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Short Wave Super/短波付スーパー | ||
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E(69). China Radio Elec -Kanegafuchi Industry Co. "Public Allwave Receiver" in 1947/中國無線電気公司-鐘淵工業株式会社 "大衆型全波受信機", ('98.10.25) [98.11.23] |
China Radio Elec. 5S-FCDS を改題('06.7.8)
中國無線電気公司(鐘淵工業株式会社)の大衆型全波受信機。このラジオは私が出会ったラジオの中で一番不思議なラジオです。キャビネットのデザインは戦前の国産のものに似ていますが,シャーシはアルミ製で,「中國無線電気公司」の銘板があり,「公司」は明らかに中国の会社です。ところが,電源トランスは鐘淵工業株式会社,昭和22年4月製とあり,一体これは何?日本のラジオ会社のOEM製品だったかな?と疑問が湧いてきます。もう1つの謎は銘板に「全波受信機」とあることです。パネル面にもバンドスイッチの表示(I, II, III)があるのですが,実際は電気回路はBC帯しかなく,パネルのツマミ表示と機能は一致していません。戦後の混乱期,1947年頃に台湾向けのラジオあるいは半完成品のキットを製造した会社があり,それが鐘淵工業株式会社,そして,そのラジオあるいはその半完成部品が日本に残り,アマチュアの手によりそれを利用してBC帯のラジオを組み立てたのが本機だと考えると矛盾がありません。
本機は銘板とダイヤル周波数目盛りからBC帯から22MHzまでを3バンドでカバーする全波受信機であったと推定できます。真空管の構成は,残されているものはST管5球スーパーで,周波数変換管6W-C5,中間周波数増幅UZ-78,検波増幅(6Z-)DH3A,出力管UZ-42,整流管KX-80です。時代的に6W-C5と6Z-DH3Aは1948年以後に持ち込まれたものとなります。原回路は標準的にはUt-6A7, UZ-75と思われます。
銘板にはシリアルナンバーとして(製作No.).185と書かれているものの,実はUZ-78は昭和18年製(1943年)製のものが使われ,闇市で集めた真空管,また,シャーシ工作は素人のような孔開け。シャーシには特大のOILコンデンサー用の孔がありますが実装されておらず,代わりに1950年代のケミコンがあります。現在はBCバンドと書きましたが,本来の3バンド用コイル群やロータリースイッチの取り付け用のネジ穴も無ければ,汚れもなく痕跡は皆無です。だから,半完成品だったのではないかと思った訳です。
IFTは円筒形のC同調形式でその当時のものを思わせます。内部には見たことのない大型マイカコンデンサが多数使われています。
E(69) 98.10.25 3k China 1930s-1950s Wood ST-5S E □□△▲ ------------------------------------------------------------- 中國無線電気公司の大衆型全波受信機, Ser(製作No.).185 ダイヤル表示周波数: (I)9-18Mc, (II)6-14Mc, (III)0.6-1.6Mc, 電源 50-60cps, 100V, 70VA, Po 2W, 銘板の電源仕様:100V-85V-0V, 350V-70mA, 5V,2A, 6.3V, 2.5A キャビネット:木製箱型。裏板は玉ゴンベ式ロック。 サイズ: 545Wx300Hx197D(実測) ダイヤル:横スライド型。 ツマミ: 表示 1)Power-on/off-Volume, 2)Tune, 3)Band-I-II-III 実際 1) Power-on-off, 2)Tune, 3)Volume 端子:(A,E)ワイヤ穴,(AC)100v 真空管:
(部品)
(状態)キャビ外観はまあまあ。裏板が紛失(ネジ留め)。PTはコアが赤錆でもりあがっている。フリーマーケットで入手したが,本機は通電すると良く鳴ったが煙が出て通電をやめたそうです。この辺りから煙が出たと行っていました。フィルタ抵抗らしきものは禿げている。内部には見たことのない大型マイカコンデンサが多数使われている。 内部は,糸かけ用の糸がタコ糸で代用され。ACヒューズは見たことのないフォルダに後のガラス管が直接ハンダ付けされている。ACケーブルは布でSANTOKUの丸型。Chemiconは戦後だが,シャーシには大きなオイル缶コンデンサが2個あったことがシャーシ孔から分かる。アンテナコイルは1個だったようだ。球のソケットはQQQのものが混じっている。銘板の電源表示とパワートランスの表示は一致している。 |