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Vertical Def. Amp Tubes(1)triode |
Vertical Def. Amp Tubes (2)Beam |
Video Amp Tubes (1) Single |
Video Amp Tubes (2) Combination |
Sound Amp Tubes |
TV Vertical Deflection Power Beams/垂直偏向出力用5極管とビーム管 | |||||
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TVの垂直偏向出力管の系譜には大別して2種類の球があります。ひとつは適度の直線性を持った3極管,もうひとつは出力の取れるビーム出力管です。両者は回路やブラウン管の流行とともに盛衰を繰り返したので,それぞれ独立に歴史を語るのは難しいのですが,今日ではオーデイオへの転用という興味の視点から,3極管とビーム管を別ページに分けて紹介することにしました。
戦後のTV初期の頃,米国では小型出力管6K6-GT,6V6-GTが3極管接続だけでなく5極接続でも垂直偏向出力管として使われました。もっとも戦前において我が国のTVでも垂直偏向出力管にはUZ-42を使用した例があります。国内では戦後1950年代初頭は主に6V6-GTが使用され,3極管では6SN7-GTが使用されました。1955年のCESの推賞品種にはビーム5極管では,6AQ5, 6K6-GT, 6V6-GT, 6W6-GT, 25L6-GTがあげられています。ミニアチュア管では6AR5も使用されました。1950年代半ばにトランスレスTV時代が来ると,600mA系の5AQ5を東芝が1955年に国産化,1956年に日立も製造しました。(70度偏向時代にあってはカラー用の垂直偏向出力管として,また白黒用では90度偏向用に使用されました。さらに12インチ以下の450mA系TVでは114度偏向用に使用されました。)。
専用管としては,Philipsの複合管,ECL80/6AB8が最初でしょうか。70度偏向の時代に使われました。1955年頃,欧州PhilipsのTV球ECL80/ 6AB8が松下により国産化され,垂直偏向出力管に用いられました。さらにPhilipsはより大きな出力の取れるPCL82を開発しており,90度偏向用に使われました。松下は1956年,PCL82/16A8, ECL82/ 6BM8を国産。東芝,日立は1959年頃16A8の600mA管を8R-HP1として国産化,後にEAI名8B8に改名。また1960年6BM8を製造。NECも同時期8R-HP2を開発。日立は1962年6BM8系の3極部を取り替えたを8R-LP1を開発。Philips系ではさらにパービアンスを向上させたECL85/6GV8を発表し,松下が1961-2年に国産化しました。1963年東芝も6/9/18GV8を製造開始。6CW5系とともに広く使われました。また,米国では1960年代はじめにGEのコンパクトロン管による太い複合管6JZ8が作られました。この球は6CW5系よりもさらにゼロバイアスプレート電流特性が大きく,出力に余裕があるため,低+B電圧のトランスレスTVから19インチまでのTVに使われました。国内では1963年東芝は6/12/17JZ8を国産化。日立も同じ年に17JZ8を国産。NECも1964年に6/17JZ8を国産化。また輸出用でしょうか,1969年東芝は25JZ8を国産化。次に米国では1965年にSylvaniaがNovarの6LR8/21LR8, GEがCompactronの6LU8/21LU8を発表。これらはカラーTV時代の偏向出力管で大型ブラウン管に対応していました。 1965年東芝は6/21LU8を国産化。NECは1969年に6/16/21LU8を国産化。また,米国では1965年頃に450mA系の小型の低+B電圧のTV用に23Z9が開発されました。1965年東芝は23Z9を国産化。NECは1966年に23Z9を国産。1960年代末にはPhilips系により450mA系の低+B電圧の小型TV用に16A8の発展形,最終版といえる新しい球11MS8が作られ,1969年松下が国産化しています。
一方,専用の単管としては,米国系ではRCAから1956年にビーム管5AQ5のゼロバイアスプレート電流を増加させた5CZ5/6CZ5が発表されました。国内では5CZ5/6CZ5は東芝が1958年に国産化。TENも6CZ5を製造。米国ではその後,Sylvaniaにより1957年に6DW5/12DW5, 6CM6が発表されましたが,我が国では採用されませんでした。我が国では,東芝が1959年に独自に5CZ5/6CZ5のゼロバイアスプレート電流をさらに増加させたビーム管6R-B11/8R-B11を開発しました。6R-B11は一時は90度,110度,114度偏向用に広く使われ,米国にもTVセットに乗って輸出しました。米国では1950年代末に,6R-B11と類似の6EM5が発表され,我が国では1960年,日立は8EM5を,NECは6/8EM5を国産化しました。東芝は優れた6R-B11を製造しながらも海外への輸出では日本名管は不利な点から結局6/8EM5を1962年に製造開始しました。また,国内では小型TV用に7ピンミニアチュアの8M-B20が開発されJIS名が付与されましたが,TV製造メーカが採用しなかったため流通することなく終わりました。一方,Philips系では1950年代末に30A5の系譜のPL84/15CW5, EL86/6CW5が発表され,我が国では松下が1960年にPL84/15CW5, XL84/10CW5を,またEL86/6CW5を1961年に国産。この球は米国系のどの球よりもゼロバイアスプレート電流特性が大きく優れ,114度偏向の19インチにも低+B電圧で対応できたので,各社が製造に参入して広く使われました。東芝は1961年に輸出用にPL84/15CW5を製造し,600mA系の8CW5も1964年に国産化しました。日立は1962年PL84/15CW5を製造しました。NECは1964年に6/8/10/15CW5を製造。また,米国では1960年代に入ってGEがコンパクトロンを発表しましたが,1963年頃にカラーTVの大型ブラウン管に対応した偏向出力用の単管としてコンパクトロン管6HE5,10JA5, 6JB5が作られてました。我が国では使用されることはなかったようですが,東芝は10JA5を1971年輸出用に国産化。また,1960年代末にはPhilips系によりマグノーバル管のカラー用大形管偏向出力管25HX5が発表されました。これは水平偏向出力管25E5/PL36のトッププレートを廃止したマグノーバル管で,ついに垂直偏向出力管がかつての水平偏向出力管の大きさにまで巨大化してしまったことを意味しました。国内では1969年に松下が25HX5を国産化しました。
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5 Series Beam Pentode |
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5 Series Beam |
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6 Series Pentode |
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6 Series Beam |
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8 Series Pentode/ Beam Pentode (Dissimilar unit) |
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8 Series Beam (Dissimilar unit) |
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9 Series Beam (Dual Triode Beam) |
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Eh V |
Ih A |
Eb max (V) |
Eb peak (V) |
Esg max (V) |
Ec peak (-V) |
Pb Max (W) |
Psg Max (W) |
Ik mA |
Ik max mA |
Eb (V) |
Esg (V) (Rg2) |
Eg -V (Rk) |
Ib mA |
Isg mA |
rp kΩ |
gm mA/V |
μ |
| ||||||||||||||||||
5AQ5 |
4.7 |
0.6 |
275 |
- |
275 |
- |
12 |
2.0 |
- |
- |
250 |
250 |
-12.5 |
45 |
4.5 |
52 |
4.1 |
- |
5CZ5 |
4.7 |
0.6 |
315 |
2200 |
285 |
250 |
10 |
2.0 |
140 |
40 |
250 |
250 |
-14 |
46 |
4.6 |
73 |
4.8 |
|
6EM5 |
6.3 |
0.8 |
315 |
2200 |
285 |
250 |
10 |
1.5 |
210 |
60 |
250 |
250 |
-18 |
40 |
3 |
50 |
5.1 |
8.7 |
6RB11 |
6.3 |
0.8 |
315 |
2200 |
285 |
250 |
10 |
2.0 |
210 |
60 |
200 |
200 |
-12.5 |
45 |
2.5 |
40 |
7.5 |
|
8MB20 |
8.0 |
0.6 |
275 |
2000 |
275 |
200 |
7.5 |
2.0 |
175 |
50 |
200 |
200 |
-22.5 |
37 |
1.6 |
40 |
5.6 |
|
6CW5 |
6.3 |
0.76 |
275 |
|
220 |
|
14 |
2 |
|
110 |
200 |
200 (470) |
-17.3
|
60 |
4.1 |
28 |
8.8 |
8 |
6HE5 |
6.3 |
0.8 |
350 |
2500 |
300 |
|
12 |
2.75 |
|
75 |
250 |
250 |
-20 |
43 |
3.5 |
50 |
4.1 |
|
10JA5 |
10.5 |
0.6 |
400 |
2500 |
300 |
|
19 |
2.75 |
|
110 |
135 |
125 |
-10 |
95 |
4.2 |
12 |
10.3 |
|
6JB5 |
6.3 |
0.8 |
350 |
2500 |
300 |
|
15 |
2.75 |
|
75 |
250 |
250 |
-20 |
43 |
3.5 |
50 |
4.1 |
|
6JQ6 |
6.3 |
1.2 |
425 |
2000 |
330 |
|
10 |
2.0 |
|
70 |
140 |
140 |
-18 |
35 |
2.5 |
10.5 |
4.2 |
|
| ||||||||||||||||||
6AB8 |
6.3 |
0.3 |
400 |
1200 |
250 |
|
3.5 |
1.2 |
350 |
25 |
200 |
200 |
-8 |
17.5 |
3.3 |
150 |
3.3 |
14 |
16A8 |
16 |
0.3 |
250 |
2500 |
250 |
|
5 |
1.8 |
|
50 |
200 |
200 |
-16 |
35 |
7 |
20 |
6.4 |
- |
8RHP1 |
8.0 |
0.6 |
=8B8 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
8RLP1 |
8.0 |
0.6 |
250 |
2000 |
250 |
|
8 |
2.2 |
|
75 |
150 |
150 |
-10 |
50 |
10.5 |
- |
7.9 |
|
10GV8 |
6.3 |
0.9 |
250 |
2000 |
250 |
|
7.0 |
2.0 |
|
75 |
170 |
170 |
-15 |
41 |
2.7 |
25 |
7.5 |
|
12JZ8 |
12.6 |
0.6 |
250 |
2000 |
200 |
150 |
7.0 |
1.8 |
245 |
70 |
120 |
110 |
-8 |
46 |
- |
11.7 |
7.1 |
|
6LR8 |
6.3 |
1.5 |
400 |
- |
300 |
- |
14 |
2.75 |
- |
- |
135 |
120 |
-10 |
56 |
3 |
12 |
9.3 |
|
6LU8 |
6.3 |
1.5 |
400 |
2500 |
300 |
250 |
14 |
2.75 |
260 |
75 |
135 |
120 |
-10 |
56 |
3 |
12 |
9.3 |
|
23Z9 |
23 |
0.45 |
250 |
2000 |
200 |
150 |
7.0 |
1.8 |
245 |
70 |
120 |
110 |
-8 |
46 |
3.5 |
11.7 |
7.1 |
|
11MS8 |
11.6 |
0.45 |
250 |
2000 |
200 |
- |
6.0 |
1.5 |
- |
70 |
120 |
110 |
-10 |
50 |
3.0 |
13.0 |
8.5 |
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トランス付きTVの垂直偏向出力管。東芝。1959年。6.3V管の他に600mAシリーズの8R-B11もある。オーディオ管の動作例も知られている。
(原型・構造・特性)
6.3V,0.8A
8.5V,0.6A,mt21-4,10-27,
200V,200V,-12.5V,45mA,2.5mA,-,7.5mA/V,RL4k,4.5W
(参考6AQ5)6.3V,0.45A,
250V,250V,-12.5,45-47,4.5-7,50k,4.1mA/V,5k,4.5W,8%
(参考6CZ5)6.3V,0.45A,
250V,250V,-14,46-48,4.6-8,73k,4.8mA/V,5k,5.4W,10%
(参考6EM5)6.3V,0.8A,
250,250,-18,35-,3-,-,5.1mA/V,
原型は米国8EM5あたりと思われる。TV垂直偏向出力用のビーム管は,初期頃6V6-GTをMT化したMT7pinの6AQ5系が使われたが出力や耐圧が問題になり,パービアンスや耐圧を改良したMT9pinの6CZ5系,さらにヒータを強化しパービアンスや直線性を改善した8EM5が誕生した。日本の6/8R-B11はこの8EM5の類似球で,8EM5に比較するとパービアンスはやや高く,電力感度が50%upしたものである。電極構造は8EM5に似ている。いずれの球も肩特性は古典的な6V6-GTの延長線上にあり,6/8R-B11はその頂点に立つ球である。その後の高パービアンス球とは異なる。
東芝のモデルでは初期の頃プレートには光沢のある黒化金属色板であったが,後にアルミ被覆灰プレートになった。ヒータはコイルである。
(その後)
東芝は8EM5の生産より先に本球を生産販売し,数年後に8ME5の生産販売に参入した。他にNEC,TENなどで生産された。600mAの8R-B11は他の球の出現により1963〜1965年頃比較的早く保守品になったが,6.3V系の6R-B11はオーディオ用途にも活用されたため,60年代後半まで生産され比較的最近までストックがあった。
TV垂直偏向出力管。開発者不明。1962年〜64年。600mAシリーズのみ。
(原型・構造・特性)
8.0V,0.6A,
200V,200V,-22.5V,37mA,1.6mA,40k,5.6mA/V,275V/7.5W,275V/2.0W,IK50,ik175
200V,200V,-38V,0.1mA,
45V,150V,0V,180mA,36mA
原型不明。ヒータ電力からすると8CW5(8.0V,0.6A)相当。8EM5,8R-B11(8.5V,0.6A)はやや強力。MT9pinの8CW5に比べると最大定格は(250V/10W,250V/1.75W)よりも一周り小さいが,パービアンスは8CW5(60V,170V,145mA)に対してさらに高い。
(時代背景)
初期の頃,垂直偏向出力管には多極管としてMT7ピンの5極管6AR5やビーム管5AQ5が使われた。その後,ビーム単管では米国の6CZ5系,6EM5系などが,また5極管では欧州系複合管6BM8系,6GV8系や単管の6CW5系などが用いられた。いずれも放熱の関係からMT9ピンが採用されており,新型管でMT7ピンを採用したものは無かった。特にビーム管は小型化が難しく5AQ5以上のものは知られてなかった。
この球、頭に2極管が付いています。