ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオ

written by Koji HAYASHI, Ibaraki JAPAN

Mini-Museum of Japanese Radios/日本のラジオのミニ博物館

Tube Radios Before WWII/戦前の真空管ラジオ

3. War-Time Radios/戦時期のラジオ

1)Nami-Yon and Single RF/並四と高一

3: National Policy type Namiyon
31: National Policy type Koichi
35: National Defence Battery type
34: 'Extra' Transformer-less

2)Broadcasting Corporation Type Receiver/放送局型ラジオ

32C: Japan Broadcast Corporation Type
322:JBC type 122 Transformer-less receiver
323: JBC type 123 Transformer-less receiver
32U:JBC Wired & Wireless

Page 323 JBC Type 123 Transformer-less Receiver (1940-1945)/トランスレス放送局型第123号受信機

1st ed. (1998.3.20), 2nd ed.(2001.5.23), 3rd ed.(2002.8.3), (2006.7.3)-(2010.5.3)

HomePageRadio/Radio_P323.html

Early-time Normal model/初期の正規型
War-time Earlier model/ 戦時型1(前期)

D1A(147) Tiger JBC123 (Early Type) in 1941/タイガー電機の放送局第123号受信機 (正規型), ('01.6.17), ['01.7.28]

D1(44) Wave JBC123 in 1943?/石川無線の放送局第123号受信機, ('97.11.4)

D1(162) Unknown JBC123-Early-Time Type Box and Later Type chassis in 194X/メーカ不明 放送局型第123号(初期型箱,後期型シャーシ), ('02.4.12) [02.8.3]

D1(105) Tiger JBC123 in 1942.5/タイガー電機の放送局第123号受信機 , ('99.11.x)

Chassis of War-time model/戦時型シャーシ
War-time Later model/戦時型2(後期)

D1(11). Televian? JBC123 Chassis in 1943?/山中電機?の放送局型第123号のシャーシ, ('96.5.20),

D1(122) Hermes JBC123 in 1943/大阪無線の放送局第123号受信機, ('00.5.17)

D1(148) Unknown JBC123 Chasis in 1942-3?/メーカ不明の放送局第123号受信機シャーシ, ('01.7.28)

D1(160) Futaba JBC123-II in 194X/双葉 放送局型第123号(後期2型), ('02.3.6), [02.8.3],


Introduction to JBC type 123 Reciever/放送局型受信機第123号入門


D1. Japan Broadcasting Corporation Type 123 Receiver/放送局型受信機第123号 1940-

放送局型第123号受信機は,日本放送協会が1940年10月31日*に第122号とともに制定した長距離用(微弱電界用)のトランスレス・ペントード4球受信機の規格である。各社が同じデザイン,同じ回路図で製造した。当時の国内標準であった高1型受信機をトランスレス化したので,受信可能エリアも同じ,最も広く普及した。真空管は東京電気(現,東芝)が1939年,日本放送協会の依頼を受けて開発した150mA系のトランスレスラジオ専用管で,12Y-V112Y-R1, 12Z-P1, 24Z-K2の4本, それに安定抵抗管B37が使用されている。東京電気の当初の開発品目には,トランスレススーパー用の周波数変換管12W-C1や発振管12Y-L1,検波増幅管12Z-DH1,近距離用受信機の小電力整流管12Z-K1も含まれていたが,トランスレススーパーは放送局型受信機としては規格化されなかった。近距離用受信機は東芝によって原形が作られた(東芝41型)が,放送局型受信機としては最後に廃案になり規格化されなかった。キャビネットのデザインも放送局型第122号受信機と同様に規格として制定され,各社が同じ物を製造することになっていた。

*(電子管の歴史),**,***ラジオ少年の内田さんの放送協会の資料

放送局型第123号受信機は,1940年10月に規格が制定されてから翌年にはメーカーによる製品が出荷されたようである。しかし,本当に製造が強化されたのは1941年12月の日米開戦以来で,原材料の逼迫と配給性の強化,更なる省資源型への要求を満たすために急遽設計変更が行われた。2回にわたるモデルチェンジが知られている。一回目の変更は1942年3月制定**で,シャーシ設計が大幅に変更された他,回路設計,キャビネットデザインが若干変更された。(ラジオ工房の内尾さんの分類によれば,)1940年10月制定のモデルが初期型または「正規」型,1942年3月制定のモデルを「戦時型(前期モデル)」と呼ぶ。戦時型はさらに,1942年11月に改定***が加えられ,キャビネットデザインが箱型に簡略化された。これを「戦時型後期モデル」と呼ぶ。

1942年3月制定のモデルでは,戦前の高一ラジオ特有の大きなコイルシールド用金属筒を廃止するため,シャーシのシールド効果を期待して高1用の2つのコイルの一方をシャーシ上面へ,他方をシャーシ下面に移動した。また,真空管そのものにも改良が加えられた。高周波増幅管12Y-V112Y-R1は開発当初6.3V兼トランスレス用のUZ-77, UZ-78を原形に作ったので,真空管内部にプレートを包むアウタースクリーンと呼ばれるシールド筒が組み込まれていたが,製造を容易にするためこれを廃止し,UZ-58/UZ-6D6, UZ-57/UZ-6C6と同様にガラス管内面に灰色のカーボンスートを施したものに変更した。この系統の球は電極上部のガラス管壁に密接させたシールドが必要になるので,真空管シールド筒は直管型から頭部を絞ったトックリ形に変更する必要があり,資材節約もあって,首のところにキャップだけ付けるあの有名なキャップ形のシールドが発明され,採用された。整流管24Z-K2のヒータは初期に絶縁用に使われたセラミックス管が安価なアルミ酸化物溶液塗布に切り替えられた。

キャビネットのデザインは,初期モデルと戦時型前期モデルでは同調ツマミの位置だけが異なる。初期モデルはバリコンに外付けのダイヤル減速機構(樹脂製円盤を用いたフリクション駆動機構)が付いていたので,駆動軸はバリコンの回転軸の少し下方に位置していた。しかし,戦時型前期モデルではバリコン自身に減速機構を付けて,外付けの駆動機構を廃止したので,ツマミ位置がやや上方に移動した。戦時型後期モデルでは,キャビネット・デザインだけの変更が行われ,面倒なキャビネット上端部の丸みを廃止し工作工数を減らしたので,まるっきりただの箱になってしまいました。

キャビネットのデザイン,「正規」型 (左)と「戦時型1」(右)

左は長真弓氏の記事(MJ誌1988年10月号,p.97)にあった「正規」型。右はNHK放送博物館のパンフレット(1996年)にある「戦時型1」。ダイヤル窓の形とツマミの位置が違います。放送博物館も1960年代は左のモデルが展示されていたようです。ちなみに,放送博物館のラジオは私が見に行った時(1996年),机にしっかりと固定され,裏は覗くことができません。さらに,多分中身はダイナミック型に改造され,つまらない録音が流れる仕組みになっていました。1990年代末に秋葉原のアンティーク店で見かけた八欧無線(ゼネラル,現富士通ゼネラル)製の123号受信機のデザインは,全く別物でした。

123号受信機のシャーシ(戦時型),無線と実験1943年1月号の表紙

無線と実験1943年1月号の表紙に123号受信機のシャーシが掲載されました。これは日本ヴィクター製でした。(日本ヴィクターは戦時下にあって企業合同の圧力がかかり当時東芝傘下に入りラジオを製造した,戦後1950年頃に松下電器産業と資本提携し傘下にはいった)。本文中には解説はありませんでした。シールド・ケースが贅沢にも2つ使用していますが,1つは筒型,他方は帽子のみといささかチグハグです。他の例を見ると検波管用の1つは省略したものがありました。一方,無線と実験の別の号には,真空管の広告では,東京電気,東芝マツダ支社がトランスレス管を掲載していました。(お茶の水の古本屋にあったが,高価で,1943年1月号しか購入できませんでした)

以上のような変遷の他,各社により多少の違いが見られます。例えば,初期型(正規型)においても,シャーシ上の部品配置が異なるものがあります。

正規型の部品配置(左)と変則型(右),戦時型

例えば,1940年制定の正規型の部品配置は左図のようですが,ラジオ工房に紹介されている正規型の写真では右図のものが見られます。右図のものは段間シールドの意味では合理的ですが,ケミコンの処遇に困るでしょう。

Early-type

War-time (Former)

War-time (Later)

Circuit

Order of Heater series

x-y-z-w-PL-B37

x-w-B37-z-y-PL

Shield of RF Trans

Tubler Shield case

none (Discontinued)

Shield of V1, V2

Tubler Shield case

Cap Shield

R in ticklar coil circuit

8 k ohm

none (Discontinued)

Chassis

Dial mechanism

Friction disc drive

Direct drive

VC with ball baring

123の特徴

感電対策

対キャビネット

キャビネット止め用ビスの絶縁

シャーシ底に樹脂製足をとりつけシャーシ対キャビネット並びにシャーシ対止め用ビスを絶縁。

同調VCシャフト,再生VCシャフト,VRシャフトの絶縁

絶縁ツマミ(ビスを使わず内面のバネで固着)

AC回路のヒューズ

両波型倍電圧整流によりシャーシはACラインに対して常に+/-100V程度の電位を持つので,ACラインの両側にヒューズを使用

アンテナ回路

同じ理由でアンテナ入力ラインにはコンデンサ1個(400WV),外部アースラインにはコンデンサ2個を直列(800WV)にして絶縁

また人がアンテナ配線,アース配線時にシャーシにふれないよう,アース線,アンテナ線をあらかじめ配線している

キャビネット

人がシャーシに触れないよう,裏蓋をネジ止めしている。露出部を皆無にした。

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Early-time -"Normal" type/初期の正規型


D1A(147)
Tiger (Early time) JBC123 Receiver in 1941/タイガー電機の放送局第123号受信機 (正規型),('01.6.17), ['01.7.28]

Here is introduced JBC( Japan Broadcast Corporation) type 123 Radio Receiver, so called, Early type model, the sample was manifactured by Tiger Electric Co. (Concerton Radio).

ここでは,放送局型第123号受信機の中でも初期型(1941年)を紹介しましょう。サンプルは戦前有名な関西のメーカ,コンサートン(タイガー電機,戦後の戸根無線,1950年代につぶれる)のものです。

私は初期型になかなか巡り会う機会がありませんで,探しはじめて5年がたった頃にYahooオークションでようやく手に入れました。今日では人気があるので,良い物は競争が激しくかないませんが,キャビネットの虫食いの酷いものを辛うじて入手できました。中身はそう痛んでいないようです。

Fig.147a Japan Broadcast Corporation Type 123, Early Time Model. /放送局型第123号受信機の初期型(1941年)

Fig.147b Back View/裏の様子。 

Fig.147c Bugs Holes on the front pannel/正面の虫食い。

木喰い虫の仕業。相当な美観です。やわらかい合板が喰われます。以前入手した国策型ラジオは天井部分が剥がれる程喰われ,修復不可能状態でしたが,本機の場合には幸い,天板もぶくぶくしている場所はほとんど有りませんので,パテを刷り込めば修復可能と判断しました。しかし,粉落ちが酷く,おちおち飾って置けません。以前,骨董品だから昔喰われたものだと高をくくっていたら,ある日,部屋中に木喰い虫の成虫(甲虫)が飛び回ったことがあります。すぐに対策する必要があります。まず,粉掃除。穴に掃除機をあてても粉は吸い取れません。そこで,とんとんと叩きながら粉を落としていきます。有る程度落ちたところで,こんどは木喰い虫のスプレー式殺虫剤を針を穴に入れて吹きかけました。何回やれば終わるでしょう。

Fig.147d Bugs Holes on the upper part of back cabinet/正面の虫食い。

裏面の虫食い。虫食いは合板を用いた正面パネルと天板だけで,天板のサン,側板,底板,裏板などには及んでいないのは幸いでした。しかし,虫の活動はすさまじいものがあり,消毒も何のその,まだ浸食を続けています。

Fig. 147e Back Pannel/裏板

Fig. 147f Nobs and screws/ツマミとシャーシネジ類

Fig.147g Electrical parts/電気部品

初期型の場合,高周波コイルはみなシールド筒に入っており,また真空管もフルサイズのシールド筒です。12Y-V1, 12Y-R1, 12Z-P1, 12Z-K2, B37のはずですが,検波管には12Y-V1が使われていました。どちらもUZ-77/UZ-78とおなじ構造の初期型のようです。

Fig.147h Bottom view of chasis/シャーシ裏

修理の後があり,大型アルミ筒コンデンサが2本見えます。

Fig.147i Circuit diagram of JBC type 123 Receiver

Fig.147j Name plate

Fig.147k Check sheet

Fig.147l Caution of Electrical shock on cabinet inside

Fig.147m Caution of Electrical shock on back panel

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D1(162) Unknown JBC123-Early-Time Type Box and Later Type chassis in 194X/メーカ不明 放送局型第123号(初期型箱,後期型シャーシ), ('02.4.12) [02.8.3]

[New.02.8.3]ラジオ・マニアが力尽くで作り上げた初期型の放送局型第123号である。キャビネットは初期型(正規型)だが,中身はダイヤル軸位置の合わない後期型のシャーシを改造して無理矢理押し込んだ涙ぐましい力作である。しかし,電気的な故障のためYahooオークションで転売されていたもの('02.4.12)。「ときどき鳴る」というラジオ。

一見,正規型だがどこか変だ。サランが違う。ツマミが違う。ダイヤル窓が良く見える。キャビネットのニスは塗りなおしてある。油性のため未だ臭う。目盛り板下には「局型123号 BHA」とある。

中身は後期型123号シャーシを改造したものだ。高床式の絶縁足材も取り去っている。球は左より12Y-V1, 24Z-K2, B49, 奥に12Z-P1, その奥に12Y-R1. この配置は後期型と同じ。前期型は高周波コイルが2個ともシールド筒に入ってシャーシ上に並ぶが,それはない。

スピーカのコイルはまき直してある。

側面の電源スイッチはスナップ型。放送局型123号では見たこと無いが,キャビネットには改造の痕跡がない。

ダイヤル軸の位置を合わせるためにバリコンの駆動機構を自作した力作。金属の足の分だけ高くなっているが,シャーシの足,四角い樹脂製の足を取り除いた分であろう。すると,円盤の径がその分大きい?回転比が小さくなっているのか?,いやいやそうではない。実はフリクション・メカの位置が高いのである。正規型はわざわざシャーシに切り欠きを作って取り付け位置をやや低くしているのであるが,本機はそれがないから,高くなってしまったのだ。また,シャフトも長いためバリコン位置が後ろにまで来てしまった。後期型バリコンは上下逆さに使っているので正規型を真似ようとするとバリコンは裏返して正常位置で使うことになる。

故障診断をはじめる。まず,電源を入れると確かに聞こえない。アンテナを付け,バリコンをぐるぐる。左がボリューム,右が再生。正規型も戦時形もその反対だ。そのうち,ボリュームいっぱいで,1点でローカル放送を辛うじて受信。音は良いが,いやに感度が悪い。ボリュームをしぼると聞こえなくなる。さて,どこかおかしい。

検波管には12Y-R1のかわりに12Y-V1が使用してある。部品点検。検波管に12Y-V1を用いていることが判明。ときどき鳴るのはグリッド電流の関係だろう。エミ減だったかもしれない。12Y-V1を持ち出した頃は鳴っていたかもしれない。検波管12Y-V1を正しい12Y-R1に交換すると感度上昇。連続的に受信できる。しかし,まだまだ。

まず,部品を追いながら回路図を描いた。

同調コイルが交換されている。トラッキングも悪いかもしれない。これは今直ぐ対策できない。

原設計にない,アンテナ・接地端子がシャーシに増設されている。アンテナ端子にビニール線を繋ぎ,受信するが,空(長)以外聞こえない。アンテナコイルの高インピーダンス側である。空(短)と接地端子には無配線であること判明。さらに,あら不思議,アンテナ端子にはバリコンから直接接続してある。ハンダ鏝を取り出してまずこれをなおす。

原設計では放送局型第123号のシャーシは+BとACグランドの中点であり,+100V程かかるので,接地端子にはコンデンサ2個直列としシャーシに接続している。本機はこれが無い。高床式の絶縁材も取り去っている。裏板もない。ツマミもネジ式。感電対策が無くなっている。注意。まあ,とりあえず感度には関係ないが,接地アンテナは使用できない。

ケミコンは交換されるのが常。原設計の紙箱入りケミコンは残されておらず,代わりに並四用の縦長の箱形ケミコンがシャーシ上に据え付けられていた。この形式の場合,底の蓋に丸穴があってリード線が何本か出ているのであるが,本機は中身を現代のケミコンに詰め変えて,しかも小さなプリント基板をはめ込んである。プリント・パターンは専用に作ったものでなく,何かの切れ端だ。高圧にもかかわらず電極間ギャップを十分取ってないので,危険なきわどい配線となっている。内部配線は空中接続が多く,支持もしっかりできてないので,私が回路図を描くために抵抗のリード線を曲げたところ動作時にショートして抵抗が燃えてしまった。

12Y-V1, 12Y-R1, 12Z-P1, 24Z-K2, B-49

回路図を描いて分かったこと。放送局型第123号の正規型では,検波段負荷回路に抵抗とコンデンサから成る高周波のパイ型フィルタがあるが,本機では省略されている。これも発振の原因かもしれない。部品が直ぐに出てこないのであとでやろう。

安定抵抗管は本来はB-37なのだが,本機では切れたB-49が飾りにさしてある。代わりに抵抗250 ohm (37.5V)が使われている。同じヒータ回路に直列に入るパイロットランプは,本来並列に抵抗50 ohm あるいは100 ohmを入れるところであるが,本機は,何かの間違えか,4.9 ohm(複雑な合成抵抗)になっている。パイロットランプの寿命が短くなる?また,+B回路は本来AC100Vを整流管24Z-K2の入力に直接入れるところだが,本機はパイロット・ランプの並列抵抗100 ohmをそのまま残しており,+B電圧は10V程度の損となる。

高周波増幅管の調整用VRが10kから5kに変更されている。部品入手難のため?もともとは,30K+20K+10Kで+100Vとしてもカソードに+16V位がかかる勘定だが,120k+20k+5kでは+3.5V程度しかバイアスかからず,ゲイン調整できない。さらに高周波段の+Bは検波段の+Bと共通にしてある。原設計ではケミコンから別々のデカップリング回路を通じて配線している。つまり,高周波段は出力段と共通にすべき。ハンダ鏝を持ってきてこれだけ直す。感度アップするが,しぼると発振する。また,こんどは歪みが酷くなる。検波段にシールドなし。アルミフォイルで真空管を巻きクリップで接地。やや安定する。おそらく定数を全て元にもどす必要あるだろう。

ヒータ接続順序を変更し,正規形としている。ヒータ順を変えたのは内尾さんのホームページの勧めによるものだろう。しかし,部品配置は後期型のままなのである。正規型はコイルがシールドケースに入り,シャーシ上に置かれるが,後期型はシャーシ内に横置きされる。シャーシ上,何故か再生バリコンと音量ボリュームの位置が反対に据え付けられている。このため,高周波増幅段の負荷側のコイルを中心に配線が交差し,発振してしまう。発振を止めるために高周波増幅回路の抵抗の定数まで変えているが,不安定。ボリュームの線類を回避させてみる。やや良くなる。

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Chassis of War-Time model/戦時型シャーシ


D(11) Televian JBC123 Receiver Chassis in 1943?/山中電機?の放送局型第123号のシャーシ, ('96.5.20)

私が始めに見つけることができた放送局型第123号受信機は,ジャンクとなったシャーシだけでした。地元の骨董屋で入手したもの。メーカー名は不明ですが,唯一残ったコンデンサの表示から山中電機テレビアンと推定しておきました。球は12Y-R1の1本が欠けてベースだけとなっていましたが,他は付いていました。でも不思議なことに,CRパーツ類がほとんどありません。実は復活させようと,一時期キャビネットまで作りました。

正面と裏面。主要部品はケミコンが無いだけで他はそろっています。

 

底面。コイルも残っているので,修復は可能です。内部に残っていた紙コンデンサにはテレビアンの文字があります。

? D1 11 96.5.20 2k テレビアン? 局型123号 1940? Wood ST-4高1再生 ■■★■

-----------------------------------------------------------------------------

キャビネット:(オリジナルは)木製箱型,天井R付き。なし

サイズ:?

周波数:535-1500kc?

ダイヤル:扇型直結減速 0-100

ツマミ:3点 (1)SW/VR (2)Tune (3)再生

真空管:12Y-V1,SUN,1級<う-t>........91>40 hks消える

12Y-R1,(ベースのみ)...........なし

12Z-P1,マツダ (刻放真鍮pin)<れ1>...59-60->39

24Z-K2,マツダ1級<P 8> ............[85,89]>40?

B37,マツダ(後) <チ?> ............. 58.3Ω

(特徴)戦時型

(部品)

シャーシ:うすい鉄製(0.7mm),銀色メッキ?内面は黒塗装。

coil,VC:

(状態)ユニット:シャーシ,VC錆びが多い。ダイヤル・パネル曲り。

(欠品)木製キャビ, キャビ付属品:側面電源SW,ツマミ2個,ダイヤル枠が無い

7.5"マグSP,ダイヤル指針(別に調達)

CRパーツのほとんど,配線ケーブルない

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D1(148) Unknown JBC123 Chassis in 1942-3?/メーカ不明の放送局第123号受信機シャーシ, ('01.7.28)

放送局型第123号受信機(後期型,戦時型)のシャーシのみYahooオークションで入手しました。メーカは不明。これまでにもシャーシのみの例としては,D(11)でも紹介しましたが,今回のは状態が大分良く,部品はほぼ揃っているようです。キャビネットは朽ち果ててしまうことが多く,ジャンクとして流通させるには中身のみとなります。真空管は真っ先に抜き取られ,別に売られてしまいます。ジャンクの中にはスピーカのコイルが切れているものは捨てられてしまうこともしばし。しかし,残っていればはずして売りやすい。シャーシ取り付けネジは散逸してしまいますが,ツマミはどこかに残っていることもあります。残るものはシャーシですが,今日,コンデンサや抵抗器欲しさに分解することは希です。バリコンやコイルは解体の際の餌食になるのですが,今回は運良く残りました。

Fig.148a Front view of JBC123 chasis/シャーシ正面

Fig.148b Top view of JBC123 chasis/上から見たシャーシ

Fig.148c Top side view of JBC123 chasis/横上から見たシャーシ

Fig.148d Bottom view of JBC123 chasis/裏から見たシャーシ

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War-time Earlier model/戦時型1前期


D(44) Wave JBC123 Receiver in 1943?/石川無線の放送局第123号受信機, ('97.11.4)

東京の石川無線(ブランド名ウェーブ)の製造による放送局型第123号受信機。地元の骨董屋で入手したもの。

正面パネル。汚れたままの状態。ツマミはオリジナルでないが同時代のものを付けて撮影。良く保存されている。正面左下には,放送局型受信機の証の菱形のロゴとNo.12304とある。

裏面。右側面には丸穴がある。電源スイッチの取り付け穴だが,ACコードの途中の中継スイッチに改造され,失われている。 

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D(105) Tiger JBC123 Receiver/タイガー電機の放送局第123号受信機 in 1942, ('99.11.x)

正面パネル,放送局型受信機の証の菱形のロゴとNo.12305?とある。回路図には17.2とある。まだYahooオークションが無い頃に,インターネットリサイクル店で見つけて購入したラジオ。@5k。全体的に焼けており,内部は特に煤けている。側板は糊がやや剥がれている。しかし,オリジナルのケミコンが付いている。ツマミは1つ紛失していたので似たものを付けて撮影した。窓は茶化して見えない。研磨すれば見えるらしい。そのうち掃除しよう。

正面はこれ。

シャーシは錆が出ている。

底には放熱の穴?

側板の電源スイッチ。

底板の回路図。

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War-time Later model/戦時型2後期モデル


D(122) Hermes JBC type 123 Receiver (War-time Later model) in 1943 /大阪無線の放送局第123号受信機(戦時型後期), ('00.5.17)

戦時型後期の放送局型第123号受信機です。大阪無線(昔の大阪変圧器,ブランド名ヘルメス)製。正面パネル。以前の格好の良いものからすると変則的なキャビネット・デザインだが,左側面に放送局型受信機の証の菱形のロゴとNo.12307?とある。つまり,これでも列記とした123号なのである。@12k

正面。ツマミは3つともオリジナルでない。塗装は一度手が入れられているようである。ニスかクリアラッカーのむらがある。

側板に放送局型受信機の証がある。

内部の状態は良いようである。電源スイッチは配線が脱落している。

底板。ネジが3つ無い。

裏板。

感電に対する注意のようである。

内部の底にあった貼り紙。配置図。

底板の配線図。

実は12Y-V1が12BA6に差し替えられている。

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D1(160). Futaba JBC type 123 Receiver (War-time Later moddel) in 1943?/双葉 放送局型第123号受信機(戦時型後期)
, ('02.3.6), [02.8.3],

[02.8.3]戦時型後期(箱形のキャビネット)の放送局型第123号受信機(2台目)です。関西にあった双葉電機株式会社製。Yahooオークションで入手したもの。6.1k。最近は球を買うよりもラジオを買う方が安い?

サラン布破れ,スピーカコーン紙も破れがあり,裏蓋ないが,それ以外に損傷はない。真空管も揃っている。しかし,真空管は戦後のものと見られ,ラジオに回路図もないことから,戦後の製造かもしれない。

サラン布破れ,スピーカコーン紙も破れがあり。

紙類は唯一,「放送局型第百二十三号受信機 真空管配置図」があるのみ。そこに双葉電機株式会社と残っている。Ser. 20289

戦後,修理の手が入り,ケミコン追加,コイル交換,スピーカが外され,また近代ネジで付けられているが,今ははずれかかっている。スピーカのサラン布ははぎ取られ,コーン紙は破れている。しかし,コーン紙は残っている。布は黄色の絹目のもの。フレームは硫黄紙である。裏蓋ない。

裏蓋ないが,それ以外に損傷はない。真空管も揃っている。アンテナ同調コイルはSTARになっている。

残された球は,

12Y-V1 ...サイクルマーク(プロペラロゴ) ...ガラスプリント,脇逆さまに(一級),裏に管名八角枠,クリアガラス,ステム青10, ベース裏(ハ)

12Y-R1 ...12Y-V1サイクルマーク(プロペラロゴ) ...ガラスプリント,(一級),裏に管名八角枠,クリアガラス,ステム青マ, ベース裏(印) ...,鉄ピン(別のラジオに借用)

ここにあるのは12Y-V1 ガラスプリント(マツダ),脇(一級),裏に管名八角枠,クリアガラス ...サイクルマーク(プロペラロゴ)

12Z-P1 ...ガラスプリント(マツダ),(一級),裏に管名丸枠,青ガラス, ベース裏(ハ)

24Z-K2 ...ガラスプリント(マツダ),(放),裏に管名丸枠,青ガラス

B37 ...サイクルマーク(プロペラロゴ), ベース裏(印)

(2002.8.3土)

前日雑巾かけ,翌日掃除機で内部を掃除した。スピーカのネジをはずすとゴキブリの卵の殻が。スピーカのコーン紙の裏側にも2つ。以前のもの。スピーカはバッフル板がなく,キャビに直接ネジ止めしてあるが,左側はオリジナルの短いネジ,おおよそ10mm長の木ネジ2個。右は25mm長のもので,右は補強角材があるため宙に浮いたまま留めてあった。正規に取り付けるにはバッフル板の工作が必要。

また,戦後の修理痕。ケミコンは通常の並四用紙箱1個とアルミ筒1個が上下にあった。コイルも全部交換されているかも。RF段のプレートキャップがハンダ不良で取れる。

バリコンのゴム絶縁ブッシュ(グロメット)が前方には付いているのに,後方には無く,鉄製アングルで直接シャーシに接続されている。

調査の結果,意外なことが判明。

まず,キャビネットに放送局型の認定証のスタンプが無い。単に消えただけと思っていたが,シャーシがおかしい。シャーシのスピーカ側の面の板が無い。ここには2個のヒューズボックスとACラインならびにACスイッチ用の2回線用の穴,スピーカ用の1回線が出ている穴がある。綺麗さっぱり,側板が無いのである。以前の昭和18年(1943)と思われる大坂無線製には鉄製側板と四角くくり貫いてベークライト板があった。本機ではシャーシの折り曲げしろのみ残っている。

アンテナ線が取り出される穴は原設計通り,シャーシ左上面にあるが,ACコードはシャーシ裏面の右にある。違反であろう。いよいよ部品がなくなった?

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