 |
45 |
Rg=0.5M |
0.4 |
0.15 |
- |
0.200 |
4.5 |
0.4 |
- |
|
|
|
|
|
|
|
| |||||||||
|
pin |
Out-line |
Ef V |
If mA |
Eb V |
Eg2+4 V |
Eg3 V |
Ib mA |
Ig2+4 mA |
rp |
gc mA/V |
Eb V |
Ib mA |
Ig mA |
Rg1 |
2G21 |
2G21 |
2-1 |
1.25 |
50 |
22.5 |
22.5 |
0 |
0.2 |
0.3 |
500k |
0.060 |
22.5 |
1.0 |
0.030 |
50k |
2G21SF Apollo |
|
|
|
25 |
22.5 |
22.5 |
0 |
0.2 |
0.35 |
420k |
0.060 |
|
|
|
|
2G21SF Palm |
|
|
|
25 |
22.5 |
22.5 |
- |
0.18 |
0.28 |
- |
0.060 |
22.5 |
0.9 |
- |
50k |
|
pin |
Out-line |
Ef V |
If mA |
Eb V |
Eg2 V |
Eg1 V |
Ib mA |
Ig2 mA |
rp |
gm mA/V |
2E31 |
2E31 |
TX |
1.25 |
50 |
22.5 |
22.5 |
Rg=5M |
0.4 |
0.3 |
350k |
0.500 |
1AH4 |
1AD4 |
2-1 |
1.25 |
40 |
45 |
45 |
Rg=5M |
0.75 |
0.2 |
1.5M |
0.750 |
1AH4SF Palm |
|
|
|
25 |
45 |
45 |
Rg=5M |
0.75 |
0.2 |
1.5M |
0.750 |
5678 |
1AD4 |
TX |
1.25 |
50 |
67.5 |
67.5 |
0 |
1.8 |
0.48 |
1.0M |
1.100 |
5678SF Apollo |
|
|
|
25 |
45 |
45 |
0 |
0.8 |
0.25 |
800k |
1.000 |
5678SF Palm |
|
|
|
25 |
45 |
45 |
Rg=5M |
0.8 |
0.22 |
1.2M |
0.720 |
|
pin |
Out-line |
Ef V |
If mA |
Eb V |
Eg2 V |
Eg1 V |
Ib mA |
Ig2 mA |
rp |
gm mA/V |
1AG5 |
1AG5 |
2-1 |
1.25 |
30 |
45 22.5 |
45 22.5 |
-2.0 0 |
0.28 0.17 |
0.12 0.043 |
2.5M 700k |
0.250 0.235 |
1AG5SF Apollo |
|
|
|
25 |
45 |
45 |
0 |
0.8 |
0.25 |
250k |
0.400 |
1AG5SF palm |
|
|
|
25 |
45 |
45 |
Rg=5M |
0.8 |
0.25 |
250k |
0.350 |
|
pin |
Out-line |
Ef V |
If mA |
Eb V |
Eg2 V |
Eg1 V |
Ib mA |
Ig2 mA |
rp |
gm mA/V |
RL |
PO W |
2E35 |
2E31 |
TX |
1.25 |
30 |
45 |
45 |
-1.25 |
0.45 |
0.11 |
250k |
0.500 |
100k |
0.006 |
1AG4 |
512AX |
2-1 |
1.25 |
40 |
41.4 |
41.4 |
-3.6 |
2.4 |
0.6 |
180k |
1.000 |
12k |
0.035 |
5672 |
2E31 |
TX |
1.25 |
50 |
67.5 |
67.5 |
-6.5 |
3.25 |
1.1 |
- |
0.650 |
20k |
0.065 |
この球は1N5のSF管なのだが,1N5というのは米国1N5ではなく日本国アポロの5極管。
1N5 -RF Pentode (1T4 Equiv)*1N5-SF Appolo BOXx4 -1 JA (Rt_7)
1[YhD]2[YhD]c[YhD]
写真では電極は中央を挟んで左右に2層づつ並んでいる。中央部はフィラメントから第2グリッドまでの部分の側面を見ている勘定になる。左右の1層は第3グリッドで真ん中が開いた金属枠である。左右の2層目はプレートである。下部の赤点がピン(リード線)1を示す。ガラス管表面は,本来,メタル・スプレーされ,黒の濃い灰色に塗装されて,内部は見えない状態になっている。そこに文字が黒の筆で書かれている。写真の面は上から下にかけて横書きで管名1N5-SFが,また下部にはステムと平行にロット番号(359など)が記入され,裏面にはApolloが横書きされている。このサンプルは表面のメタル・スプレーがはげ落ち,内部が露出している。
手持ちのサンプルは4本中3本までが,メタル・スプレーが剥離している。手前1本だけが無事。
* 2G21-SF Apollo 050125
この球は1AG5のSF管。
*1AG5-SF Parm x2-1 Akihabara