|
|
|
|
|
| |||
| |||
|
|
|
|
|
|
|
|
2. Japanese 150mA Series/日本の150mA系 | ||||||||
Balast Tubes/バラスト管 | ||||||||
|
|
| ||||||
|
|
|
|
|
|
|
Low mu Triode | |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
我が国で実用にされた初めてのラジオ用トランスレス真空管は,東京電気が開発した150mA用のST管でした。12Y-R1, 12Y-V1,12Z-P1,24Z-K2が有名ですが,12X-K1もあります。スーパー用に12W-C1, 12Z-DH1, 12Y-L1を作りました。さらに安定抵抗管もB49, B37, B61の3種類が用意されました。放送局型受信機にB49, B37の2種類が採用されて有名ですが,B61は3球の簡易受信機用に作られています。トランスレス管は,組み合わせにより,3球再生検波ラジオ(3ペン),4球高一ラジオ(4ペン),5球スーパー(ダイナミックスピーカー付き)が可能でした。放送局型受信機には通常のものが採用され,簡易なものは忘れ去られましたが,3球再生検波ラジオには実は整流管を2種類用意し,簡易なものと通常の2種類が用意されました。真空管は発売され,残っています。スーパーヘテロダインは専用の周波数変換管が用意され,またフィールド型ダイナミックスピーカーの電源を得るために24Z-K2の回路が工夫されました。NHKの放送局型受信機には採用されませんでしたが,販売したメーカーがありました。
また,東京電気が発表してから,宮田製作所は東京電気のラインナップを製造しただけでなく,独自の3極管12Y-L4を製造しました。品川電機は12Y-H1, 12Y-R2も作りました。
なお,東京電気のシリーズは戦時下にあって,幾度かの設計変更を行いました。いずれも資材不足による改良だったようで,高周波増幅用の12Y-R1, 12Y-V1は77-78型から57/6C6-58/6D6型へと電極構造を変更し,さらに外部シールドケースの変更にともない冠の構造を変更しガラス管が短くなりました。12Z-P1はマイカ板が節約され,24Z-K2は高耐圧のタイト製スリーブが廉価なアランダム塗布ヒータに変更されました。もちろん,ベースピンはニッケルメッキは無くなり真鍮ピンに,そして最後は鉄ピンになっています。
戦後は放送局用受信機が国民受信機に名前を変えて引き続き製造されたので,東京電気マツダの3ペン,4ペン用の真空管だけが引き続き製造されました。製造は東京電気の後裔,東京芝浦電気が圧倒的に多かったのですが,それ以外に中小各社が参入し,戦前からの老舗の末裔,エレバム,ドン,サン,ホリゾン,戦後頭角を表した東京真空管TVC,双葉,戦後参入した大手(子会社)の日本無線(JRC-Suwa),松下ナショナル,戦後現れた中小は私が持っているだけでも,モリタ,クリアー,オルドン,ナイス,ナルタンなどがありました。大手の日本電気,神戸工業,日立は見たことがありません。
日本版150mAトランスレス管の誕生
誕生の2年前(1937年)に日本は中国大陸で戦争(日支事変)を始め,国内での鉄,銅が不足するとともに政府による物資統制が強化され,ラジオのトランス・レス化案が一挙に浮上した。
米国では,1933年頃に既にトランスレス・ラジオが実用化されていたが,これは従来の300mA系の6.3Vラジオ管6A7,78,6B7を利用し,直列点火が可能なように専用出力管43,整流管25Z5を新たに開発したものである。この米国方式は,全管合計電圧は68.9Vで残りは抵抗で消費させるためヒータ点火だけで30VA,全消費電力は40VA前後を要したのに対して,国内標準は全消費電力が20VA程度だったのである。その後,国内のレス管の開発と同じ時期(1938〜1939年頃)に米国でも経済的な150mA系オクタル管のレス球(12SA7,12SK7,12SQ7,35L6/50L6,35Z5)がようやく誕生した。当時,国内ではST管の製造設備しかなかったから,米国の新型メタル管やGT管がただちに国産化できる訳でもなかったが,1936年以降に発表されたこの種の6L6,6H6,6L7などは,国内ではST版に焼き直したUZ-6L6A,Ut-6H6A,Ut-6L7Gとして国産化していたのである。したがって,もし米国のレス管の開発がもう少し早かったならば,あるいはUt-12SA7A,Ut-12SK7A,Ut-12SQ7A,UZ-35L6A/50L6A,UZ-35Z5Aなるものが誕生していたかも知れない。
そんな訳で,国内のレス管開発は米国の150mAレス球とは独立に進められたのである。その結果,ヒータ電圧に違いが見られる規格となった。6.3V,300mA管の150mA化は米国では12.6Vとなったが,日本では12.0Vとなったのである。これはヒータ効率の違いから生じたものである。
NHKは150mA系トランスレスST管を企画し,東京電気が開発した。レス用の出力管にはヒータ電流を揃える必要がある他,傍熱型であること,また従来の再生式ラジオをそのままレス化するには感度の高い出力管が必要であった。ところが,国内標準のUY-47Bは国内開発品種であり,傍熱型は作られておらず,またこれに相当する省電力型,高感度,傍熱型小型5極出力管は本家米国には作られていなかった。省電力型,傍熱型の米国球は238/38(6.3V,0.3A)が唯一相当品種であった。この球は国内でもマツダがUY-38として作った記録があった。そこでこれを原型としてトランスレス出力管を新たに開発した訳であった。
12Z-P1は,38のヒータを150mAシリーズのヒータに置き換えるにあたり,戦後普及した米国規格の12.6VではなくNHKが定めた日本独特の12.0V規格を採用したため,ヒータ電力は原型の1.89W(6.3Vx0.3A)よりも僅かに小さい1.8W(12Vx0.15A) になった。ヒータ・ウォーム・アップ時間は10secであったが,この当時の規格は恐らく後にTV時代に600mAシリーズが誕生した頃ほど厳格ではなかったと思われる。設計に際して,プレートの形状を38の楕円筒形ではなく,41,42と同じ円筒形が採用された。感度改善には,グリッドをカソードに近接させgmをUY-38の1.05mA/VからUY-47Bなみの1.75mA/Vに引き上げた。そのかわり内部抵抗も110kΩから140kΩへとアップし,スクリーン電流が余計に流れるようになり,これを抑えると肩特性が悪くなった。プレートの材質はUY-38が黒化プレートを用いているのに対して,無垢のニッケル板を用いた。小型出力管であるから放熱には問題なく,またG1フィンも設けられている。しかし,gmを上昇させた割に,G2に特別の放熱対策を取らなかったことから,最大スクリーン電圧は180Vに抑えざるを得なかった。このため,180V動作時の定格は原型のUY-38と同じであるが,250V動作では38はスクリーン・グリッド電圧も250Vに設定でき2W以上の出力が得られるのに対して,12Z-P1はスクリーン・グリッド電圧を180Vに抑える必要があり出力は1.5Wとやや小さくなった。ベースには41や42と同じUZ型を採用し,トップ・グリッドは廃止した。
(その後)1939年から生産されたが,戦時中1943年頃には全ての民生用受信管は生産が中止された。初期の12Z-P1は戦時下のガラス材料の入手難から外囲器のST管用ガラスは緑色のものが混ぜられているので一目で分る。マイカ板は円形で戦後の小型長方形よりも良くできている。ベースには刻印がある。
戦後,生産が再開され各社で生産されたが,生産施設の破壊と再建,材料不足,熟練工不足,メーカーの乱立により品質が粗悪になった。またトランスレス・ヒータの製造技術は後のTV時代の1950年代中盤にようやく確立されたことからも分かるように,断線事故が多かったものと思われる。また,トランス・レスは修理がめんどうなため,ラジオ屋泣かせのセットとして嫌われたと云われている。戦後の一時期,電力供給事情が悪化しライン電圧がかなり落ちる場合もあった。トランス付きセットは85V端子などにヒューズを入れ替えステップアップにより回避できたが,このセットは無力であった。このため,10%以上のドロップに耐える175mA系も後に誕生した。しかし,電力事情の好転と品質の向上によりラジオの動作も安定したが,米国型の民生管の普及とともに使命を終えて保守管になり,1960年代には廃品種になった。東芝60(保守品種)
(名称の由来)日本放送協会NHKが型番12Z-P1と定格を決定し,東京電気マツダ支社が開発と製造を行った。1942年に日本標準真空管の名称方式が識者により約10年程検討された後当時の商工省(後の通産省)により制定され,登録第1号として改めて12Z-P1の名称がこの制度で付与された訳である。NHKの命名はほぼそれに沿っていたのである。同時に12X-K1,12W-C1,12Y-V1,12Y-R1,12Z-DH1などが登録されている。NHKは1941年このシリーズの球を用いて,トランスレス・ラジオ放送局型122号(12Y-V1,12Z-P1,24Z-K2,B49の3球式),123号(12Y-R1高周波増幅付き,B49をB37に,他は同じ)を発表した。さらに,戦後,JIS名およびCES登録の出力管1号となった。
(時代背景) トランス・レス用ラジオ球は,米国では1933年頃に自動車などの移動用に交直両用の電源で働く球としてWHが倍電圧整流管25Z5を作り,またRCAが出力用5極管43を作ったのが始りらしい。これらはヒータ電圧が25Vであるが,電流が300mAで,特に自動車蓄電池用の規格として誕生した6.3V,300mA管と直列点火できるように設計されているのがミソであった。こうして,早くもトランスレス・スーパ・ラジオが誕生している。そのラインは,6A7-78-6B7-43-25Z5や6A7-6F7-43-25Z5(ヒータ電圧合計は62.6Vで残りは直列抵抗で消費)が典型であった。国内では球メーカのリーダ東京電気(東芝マツダ)が翌年の1934年に出力管UZ-43(25V,0.3A)と整流管KX-25Z5(25V,0.3A)を国産化している。国内スーパー用球は,低電圧2.5V系は1933年のUZ-57,UZ-58に続き1934年にUt-2A7を国産化しており,また6.3V系は1934年に5極3極Ut-6F7(6.3V,0.3A)が,翌1935年にUt-6A7が国産化され,スーパーラジオや,300mA系のトランスレス・スーパも国産化の体制は整っていた。しかし,国内ユーザに購買力が無かったため,結局,スーパー形式もまたレス・スーパも普及はしなかった。
この頃は米国でも新しい球が次々と発表され,国内でも数年遅れで新しい球が次々と国産化(ライセンス生産)された時代である。しかし,米国では新作球が2.5V系から6.3V系に切り替わり,またスーパー形式へ,より大出力型へと移行していったのに対して,日本では,混信が無いという電波事情ならびに高価なセットは買えないという経済的な事情から,国内ラジオの標準形は2.5V系のまま並4型から高1付き再生式に緩やかに移行していったに過ぎなかった。特にラジオ用球への要求は,少ない球数と消費電力で高感度のセットを作ることにあり,高周波増幅・検波管は,旧来のUY-24B,UX-26B,UX-27に代るUZ-57,UZ-58の誕生が歓迎されたのに対して,出力管UX-12Aに代るペントードUY-47はあまり歓迎されず,より高感度で低電力のUY-247B/UY-47B(3Y-P3の項参照)を自ら開発することになった。また,専用の低電流整流管もKX-12B,KX-12Fと独自の発展を遂げた。その結果,省電力型の三ペン(UZ-57,UY-47B,KX-12F)再生式ラジオあるいは高1(UZ-58)付き4球ラジオが標準になりつつあった。国内球メーカは,しかし,多くのヒータ規格を抱え,米国で標準になりつつあった6.3Vへの統一化を望んでいたが,これは戦後まで果たせなかった。
12X-K1は東京電気マツダが1939年に開発したヒータ電流150mAのトランスレス・ラジオ用傍熱型半波整流管。東京芝浦電気マツダ支社1939年。1942年登録。日本独自の真空管で,同時に開発した24Z-K2の片側ユニットだけの球。初期の頃にはヒータ線にセラミック筒を被せ保護していた。ヒータはコイル状に巻いたものを用いた。ヒータウォームアップタイムは30秒を要した。1943年5月の小売公定価格は1級4.76円,2級3.80円,3級2.38円であった。
名称は1942年に日本標準型真空管名称制度に再登録。マツダ41型3球ラジオに使われた。しかし,需要は少なく,戦後は製造中止品となり,使われなくなった。
|
Base |
Outline |
Eh V |
Ih A |
Purpose |
Ebmax dc V |
Ibmax dc mA |
|
12X-K1 Tsukahara 1943 |
1:h, 2:p, 3:k 4:h |
ST-38, D=38 mm, L=105 mm, JES-4B |
12 |
0.15 |
Halfwave |
125 |
30 |
(旧型) |
12X-K1 電気通信学会, 事業ニュース 1942.4 (東京芝浦電気マツダ支社) |
- |
ST-38, D=38 mm, L=105 mm, JAS-4B |
12 |
0.15 |
Halfwave |
125 |
30 |
Thw=30sec |
12X-K1 (ラジオ手帳'44)(東京芝浦電気通信支社) |
s.a |
ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
12 |
0.15 |
Halfwave |
125 |
30 |
|
12X-K1 (Matsuda'51) |
s.a |
ST-38, D=38+/-1 mm, L=103+/-5 mm, JES-4B |
12 |
0.15 |
Halfwave |
125 |
30 |
(Ehk=300V) Eh> 80%, C>16uF |
東京電気マツダ(東芝)の開発したトランスレス周波数変換用7極管。Ut-2A7, Ut-6A7の12V/150mA版。1939年頃。1940年にエレバムも製造。しかし,放送局型受信機が並4,高一の2種のみに限定され,スーパーヘテロダイン受信機が否定されたため,一部市販されただけで普及できなかった。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Esg g3-5 V |
Eg2 V |
Eg V |
Rg1 ohm |
Ib mA |
Isg g3-5 mA |
Ig2 mA |
Ig1 mA |
Rk ohm |
rp Mohm |
gc mA/V |
Ut-2A7 (Matsuda RG-10007 '35.4.30) |
1g3-g5, 2p, 3h, 4h, 5k, 6g1, 7g2 TOP=g4 |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
2.5 |
1.0 |
250 150 100 |
100 50 50 |
250* 150 100 |
-3 -1.5 -1.5 |
50k 20k 10k |
3.5 1.0 1.3 |
2.2 2.8 2.5 |
4.0 4.9 3.3 |
0.7 1.5 1.2 |
300 150 150 |
0.36 1.0 0.6 |
0.52 0.30 0.35 |
Ut-2A7/ Ut-6A7 (matsuda '51) |
JES-7B JES-1A 1h, 2p, 3g3-5, 4g2, 5g1, 6k, 7h, TOP=g4 |
same above |
2.5 6.3 |
0.8 0.3 |
250 100 |
100 50 |
250* 100 |
-3 -1.5 |
50k 50 |
3.2 1.2 |
3.6 1.6 |
4.0 1.6 |
0.6 0.2 |
300 150 (1) |
0.35 0.6 |
0.65 0.38 |
12W-C1 電気通信学会誌 Vol26, p.81, 事業ニュース, 1942.4 |
7B |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
12 (2) |
0.15 (2) |
250 |
100 |
250 |
-3 |
50 |
2.2 |
3.6 |
2.5 |
0.6 |
- |
about 0.4 |
0.65 |
12W-C1 ラジオ科学全書(44) トランスレス受信機, 日本放送出版協会, 1943.6 |
JTTS-7B JES-1A |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
12 |
0.15 |
180 max 180 |
75 max 75 |
180 max 75 |
-1.5 min
|
- 50 |
- - |
- - |
- - |
- 0.6 |
Ik max =14 mA |
- - |
- 0.65 (3) |
Sample of 12W-C1
貴重なサンプルはのらねこ商会の「眠れる森の真空管」12W-C1の項に紹介されています。
東京電気マツダ(東芝)の開発したトランスレス検波・低周波増幅用「検波増幅自動音量調節用」の双2極3極管。UZ-2A6, UZ-75の12V/150mA版。ただし,厳密にいうと3極部の増幅率(mu)は,UZ-2A6/UZ-75(mu=100)とUZ-55/UZ-85(mu=8.5)の中間の35で,日本独自の球である。1939年頃。1940年にエレバムも製造。しかし,放送局型受信機が並4,高一の2種のみに限定され,スーパーヘテロダイン受信機が否定されたため,一部市販されただけで普及できなかった。
(紹介するのを忘れていた球,2007.3.29追加)
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
c pF |
UZ-2A6 (=6SQ7) UZ-75 (=6SQ7) RCA RC-16 (1950) |
1:h, 2:p, 3:pd2, 4:pd1, 5;k, 6;h top=g |
34 ST-12, D=1-9/16 inch, L=4-17/32 inch |
2.5 6.3 |
0.8 0.3 |
250 max 100 |
-2 -1 |
1.1 0.5 |
100 |
85 110 |
1.175 0.925 |
|
UZ-2A6 RG-10006 (1935.4.30) |
1;pd, 2;p, 3;h, 4;h, 5;k, 6;pd top=g |
ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
2.5 |
1.0 |
250 |
-2 |
0.8 |
100 |
91 |
1.1 |
|
UZ-2A6 (=6Z-DH3A) (UZ-75記載なし) (Matsuda '51) |
1:h, 2:p, 3:pd2, 4:pd1, 5;k, 6;h top=g |
JES-6B, JES-1A ST-38/ D=38 +/-1 mm, L=113 +/-5 mm |
2.5 |
1.0 |
250 100 |
-2 -1 |
0.9 0.4 |
100 |
91 110 |
1.1 0.9 |
|
12Z-DH1 電気通信学会誌 Vol26, p.81, 事業ニュース, 1942.4 |
|
6B ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
12 (1) |
0.15 |
180 |
-2.5 |
2.8 |
35 |
30 |
1.2 |
|
Diode |
50 rms |
|
240 uA max |
|
|
|
| ||||
12Z-DH1 ラジオ科学全書(44) トランスレス受信機, 日本放送出版協会, 1943.6 |
1:h, 2:p, 3:pd2, 4:pd1, 5;k, 6;h top=g |
JES-6B, JES-1A ST-38/ D=38 mm, L=115 mm |
12 |
0.15 |
180 |
-2.5 |
2.8 |
35 |
30 |
1.2 |
|
Sample of 12Z-DH1
貴重なサンプルはなく,写真がラジオ科学全書(44) トランスレス受信機, 日本放送出版協会, 1943.6に掲載されているだけです。
東京電気マツダ(東芝)の開発した低増幅率3極管。1939年頃。UY-56, UY-76の12V/150mA版。ただし,厳密にいうと増幅率(mu)は,やや高めで,日本独自の球である。しかし,放送局型受信機が並4,高一の2種のみに限定され,スーパーヘテロダイン受信機が否定されたため,一部市販されただけで普及できなかった。
|
Base |
Outline |
Ef V |
If A |
Eb V |
Eg V |
Ib mA |
mu |
rp kohm |
gm mA/V |
c pF |
56 76 GE ETRM-15P 1973 |
5A 1:h, 2:p, 3:g, 4:k, 5:h |
12-5 D=39.67 mm max, L=106.4 mm max |
2.5 6.3 |
1.0 0.3 |
250 |
-13.5 |
5 |
13.8 |
9.5 |
1.45 |
Ci3.5, Co2.5, Cgp2.8 for 76 |
UY-56 (Matsuda RG- 10049) 1935.4.30 |
1:g, 2:p, 3:h, 4:h, 5;k |
ST-38/ D=38 mm, L=102 mm |
2.5 |
1.0 |
250 |
-13.5 |
5 |
13.8 |
9.5 |
1.45 |
|
UY-56A (MJ43.1) |
|
ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
2.5 |
0.8 |
250 |
-13.5 |
5 |
13.8 |
9.5 |
1.45 |
|
UY-56A UY-76A (Matsuda'51) |
JES-5B 1:h, 2:p, 3:g, 4:k, 5:h |
Fig.35, ST-38/ D=38+/-1 mm, L=103+/-5 mm |
2.5 6.3 |
0.8 0.3 |
250 |
-13.5 |
1.2 |
13.6 |
8 |
1.2 * (1.7の誤り?) |
|
UY-56A UY-76A (Matsuda'58) |
- |
- |
2.5 6.3 |
0.8 0.3 |
250 |
-13.5 |
1.2 |
13.6 |
8 |
1.83 |
|
12Y-L1 電気通信学会誌 Vol26, p.81, 事業ニュース, 1942.4 |
|
5B ST-38/ D=38 mm, L=105 mm |
12 |
0.15 (1) |
180 |
-7 |
4.5 |
18 |
11 |
1.6 |
Cpg= 4, Cgh= 3.5, Cph= 3.5 pF |
12Y-L1 ラジオ科学全書(44) トランスレス受信機, 日本放送出版協会, 1943.6 |
1:h, 2:p, 3:g, 4:k, 5:h |
JES-5B, ST-38/ D=38 mm, L=102 mm |
12 |
0.15 |
180 |
-7 |
4.5 |
18 |
11 |
1.6 |
|
Sample of 12Y-L1
貴重なサンプルはなく,写真がラジオ科学全書(44) トランスレス受信機, 日本放送出版協会, 1943.6に掲載されているだけです。
安定抵抗管,ばらすと管とも呼ばれる抵抗管。真空管のヒータと直列に使用。真空管ヒータの抵抗値は温度依存性があり,点灯直後が最も低くラッシュ電流が流れ,ヒータが暖まると次第に高くなり規定電流が流れる安定した高温状態で一定値に落ち着く。真空管のヒータ電圧はその時の値である。電源トランスを使用した点灯ではラッシュ電流はヒータ巻き線抵抗によって制限されるが,商用電源ライン直結のトランスレス式の点灯では,ヒータ抵抗の温度上昇の過渡特性そのものに従うので,ラッシュ電流は規定電流の10倍位流れ,場合によってヒータを切ってしまう。そこで,初期のトランスレスラジオでは,300mA系のヒータで50V-70V程度をヒータ点灯に廻し,残りの約半分を直列抵抗により消費することで,点火時のラッシュ電流を半分から3倍程度に抑えた。しかし,それだけでは不十分で,商用電源が規定の100Vでなく高かった低かったりすると真空管ヒータ電流は規定値からはずれ,各真空管の電圧値はまちまちになり,過電圧の加わった球が切れるという事故に繋がる。このため,定電流特性を持つ電球を安定器として挿入し,10V程度の範囲で常に真空管に規定の電圧が加わるよう自動調整することとした。普通の電球でもこの目的に使用可能であるが寿命は短いらしい。特殊な電球として水素ガス封入の鉄線電球が利用された。水素ガスによりフィラメントの熱交換がうまくいき,寿命が長いらしい。ちなみに戦後は過渡特性,定常特性ともにばらつきの小さい優れたヒータに置き換わり,安定抵抗管は使われなくなった。我が国では戦前の150mA系のトランスレス管の開発とともに,この特殊電球,安定抵抗管が開発された。
1935,6年頃,300mAの時代にも安定抵抗管が作られた。ドン真空管のカタログにある。名称は無い。300mA管としてはUZ-43, KZ-25Z5それに6.3V管のUY-36, UY-37, UZ-77, UZ-78が掲載されている。BalastはUXベースのST管であった。
B37はUXベースのT管である。弱電界地域の4球高1ラジオ用。12Y-V1-12Y-R1-12Z-P1-24Z-K2の4球構成に使用。マツダ51型受信機,放送局型第123号受信機やヴィクターのA10型受信機,並びに戦後の国民型受信機に使用された。メーカにより「123用抵抗管」と書いてあるところもある。
Base
Outline
Ef V
If mA
B-37 Toshiba 60
1;NC, 3;f, 4;f
T28
27-47 min max
135-165 min max
B46, 中電界地域の3球ラジオ用。12Y-R1-12Z-P1-24Z-K2の3球構成に使用。放送局122号型受信機や有線放送3号型受信機に使用された。
Base
Outline
Ef V
If mA
B-46 (これは資料ないので想像)
1;NC, 3;f, 4;f
T28
36-56 min max (資料なし)
135-165 min max (資料なし)
B61 51-71V。ローカル3球用。12Y-R1-12Z-P1-12X-K1の3球構成に使用。マツダ41型に使用された。
Base
Outline
Ef V
If mA
B-61 マツダ 1940頃
1;NC, 3;f, 4;f
T28
51-71 min max
135-165 min max (資料なし)
トウが58型というのを作った。これはB46相当管か?