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I. History of Miniature Tubes -GP Twin Triodes/ミニアチュア管の歴史-汎用双3極管 | |||||
Table 1 General Purpose Twin Triode and Its Families/汎用双3極管とその一族 | |||||
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米国RCAが1939年に開発したボタンステムの「ミニアチュア管」は,小型化を主眼としたガラス管であって7pinであるが,当時主流であったオクタル・ベース(8pin)のメタル管やGT管はメタル外囲器のシールド接続をやめて外部シールドとすることで,傍熱型の5極管6SK7や周波数変換管6SA7も互換管がそのまま作れる規格になっていた。米国でも1本に2つの電極を詰め込む双3極管はプッシュプル増幅にまず6N7が1938年に開発されたが,シールドピン付きのオクタル・ベースであった。ミニアチュア管でも戦前から戦時中にかけて高周波増幅用やコンバータを目的とした双3極管6J6が1940年頃に開発されている。ところが,TV用に小型化と便利さの要求から,フル接続の双3極管が1942年頃に開発された。オクタル・ベースのガラス管でシールド無しの双3極管6SL7-GT, 6SN7-GTであった。
戦後,ミニアチュア管を拡張し,9ピンのミニアチュア管NOVAL管が開発された。1947年頃にはmu=60,20,100の12AT7, 12AU7, 12AX7が登場した。実は同じ頃,送信管の分野で,mu=40の双3極ミニアチュア管2C51が開発されている。
12AT7はGEのKEN-RAD部門が1948年に広告を出したのが始まり。Philipsは12AT7を1951年頃にECC81として製作した。高周波増幅の用途の双3極管12AT7を原型に多くの品種が開発された。我が国では東芝マツダが12AT7も1953年には国産化し販売の準備を進めた。トランスレスTVに対応するものとして,600mAシリーズに,6AT7がある。6AT7はRCAにもGEにもない品種だが国産にあり,米国のどこかの会社がはじめに作ったと思われる。ヒータ電力を増強した12AV7はTVチューナ管である。1950年頃誕生している。12AT7のトランスレスTV版で,450mAシリーズに対応するとともにヒータ電力をアップしエミッションを保証している。mu40前後の球はこれらの品種をもとに発展した。12AZ7はもともとチューナ管だったが後にカラー信号増幅などに使われた。以後の詳細はカスコード・チューナー管に特集している
12AU7はRCAの広告に1947年に現れた。トランスレスTVに対応するものとして,600mAシリーズに,7AU7がある。7AU7は垂直偏向出力管としても使われ,低電圧点火時にあってもエミッション不足なく電力を取り扱えるよう少々ヒータ電力をアップしている。我が国では東芝マツダが1952-3年に12AU7を国産化し販売,12AU7の系譜12BH7はTVの垂直偏向出力など,12AU7で不足する電力をパワーアップした球で,以後,6CG7, 6FQ7と多くの品種が開発製造された。
12AX7は1949年に現れている。トランスレスTVに対応するものとして,600mAシリーズに,6AX7がある。6AX7はオーディオ管であってトランスレスにどのような用途があるか不明だが,RCAにはなくGEだけが取り扱っている。12AX7の系譜12AD7はオーディオ管であり12AX7のローノイズ版であるが,ヒータ電力をアップしエミッションを保証している。12BZ7は12AX7の単純な2ユニット並列管であって,ヒータは2倍,プレート電流も2倍,内部抵抗は1/2という絵に描いたようなドライバー球である。
名称が近い異質の球でやや後に開発されたものに12AY7がある。3つの双3極管(mu=20,60,100)で不足するmu=40の小電力版を作ったもので,オーディオ用。
高信頼管,通信管,通信測定管
さらに1949年にはGEにより高信頼管が発表され,2C51類似の高信頼管GL-5670が,12AT7に6201, 12AU7類似の高信頼管GL-5814が,そして12AX7類似(mu=70)の高信頼管GL-5751が開発されている。さらに,一般管に対して,高信頼管だけでなく,工業用,通信用,コンピュータ用など様々な球が開発された。
12AT7; 6060, 6201, 6679, 7728
12AU7; (5963), 5814/A, 6067, 6189, 6680, 7318, 7730
12AV7; (5965), 5965A, 6829, 6414, 6414W
12AX7; 5751, 6057, 6081, 7025, 7729
12AY7; 6072
コンピュータ管には()してある。5963は何故かGEは作らずマニュアルには出てこないがRCAが豊富に作った。GEは5965のみつくっている。太字は国産化された球である。国内では12AV7と12AY7はマイナーである。
Name |
Function |
Base |
Out- line |
Eh/Ih |
Ebmax/ Pbmax |
Eb (V) |
Eg (V) |
Ib mA |
rp kohm |
gm mA/V |
mu |
Proto- type |
2C51 1947? |
High Frequency |
8CJ |
6-2 |
6.3/0.3 |
300/1.5 |
150 |
Rk= 240 |
8.2 |
6.5 |
5.5 |
35 |
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12AT7 *1946 [GE 4-48] (3-54) |
High Frequency |
9A |
6-2 |
12.6/0.15 6.3/0.3 |
300V/ 2.5W |
250 100 |
Rk= 200 Rk= 270 |
10 3.7 |
10.9 15.0 |
5.5 4.0 |
60 60 |
2C51 |
6AT7 (none) |
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6.3/0.3 3.15/0.6 |
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12AT7 |
12AV7 *1950 (6-54) |
Twin (High Frequency Conv) |
9A |
6-2 |
12.6/0.225 6.3/0.45 |
300/ 2.7 |
150 100 |
Rk= 56 Rk= 120 |
18 9.0 |
4.8 6.1 |
8.5 6.1 |
41 37 |
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12AZ7 (6-57) 12AZ7A |
Twin (Direct coupled RF amp) |
9A |
6-2 |
12.6/0.225 6.3/0.45+ |
330/2.5 |
250 100 |
Rk= 200 Rk= 270 |
10 3.7 |
10.9 15.0 |
5.5 4.0 |
60 60 |
12AT7 |
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12AU7 *1947 [7-47] 12AU7A |
Medium mu |
9A |
6-2 |
12.6/0.15 6.3/0.3 |
330*/ 2.75* |
250 100 |
8.5 0 |
10.5 11.8 |
7.7 6.5 |
2.2 3.1 |
17 20 |
6SN7GT 6C4 [1941] |
7AU7 (3-55) |
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7.0/0.3 3.5/0.6 |
330/ 2.75 |
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12AU7 |
12BH7 *1950 (3-55) 12BH7A |
Medium mu Ver. and Hor. amp for TV |
9A |
6-3 |
12.6/0.3 6.3/0.6 |
300/3.5 |
250 |
10.5 |
11.5 |
5.3 |
3.1 |
16.5 |
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6CG7 |
Medium mu Ver. and Hor. amp for TV |
9AJ |
6-3 |
6.3/0.6 |
330/4.0, 5.7 |
250 250 90 |
8.0 12.5 0 |
9.0 1.3 10 |
7.7 - 6.7 |
2.6 - 3.0 |
20 - 20 |
6SN7GT |
6FQ7 8FQ7 12FQ7 |
Medium mu |
9LP |
6-3 |
6.3/0.6 8.4/0.45 12.6/0.3 |
330/ 4.0, 5.7 |
250 90 |
8.0 0 |
9.0 10 |
7.7 6.7 |
2.6 3.0 |
20 20 |
6CG7 |
6GU7 8GU7 |
Medium mu |
9LP |
6-3 |
6.3/0.6 8.4/0.45 |
330/3.0 |
250 |
10.5 |
11.5 |
5.5 |
3.1 |
17 |
12BH7A |
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12AX7 *1947 [10-49] 12AX7A |
High mu Twin |
9A |
6-2 |
12.6/0.15 6.3/0.3 |
330/ 1.2* |
100 250 |
1.0 2.0 |
0.5 1.2 |
80 62.5 |
1.25 1.6 |
100 100 |
2C52 12AV6 (10-47) |
6AX7 (GE) |
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6.3/0.3 3.15/0.6 |
300/1.0 |
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12AX7 |
12AY7 *1948 (4-53) |
Twin audio amp |
9A |
6-2 |
12.6/0.15 6.3/0.3 |
300/1.5 |
250 |
4.0 |
3.0 |
25.0 |
1.75 |
44 |
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12AD7 (Syl 11-55) |
High mu Twin Low noise |
9A |
6-2 |
12.6/0.225 6.3/0.45 |
330/1.0 |
250 |
2.0 |
1.25 |
62.5 |
1.6 |
100 |
12AX7 |
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12BZ7 (2-57) |
High mu Twin Sync-sep and amp for TV |
9AJ |
6-3 |
12.6/0.3 6.3/0.6 |
300/1.5 |
250 |
2.0 |
2.5 |
31.8 |
3.2 |
100 |
12AX7 |
RCA (57-17) 管名枠白8角,着炭プレート(片支持小型), 上部1枚マイカ,角形ゲッタ, ステム(端H/1)
RCA (57-17) 管名枠銀8角,着炭プレート(片支持小型), 上部1枚マイカ,ゲッタ遮蔽マイカ付き,角形ゲッタ, ステム(逆N/1)
Tung-Sol(3223-), 管名枠-,灰プレート(片支持小型), 上部1枚マイカ,への字角形ゲッタ, ステム(-)
12AU7 GE (188-5 1-4?), 砂文字(小フォント), 黒光沢プレート,馬蹄形2ペレットゲッタ,
12AU7A GE (188-4 57-23), 砂文字(大フォント), 灰プレート(角型),マイカGセパレータ付き,馬蹄形2ペレットゲッタ,
Raytheon (LC1E 280/648) 灰プレート,マイカGセパレータ付き,馬蹄形2本棒
Raytheon 12AU7(-) 黒光沢プレート,上部2重マイカ。角形ゲッタ。セパレータなし。中古4本,管名消え,ややエミ減。
Raytheon 12AU7A(- 3?08) 黒光沢プレート,下部マイカXセパレータ(防振)付き,ドーナツ
Westinghouse (337 JR-07) 管名枠白8角,着炭プレート, 上部2重マイカ,馬蹄形2本棒, ステム(A/22)
その2, ステム(-/17)
その3角型, ステム(逆N/1)
DELCO/Tung-Sol(322110, 1951), 燻し銀プレート, 角型。ガラス管内壁黒スート。ガラス管短い。
Tung-Sol(3223-5743), 平型灰プレート, ゲッタ馬蹄形。上部2重マイカ。中古3本,管名消え,エミッション新品同様。
UnknownMaker/不明
12AU7 (-), 下部マイカクリア,上部1枚,マグネシア塗布。黒艶消し平プレート。馬蹄形ゲッタ。
RCA? 12AX7 (-) 管名枠銀8角,着炭プレート, 上部2重マイカ,ヘアピン, 上部カソード筒潰し, 小型角形ゲッタ, ステム(N/17)
その2, 管名枠白8角,ステム(-/5)
CBS, 平型灰プレート, ゲッタ馬蹄形2本棒。上部1枚マイカ。ヘアピン,
GE (LT 188-5) 管名砂文字大,灰平小プレート(両支持小型), 1枚マイカ,馬蹄形2本棒ゲッタ, ユニット間シールド板付き(無接続),ステム(端19)...6BQ7Aのような構造
Tung-Sol(322731), 管名枠-,着炭プレート(片支持小型), 上下部2重マイカ,馬蹄形2本ゲッタ, ステム(逆5)
12BH7は米国RCAにより6SN7-GT類似のミニアチュア版として1952年頃に作られた(RCA, 1952.9)。主に小型TVの垂直偏向出力と発振用に使われた。国内では12BH7は1953年に東芝が国産化。米国では1955年頃トランスレスTV対応品種として12BH7Aが誕生しました。後にプレート損失を改良した12BH7Aが作られた。国内では12BH7Aは1956年に東芝が国産化し各社も製造しました。
Toshiba 12BH7 and TEN Early-12BH7A
Hitachi 12BH7
GE 12BH7A -Flat Plate-
Matsushita 12BH7A -Flat Plate and Square Plate-
Mitsubishi 12BH7A -Flat Plate
Nec 12BH7A -Dome Plate
Toshiba 12BH7A -Dome Plate Power Up
Toshiba 12BH7A -Square Plate
Hitachi 12BH7A -Square Plate
TEN 12BH7A -Square Plate
6CG7は米国RCAにより6SN7-GTの完全互換ミニアチュア版として1954年頃に作られた(RCA, 1955.1)。主に小型TVの垂直偏向出力と発振用に使われた。
6FQ7は米国RCAにより1961年に作られた6CG7の廉価版。規格上はシールドを廃止し廉価にした。実力は,オリジナルのフラットプレートからプレートのカソード対抗面に大きな放熱フィンが付いた新型の12BH7Aと同じ角形プレートへと変更したことで,放熱が改善している。国内各社は水平偏向発振用のHを販売した。
米国6FQ7の450mA版である。国内では
米国6FQ7には300mA版が無かった。国内では1968年にNECが300mA版を12R-LL5として作った。EIA登録がすむと松下は12FQ7を作った。NECはその名残りで,12FQ7/12RLL5を作った。
米国12BH7Aの3ユニット版でカラーTVマトリクス増幅用ノバー管である。
検波発振用双2極3極3極管。6AL5+12AU7。6B10の450mA版。国内では三菱が作っている。