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12Y-V1 -Vari-mu Pentode/バリミュー5極管 | |||||||||
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Matsuda 1949 | |||||||||
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Type 3 |
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12Y-V1は東京電気マツダが1939年に開発した日本独自のトランスレス用可変増幅率高周波増幅5極管。ヒータ規格(12.0V,0.15A)は戦前の日本独自のトランスレス管の規格。ヒータを除く電気的特性は初期モデルは米国系UZ-78と同じ,また後期モデルは米国系のヒータ電圧6.3V管UZ-6D6や,2.5V管UZ-58(2.5V,1A),UZ-58A(2.5V,0.8A)と同じである。ベース接続が異なりG3とKを管内で接続し,ベースを5pinのUY型で済まし,球の製造コストと配線の手間を省きセット組み立てコストを下げた。
トランスレス・ラジオ用高周波増幅5極管。東芝マツダ1939年。登録1942年。
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12Y-V1はバリミュー(可変増幅率)5極管で,12Y-R1と同様に,NHK日本放送協会の依頼で1939年に東京電気マツダが開発した150mAシリーズトランスレス用の高周波増幅管。 (初期モデル115mm)原型は1935年頃米国でも他のヒータ電流300mAの球と直列点火して使われたUZ-78と思われ,現に初期の12Y-V1は構造や外形がUZ-78そのものであった。メッシュ(パンチ)板によるシールド筒がプレートを取り囲むUZ-78特有の構造で,サイズもST12で全長も同じ115mmだった。日本独自のUZ-78の12V版と考えて良いが,ベースにはUYが採用された。 12Y-V1は1939年に発売してから,1940年5月に自社の東芝51型受信機(高一)で使われた他,1940年10月には放送局型第123号型受信機(高一)の高周波増幅管として採用されて大量生産され,日本を代表するラジオ用真空管となった。戦前のこのシリーズのトランスレス管は宮田製作所エレバムも製造したが生産量は少数で,他に製造する会社は無かったで,ほぼマツダの独占状態となった。 |
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(戦前戦中モデル120mm)その後,1941年頃に構造が変更され,UZ-58/UZ-6D6と同様の構造になった。内部シールド筒は無くなり,代わりに電極上部にシールド冠が付いた。ガラス内面にカーボンスートされ,全長も120mmになった。放送局型第123号型受信機の改定が1942年に行われ,シャーシの設計変更が行われた。このとき,頭にキャップをかぶせるシールド冠式が採用された。ベースに刻印されたこのモデルが戦前の12Y-V1の代表選手である。 |
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(戦争末期120mmガラスプリント)戦争末期には刻印は省略され,ガラスプリントとなった。 |
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(戦後120mmモデル)戦後すぐに製造は再開され,日本放送協会が制定した国民ラジオ1号,3号等にトランスレス管が戦前と同様に採用されたので,各メーカとも製造した。丸マツダ,1級,丸枠(12Y-V1)。鉄ピン,鉄頭金具。青がラス。 |
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(管長115mm,5mm短くなる)東東芝マツダは,戦後しばらく,戦時中から使用したサイクルマーク(2枚羽のプロペラのようなロゴ)を印字した。この頃,12Y-V1は上部シールド冠に変更を加え,鍔の高さを2mmに縮めて上下裏返しに装着し,真空管の全長は5mm縮めて115mmとした。戦前のUZ-78/初期の12Y-V1と同サイズであるが,ガラス管は昔のUZ-58/UZ-6D6と同じ120mm用を用いているため,頭の径は30mmで従来の帽子型のシールドを使うことができる反面,ベース接合部で無理矢理切り取って全長を縮めているので非常に不格好なものとなった。何故5mm短くしたかは不明。この頃,ベースピンは真鍮でニッケルメッキは無かった。マツダのロゴは1947年4月頃に復活したが,このモデルは1948年頃まで続いた。 1947年末に東芝は175mA管12Y-V1Aを開発した。この球は118mmあり規格は113mmかもしれない。 |
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(管長113mm,2mm短くなる)その後,1949年頃になって,東芝はUZ-6D6のガラス管のサイズをやや短い113mmに変更し,12Y-V1もこれに習った。真鍮ピンだったが,しばらくしてニッケルメッキが復活した。各社とも短い球を製造するようになった。ガラス形状は怒り肩だったが,1950年頃からナデ肩になった。1949年末に等級制度は廃止された。 電極上部のシールド冠は鍔が再び上向きになったが,高さは数mmであった。上部マイカを挟み込んで金属板を溶接する方式は爪止めに改められ,シールド冠に4つの穴が開いた。のちに6つとなった。 |
[保守] 12Y-V1は12Y-R1に比べて生存率が遥かに低いようである。ラジオに残った球を調べると戦前の球は少ない。プレート電流,スクリーン電流ともに12Y-R1の2倍以上流れるのでゼロバイアスで使うとエミ減になるのも早かったものと考えられる。 |
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Base |
Outline |
Eh V |
Ih A |
Eb V |
Esg V |
Eg V |
Ib mA |
Isg mA |
rp Mohm |
gm mA/V |
pF, Thw |
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12Y-V1 Tsukahara 1943 |
1:h, 2:p, 3:g2 4:k+g3, 5:h, top=g1 |
ST-38, D=38 mm, L=115 mm, JES-5B, JES-1A |
12 |
0.15 |
180 90 |
75 90 |
-3 -3 |
4 5.5 |
1 1.5 |
- 0.3 |
1.000 1.100 |
(旧型) |
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12Y-V1 電気通信学会, 事業ニュース 1942.4 (東京芝浦電気マツダ支社) |
- |
ST-38, D=38 mm, L=115 mm, JAS-5B, JAS-1A |
12 |
0.15 |
180 |
75 |
-3 -35 |
4 |
1 |
1.000 |
1.0 0.002 |
Cgp=0.003, Ci=4, Co=10 Thw=10sec |
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12Y-V1 (Matsuda'44)(東京芝浦電気通信支社) |
1:h, 2:p, 3:g2 4:k+g3, 5:h, top=g1 |
ST-38/ D=38 mm, L=120 mm |
12 |
0.15 |
180 |
75 |
-3 |
4.8 |
1.2 |
1 |
1.250 |
(新型) |
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12Y-V1 (Matsuda'51) |
1:h, 2:p, 3:g2 4:k+g3, 5:h, top=g1 |
ST-38, D=38+/-1 mm, L=113+/-5 mm, JES-5B, JES-1A |
12 |
0.15 |
250 100 |
100 100 |
-3 -3 -50 |
8.2 8.0 |
2.0 2.0 |
0.8 0.25 |
1.600 1.500 0.002 |
(=UZ-6D6) Cgp=0.007, Ci=4.7, Co=6.5 |
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12Y-V1 (Matsuda'58) '60, (保守用品種) |
s.a. |
38-1, D=39 max, L=118 max |
12 |
0.15 |
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(=UZ-6D6) |
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12Y-V1 (CES '58-66) Matsushita (廃止品種) |
1:h, 2:p, 3:g2 4:k+g3, 5:h, top=g1 |
- |
12 |
0.15 |
250 |
100 |
-3 |
8.2 |
2.0 |
0.8 |
1.600 |
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Eb, RL |
Eg |
Esg |
12Y-R1 (Matsuda'44)(東京芝浦電気通信支社) |
180 -100V, RL=250kohm |
Rg=1-2Mohm |
Ebsg=100-180V, Rsg=1Mohm
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前期モデルはUZ-78同特性で,全長115mm(最大120mm)のみ。頭部直径は29mm弱である。1940-41年頃のモデルで,ベースにはマツダ/12Y-R1の刻印,ガラスに日本放送協会認定の(放)。ベースピンとトップ金具はニッケル節約のためメッキをやめてともに真鍮製になった。
電極上部のシールド構造。カソードやグリッド支柱はマイカ板に固定され,マイカ板は長方形に切り込みから顔を出すように遮蔽缶裏側に固定されている。切り込みの具合もサンプルにより多少異なる。
初期の東京電気マツダの12Y-V1。刻印,青ガラス。ベース・ピンは真鍮。top真鍮,ステム文字は凸5を), ステムしゃりいしゃり050307
宮田製作所エレバムの初期の刻印入り12Y-V1。ガラス管壁に統制之証。
マツダ刻印の12Y-V1。青ガラス。ベース・ピンは真鍮。ステム文字は(裏側にガラス凸字で5)。プレートには円周状のリブがない。ガラス管壁にマツダのロゴと放マーク。gm=61。
1級時代。1946-47頃?のモデル。丸枠,121mm, 真鍮ピン,鉄頭長青ガラス121mm, Base矢印, 真鍮pin, 鉄頭, 白表丸管枠, 裏(1級), 昔の冠, 3リブP, ステム字無, 皿G, ヒータ断。
球の頂部の構造は戦前とやや異なり,シールド金具円盤が裏返しであり,サイドマイカの取り付けが90度異なる。
サイクルロゴは,1級,1946-47年頃,58-57>40, 04030612Y-V1 サイクル(管名八角枠 灰スートクリアガラス118mm,Nipin, Ni頭, 裏cycle, 右脇1級 58-57>ok) 040312,
マツダ, 1級,ヒータ断。1947-48年頃。まさしく12Y-V1A(3穴)と同時代。[GOMI-3]12Y-V1 Tm (管名八角枠 右1級, 裏(マツダ), Base真鍮pin, Ni頭, 灰スートクリアガラス115mm,冠3mm下向き3穴, 3リブP, ステム凸θ, 皿G)(f断)shida0408
1949年頃から旧来のUZ-57/UZ-58, UZ-6C6/UZ-6D6の外形規格を変更し全長を120mmから113mmに改定した。ガラスはいかり肩だった。そして,1950年頃から近代設計のナデ肩にかわった。後世,格好が悪いと評判になったもの。ガラス内面に塗布したカーボンスートの色が灰色から黒に変わったのもこの時。
?12Y-V1 Tm (ナデ, 4穴冠, 角G, 未テスト)Box元箱(SB-301 2DC 10な) 031119,
?12Y-V1 tm (ナデ, 銀字薄い, ガラス黒化, 6穴冠, 凸ん, part1)010525,
左は戦後SUNの1級。1947年頃。ガラス面に白文字で管名とロゴ。裏面に3-と?。マツダの戦後と良く似ている。gm=91。SUNはどの球もgmが高いような気がする。
右は松下ナショナルの12Y-V1(QG,1955年7月)。箱なし新品。ステムにもG。gm=80。
管頂部はマツダ戦後と良く似ている。SUNのロゴ。四角の上に日が昇るロゴ。1級マークはマツダと異なる。