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History of Transformerless Tubes/トランスレス管の歴史 | ||
3. Other 150mA Series Tubes/その他の150mAトランスレス管 | ||
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Low mu Triode |
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(4) 150mA Series
トランスレスラジオは戦争の激化と資材不足という別の理由から再び取り上げられ,放送協会主導で1939年には東京電気/マツダが新たなる150mA系のトランスレス管を開発しましたが,これとは別に,宮田製作所エレバム,品川電機(トウ),ドン真空管,ベスト真空管,そしてHW真空管など,主だった真空管製造会社は別のトランスレス真空管の開発を試みたようです。
HW真空管は1938年, UY25C3, UY-25C4, UY-25C5(UY-25A5), KZ-25Z3を作ったそうです。ドン真空管はTY-4R, TY-3D, TY-4D, TZ-3D, TZ-4D, TZ-3K, TZ-4Kを作ったそうです。(藤室衛,2000)。名称だけしか分かりませんが,ドン真空管のものは3ペン,4ペン用に別れており,その原形は27A, 24B, 12A5(2A5B), 12Z3相当だったと推定されます。
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TEC |
Shinagawa |
DON |
HW |
3-Pen Det |
12Y-R1 |
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TY-3D |
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3-Pen Po Amp |
12Z-P1 |
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TZ-3D |
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3-Pen Rectifier |
12X-K1 B61 24Z-K2 B46 |
6X-K1
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TZ-3K |
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4-Pen RF Amp |
12Y-V1 |
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TY-4R |
UY-25C4 (UY-24B) |
4-Pen Det |
12Y-R1 |
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TY-4D |
UY-25C3 (UY-27A) |
4-Pen Po Amp |
12Z-P1 |
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TZ-4D |
UZ-25A5 (12A5) |
4-Pen Rectifier |
24Z-K2 B37 |
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TZ-4K |
KX-25Z3 (12Z3) |
また,最大手の宮田製作所エレバムは当初300mA系のトランスレス管を取り揃え供給していましたが,東京電気マツダが150mA系を発表してから,宮田製作所は東京電気の5球スーパー用に12W-C1, 12Z-DH1, を製造しただけでなく,独自の3極管12Y-L4を製造しました。一方,品川電機トウは12Y-H1, 12Y-R2も作り販売したようです。
1939年に発表されたトランスレスラジオ用ST管は,放送局型受信機に使われた4本以外に,なお,簡易型ラジオやスーパーヘテロダイン用の球として,12Z-K1, 12W-C1, 12Z-DH1, 12Y-L1, 12Y-L4がある。東芝は簡単なトランスレス用途に整流管12X-K1を作った。さらに5球スーパー用に12W-C1, 12Z-DH1, 12Y-L1, を作った。また,宮田製作所はやはりスーパー用にこれらの球を作ると同時に12Y-L4を作った。
エレバム(宮田製作所)の開発した低増幅率3極管。1939年頃。しかし,放送局型受信機が並4,高一の2種のみに限定され,スーパーヘテロダイン受信機が否定されたため,一部市販されただけで普及できなかった。
品川電機/トウが作ったトランスレスの高増幅率3極管。規格を示す資料が無いが,日本小型真空管名称制度ができた1942年前後(1941年から1942年頃)に開発したものと思われる。1943年5月制定の小売り価格表に名称だけ現れている。1級2.86円,2級2.28円,3級1.43円とある。UY-56(A)とほぼ同じ値段であった。
Shinagawa Electric/Tou 12Y-H1, メッシュ・プレートで,UY-27Aのようでもあるが,UY-27Aはプレートが細いのに対してこの球は大分太いプレートである。ステムに青字で「ス」,管壁右にPG,裏にNHK認定の放マーク。サンプルは東京都の酒井 洋さん寄贈。
品川電機/トウ(KOトロンの末裔)が作ったトランスレスの5極管。規格を示す資料が無いが,日本小型真空管名称制度ができた1942年前後(1941年から1942年頃)に開発したものと思われる。1943年5月制定の小売り価格表に名称だけ現れている。1級4.03円,2級3.25円,3級2.01円とある。UZ57(A)やUZ57Sと同額であった。
Shinagawa Electric/Tou 12Y-R2/品川電機トウの12Y-R2. 一見,電池管のようなむくのニッケル・プレート。管壁右にPG。ベース底は12Y-H1と同じ。サンプルは東京都の酒井 洋さん寄贈。