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B(46). Wave KS1 in 1938?/ウェーブ 国策1号, ('97.11.4) ('97.12.6) |
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B(16). Sharp New KS2 in 1940/シャープ新国策2号, ('96.8.9) |
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B(113) 57A-56A Type Televian R4 in 1940?/テレビアンR4, ('00.3.25) ['00.7.15] |
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B(24). Sharp N10 in 1942?/シャープ標準10号 , ('96.11.3) |
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B(138) Aria Junk Nami4 in 1940?/アリア並四, ('01.3.2) |
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B(43). Nanaora N10 in 1943/ナナオラN10号(標準10号), ('97.11.3) |
1937年(昭和12年)に日支事変(日中戦争)が始まりました。輸入に頼っていた多くの金属材料は品不足となり,ラジオ製造にもその影響が及びました。当時の日本放送協会NHKは,ラジオ製造の指導的立場にあり,部品にNHK規格を設け形式認定を行っていましたが,政府あるいは軍部は戦争遂行のために物資の統制を望んでいたので,NHKはラジオの贅沢品を排除,省資源を押し進める目的で,放送局型という標準形式を定め,形式の統制を図ろうとしました。
これに対してラジオ製造メーカは猛反発,一時は放送局型危うしというところでしたが,数年後,業を煮やした政府は放送局型を制令化し有無を言わさず成立してしまいました。今日,歴史書に残っているのは放送局型ばかりですが,国策型というラジオが数多く残っています。これは一体何だったのでしょう?以下は私の推論で間違っているかも知れませんが,国策型というのは,メーカ側が自主的に定めたラジオの形式のように思われます。NHKが放送局型として標準化したのは3ペン,4ペン形式のラジオだけで,多くのメーカが主力製品として製造した並4ラジオは標準形式を定めることはせず,結果的に製造メーカの自主性にまかせた格好となりました。
次に現れたのは国策1号と呼ばれる並4ラジオで,シャーシは従来の半分の大きさという特徴があります。真空管のラインナップが,新型に変わりました。球は再生検波に5極管UZ-57,低周波増幅にUY-56,電力増幅にUX-12A,整流にKX-12Fが使用されています。
私のスケッチより。アナログ・カメラでは撮影したのだが,まだ現像してないのでとりあえず。
ここに紹介するのは,石川無線電機ウェーブの国策1号受信機です。残っていた球は全てオリジナルの東京電気マツダの刻印入りので,ガラス管には放マークがプリントされています。KX-12Fはまだ4本足です。発見時,このラジオはキャビネットはほぼ全壊し,底板,正面パネルの部分と右側面を残すだけで,他の半分位の材料は紛失していました。しかし,シャーシや真空管はほぼ原型通りに残っていました。
B4 46 97.B.04 3k ウエーブ国策1号 38 WB ST-4並4再生 ★★■★▲? 仕様:
ダイヤル:500-1800 コイル:2重ボビン 真空管:
SP:スピーカに放マーク(21076) |
(現状)キャビネットはほぼ全壊し,底板,正面パネルの部分と右側面を残すだけで,他の半分位の材料は紛失している。ツマミがはずれず,ドリルでネジを潰そうと,ハンドドリルを用いたら回転が弱く,力も入るので滑って指にけがをした。おまけに中心からどんどんずれていき,ツマミもダメにした。部屋のラジオのストックが多くなり,電動ドリルまでたどり着けなくなったのが原因!
キャビネットの構造図(スケッチ)。上から,側面板と天板,底板,底板の足,そして正面パネルと天板に続く外皮。
このラジオ,並4。軽量省鉄型。ツマミちぐはぐ。ソケットりっぱ。もと57A, 56A, 12A, 12F。キャビネットのデザインは天井部の丸み以外テレビアン九電型に非常に良く似ている。裏には貼り紙。
状態: キャビネットは虫食い穴あり,キャビネットへの木ネジ止めの3本紛失,ツマミ3つはオリジナルでない?シャーシには錆が出ている。キャビネットのサンが1本脱落。三角サン1本紛失。裏板紛失。しかし,概ね良好。
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Tube: UZ-57A ... マツダ57(戦後, 青字L? ガラス刻印+?) UX-56A ...エレバム?赤字 56/E11, 皿円盤ゲッタ, 十字マイカ UX-12A ...マツダ刻印UX-12A, 放, [7, 1 黒4], 皿網ゲッタ KX-12F ... マツダ刻印KX-12F, 放, [1, へ], 皿網ゲッタ Tube Soket: 管名刻印あり。 Chem; マツダ 電解蓄電器 理研アルマイト応用 尖頭電圧350VDC, 最大使用電圧300VDC, 許容交流電圧30VAC, 静電容量10uF, 型式PF346, 昭和 年 月,特許番号62278, 113187, 東京芝浦電機マツダ支社, 赤4uF, 紫2uF, 茶1uF, CR; 一部Televian製の紙コンが残っている。 Chassis; へなへなの鉄製 SP: 紙製フレーム 他: Fuse Boxは鉄カバー, Ant;3p, Dial指針は直付け。 |
Mitaka Electric made, Four tube radio during WWII. (Junk)/ミタカ電機(アリア)の戦時中,1940-41年(昭和15,6年)の並4と思われる。このラジオはスピーカ無し,球無しのジャンクで入手した。輸送中にキャビネットの底が抜けた。ホコリや錆を取り除き,4つのソケットを見つけた。戦時中ならばUZ-57A, UY-56A, UX-12A, KX-12Fの構成かもしれない。このようなジャンクを見て使える部品が無いと嘆く時代は終わり,いまや,オリジナルの部品が付いている事自体が貴重な資料となる。四角い紙のケミカルコンデンサなど。シャーシはどんなに錆びていようと,戦後のぺらぺらの鉄シャーシ(国民型)より,よっぽどしっかりしている。
Fig.138(a) Front view of cabinet/キャビネットのデザインは十字クロスが放送局型第11号に似ているという単純な動機で,思わず買ってしまった。
Fig.138(b) Inside view of cabinet/底板が抜けた。湿度でふにゃふにゃになった底板。スピーカのバッフル板がなく,取り付けネジだけが残っている。
Fig.138(c) Front view of the chasis/シャーシの正面図。シャフトは左が再生,中央同調,右が電源スイッチ。無味乾燥な100分割目盛りは当時の標準。バリコンは減速機構なし,直結指針。ダイヤル面下には「実用新案登録願 第18102号オメガ」とある。
Fig.138(d) Upper view of the chasis. Tubes were UZ-57A, UY-56A, UX-12A and KX-12F, estimated./並四と思われるソケット。節約型のシールド・キャップはアルミ製で,写真ではその下に57Aのソケットがある。シャーシは全体に赤錆が酷い。錆を落としている(削っている)間に1つの真空管ソケット12F用の上部の鳩目が取れてしまった。バリコンの形状は昭和15年前後を示している。コイルは錆でエナメル線が断線しほどけている。パワートランスのカバーも相当錆びている。一時期雨ざらしになったのだろう。
Fig.138(e) Bottom view of the chasis/シャーシ内部にはそれほど錆はない。大きな紙箱はケミコン。コンデンサに新しいものあり,戦後,修理した形跡ある。綺麗に見える緑色のコンデンサはNitto Chikudennkiとあり追加したケミコンのようだ。
chem; 電解蓄電器,形式PF-346, 尖頭電圧350VDC, 最大使用電圧300VDC, 許容交流電圧30VDC, 静電容量10uF, 東京芝浦電氣株式会社, 長井工場, (口出線; 茶1MFD, 紫2MFD, 赤4MFD, -共通)
放送局型の1号(3ペン),3号(4ペン)は,1938年に発表されましたが,1939年(昭和14年)8月には,ラジオの自由な製造を制限する制令が成立し,それ以後,国策型の並4ラジオは,その間の2号という番号を取って,新国策2号と呼ばれたのではないかと想像します。真空管のラインナップは並4ですが,アンテナ入力回路がロータリースイッチによりHighとlowを切り替えるなど,局型形式と同じ思想でできているのが特徴です。
ここに紹介するのは,早川金属工業(現,シャープ)製で,整流管KX-12Fはオリジナルの東京電気マツダの刻印入り(3本足)ですが,他の球は戦後交換されています。UZ-57は双葉,UY-56 は東芝マツダ(1955年以降)の56に,UX-12Aは神戸工業TEN(1955年以降)の12Aです。マグネチック・スピーカも交換されています。
B5 16 96.8.12 12k シャープ(金属)新国策2号 40 WB ST-4並4再生 △□○△▲◎ ------------------------------------------------------------- Ser.シャーシ・プレート890,キャビNo.107, 裏板01155大,回路図あり。 キャビネット:箱型木製。天井R付き サイズ:378W,160D,240H 周波数:550-1500KC ダイヤル:円形(エアプレーン)直接減速 ツマミ:4点式(1)PoSW,(2)ANT-SW,(3)再生, 端子:(A,E)2p 真空管: UZ-57,UY-56,UX-12A,KX-12F
(部品) シャーシ:亜鉛メッキ鉄製,文字刻印,仕様銘板シール。 ANT:30φ-103mm VC:逆VC 350? RFC:黒樹脂偏平ボビン SP(8"マグSP交換されている), PT:シャーシ埋め込み型 chem:オリジナルは(2-2-1-1)だが交換されている。 |
(状態)
外観並だが,キャビに多少の虫食い。裏板は虫くい酷い。ツマミはオリジナルでない。SPも交換されている。シャーシ錆在り。ACケーブル付き,キャビ固定ネジあり。回路は戦後修理されており,CHEMが交換されている他,チューブラ型2本追加されている。
新国策2号の後,並4ラジオは真空管を省エネ型に変更し,標準10号になったようです。ここに紹介するのは早川電機工業(1942年に早川金属工業から社名変更)製で,UZ-57が日本独自のUZ-57A(ヒータ1Aが0.8A)となっています。
残されていた真空管は,整流管を除く球はいずれも東芝マツダ刻印入りでオリジナル,整流管KX-12Fは戦後の混乱期の東芝マツダ(1級マーク入り,1949年まで)でした。
正面パネルを見ると分かりますが,白い点が沢山見えます。これは虫食い穴です。戦時中のベニア板は南洋から輸入した木材を十分な化学処理なく使用したため,虫食いが酷いのではないかと思っています。この箱は今も虫食いが進行中で,既に修復できないほどに内部がボロボロになっています。恐ろしいので,箱は廃棄しようかと考えています。
B6 24 96.A.27 1k シャープ標準10号受信機 42? WB ST-4並4再生 ★△★△▲◎ ------------------------------------------------------------- ser.42453 シャーシ42512,裏板3910,仕様:Po500mW,回路図あり キャビネット:木製箱型,正面上から奥に角窓,左SP, サイズ:372w,165d,225h, 周波数:550-1500KC ツマミ:3点 (1)PoSW (2)VC (3)再生 端子: 3P(AL,AS,E) 真空管:
裏板にマツダ真空管使用のラベル (部品) 亜鉛メッキ鉄シャーシ, VC:小さい,20pF並列。ANT:STAR-COIL, SP:8"マグSP,PT CHEM:オリジナルは取り外され (1)東京無線(TM)箱型1000V/2μ,(2)NewStar チューブラ250V3μ (3)NewStar チューブラ50V10μ(4)NewStar チューブラ250V3μ (現状)キャビネットと裏板は虫くい酷い。 シャーシ錆在り,戦後修理跡。ケミコンの他,新バンド対応? ACケーブル付き,固定ネジあり |
このラジオは七欧無線電気製で,内容はシャープと同じ標準10号,1943年4月製です。伊藤ラジオ商会の広告(無線と実験1943年1月号)には,真空管は57-56-12A-12F(マツダ球付き)と紹介されています。戦時中,放送用受信機は1943年までは製造されていました。
正面パネル。写りが悪いのはカメラのせい。色はもう少しましな茶色です。ダイヤル面は透明でない樹脂を使っている。
私が入手した時,UY-56はオリジナルでした(東芝マツダの刻印入り)が,他の3本は交換されていました。UZ-57はHEC(光電気),UX-12Aは松下ナショナルの1955年5月製12A(QE),KX-12Fは八曜(8個の太陽?マーク,KO Tron製,8-5)の球でした。最後の球は桶型ゲッタですので,戦時中のものかもしれません。SPはWestonとシールがあります。VCはFVCです。
B6 43 97.B.03 4.5k ナナオラN1 43 WB ST-4並4再生 □□○□▲○ ------------------------------------------------------------- 仕様(銘板):ナナオラN-10型受信機 電源:50-60ac 100V 0.18A 受信周波数帯:550-1500KC, 感度階級:中電界級 電気的出力-----mW, 昭和18年4月製作 No.879066 七欧無線電気株式会社 回路図なし キャビネット:木製箱型, サイズ:372w,165d,225h, パネル:右に角窓ダイヤル,左SPグリル(5本の彫り穴), ツマミ:3点,三角配置 (1左)PoSW (2中央上)VC (3右)再生 端子: 3P(AL,AS,E) 真空管:
(部品) 亜鉛メッキ鉄シャーシ, Coil:40mmf,VC:FVC。ANT:STAR-COIL, SP:Weston 8"マグSP,PT CHEM:BBR佐藤電機工業所(紙箱) (現状)キャビネットと裏板はOK。SP外観OK。SPグリル布一部ハゲ。 シャーシ錆在り,戦後修理跡。 ACプラグなし,固定ネジあり |